古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

 古村治彦です。

 

 「不適切な関係(inappropriate relationship)」という言葉を覚えたのは、当時のビル・クリントン大統領がホワイトハウスのインターンだったモニカ・ルインスキーと不倫関係にあったことを認める声明の中で使われていたのを読んだときでした。

 

 今回、ヒラリーのEメール問題では、ヒラリーが国務長官在任中の国務省と、クリントン家が運営しているクリントン財団との間の「不適切な関係」に焦点になっています。これまで出てきたところでは、クリントン財団の幹部が国務省に長官のスタッフとして入ったヒラリーの側近(こちらも元はクリントン財団の幹部)に便宜を図ってくれるように頼む内容のEメールが見つかりました。

 

 そして、AP通信が、「ヒラリーが国務長官在任中に面談、もしくは電話で会談したアメリカ政府外の人物たち154名の内、85名がクリントン財団の大口献金者であった」と

報じました。

 

 クリントン財団の大口献金者だから便宜を図ってもらえたのかどうかがここでの焦点となります。ヒラリーが直接お金をもらって会談したり、電話で話したりということはさすがにないと思いますが、「この人はクリントン財団に多額の寄付をしているの、それなら会いましょう、話しましょう」ということになれば、倫理上まずいことになります。

 

 また、個のような倫理上のことは大統領選挙に出ればつつかれることくらいは、政治の世界で生きてきた人なら思いつくと思いますが、それに対する対応策が出来ていないとなると、「ヒラリーと側近たちでアメリカ政府を動かして果たして大丈夫なのか」という声が上がるのは当然です。ヒラリーは脇が甘い、そんなことで、生き馬の目を抜く国際政治の世界で、アメリカの国益を守れるのかという声が上がります。

 

 法律を破った行為であると証明することは難しいでしょうが、印象は悪くなります。こうしたことも含めて、9月上旬に出される世論調査の結果が気になるところです。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヒラリーはクリントン財団問題に再び直面する(Now Hillary has a big Clinton Foundation problem, too

 

クリス・シリーザ筆

2016年8月23日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/23/now-hillary-has-a-big-clinton-foundation-problem-too/

 

政治の世界では「ある印象の知覚はほぼ常に真実と同等となる」ということをヒラリー・クリントンは理解してこなかった。今回、AP通信が報じたこのストーリーについて見ていこう。

 

ヒラリーが国務長官在任中に政府外の人々と会った中の半数が、クリントン財団に個人的に、もしくは企業や団体を通じて、資金を提供した人々であった。ヒラリーが大統領に当選した場合のヒラリーの倫理観に対する挑戦ともなるほどの大きな割合である。

 

国務省がAP通信に提供した国務省の業務日誌によると、ヒラリーが国務長官在任中にアメリカ政府外の人で彼女に会った、もしくは電話で話した人は154名いる。その中の少なくとも85名がクリントン家の運営している慈善財団やその国際プログラムに資金を提供した人々であった。この85名の大口擬献金者の献金額は合計で1億5600万ドル(約156億円)となり、少なくとも40名は1人10万ドル(約1000万円)以上、20名は1人100万ドル(約1億円)を提供していた。

 

なるほど。

 

先に進む前に2つの点を確認しておこう。

 

(1)相関関係は因果関係ではない。

 

(2)何かの行為の見返りとして褒章を受けたということを証明することは極めて困難だ。

 

しかし、そんなことは分かっている。これら2つの段落を読んで、眉一つ動かさないなんてことは全くもって不可能だ。ヒラリーが国務長官在任中の4年間に直接会った、もしくは電話で話をしたアメリカ政府外の人の半数がクリントン財団の大口献金者だったのだ!半分がですよ。

 

そして、85名の人々が1億5600万ドルを寄付していた。私の計算では、一人平均で180万ドルになる。もちろん、全員が同じ金額を寄付した訳ではない。

 

これは単純に良くないことだ。本当に良くない。

 

クリントン財団が世界中で大変に素晴らしいことをやった、もしくは現在もやっていることについて疑義を持っている人は誰もいない。これは間違いない。ツイッター上のヒラリー嫌いの人たちに言っておきますが、私はこの点は認めています。しかし、クリントン財団が献金された資金でやっていることがポイントではない。問題は、国務超過在任中のヒラリーの責務とクリントン財団になされた献金との間のあまりにもいい加減な線引きなのだ。AP通信の記事の内容は、悪い行いの証明ではなく、悪い判断の証明なのである。

 

大統領ではなくても、選挙を経て就任することが出来る公職を目指す政治家にとって、次の文が有利に働くような場所は存在しない。「ヒラリー・クリントンが国務長官在任中に面談した政府外の人物の半数以上が、個人で、もしくは企業や組織を通じて、クリントン財団に献金をしていた」。

 

私が驚いたのは、ヒラリーも、彼女の側近中の側近フーマ・アベディンも、そしてビル・クリントンも、クリントン財団の誰も、このようなことは、利益の衝突(相反)になる可能性が起きるとは考えなかったということだ。国務長官に就任する時点で、ヒラリー・クリントンの大統領への野心は消え去っていなかった。彼女が再び大統領選挙に出馬する可能性は常に存在した。そして、今実際に出馬している。

 

ヒラリー選対とヒラリーの熱心な支持者たちのAP通信の記事に対する反論は次のようなものだ。「ヒラリーがこうした人々と面談したのは彼らにそれだけの正当な理由があったからだ。彼らがクリントン財団に献金をしていたかどうかは、ヒラリーが彼らに会うかもしくは電話で話すかを決定する上で影響を与えていない。彼らが献金していたというのは純粋に偶然の出来事である」。

 

反論をまとめると次のようになる。「私たちを信頼せよ。クリントン財団への献金は、ヒラリーの国務省での責務とは完全に別個野茂だということを信頼して欲しい。これを証明することは不可能だ。しかし、私たちを信頼せよ」。

 

ヒラリーが雇った弁護士たちが、これらは完全にプライヴェートだして私的なEメールサーヴァーから消去した3万通以上のEメールが出てきたときに、ヒラリー側は上記のような主張をしたのだ。ヒラリーが雇った弁護士たちはこれらのEメール全てを丹念に読んだわけでもなく、ジェイムズ・コミーFBI長官が消去されたEメールを復元したところ、業務関係のEメールが数千通出てきたと発表した。それでも私たちは、全ては正しく行われたというヒラリーの主張を信頼しなくてはいけないのだ。

 

(図1前の奴)

 

明白なこと。ヒラリー・クリントンが法律を破った、もしくは意図的に後ろ暗いことをやったということを示す証拠を私は持っていない。何一つ持っていない。しかし、読者の皆さん、ヒラリー選対が、クリントン財団と国務省は全く関係のない、別個の存在だと印象付けようとする試みに今回のAP通信の記事は暗い影を落とすことになる。

 

もし読者であるあなたがドナルド・トランプ、もしくは共和党幹部だったとして、ヒラリー・クリントンは常に「あっせん利得」モデルで物語をやってきているという考えを拡散しようとしているとすると、今回のAP通信の記事は望む物以上の素晴らしいプレゼントということになるだろう。トランプはこれまでにプレゼントに文句をつけ、うまく利用してこなかった。彼はまたプレゼントを無駄にするのだろうか?

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 

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 古村治彦です。

 

 トランプは、マイノリティへの働きかけを強めています。黒人有権者には、彼らが多く住むインナーシティ(都市部の荒廃した環境の地区。治安が悪く、教育も荒廃しているので、そこから抜け出すことが難しい)の改善を訴え、失業率を引き下げることを約束しました。

 

 また、トランプ支持のヒスパニック社会の指導者たちとトランプ・タワーで会談し、その中で、不法移民について、大規模な強制送還は行わないということを示唆したということです。

 

 どの世論調査でも、トランプはヒラリーに比べてマイノリティからの支持が高くありません。黒人の場合ではヒラリーが80%以上あるのに対して、1から2%と壊滅的です。ヒスパニックの場合では、ヒラリーが50%以上で、トランプは30%台半ばとこちらはそこまで酷くありません。メキシコは強姦犯人を送り込んでくる、メキシコのお金で国境に壁を建設しろと言ったことを考えると、ヒスパニックに関して、それだけの差で済んでいるのは大したものです。

 

 黒人有権者の中で致命的に人気がないということは逆に言うと、これからそれを伸ばしていけるだけの余地があるということです。しかし、黒人有権者は全体の10%程度ですから、大きな数字ではありますが、これまでの態度を一変させてまで狙うべき層ではありません。

 

 トランプ陣営は、予備選挙で他を圧倒することが出来た戦術を変えようとしています。トランプは、怒れる白人男性の票を取り込むことで、下馬評は低かったのに、予備選挙を勝ち切りました。しかし、本選挙となると、対象となる有権者は格段に増えます。民主党支持者を切り崩すことは無理かもしれませんが、無党派(independents)の人々からの支持がなければ当選しません。今回のマイノリティに向けたアピールは、「過激なことを言うのは止めて、現実的で多少マイノリティにも配慮した政策をやります」という無党派に向けたアピールです。

 

 これに対して保守派からは「変節した」という批判は出るでしょうが、彼らがヒラリー支持になることはありません。不満があってもトランプに投票するしかありません。

 

 これからこの効果がどのように出てくるか、世論調査の数字でも特にマイノリティの支持率を見ていきたいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

ギングリッジ:私たちは、「成熟した」「謙虚な」トランプを目撃している(Gingrich: We're seeing more 'mature,' 'humble' Trump

 

ジョナサン・スワン筆

2016年8月20日

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/292077-gingrich-were-seeing-more-mature-humble-trump

 

元連邦下院議長ニュート・ギングリッジは金曜日、ドナルド・トランプがより謙虚に、成熟しつつあると語った。

 

トランプの盟友ギングリッジは金曜夜のFOXのニュース番組に出演し、司会のシーン・ハニティに次のように語った。「今週皆さんが目撃したのは、文字通り、皆さんが見たのは、より成熟した、より謙虚になったドナルド・トランプです。こんな言い方をして、トランプが喜ぶかどうかは分かりませんがね」。

 

ギングリッジは数十年来の友人であるトランプを「世界で最も複雑な国アメリカをリードすること、3億2500万の人々を率いること、つまりアメリカ大統領になろうとすることは、本当にきついことなのだと気付き始めている人」だと形容している。

 

ギングリッジは、今週になって、トランプが自分の発言で人々を傷つけたことを後悔している(しかし、どの発言かは明確にせず)と述べたことについて賞賛した。

 

ギングリッジは、今週はトランプの選挙運動にとって「最高の週」になったと語った。

 

ギングリッジは、選挙運動における、トランプの内面の葛藤について、「それはまるで、彼自身の頑固さとIQとの間の戦いのようなものでしょうね」と語った。

 

「彼は高いIQを持っており、彼自身が新しいレヴェルに向かわねばならないということを分かっています。彼は、本物の大統領選挙候補者にならねばならないと認識しています」。

 

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トランプ:2020年には黒人有権者95%から得票するだろう(Trump: I'll get 95 percent support from black voters in 2020

ジェシー・ヘルマン筆

2016年8月19日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/292054-trump-says-hell-get-95-percent-support-of-black-voters

 

ドナルド・トランプは金曜日、彼が大統領として4年間働いた後、黒人有権者の95%は自分に投票してくれるだろうという予測を語った。

 

トランプはミシガン州ディモンデールでの集会で次のように語った。「4年後、私はアフリカ系アメリカ人有権者の95%が私に投票してくれるようになるでしょう。保証します。本当に起きると約束します。なぜなら、私はインナーシティのために結果を出しますし、アフリカ系アメリカ人のために結果を出すからです」。

 

「民主党は何も結果を出さないでしょう。彼らがやることは、アフリカ系アメリカ人の皆さんの投票を利用することだけです。彼らがやるのはそれだけです。選挙が終われば、民主党はワシントンの居場所に戻り、皆さんのためには何もやりません。このことは覚えておいてください。一つ確かなことは、同じ人に投票したら、同じ結果しか得られません。これまでの政権が何もしなかったですが、私の政権は皆さんのために働きます」。

 

トランプは、「ヒラリー・クリントンはアメリカのマイノリティよりもシリア難民を大事にする」と非難した。

 

トランプは次のように語った。「ヒラリー・クリントンは海外からの難民に仕事を与え、デトロイトのような大都市の失業中の若いアフリカ系アメリカ人には仕事を与えないでしょう。アフリカ系アメリカ人は自国で難民のようになっています」。

 

トランプは選挙戦を辻手、黒人有権者からの支持を得ることに苦労している。先週行われた各種世論調査の結果を平均してみると、トランプは黒人有権者の2%の支持しか得ていないことが明らかになっている。

 

トランプはここ数日、言葉遣いを変えて、マイノリティ有権者の支持を得ようとしている。

 

トランプは金曜日に次のように語った。「皆さんは何を失っているでしょうか?貧困の中で暮らしています。学校のレヴェルは低い。仕事がない。アフリカ系アメリカ人の若者58%は失業している。皆さんは何を失っていますか?」。

 

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トランプの最側近:彼に「許し」を与えて欲しい(Top Trump aide: Show him 'some forgiveness'

 

ジェシー・ブライネス筆

2016年8月19日

『ザ・ヒル』

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291947-trump-aide-after-regret-speech-show-trump-some

 

ドナルド・トランプが新たに起用した選対委員長ケリアン・コンウェイは金曜日、ドナルド・トランプが後悔を示した演説の後に、人々に対して、トランプを許して欲しいと語った。

 

コンウェイはABCの番組「グッド・モーニング・アメリカ」に出演して、「トランプは彼の発言で嫌な思いをした人について彼は語りました」と語った。

 

コンウェイは、「これは彼が思っていることです。トランプは昨日、ぎりぎりまで自分で演説原稿に手を入れていました。ですから、あの演説の内容は彼が書いたものでした。彼の本当の言葉です」と述べた。

 

番組の司会デイヴィッド・ムラーとのインタヴューでコンウェイは次のように語った。「デイヴィッド、これまでトランプがある人たちに対して気遣いが出来ずに、バカにするような発言をすることで、トランプに対して批判的になっている方々には、トランプに対して、少しでもその存在を認め、許してあげて欲しいと思います」。

 

ムラーは、トランプが数週間前に起こした戦死したフマヤン・カーン大尉の家族との言い争いに言及し、彼が今になって後悔の念を示したのはどうしてかと質問した。

 

コンウェイは「恐らく、トランプは後悔を感じていたと思います。しかし、それを今の時点で明らかにしたのです」と語った。彼女は更に、トランプはカーンの家族に個人的に連絡をする「かもしれない」が、「家族の皆さんが昨晩の彼の言葉を聞いたことを願っています」と述べた。

 

トランプはここ数週間、世論調査の数字を落としていた。木曜日夜にノースカロライナ州シャーロットでの選挙集会の演説の中で初めて彼の言葉遣いを後悔していると語った。しかし、どの言葉を後悔しているのかを明言しなかった。民主党のヒラリー・クリントン陣営は、「彼の演説はプロンプターを読んだだけのことだ」と切り捨てた。

 

トランプは次のように語った。「時に、議論が白熱したり、複数の問題について語ったりするときに、正しい言葉を選べないとか、間違ったことを言うということがあります。私がそうでした。そのことを残念に思っています。私の言葉で誰かが個人的な痛みを感じることになったことを残念に思います。こうした問題をそのままにしておくことは良くないと思います」。

 

コンウェイは金曜日、次の言葉を繰り返した。「私は、トランプの選挙運動が彼の真の心を見せるものに変更されることを心から願っています」。

 

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報告:アドヴァイザーたちはトランプが「陰鬱」「落ち着きがなく」「助言を聞かない」状態になっていると述べる(Report: Advisers see Trump as 'sullen, 'erratic,' 'beyond coaching'

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年8月13日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291351-report-advisers-see-trump-as-sullen-erratic-beyond

 

ドナルド・トランプのアドヴァイザーたちは、ドナルド・トランプが陰鬱になっており、プライヴェートでは落ち着きがなく、ちょっとした批判でもすぐに向きになって怒り出す状態にあると述べたと『ニューヨーク・タイムズ』紙は報じている。

 

今年の6月、トランプ側でいくつかの失敗が続いた時、トランプの娘イヴァンカ、イヴァンカの夫、更に数名の側近たちが私的にドナルド・トランプに会い、選挙戦の方向を刷新するように求めたと記事は報じている。

 

しかし、トランプはこれまで態度を変えることはなく、いくつもの論争と批判を惹起している。

 

先週だけでも、トランプはオバマ大統領をISISの「創設者」と呼び、ヒラリー・クリントンが最高裁判事にリベラルな人物を指名することを「憲法修正第2条を支持する人々」が阻止するという考えについて議論を行った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は20名以上の共和党の幹部に取材した。彼らは異口同音に、トランプが疲れ切っており、イライラし、アドヴァイスを受け付けない状態にある、また、政治過程のいくつかのポイントについて誤解していると述べているということだ。

 

トランプは、マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)が彼の再選を目指す選挙中に、「次の大統領には所属政党は関係なく協力する」と述べたことに激怒したとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。

 

トランプは、ピーター・キング連邦下院議員(ニューヨーク州選出、共和党)がテレビ番組でトランプを批判したことで不機嫌になった。トランプはこれまで長い間キング議員に献金を行っていた。

 

トランプの報道担当ジェイソン・ミラーは、ニューヨーク・タイムズ紙の取材を受けた共和党幹部たちの発言内容を否定し、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、トランプは、「元気いっぱいで」あり、「選挙戦に集中している」と語った。

 

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トランプ:共和党はアフリカ系アメリカ人への働きかけを「改選しなければならない」(Trump: GOP 'must do better' on African-American outreach

 

ベン・シュレッキンガー筆

2016年8月20日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/story/2016/08/donald-trump-gop-african-american-outreach-227233

 

ドナルド・トランプはこれまでの選挙運動で人種に関して幾つもの論争を巻き起こした。そのトランプが土曜日、共和党は黒人有権者への働きかけを改善しなくてはならないと述べた。

 

ヴァージニア州フレデリックスバーグでの演説でトランプは「アフリカ系アメリカ人共同体への働きかけは、共和党が改善しなければならない分野だ」と語った。このストーリーを以下に続ける。

 

トランプからこのようなことを言われるのは、共和党の幹部たちにしてみれば心外なことであろう。共和党の幹部たちは2012年にミット・ロムニーが大統領選挙で敗れたことを受けて、マイノリティに対する働きかけを改善する計画を立ててきたが、トランプ自身のマイノリティに対する行動や攻撃的な発言によって計画を台無しにされたという思いがある。トランプはツイッターで、白人優越主義者たちのツイートをリツイートし、黒人たちの殺人関与件数に関して実際よりも多い数字を出した誤りの統計数字をリツイートしたり、テレビ番組のインタヴューで過激派白人優越主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)を非難することを拒絶したりした。この件では、後にツイッター上でKKKについて否定した。

 

トランプは「共和党は南北戦争で勝利したリンカーンの党です。私は共和党が再びアフリカ系アメリカ人の投票先になって欲しいと思っています。私は誰も排除されない国、排除しない政党を目指します」と述べた。トランプは最近の集会で黒人有権者への明らかなアピールを行っている。その中には大きな批判を浴びた金曜日のミシガンでの演説も含まれる。 最新の4つの全国規模の世論調査の結果の平均を出してみると、トランプを支持する黒人有権者の割合は2%に留まる。これは、86%のヒラリー・クリントンだけではなく、緑の党のジル・ステインの5%、リバータリアン党のゲーリー・ジョンソンの4%に負けている。

 

土曜日の朝、トランプは、ニューヨークのトランプ・タワーで24名のヒスパニックのリーダーたちと会談を持った。バズフィートは次のように報じている。その場で、トランプは不法移民に対して「人間味があり効果的な」やり方で対処すると語った。出席者の中には、大規模な強制送還を求める彼の公的な立場について少し緩めることを占めているのだと推測する人たちもいた。

 

ここ数カ月、トランプは大規模な強制送還の提案について、演説の中で曖昧な表現に終始してきた。そして、共和党の指導者たちは、トランプがもはや不法移民全員を強制送還する意図を持っていないと語り始めた。

 

 トランプは集会で、ヒラリーの副大統領候補ティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出)を激しく批判した。ケインは2006年から2010年までヴァージニア州知事を務めた。トランプは、「失敗ばかりの州知事だったティム・ケイン。彼は任期中にヴァージニア州の失業率を倍増させ、ヴァージニア州内の不法移民の数を増大させました」と語った。トランプは最近の演説でそうしているように、プロンプターに映る演説原稿を読み上げ続けた。彼は続けて次のように読んだ。「ところで、ティム・ケインは州知事になって1週間もしないうちに、40億ドルの新しい税金を提案しました。その増税案には、年間所得が1万7000ドルの人に対する増税も含まれていました」。

 

ここ最近、トランプは、評判の悪い人物である元フォックス・ニュース会長のロジャー・アイルズの助言を受けている。トランプはまた、フォックス・ニュースに対して、彼が貿易協定の交渉にあたってどのような態度で臨むかをネットワークを通じて報じて欲しいと願っていた。トランプは、「フォックス・ニュースは公正でバランスが取れていると思う」と語った。

 

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トランプはヒスパニックに向けてアピールする(Trump makes pitch to Hispanics

 

ジョナサン・スワン、ラファエル・バーナル筆

2016年8月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/292074-trump-makes-pitch-to-hispanics

 

ドナルド・トランプは土曜日に、彼が「全国ヒスパニック・トランプのためのアドヴァイザー会議」と呼ぶグループと会談し、ヒスパニック有権者に対してのアピールを行った。

 

共和党全国委員会は、ニューヨークのマンハッタンにあるトランプ・タワーで共和党の大統領選挙候補者ドナルド・トランプと一緒に、「全国の12州からやって来たビジネス、公務、そして宗教各分野のヒスパニックのリーダーたち(NHAC)」と会談した、と発表した。

 

共和党全国委員会委員長レインス・プリーバスは声明の中で、トランプ・タワーにラティーノの指導者たちが集まったのは、「私たちがヒスパニック共同体に関与するための努力の一環だ」と語っている。

 

共和党全国委員会は声明によると、トランプとの会談後、ヒスパニックのリーダーたちは「ヒスパニックの人々に、トランプ氏が低迷する経済を建て直し、中間層を復活させ、世界規模のテロリズムを終わらせるための提案を持っているということを理解してもらうための戦略について議論することになるだろう」と述べたということだ。

 

会談に出席したラミロ・ペーニャ牧師は本誌の取材に対して、トランプ「ヒスパニック・ラティーノの人々に対して温かい心を持っており、今日、それに触れた」と語った。

 

ペーニャは更に、「今日部屋には最近彼が起用したバノンとコンウェイはいたが、彼の家族は誰もいなかった」と述べた。

 

トランプは最近選対幹部の更迭を行い、ブライトバート・ニュース社元会長スティーヴ・バノンを選対の運営責任者、世論調査専門家ケリアン。コンウェイを選対委員長に就任させた。そして、選対委員長だったポール・マナフォートは金曜日、委員長の座から退いた。

 

元プエルトリコ検事総長のホセ・フエンテスは、NHACのメンバーである。フエンテスは、「出席者たちはトランプ・タワーの談話室で、移民を含む様々な問題について議論しました」と述べた。

 

既にアメリカ国内にいる1100万人の不法移民の問題について、トランプは「全ては法律の枠内で、公平の範囲内で」対処されるべきだと語った、とフエンテスは述べた。

 

ペーニャは、大規模な強制送還は「非論理的で非現実的だ」と考えている。ペーニャは、「トランプが自分たちの意見に耳を傾けてくれた」と感じ、トランプは「不法移民の家族について取扱に注意しようとしており、家族を引き裂くつもりはないようだ」という認識を持った、と語った。

 

フエンテスは、メキシコ国境に壁を作るという問題は話題でなかったと語り、「そもそも話題に出なかったのは、それが現実的な問題ではないからだ。そもそも国境線に関してコントロールできない国は主権を持てないからだ(訳者註:アメリカはそうではないのだから、メキシコのお金で壁を作るというのは荒唐無稽だ)」と述べた。

 

フエンテスとペーニャは、不法移民に関するトランプの計画については議論しなかったと述べた。

 

ペーニャは、「詳細は選対から発表されるでしょう。トランプ陣営は不法移民に関して計画を立てているようです」と語った。

 

トランプは、マイノリティの有権者からの支持でヒラリー・クリントンに大きく水をあけられている。特に、アフリカ系・アメリカ人とラティーノでは差が開いている。いくつかの世論調査では黒人有権者の支持は1%であった。

 

しかし、ここ数日、トランプは黒人有権者に対して明らかなアピールを始めた。黒人有権者に向けて、民主党は皆さんが投票することを当然だと思っているが、皆さんがトランプ政権に投票することで何も失うものはないではないかと述べた。

 

土曜日にはヒスパニックに対しての最も重要なアピールの場となる会談を持った。ヒスパニックは人口が増え、有権者の中で割合を増やしつつあり、ネヴァダ州、コロラド州、アリゾナ州のような激戦州の結果を決める存在である。

 

トランプは、「メキシコは、アメリカ・メキシコ国境を越えてレイプ犯人と麻薬密売人をアメリカに送り込んでいる」と発言して選挙運動を開始したことで、多くのメキシコ人を遠ざけた。トランプはまた、ツイッターに、「私はヒスパニックを愛している!」というキャプションをつけてタコボウルの写真を投稿したことで、批判を浴びた。

 

共和党全国委員会によると、ヒスパニックのリーダーには聖職者や州議会議員たちが含まれていたということだ。

 

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トランプ選対委員長:「私は白人ですが、私は黒人有権者たちへのアピールに感動しました」(Trump campaign manager: 'I'm white. I was very moved' by pitch to black voters

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月21日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/292144-trump-campaign-manager-im-white-and-was-moved-by-trump

 

ドナルド・トランプの選対本部長ケリアン・コンウェイは、共和党大統領選挙候補者トランプが最近になってアフリカ系アメリカ人有権者へアピールを始めたことを擁護した。

 

コンウェイは日曜日朝のABCの番組「ディス・ウィーク」に出演し、「トランプのコメントは全て全てのアメリカ人に向けたものです。私は白人が多い共同体に住んでおり、私は白人です。私は彼のコメントにとても感動しました」と述べた。

 

コンウェイは次のように語った。「言い換えると、彼はアメリカ人に私たちは改善できると言おうとしているのです。トランプの発言で私が驚いたのは、民主党の候補者ヒラリー・クリントンは皆さんを有権者としてしか見ていないし、皆さんが自分に投票するのは当然だと考えているというものです。私は皆さんを人間として見ています」。

 

選挙運動で、トランプはアフリカ系アメリカ人に向けてアピールをしている。そして、彼らに対して、トランプに投票して何を失うものがあるだろうかと述べている。

 

トランプは次のように語った。「皆さんは貧困の中で生きています。皆さんの学校は良くない。仕事もない。58%の若者に仕事がない。私に投票してこれ以上何を失うでしょうか?」。

 

日曜日、コンウェイは「これ以上悪くしてはならない」ところまで来ているということをトランプは分かってもらおうとしているのだと述べた。

 

コンウェイは次のように語った。「若いアフリカ系アメリカ人の失業率が58%にまで達していることが良いことだと思うのなら、皆さん、どうぞヒラリー・クリントンに投票してください」。

 

コンウェイはトランプの立場を擁護し続けた。彼女は、トランプが、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック、そして「全ての」の生徒のための学校選択ヴァウチャーとチャータースクールを支持していると語った。

 

コンウェイは次のように語った。「私はこうしたことを実現するためにニューヨークで頑張ってきました。学校を選んだり、チャータースクールに行くことが出来たりすることで、能力を持つ、知性の高い生徒たちに高い質の教育を提供することが出来ます」。

 

「ヒラリー・クリントンはこれらに反対していますと彼女は語った。」

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 

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 古村治彦です。

 

 ヒラリーのEメール問題が大きくなりつつあります。

 

 ヒラリーのEメール問題とは、2012年9月11日に発生したベンガジ事件(リビア・ベンガジのアメリカ大使館が襲撃され、クリス・スティーヴンス大使と3名のアメリカ人が殺害された)の調査過程で、「ヒラリー・クリントンが、国務長の強い要請があったにもかかわらず、ハッキングなどをされやすい私的なEメールアカウントとEメールサーヴァーを使用していた」ということです。私的Eメールアカウント使用はハッキングに弱いということもありますが、業務に関わるものは全て記録として残しておくという公務の規定にも抵触する可能性がありました。

 

 2016年7月、FBIのジェイムズ・コミー長官は、ヒラリーと彼女の側近たちの国務省在職中のEメール使用について、「私的なEメールアカウントで機密情報をやり取りしていた。これは大変軽率な行動であったが、訴追するには至らない」と発表し、司法省のロレッタ・リンチ長官に報告し、私的なEメール使用での訴追はなくなりました。

 

 ヒラリーは、2014年12月に国務省に、自宅にあるEメールサーヴァーに残っていたEメールのうち、業務に関するもの3万通を提出しました。これらは、国務省の分析も済み、公開されています。業務に関するか、プライヴェート化の分類はヒラリーが雇った弁護士が行いました。そして、このEメールサーヴァーから消去されたEメールが3万通あり、これをFBIが復元し、これらもまた国務省に提出されました。これらの中には数千通の業務に関するEメールが含まれていました(ヒラリーと弁護士たちは、プライヴェートなものとして提出しなかったものの中に業務内容が含まれていたことになります)。この復元された3万通は現在国務省が調査と分類を行っています。

 

 これらのEメールについて、情報公開法に基づいて、いくつも訴訟が起こされています。そして、8月22日の月曜日に、連邦裁判所は、国務書に対して、現在国務省が調査分析中の復元された3万通のうちの約1万5000通を開示するように命じました。ただ、国務省がいつどのようにして開示するかを検討中なので、選挙の投開票日である11月8日までに間に合うかどうかは分かりません。

 

 ここでEメール問題は、①業務とは関係ないとして消去されたEメール3万通の中に、業務内容を含むものがあったので、ヒラリーの主張の信頼性が損なわれる、②これらのEメールの内容とヒラリーが連邦下院ベンガジ特別委員会で宣誓証言を行った内容との間に齟齬があった場合の偽証罪、③Eメールの内容で、ヒラリーが国務長官の権限を利用して、私腹を肥やす、もしくはクリントン財団に有利な取り扱いをして利益を得た、あっせん利得、口利きといった行為があったかどうか、ということになります。

 

 連邦下院共和党は②の偽証罪でヒラリーを告発し、FBIが捜査し、司法省が起訴するように働きかけています。マスコミは③のヒラリーが国務長官時代の国務省とクリントン財団との不適切な関係を攻めるということになっています。

 また、ヒラリーが国務長官時代に私的Eメール使用に関して、「元国務長官のコリン・パウエルからの助言を受けてそのようにした」とFBIの聴取に対して答えていたことで、失点しました。コリン・パウエルは共和党ですが、2008年、2012年の大統領選挙で民主党のバラク・オバマを支持しました。今回の大統領選挙ではパウエルは誰も支持していませんが、これでヒラリーを支持する可能性は亡くなりました。大きな魚を逃したことになります。 

 

 トランプの態度変更に合わせて、ヒラリーのEメール問題に対する追及も激しくなってきました。これからどうなるか注目です。

 

 

(貼りつけはじめ)

 

Eメール:クリントンの側近が財団の寄付者との会談を調整(Emails: Clinton aide arranged meeting with foundation donor

 

ケイティ・ボー・ウィリアムズ筆

2016年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/292250-emails-clinton-aide-arranged-meeting-with-foundation-donor

 

保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチは月曜日、ヒラリー・クリントンがやり取りしたEメールを公表した。ジュディシャル・ウォッチは、この中に、クリントン財団の大口献金者たちが当時国務長官だったヒラリー・クリントンへの特別なチャンネルが与えられていたことを示すものがあると主張している。

 

2009年、ヒラリーの首席補佐官だったフーマ・アベディンは、クリントン財団幹部ダグ・バンドと協力して、ヒラリーとバーレーンのサルマン皇太子との会談を調整した。この会談は皇太子側から求められたものだった。

 

2009年6月23日(火曜日)、バンドはアベディンに対してEメールで次のように送った。「バーレーンの皇太子が明日から金曜日まで滞在。ヒラリー・クリントンとの面会を希望。私たちにとっての良き友」。

 

アベディンはそれから数時間後に返信し、サルマン皇太子は「通常のチャンネル」を通じて、会談の日程を調整しようとしたが、火曜日から金曜日までは、彼女が良く知る人物以外には会談を持ちたくないと言っていると返事をした。

 

2日後、アベディンはバンドにEメールを送った。その内容は以下の通りだ。「バーレーンの皇太子側には明日の午前10時にヒラリー・クリントンと会談するということでどうかと提案。もし皇太子自身に会う場合には、そのことを伝えてほしい。私たちは公式のチャンネルで連絡している」。

 

サルマン皇太子は2005年にクリントン・グローバル・イニシアティヴのために奨学金プログラムを創設した。そして、クリントン財団のウェブサイトによると、2010年までに3200万ドルを提供したということだ。

 

このやり取りは2016年8月22日にジュディシャル・ウォッチが発表した725ページにわたる国務省の文書に中に含まれており、このうちの20ページ分は、2014年12月にヒラリーが国務省に提出したEメールの中には含まれていなかったとジュディシャル・ウォッチは主張している。

 

別のやり取りでは、バンドは、ヒラリーに対して、イギリスのサッカーティームのウォルヴァ―ハンプトン・ワンダラーズ・フットボール・クラブのあるメンバーのヴィザ交付プロセスをスムースにしてくれるように依頼するものだった。このメンバーは「犯罪歴」があったために、ヴィザ交付で苦労していた。この依頼は、ケイシー・ワッサーマンからのものだった。ケイシー・ワッサーマンは、ワッサーマン財団の会長で、この財団はクリントン財団に500万ドルから1000万ドルを献金していた。

 

しかし、ヒラリーのオフィスではこの依頼を実行しなかった。アベディンは「この依頼に関しては神経質にならざるを得ない。頼むことは不可能ではないが」と答えている。

 

バンドは「それなら実行しなくてよい」と答えた。ワッサーマンの報道担当は、この依頼は実行されなかったと本誌の取材に答えている。

 

新たなEメールの公開によってクリントン財団を巡る論争が継続することになった。共和党はこれまでも長年にわたり、ヒラリーを非難してきた。民主党の大統領選挙候補となった現在、ヒラリーに対しては、国務長官在任時に「口利き、あっせん行為」に関与したと非難している。

 

ジュディシャル・ウォッチ会長のトム・フィットンは声明を発表し、その中で次のように述べている。「これらの新たに公表されたEメールによって明らかにされたのは、ヒラリー・クリントンが、クリントン財団の大口献金者たちに対して便宜を図ることで、公的地位を不当に利用したということだ。ヒラリー・クリントンとその他の人物たちが法律を破ったのかどうかを決定するために、真剣なそして政府の影響から独立した捜査が必要だ」。

 

クリントン選対はこうした批判に対して反論を行った。

 

クリントン選対の報道担当ジョー・シュワーリンは次のように語った。「繰り返しになりますが、この右翼団体は1990年代からクリントン一家を追いかけまわしてきました。この団体は間違った攻撃を行うために事実を捻じ曲げてきました。どれほどこの団体がこれらの文書を悪意をもって解釈しようとも、ヒラリー・クリントンはクリントン財団への献金のために、国務長官として活動したことはないというのが事実です」。

 

月曜日、ビル・クリントン元大統領は、「11月にヒラリー・クリントンが大統領に選ばれたら、クリントン財団は外国の企業や団体からの献金受け入れを停止する」と発表した。

 

ヒラリー・クリントンは現在、クリントン財団に関与していない。一方、ビル・クリントンと娘チェルシー・クリントンは財団のイヴェントに姿を見せている。クリントン元大統領は、ヒラリーが大統領に当選したら、財団の理事の座から退き、資金集めも行わないと述べた。

 

公開書簡の中で、ビル・クリントンは、こうした変化について、「利益の衝突(相反)の可能性に関する正当な懸念」を払拭したいと述べた。しかし、ビル・クリントンは、クリントン財団の環境保護、教育、公衆衛生に関する活動について擁護した。

 

2016年8月22日、ジュディシャル・ウォッチによってEメールが公表される前に、共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプはクリントン財団の解散を求め、「クリントン財団は政治史上最も腐敗した組織だ」と批判した。

 

=====

 

これはEメールに関するコリン・パウエルとヒラリー・クリントンの闘いだ(It’s Colin Powell vs. Hillary Clinton on email

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/292266-its-colin-powell-vs-hillary-clinton-on-email

 

共和党は、ヒラリー・クリントンとコリン・パウエルとの間に起きた衝突を利用して、「民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは、国務長官時代の機密情報の取り扱いについて、FBIに対して虚偽を述べた」という彼らの主張を拡散しようとしている。

 

今週末、パウエルは、ヒラリーがFBIに対して「国務省でのEメールアカウント利用設定についてパウエルから助言を受けそれに従った」というコメントをしたと報じられたことについて、非難した。

 

ジョージ・W・ブッシュ政権下で国務長官を務めたコリン・パウエルは、今週末にハンプトンズで開催されたイヴェントに出席し、次のように述べた。「ヒラリー・クリントンの周辺の人々は私に責任を覆いかぶせようとしています。彼女がEメール設定を行ったのは、私が自分が国務長官時代にどのようにしていたかをメモに書いて送った1年も前なのです。これが真実です」。

 

共和党全国委員会委員長レインス・プリーバスは月曜日に声明を発表し、その中で、「このエピソードは、ヒラリー・クリントンがFBIに対して虚偽を述べたのかどうかという深刻な疑問を生じさせるものだ」と述べた。

 

声明の中では次のように続けて述べている。「ヒラリー・クリントンの一連の不誠実な態度は国家最高の地位を目指す候補者としては全く持って受け入れがたいものだ。彼女は真実を語ることを拒絶しており、彼女の判断力の乏しさと併せて、もし彼女が大統領に当選した場合に、どのように振る舞うことになるかを示す格好の材料となっている」。

 

ニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、ヒラリーはFBIに対して、彼自身も国務長官在任中に私的なEメールアカウントを使っていたパウエルが、彼女がオバマ政権の国務長官就任直後に、同じようにしたら良いと助言をした、と述べた、ということだ。この説明は、先週、連邦議会に提出されたFBIによるヒラリーに対する3時間半にわたった聴取の記録の要約の中に含まれていた。ヒラリー周辺の人々は、共和党がこの要約から詳細が選択的にリークして、ヒラリーを悪く描くことを恐れている。

 

作家ジョー・コナソンは最新刊の中で、2009年6月にもう一人の国務長官経験者マデリン・オルブライトのワシントンにある邸宅で行われた夕食会にパウエルとヒラリーが招待され、その席上、パウエルがヒラリーに助言を行った、と書かれている。

 

パウエルの事務所は後に、パウエルはこの夕食会のことを記憶していないが、彼に近い人々は、パウエルが彼自身のEメールシステムが国務省の通信を改善したとするメモを送ったことは認めている。

 

先月、FBI長官ジェイムズ・コミーは議会で証言を個なった。その中で、「FBIの捜査官たちはヒラリー・クリントンがFBIに対して虚偽を述べたと結論付ける証拠を持っていない」と述べた。

 

FBIの報道官は月曜日、ヒラリーのEメールに関する捜査についてコメントすることを拒否した。

 

クリントン選対にEメールでコメントを求めたが反応はなかった。

 

これまで、ヒラリーに近い人々は、ヒラリーがニューヨークにある自宅にある私的なEメールサーヴァーを使っていたことについて、それはパウエルの前例があったからだとする説明をしてきた。しかし、ヒラリー自身も彼女の選対もEメールアカウントの設定についてパウエルから助言を受けたことを正式に認めたことはなかった。

 

しかし、パウエルとの齟齬が公になることで、ヒラリーの選挙運動はダメージを受けることになるだろう。

 

パウエルは2016年の大統領選挙ではこれまで誰に対しても支持を表明してこなかった。しかし、元国務副長官リチャード・アーミテージをはじめとするパウエルに近い人々は、ヒラリー支持を表明している。

 

パウエルは共和党員として選挙名簿には登録しており、これまでも何度か大統領選挙候補者として名前が挙がった。記憶に新しいところでは、2008年と2012年の大統領選挙ではオバマを支持した。また、ヒラリーの夫ビル・クリントンが大統領就任直後には、米軍の統合参謀本部議長を務めていた。

 

パウエルは、国家安全保障関係の大物の中で、今年の大統領選挙で誰を支持するかを明らかにしてこなかった数少ない人物の一人だ。そして、これまでヒラリーを支持してこなかった。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは今回のニュースを受けて、ヒラリーを攻撃した。トランプは今回のニュースを取り上げて、有権者は彼女を信頼できないだろうと述べた。

 

トランプはフォックスの「フォックス・アンド・フレンズ」に出演して、「そうですね、よく見て下さいよ。彼女はうそつきです」と述べた。

 

トランプは続けて、「彼女はEメールに関して嘘を言いました。彼女はコリン・パウエルについて嘘を言いました。私はパウエルが怒っているのを見ました」と述べた。

 

トランプは更に「全てが嘘であり、詐欺なんです。いかさま師がやるような詐欺行為なんですよ」と述べた。

 

一連の攻撃は、よく知られたヒラリーの弱点に対するものだ。彼女の弱点は、彼女は正直ではなく、信頼できないというものだ。私的なEメールに関して何度も関心が集まることで、ヒラリーはうそつきだという主張が真実味を帯び、そのためにヒラリーはダメージを受けている。

 

月曜日には、FBIが発見した、ヒラリーが国務長官時代にやり取りをした未公開のEメール約15000通の公開が求められた。このためにヒラリーの弱点であるEメール問題はまだ続くことになる。これらのEメールと付属文書は今秋には公開されると思われるが、大統領選挙の投開票日前にどれだけのEメールが公開されるかははっきりしない。

 

加えて保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチが公表したEメールには、クリントン財団に関係する人々との連絡を確保するために私的なEメールアカウントが使われたことを示すものが含まれている。

 

パウエルとヒラリーは2人とも国務長官在任中に私的なEメールアカウントを使用していた。このために、今年初めには国務省の監察官による厳しい懲戒を受けた。

 

ジュディシャル・ウォッチは、5月に発表した報告書の中で、「パウエルとヒラリーは、適切な記録保存を行わずに公務を私的なEメールアカウントで行った。これは、政府職務規定に違反している」と結論付けている。

 

しかし、ヒラリーとパウエルの間には大きな違いが存在する、と事実関係に詳しい人々は声を揃える。

 

パウエルは国務長官在任中、個人のAOLEメールアカウントを使用し、補佐官や世界各地の外交官たちの連絡は個人のラップトップコンピュータで行っていた。

 

ヒラリーは、自宅の地下室にいくつもサーヴァーを設置し、個人で作ったclintoemail.comEメールシステムを使用していた。

 

パウエルとヒラリーの在任期間の間には4年という期間が存在した。

 

この期間で、国務省は職員たちに対してEメールのやり取りを記録することの必要性について警告を発していた。

 

またこの期間に、政府が認めたEメールアカウントを使用しないことで起きるサイバーセキュリティのリスクについての注意と関心が広がった。ジュディシャル・ウォッチは5月に発表した報告書の中で次のように書いている。「パウエルが国務長官だった期間、テクノロジーとディジタルの安全対策については流動的であった。その当時、国務省は情報技術に関連しての安全上の危険性について、その深刻さを認識していなかった」と書いている。

 

=====

 

FBIはヒラリー・クリントンが提出しなかった15000通のEメールを発見、あーあ(The FBI found 15,000 emails Hillary Clinton didn’t turn over. Uh oh.

 

クリス・シリーザ筆

2016年8月22日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/22/the-fbi-found-15000-emails-hillary-clinton-didnt-turn-over-uh-oh/

 

ヒラリー・クリントンが私的なEメール使用を決定したことで生み出された、スピン(政治の場面で行われる偏向した描き方)や政治的立ち位置を全て取り去ってみると、次の3つの事実が残る。

 

(1)ヒラリー・クリントンは私的なEメールアカウントを公務に使った最初の国務長官だ。

 

(2)彼女はまた、私的なEメールサーヴァーを自宅に置いていた最初の国務長官でもある。

 

(3)国務省からEメールの提出を求められたとき、ヒラリーは複数の弁護士を雇い、彼らに個人的なEメールと職務に関係するEメールを分類してもらった。そして、個人的なEメールはサーヴァーから永久に消去されてしまった。職務に関係したEメールは国務省に提出された。提出されたEメールは次のように分類される。

 

2016uspresidentialelectionwashingtonpost20160822001

 

ヒラリーが消去したEメールの数は、国務省に提出したものよりも多い。彼女が雇った弁護士たちは、実際には全てのEメールを読んだわけではなかった。彼らは、キーワードを検索にかけてEメールを分類した。この過程を監視したのはヒラリーの周辺人物たちで、第三者はいなかった。このEメールの分類過程に関するヒラリーの主張の重要な点は、「私を信頼せよ」だ。詳しく見ると、私が雇った弁護士たちは、国務長官としての日常業務にまで関連するEメールをすべて発見し分類し、そして国務長に提出したと彼女は主張している。

 

本日(2016年8月22日)付のワシントン・ポスト紙に、スペンサー・シュー記者が記事(タイトル:「FBIがヒラリー・クリントンのEメール問題で15000通以上のEメールを発見した」)を掲載した。これはヒラリーにとっては痛手となるであろう。

 

FBIは、ヒラリー・クリントンの私的なEメールサーヴァーに関する1年に及ぶ捜査を行い、ヒラリーの国務長官在任期間中にやり取りされ、ヒラリーが雇った弁護士たちが公表しなかったEメール1万5000通を発見した。国務省は、月曜日の朝に連邦裁判所で、いつどのようにこれらのEメールを公表するかを議論することになるだろう」

 

「先週、国務省が保守系監視団体ジュディシャル・ウォッチに対して引き渡すと述べ、司法省もそれを承認したEメールが全て公開された。これから公開されるものも足した数は、ヒラリー・クリントンが雇った弁護士たちが業務関連だと判定し、2014年12月に国務省に提出した30000通以上のEメールの約50%にあたる」。

 

うむ、なるほど。

 

従って、FBIは、ヒラリーがやりとした約15000通の文書やEメールを発見したが、これらはヒラリーが2014年12月に国務省に提出したEメールには含まれていない。もちろん、これらのEメールや文書のうちのどれも、もしくは全部が業務関連なのかどうかもはっきりしない。これらのEメール全てが、ヒラリーと弁護士たちが消去した30000通以上のEメールの一部である可能性もある。

 

 

しかし、ジェイムズ・B・コミーFBI長官は、FBIEメール問題について捜査したところ、ヒラリーが国務省に提出しなかったEメールの中に数千通の業務関連のEメールが含まれていたことを発見したと発表したことは、私たちは既に知っている。これら15000通のEメールは、コミー長官が言及したEメールの一部であることは少なくともそうだと言えるが、国務省に2014年12月に提出されたEメールと、FBIが復元して提出したEメールとの間でどれだけ重なりがあるのかは分かっていない。

 

ヒラリー選対から出された声明の内容も、これらのEメールの内容について分かっていないことを示すものだった。

 

2016uspresidentialelectionwashingtonpost20160822002

 

明白な事。ヒラリー・クリントンは私的Eメール使用問題については、FBIのコミー長官によって潔白だとされている。コミー長官とFBIは新たに公開されたEメールについては、彼らが発見したのだから、当然知っている。その上で、ヒラリーに対する起訴が適当ではないという判断を下したのだ。

 

しかし、事態はヒラリーにとって日に日に厳しくなっている。彼女は業務関連とプライヴェートなEメールの分類は適切に行われたと主張しているが、その主張は受け入れられなくなりつつある。そして、ヒラリーは、分離作業を行わないで、多くのEメールを消去したという可能性が出てきて、彼女の透明性に関して疑義も高まってくる。これは、次期大統領に向けて他をリードしている人物にとっては、悪い印象を与えるものとなる。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)

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