古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

 古村治彦です。

 

 今回は民主党の大統領候補になりうる2人の連邦上院議員に関する論稿をご紹介します。これまでに、

 

 民主党は、バーニー・サンダース連邦上院議員を支持した、リベラル・リバータリアン連合とも言うべきグループと、ヒラリー・クリントンを支持したリベラル・人道的介入主義派連合に分かれています。この2つのグループは、国内問題ではそう大きな違いはありませんが、外交政策で大きく異なります。外国への介入・干渉(intervention)をすべきかどうか、で主張は真っ向からぶつかり合います。

 

前回ご紹介したティム・ライアンは、大統領選挙でトランプが勝利したオハイオ州の政治家で、トランプ勝利の原因となった、経済のメッセージを強く打ち出し、トランプ大統領に近い政策を主張しています。カマラ・ハリスとカーステン・ギリブランドはリベラルな主張をしており、リベラル派のスターということになります。


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カマラ・ハリス

 

 カマラ・ハリスとカーステン・ギリブランドは2020年には共に50歳を超えますから、このブログでご紹介したハワード・ディーンの発言である「50歳以下が望ましい」には適合しませんが、まだまだ年齢的に問題になることはありません。2016年の選挙で元気だったのは、日本で言えば団塊の世代の人たちだったのですから。

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カーステン・ギリブランド

 

 カマラ・ハリスはサンフランシスコ地区検事長を務め、カリフォルニア州司法長官を6年間務め、2016年に連邦上院議員に初当選しました。カリフォルニア州の司法改革を進め、その手腕が評価され、民主党指導部からの期待が大きい新人議員です。

 

 カーステン・ギリブランドは、司法界で活躍した後、2006年に連邦下院議員となり、2008年には国務長官に転身したヒラリー・クリントンの後を受けて、連邦上院議員となりました。こちらも期待の大きい政治家です。

 

 民主党のライジング・スターが2020年に大統領選挙候補者となるかどうか、注目していきたいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

カマラ・ハリスとカーステン・ギリブランドが2020年の大統領選挙での民主党の勝利を導くだろう(Kamala Harris and Kirsten Gillibrand will lead Democrats to 2020 victory

 

マイケル・スター・ホプキンズ

2017年9月3日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/pundits-blog/presidential-campaign/349036-kamala-harris-and-kirsten-gillibrand-are-the-future

 

民主党は政治状況を把握し、2016年の選挙の惨敗後の党の再建に注力している。こうした中で、党の指導部の変更が必要であることは否定できない。2016年の選挙中と選挙後、民主党の支持者たちが最も不満に思っているのは、指導部の中に多様性が欠けている点であった。民主党はバラク・オバマと写真写りの良い家族によって好影響を受けていた。それがなくなって、民主党は、ミレニアム世代を熱狂させ、支持基盤を活性化することができる候補者を見つけることに苦労している。ワシントン政治に精通している人にとっては、ミレニアム世代と民主党の支持基盤の両方に対処することは簡単な仕事ではない ということは分かりきったことである。オバマのような政治家が出てくるのは一世代(30年)に一度だ。

 

大統領退任以後、前大統領となったオバマは比較的静かに暮らしている。そして、現在の状況や事件については注意深く発言している。オバマの不在は民主党に大きな穴をあけている。ナンシー・ペロシ連邦下院民主党院内総務(カリフォルニア州選出、民主党)とチャールズ・シューマー連邦上院民主党院内総務(ニューヨーク州選出、民主党)ではこの穴を埋めることはできない。更に言うと、オバマ不在による穴は、党内の2つの勢力の争いを誘発している。1つのグループは、リバータリアン志向で、バーニー・サンダース支持グループ、もう1つは政治的に穏健な、ヒラリー支持のエスタブリッシュメントのグループで、この2つは争っている。

 

2016年の大統領選挙でこの2つのグループの争いが表に出てきた。民主党予備選挙におけるサンダース支持者とクリントン支持者との間の憎悪と反目は民主党全国大会で爆発し、ヒラリーは大統領選挙本選挙で民主党をまとめることができなかった。ヒラリーは弱いメッセージしか発信できず、選挙戦略の選択肢に失敗したことで、大統領選挙運動に失敗した。ヒラリーの歴史的な敗北は、民主党の「バーニー・ウィング」から支持を受けられなかったことが理由になったことは否定できない。

 

民主党は2020年の大統領選挙を展望している。その中で、民主党を代弁し、リーダーとなるのは誰かということが大きな疑問となっている。無所属のヴァーモント州選出の連邦上院議員サンダースが2020年の大統領選挙予備選挙に再び出馬するかどうかも関心の的になっている。民主党が急速に地域政党になってしまうかどうかも人々が懸念を持っている。政権発足後1年も経たないうちに、トランプ大統領の政権運営は無秩序状態に陥っている。こうした状況下でこれらの疑問に対する明確な答えは存在しない。しかしながら、確かに言えることは、民主党の未来は女性にかかっているということだ。

 

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)とカーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)が民主党内の台頭するスター(ライジング・スター)である。この2人は民主党をまとめ、支持基盤を構成する様々なグループの人々を熱狂させる稀有な能力を持っているように思われる。2人の連邦上院議員はアメリカ全土の遠く離れた場所から選出されてきているが、2人が選出される道筋はよく似ている。2人の女性議員は連邦上院議員になる前に法律家としてのキャリアをスタートさせた。2人は国民皆保険制度を支持している。ハリスは最近次のように語った。「国民皆保険は道徳上のそして倫理的な正しさについてのことだけではない。財政的な観点や納税者にとっての投資のリターンからも理屈に通ったものだ」。

 

オバマ大統領やエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)をはじめとする同僚の女性連邦上院議員たちからの支援を受けて、ハリスの全国的な知名度を高めた。ハリスは連邦上院議員に2016年に当選する前に、6年にわたって、カリフォルニア州司法長官を務めた。ハリスは家系に複数の人種がいることをオバマと比較されることが多い。ハリスは収入の格差、人種差別の是正、社会保障に関連する様々な問題に果敢に取り組んでいる。

 

ハリスとギリブランドは手加減なしに論争に参加し、そのために同僚の男性議員たちの多くと同じく政治的信条を明らかにすることで、批判を受けている。ハリスは議論に真正面から立ち向かっている。ハリスは連邦上院議員1年目に、ウイメンズ・マーチで演説を行い、ジェフ・セッションズ司法長官に対する連邦上院による公開の公聴会で、セッションズを激しく批判し、ヴァージニア州シャーロッツヴィルでの事件でトランプ大統領がきちんと対応するように求めた。昨年11月の大統領選挙の開票終了後、暴発寸前の有権者たちを前にして、ハリスは「私は戦う」と宣言した。連邦上院議員に就任して1年も経っていないが、ハリスは彼女の言葉を忠実に守っている。

 

同じことがギリブランドにも言える。2006年に連邦上院議員選挙に初出馬して以降、国民皆保険を訴えてきた。ニューヨーク選出の2期目の連邦上院議員であるギリブランドは、公的医療保険の導入、最低賃金の引き上げを支持し、最近では、アメリカ軍における性同一性障害の人々の入隊を制限するトランプ大統領の大統領令を批判した。ギリブランドは、ニューヨーク州北部の工業地帯に住む労働組合に加入している肉体労働者たちやニューヨーク州都市部の少数派やミレニアム世代の持つ懸念を表現することができる能力を持っている。そして、民主党員は、彼女の政治的未来についてどのようになるかと楽しみにしている。

 

ヒラリーの選挙運動はオバマの選挙運動の熱狂を再びかき立てることはできなかった。ヒラリーの選挙運動とは異なる新しい時代が民主党にやってこようとしている。ハリスとギリブランドは、ヒラリーが持っていた様々な欠点を持っていない。これらの欠点のせいで、ヒラリーは支持してくれる可能性のあった有権者を逃した。国政の場では比較的新しい参加者であり、ハリスもギリブランドも、ヒラリーがファーストレディーや国務長官を務めたことで蓄積してしまった共和党側の怒りを生み出していない。 ハリスもギリブランドも年齢や健康の点で大統領に相応しいのかどうかという疑問は出ない。2人とも 配偶者は選挙で選ばれた政治家ではないので、彼らの軽率な行為や政治上の決断に関する不公平な質問に答える必要はない。

 

ハリスとギリブランド2人が持つアメリカ大統領選挙候補者になるにあたっての最重要の特性は彼らが人々を感動させることができるという能力だ。ジョージ・W・ブッシュ大統領時代にオバマは人気を急速に上げたが、現在のアメリカには人々を感動させ動かす人物が必要だ。アメリカには信じるに足るムーヴメントが必要だ。オバマ大統領は民主党支持者を感動させ、投票に行かせて、新しい道筋をつけた。ハリスとギリブランドは窒息寸前の民主党に新しい空気を吹き入れることができる。

 

頭が切れ、献身的で、人々を動かすことができる女性がアメリカ大統領になること以上に、現状維持を打破することになるものがあるだろうか?ハリスとギリブランドは、頭が切れ、業績を残した女性で、少女たちがいつの日か残された最後のガラスの天井を打ち壊すことができると思えるように出来る人物たちであることだけが理由ではない。2人は現在のトランプ大統領が象徴していない、我が国を偉大ならしめている様々な要素を徴していることも理由なのである。

 

2020年に民主党がホワイトハウスを奪還する希望を持てるとするならば、私たちは候補者を立てるだけでなく、ムーヴメントを起こす必要がある。 人々に語りかけるに足るストーリーを持ち、選挙に出る人全てが答えなければならない質問に対する答えを用意していなければならない。その質問とは「あなたはどうして立候補しているのか?」というものだ。2020年の民主党の予備選挙に立候補する人は誰でも、民主党の政策がアメリカ国民の健康を守ることができる理由を語ることができなければならない。民主党は、民主党の政策がアメリカを安全にし、人々の生活を守り、雇用を守ることができることを説明できなければならない。民主党は複雑に入り組んだ諸問題に対する回答を用意しなければならない。

 

カマラ・ハリスとカーステン・ギリブランドには、これらの疑問に答える準備ができている。民主党の未来は流動的だが、もし有権者がこの2名の女性のどちらかに信頼を寄せる場合、大統領選挙勝利への道筋は現在の状況とは劇的に異なり、スムーズなものとなるだろう。昨年11月、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに対して、悲劇的な敗北を喫した。しかしそれでもなお、民主党の未来は女性にかかっている。2020年に向けたレースをさっそく始めようではないか。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12








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 古村治彦です。

 

 安倍晋三首相の論説が2017年9月17日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙の論説(Opinion)の欄に掲載されました。今回はこの論説をご紹介します。

 

 論説の内容は、北朝鮮の脅威に対して、国際社会が一致協力、連帯して対処しなければならない、制裁を強化し、制裁内容を強制しなければならない、というものです。

 

論説の展開は次のようなものです。①北朝鮮はこれまで国際社会が手を差し伸べてきて、合意をしてきたのに、それらをことごとく無視している。②北朝鮮は幼い少女を含む多くの日本人を拉致してきた。③国連はこれまでにも複数回にわたって制裁決議を可決し、制裁内容も厳しいものであるのに、北朝鮮はミサイル開発、核兵器開発のための物資、資金、技術などを手に入れている。④これは、今でも北朝鮮と交易している国々(主にアジア諸国)があるからだ。⑤日本はアメリカとの強固な同盟関係を確認し、アメリカ、韓国と緊密に協力する。⑥国際社会は連帯して北朝鮮の脅威に対処しなければならない。そのために国連決議の内容の履行を進めねばならない。

 

 「対話を続ける」と中国やロシアの姿勢とは一線を画し、6か国協議の枠組みの参加国のうち、日米韓、と中露を切り離して、日米韓は対話よりも今は制裁の実効を優先するということを主張しています。

 

 「対話を望んでも効果はない、無駄である」「北朝鮮に対話を求めることは、ミサイルや核兵器実験の成功に屈していると北朝鮮に考えさせる可能性が高い」「アジアの国々の中で北朝鮮と交易や労働者受け入れを継続している国々がある(これがミサイルや核兵器開発の資金や物資入手の元手となる)」という文言は中国とロシアに対する強烈な嫌味と批判です。アメリカが言えない分、日本が言わされているという感じです。

 

 この論説の内容は日中戦争時の近衛文麿首相の「国民政府を対手とせず」という「近衛声明」のようなものです。対話や交渉をここまで否定するとなると、どうしようもありません。日本政府が裏できちんと北朝鮮側とつながって話ができて、それで表向きはこのような強い調子の言葉遣いができるのなら良いのですが、そこまでのことができているのか、不安です。日中戦争当時、日中間には複数のチャンネルとなりうる人物たちが存在していましたが、それでも近衛声明の後はコンタクトが難しくなりました。それで日中戦争が泥沼化していくことになりました。日朝間のチャンネルはその時よりも細く、数が少ないものでしょう。それで「安倍声明」を出すことは、問題の解決を遠のかせることになりますし、中国とロシアに不快感を生み出すことにもなり、良いことはありません。

 

 日本は調子に乗って後で痛い目を見るという愚かな行為をまた繰り返すのかと暗澹たる思いになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

安倍晋三:北朝鮮の脅威に対する連帯(Shinzo Abe: Solidarity Against the North Korean Threat

 

安倍晋三筆

2017年9月17日

『ニューヨーク・タイムズ』紙

https://www.nytimes.com/2017/09/17/opinion/north-korea-shinzo-abe-japan.html?action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=opinion-c-col-left-region&region=opinion-c-col-left-region&WT.nav=opinion-c-col-left-region

 

東京発。北朝鮮は、世界全体に対して、前代未聞の、深刻な、そして差し迫った脅威を与えている。2017年9月3日、北朝鮮政府は非難されるべき核兵器実験を強行した。先週末、北朝鮮は、わが国、日本を飛び越える弾道ミサイルを発射した。そのわずか2週間前にも同様のミサイル発射テストを行った。北朝鮮政府は繰り返しミサイル発射テストを行ったが、これは、国際連合安全保障理事会のこれまでの決議を侵害することになる。北朝鮮は、アメリカとヨーロッパにまで、ミサイルが届くことを証明した。

 

北朝鮮の行動は国際社会に対する明確な挑戦である。2017年9月11日、国際連合安全保障理事会は、新たなより厳格な制裁内容である決議を満場一致で可決した。制裁内容は、国連加盟国に対して、北朝鮮への原油の売却を制限し、北朝鮮の繊維輸出を禁止し、加盟諸国に対して北朝鮮国民の国外労働を許可することを禁止する、というものだ。

 

これらの処置は重要なステップである。しかし、北朝鮮政府指導部はこれまで複数回出された決議を常に無視してきた。国際社会は一致団結して、制裁を実行しなければならない。

 

北東アジア地域においては、北朝鮮の脅威は25年以上にわたり、現実的なものであった。私たちは短距離、中距離ミサイルの脅威、加えて、化学兵器による攻撃の可能性にも直面している。

 

北朝鮮は、多くの無辜の日本国民を多く拉致することで日本を標的としてきた。拉致された人の中には、1977年に拉致された13歳の少女も含まれている。こうした拉致被害者のほとんどは1970年代から1980年代以降、北朝鮮にとどめられている。

 

これらの挑戦に対して、人々はすべからく平和的な解決がなされることを望んでいる。国際的な連帯が最も重要である。現在までのところ、外交を最優先し、会話の重要性を強調することは北朝鮮に対しては効果を上げていない。歴史が示しているところでは、国際社会全体による圧力が必要不可欠である。

 

1990年代初頭、北朝鮮は核拡散防止条約と国際原子力機関からの離脱を発表した。これが最初の警鐘となった。これに対して、日本、アメリカ、韓国は北朝鮮との対話に関与し、北朝鮮の核プログラムの凍結と最終的な廃棄の代償に、2基の軽水炉の建設と重油を提供することに合意した。日本、アメリカ、韓国は、ヨーロッパとアジア各国の協力を仰ぎ、この計画の財政負担のほとんどを担った。

 

私たちは次に何が起きたかを覚えている。重油供給と軽水炉建設が始まって数年後、北朝鮮はウラニウム濃縮プログラムを遂行中であると認めた。これは合意内容違反であった。

 

2002年の終わりまでに、北朝鮮は国際原子力機関の査察官たちを退去させ、2003年には核不拡散条約から公式に脱退した。中国、ロシアに加えて、日本、アメリカ、韓国が北朝鮮と交渉をするために6か国協議を創設した。北朝鮮は、朝鮮半島における検証可能な非核化を行うことに、再び合意した。しかし現実には、北朝鮮は2005年に原子力発電の所有を宣言し、2006年には核兵器実験を実行した。5か国による対話を通じての問題快活の試みは失敗に終わった。

 

簡潔に述べると、国際社会は、北朝鮮の制約に対する「補償」として制裁の緩和と支援を与えてきたが、北朝鮮政府は履行すべき義務のほとんどを無視し放置してきた。

 

これまでの歴史と現在行っているミサイル発射と核兵器実験を考慮すると、北朝鮮との更なる対話は暗礁に乗り上げるという結末に至る可能性が高い。北朝鮮政府は、更なる交渉を、「他国は我が国のミサイル発射と核兵器実験の成功に屈服した」ことの証明と考えることだろう。今こそ北朝鮮に最大の圧力をかけるときである。これ以上の遅延は許されない。

 

50年以上にわたり北朝鮮が冷酷にミサイル開発と核兵器実験を遂行できたのはどうしてだろうか?国連による10年に及ぶ継続的な制裁の下で、北朝鮮が燃料、部品、強力なエンジンを入手できたのはどうしてだろうか?統計数字によると、現在でも北朝鮮との交易を継続している国々が複数存在している。そのほとんどがアジアの国々だ。更に言うならば、こうした国々と北朝鮮との交易は2016年の段階で前年よりも拡大している。国際連合によると、北朝鮮の弾道ミサイルには外国製の部品が使用されているということだ。北朝鮮からの製品やサーヴィスを購入し続け、あるいは労働者を受け入れ続けている国々も存在している。北朝鮮はアジア地域に複数のフロント企業を設立している。これらを通じて北朝鮮は外貨にアクセスしている。

 

日本はアメリカとの鋼鉄のように強力な同盟関係を再確認することで北朝鮮の行為に対応してきた。日本はアメリカ、韓国と緊密に協力してきた。私は「全てのオプションはテーブル上にある」とするアメリカの立場を強力に支持するものである。

 

最新の核兵器実験への対応として、私は2017年9月11日の国連安保理決議2375号の即時かつ全会一致の可決を訴えた。その内容は北朝鮮に対する更に厳しい制裁を科すものだ。しかし、私は、これらの制裁の可決を単純に独りよがりで喜んでばかりいてはいけないと強調したい。北朝鮮がミサイルと核兵器開発プログラムに必要な物品、技術、資金、人材を手にすることを防ぐために、制裁内容の徹底した強制を行わねばならない。

 

北朝鮮は私たちが生きる世界に対して、深刻な脅威を与え、挑戦してきている。北朝鮮はこれまでの行為によって国際的な核不拡散体制は無視している。私たちは、北朝鮮に対して、挑発行為を止めさせ、核兵器と弾道ミサイル開発を放棄させ、拉致被害者を帰国させるようにしなければならない。それも可及的に速やかに。

 

国際社会における連帯、協力して努力すること、国連の効果的役割がこれまで以上に必要不可欠になっている。

 

※安倍晋三:日本国首相

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12







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 古村治彦です。

 

 前回は、ハワード・ディーン元民主党全国委員長が2020年の大統領選挙で民主党は勝利できないだろうと述べたことについてご紹介しました。そして、2020年の候補者は50代以下の若い人物が必要だとも述べました。

 

 今回は、民主党内で台頭しつつある若手政治家、ティム・ライアン連邦下院議員(オハイオ州選出、民主党)をご紹介します。ライアンはアイルランド系とイタリア系の両親の間に1973年に生まれました。現在44歳ですから、2020年には47歳ですから、ディーンが主張している「50代以下の若手」にあてはまります。

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ティム・ライアン
 

 大学卒業後に1995年、オハイオ州選出の連邦下院議員のスタッフとなり、その後、2000年に法科大学院を修了しました。2000年から2002年にかけて、オハイオ州上院議員を務めました。その後、2002年に連邦下院議員に当選、それから8期連続で当選しています。連邦下院議員は2年おきに選挙があり、参入しやすいということもあり、常にライヴァルたちから虎視眈々と狙われていますので、連続当選ということは困難ですが、8期連続当選というのはライアンの有能さを示しています。

 

 ライアンが名前を上げたのが、昨年の選挙後に行われた連邦下院民主党のトップとなる院内総務を決める選挙に立候補したことでした。最有力だったのはナンシー・ペロシ元連邦下院議長(カリフォルニア州選出)でした。結果はペロシが134票を獲得し当選しましたが、ライアンも63票を獲得し、善戦したという評価を受けました。

 

 ライアンは昨年の大統領選挙でトランプが勝利したオハイオ州の選出です。オハイオ州は工業地帯として知られ、トランプ大統領誕生の原動力となったラスト・ベルトの一部です。ライアンは、オハイオ州における空気を敏感に感じているようです。

 

 そして、ライアンはこれまでの民主党の主張とは相いれない、企業税の減税を主張しています。これはトランプ大統領と同じ主張です。民主党が再び人々の支持を得るためには、トランプ政権誕生の原動力となった人々の空気や雰囲気に寄り添うべきだということがライアンの考えのようです。そして、民主党内部でもライアンが台頭するスター(ライジング・スター)として扱われ始めているようです。

 

 ティム・ライアンをこれから注目していきたいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党の中で台頭するスターであるティム・ライアンが党の方針に反し、企業税の減税を支持する(Rising Dem star Tim Ryan splits with party, endorses corporate tax cuts

 

『ザ・ヒル』誌スタッフ

『ザ・ヒル』誌

2017年831

http://thehill.com/video/lawmaker-interviews/348776-rising-dem-star-tim-ryan-splits-with-party-endorses-corporate-tax

 

民主党所属の連邦下院議員ティム・ライアン(オハイオ州選出)は、党指導部に反対し、2018年の中間選挙に向けて企業にやさしい主張を行っている。

 

ライアンはオハイオ州ヤングスタウンにある選挙区事務所で本紙の取材に答えて次のように語った。「国際的に競争力を持つためには、企業税の税率を下げることが必要です。企業税が高いために、現在のところ国際的な競争力を持っていないのです」。

 

ライアンは、工業地帯であるオハイオ州出身で、民主党内で台頭しつつある。彼は民主党指導部とは異なるアプローチで大企業に接し、財界と協力して雇用を創出することを主張している。

 

「民主党は富の再分配の党というだけでは存在できない時代です。アメリカ全土で富を創出するための党となる必要があります。シリコンヴァレーやウォール街だけでなく、アメリカ全土で、です」。

 

昨年秋、ティム・ライアンは、ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が握っていた民主党院内総務の座に挑戦したことで民主党内において注目を集めた。ライアンは敗れたが、2018年の中間選挙に向けて民主党指導部に新しい血を入れることを求めることは止めなかった。

 

ライアンは次のように述べた。「ナンシー・ペロシほど党内をうまくまとめるプレイヤーはいません。私は彼女に敵意を抱いていません。わが党は2018年の中間選挙に向けてこれまでとは異なる主張を行う人間が必要だと考えます。それが私であっても他の人でも構いません」。

 

ペロシをはじめとする民主党指導者たちは、企業ではなく、中流階級の世帯の減税政策を主張している。トランプは財界に友好的な税制に関する提案を演説で行った。それを受けてペロシは水曜日、民主党としてのメッセージを声明の形で発表した。

 

ペロシは声明の中で次のように述べている。「トランプ大統領は、実行可能で雇用を創出する税制改革をアメリカ国民に提案する代わりに、大富豪ファーストで、トリクルダウン式の税制を提案しています。この提案は、アメリカの家族を犠牲にして、大富豪たちの大減税をしようというものです」。

 

ライアンは2018年の中間選挙で、民主党は連邦下院の過半数を獲得できるが、それには財界に友好的なメッセージがカギとなると述べた。

 

ライアンは次のように語っている。「東海岸と西海岸の富を工業地帯である中西部に移し、私が選出されている地域で数銭という大規模なものではなく、数百の雇用を生み出すためにはどのようにすべきか、という経済上の大きな問題を理解できれば、それが大きな転機になると私は考えています」。

 

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共和党内のグループが税制改革支援で民主党議員に感謝する内容の広告を展開(GOP group launches ad thanking Dem for backing tax-code reforms

 

ナオミ・ジャゴダ筆

2017年8月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/finance/348194-gop-group-launches-ad-thanking-dem-for-backing-tax-code-reforms

 

連邦下院共和党指導部に近いあるグループは月曜日、新しい広告を流し始めた。その内容は、ティム・ライアン連邦下院議員(オハイオ州選出、民主党)が税制改革に対して積極的な意欲を見せていることへ感謝するというものだ。

 

この広告を出したのは、「アメリカン・アクション・ネットワーク(AAN)」だ。広告では、先週のMSNBCのテレビ番組「モーニング・ジョー」に出演した際のライアンのコメントを取り上げた。ライアンは租税制度の簡素化と企業税率の引き下げを主張した。これらの問題は税制改革における共和党にとっての最重要課題となっている。

 

ライアン議員は次のように語った。「税制の簡素化が必要だと考えます。そして、企業税の引き下げも必要ですね。民主党はただの富の再分配の政党としてだけで存在できないような状況です。富を生み出す政党にならねばなりません」。

 

広告はテレビとインターネット上で火曜日からライアンの選挙区で放送されることになる。これは、税制改革を促進するAANの「ミドル・クロス・グロウス・イニシアティヴ」の最新の試みである。このグループはこの夏、共和党が議席を保持している複数の選挙区で広告を流した。今回の新しい広告は民主党の下院議員の選挙区で流す最初の広告となる。

 

ANNの上級部長コリー・ブリスは声明の中で、「私はライアン議員のコメントは、超党派の税制控除の始まりを象徴している。これはアメリカ国民にとって必要なものなので超党派の動きが出始めたのだ」と述べている。

 

税制改革はこの秋の連邦議会共和党とホワイトハウスにとっての最重要課題である。民主党の連邦議員の多くは、税制の修正と企業税の減税について、共和党側と協力することに関心を持っていると述べている。

 

しかし、共和党にとって彼らが提案する税制改革法案で民主党側の支持を得ることは難しい。民主党の議員の多くは富裕な人々の減税を望んでいない。また、共和党側が「調停(reconciliation)」として知られる過程で税制改革法案を可決することも望んでいない。この過程が使われると、連邦上院で民主党議員の賛成が必要ではなくなってしまい、民主党の存在感がなくなる。

 

ライアンは昨年の秋に民主党院内総務ナンシー・ペロシ(カリフォルニア州選出、民主党)に挑戦し敗れた。ライアンは、自身が属する民主党は進歩的な税制と株式配当への課税を強化することを主張していると述べている。

 

その後、MSNBCの番組に出演したライアンは、民主党はトランプ大統領と協力することは難しいだろう、それはトランプ大統領が「混乱」しているからだ、と述べた。

 

ライアンは続けて次のように語った。「いくつかの問題を解決しようと思っています。しかし、トランプ大統領は大変不安定なために、問題解決がとても難しい状況です。大統領は約束を守りませんしね」。

 

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民主党連邦下院議員は「共和党に冬がやってくる」と述べる(Dem rep says 'winter is coming' for GOP

 

ジョシュ・デレク筆

2017年8月24日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/347899-dem-rep-says-winter-is-coming-for-gop

 

オハイオ州選出のティム・ライアン連邦下院議員(民主党)は木曜日、「共和党に冬がやってくる」と述べた。これは、共和党側の党は争いと2018年の中間選挙で民主党が反撃に出るということを示唆した発言だ。

 

ライアンはMSNBCのインタヴューに対して、有名なドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のセリフを使って次のように答えた。「共和党は現在大きなトラブルを抱えています。共和党に冬がやってきているかのようです(winter is coming for Republican Party)」。

 

ライアンは、2020年のアメリカ大統領選挙の出馬を考えているかどうかという質問をうまくそらした。彼は「私とほかの民主党員は2018年の中間選挙に集中しています」と述べた。

 

ライアンは次のように語った。「連邦下院で過半数を回復するチャンスは大きいと思います。現在、私を含め、多くの民主党員が2018年の中間選挙に集中していると思います。下院の過半数回復のチャンスは大きいですよ」。

 

自分自身を鏡で見たときにそこに大統領としての姿が映っているのではないですか、と質問され、ライアンは「今現在、そんなことはありません。まったくね」と答えた。

 

ライアンは連邦議会における党派性の厳しさについて語った。彼は、「いくつかの問題について民主党はトランプ大統領と協力できるだろうと予測していましたが、私が予想していたよりもこれは困難なものであることが分かりました」と述べた。

 

「いくつかの問題を解決しようと思っています。しかし、トランプ大統領は大変不安定なために、問題解決がとても難しい状況です。大統領は約束を守りませんしね。ですから、大統領と何か合意に達しても、それがもともと合意した内容として実現するかどうか不確かなのです」。

 

共和党保守派とトランプ政権との間の緊張関係は今週に入ってこれまでにないほど高まった。トランプはアリゾナ州の連邦上院議員の共和党予備選挙で、現職のジェフ・フレイクの対抗馬を支持すると発言し、ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)とジョン・マケイン連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)を非難した。これで緊張関係が高まった。

 

ライアンは「トランプ大統領が現職の対抗馬を支持するなら、代償や犠牲が大きい内戦が共和党内で起きることになります」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12






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