古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

 古村治彦です。

 日本でも報道されているが、アメリカ大統領選挙民主党予備選挙のニューハンプシャー州での予備選挙で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)が勝利を収めた。

 開票率84%の段階で、サンダースの得票率が25.7%で1位、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジの得票率が24.4%で2位、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)の得票率が19.8%で3位、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の得票率が9.3%で4位、ジョー・バイデン前副大統領の得票率が8.4%で5位となった。

 このブログでは以前から、ニューハンプシャー州での予備選挙はサンダース勝利ということをお知らせしていたので、以前からお読みになっている方々は驚かれていないだろう。しかし、私は少し驚いている。それはサンダースが大勝ちできなかったからだ。前回、2016年では、サンダースが約60%、ヒラリー・クリントン元国務長官が約38%の得票率で、サンダースの圧勝となった。アイオワ州での勢いもあり、サンダースが30%台中盤くらいの得票率になると私は考えていた。しかし、2位のブティジェッジに僅差となった。また、クロウブッシャーが3位に入ったのは意外だった。伏兵現る、という感じだ。

 ウォーレンは大隊事前の世論調査の支持率から少し低い程度で収めたが、深刻なのはバイデンだ。得票率が2桁に届かずに5位に沈むというのは想定よりもかなり低い結果だ。

 ニューハンプシャー州での予備選挙の場合は有権者登録で民主党支持、もしくは支持政党なしか第三党支持と登録している有権者が投票に参加できる。共和党支持の有権者は参加できない。この無党派の動きが重要となる。まだ詳細な分析結果は出ていないが、クロウブシャーとブティジェッジの躍進の鍵は無党派層ではないかと私は考えている。

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 さて、先日のアイオワ州での党員集会後に実施された全国規模の世論調査の結果で、サンダースがバイデンを追い抜いて初めて首位に立つという結果が出た。バイデンが首位を明け渡したのは昨年3月に世論調査が始まってから初めてのことだ。また、マイケル・ブルームバーグが躍進している。全国規模の調査で支持率17
%の3位に入っている。ブルームバーグが注力しているスーパーチューズデーの各州での世論調査でも3位につけている。バイデンと支持基盤が重なる中で、バイデンにとっては脅威となっている。

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スーパーチューズデーの州での世論調査の結果
 「前門の虎後門の狼」という言葉があるが、バイデンにとってはまさに「前門のサンダース後門のブルームバーグ」という状態である。バイデンは2月中に予備選挙が行われる各州で、サウスカロライナ州を除く3州で1位にはなれなくても格好がつく上位に入りたかったはずだ。それが4位、5位に低迷というのは大打撃だ。まだまだ序盤で戦であり、党の全国大会で指名投票ができる宣誓済み代議員数では2
%も終わっていない段階ではあるが、バイデンは、運動会の徒競走のスタートダッシュで思い切り転んでしまったようなものである。この低迷が相乗効果を生んでスーパーチューズデーでも不振となれば、ずっとトップ候補として走ってきたのに選挙戦からの撤退という事も考えられる事態だ。

 ブティジェッジにしてもクロウブシャーにしてもスーパーチューズデー以降の戦いは不透明だ。そこまでの資金力と知名度はない。やはりサンダースとバイデン、そこにウォーレンとブルームバーグが絡む選挙戦ということになるだろう。私は昨年からの情勢でバイデンが党の候補者指名を獲得するだろうと考えていたが、今はそれもだいぶ危なくなった、サンダースが民主党の指名候補になって、トランプ大統領との「ポピュリズム対決」になるのではないかと考えている。
 バイデンは「トランプに勝てる当選可能性(electability)」を売りに選挙運動を戦ってきたが、民主党員や民主党支持の有権者たちは「当選可能性なんかどうでもいい、どうせ誰が出ても勝てはしない、それならば自分の言いたいこと、考えていること、こうあって欲しいことを言っている候補者が良い」ということでサンダースに流れている。

※ウェブサイト「副島隆彦の学問道場」の「今日のぼやき」広報ページにアメリカ大統領選挙について書きました。お読みいただければ幸いです↓

<a href="http://www.snsi.jp/tops/kouhou/2165"> http://www.snsi.jp/tops/kouhou/2165</a>

(貼り付けはじめ)

モーニング・コンサルト社の世論調査においてサンダースが初めてバイデンを追い抜く(Sanders overtakes Biden for first time in Morning Consult poll

マックス・グリーンウッド筆

2020年2月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/482459-sanders-overtakes-biden-for-first-time-in-morning-consult-poll

火曜日に発表された「モーニング・コンサルト」社の最新の世論調査で、バーニー・サンダ連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)がジョー・バイデン前副大統領を追い抜いたことが明らかになった。

最新の世論調査の結果、サンダースは支持率25%を記録した。この数字は昨年3月にモーニング・コンサルト社が大統領選挙民主党予備選挙に関する世論調査を開始して以降、サンダースにとっては最も良い数字となった。一方、バイデンの支持率は22%となり、1月末と2月初めに実施した世論調査と比べて6ポイントの下落となった。

ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグの支持率も上昇して17%となった。一方、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジも支持率を伸ばし、最新の世論調査では11%を記録した。

これらの候補者以外にモーニング・コンサルト社の最新の世論調査で支持率二桁を記録したのはエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)だけで、支持率11%となった。

今回の世論調査の結果は、先週のアイオワ州でのサンダースのほぼ勝利という結果によって、サンダースの予備選挙における立場は強くなり、全国的な支持率上昇をもたらした。一方、バイデンにとっては歓迎できないニュースとなった。バイデンが支持率でトップの座を明け渡してしまうのはバイデンが出馬宣言をして以降初のこととなった。

アイオワ州での力強い結果から利益を得たのはサンダースだけではない。ブティジェッジの支持率も前回のモーニング・コンサルト社の世論超過に比べて5ポイント上昇した。ブティジェッジは現在のところアイオワ州での宣誓済み代議員獲得数でトップとなっている。

モーニング・コンサルト社の世論調査は2020年2月4日から9日にかけて15346名の大統領選挙民主党予備選挙に参加予定の有権者を対象に実施された。誤差は1ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 2020年アメリカ大統領選挙民主党予備選挙はアイオワ州の党員集会からいよいよ実際の投開票が始まった。アイオワ州では党員集会の最初と最後で2回誰を支持するかの集計を取り、スマートフォンのアプリで民主党のアイオワ州党本部に報告することになっていたが、このアプリが使いにくいものであったために、集計は大いに遅れ、結果は最終的に2020年2月10日に発表される予定だ。

 アイオワ州の党大会の暫定的な結果としては、1位にインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ、2位にバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)、3位にエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、4位にジョー・バイデン前副大統領、5位にエイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)となった。ブティジェッジとサンダースの得票率の差は0.1%と大接戦となった。これまでの世論調査では、バイデンが1位か2位に入っていたのに、4位に沈んだことが衝撃的だった。

 今年に入ってから全国的な世論調査の結果で、バーニー・サンダースの勢いが出てきたことはこのブログをお読みの皆さん方には既に当たり前の知識となっているはずだ。今、日本のメディアでいかにもびっくりしたようにアイオワ州での結果を報道しているが、このブログや私のツイッターを読んでおられる方々には「何をいまさら」という内容だ。

 民主党内部でサンダースの勢いを警戒している人々がいる。それは民主党エスタブリッシュメント派、主流派と呼ばれる人々だ。ワシントンの政治にどっぷりとつかった政治家や民主党全国委員会の幹部などだ。昔風に言えば、パーティー・ボス(party boss)だ。民主党は昔から「ボス政治」が盛んだった。人々に利益を与え、その見返りに地位を得る、というポークバレル・ポリティックス(pork barrel politics)をやってきた。

 民主党の「ボス政治」の証拠、名残りが「特別代議員(superdelegates)」という存在だ。「代議員」というのは民主党全国大会(Democratic Convention)に出席して党の意思決定に参加する人々のことだ。最大の決定事項は党の大統領選挙本選挙候補者を指名することだ。民主党は全米各州や自治領に人口に応じて全部で3977名の宣誓済み代議員(pledged delegates)を配分している。今回のアイオワ州には41名の代議員が配分されており、得票率に応じて予備選挙の候補者に配分される。最終的な結果はまだだが、ブティジェッジには13名か14名、サンダースには12名、ウォーレンには8名、バイデンには6名、クロウブッシャーには1名の代議員が配分される。この大議員たちは全国大会でそれぞれの候補者に投票する。

 特別代議員は連邦議会議員や州知事、民主党全国委員会の幹部など771名だ。この人々は全国大会に出席して、自分の意志で支持する候補者に投票することができる。自分の選挙区や州の予備選挙の結果に縛られることはない。この特別代議員制度は共和党にもあったが2012年の選挙から廃止している。
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2016年民主党全国大会
 2016年の大統領選挙民主党予備選挙はヒラリー・クリントン元国務長官とバーニー・サンダースの一騎討となった。最終的にはヒラリーが勝利した。この時の予備選挙では、特別代議員と宣誓済み代議員が一緒に投票する形で会った。そうなると、特別代議員で既に数百票の差をつけていたヒラリーの勝利は確実なものと決まっていた。これについて、おかしいではないか、特別代議員の影響力が強すぎるということで大きな非難、抗議が起きた。
2016nationaldemocraticconventionprotest001

広義の様子
 今回の予備選挙のルールは2018年に決定された。特別代議員を廃止するのではなく、影響力を弱めるということになった。これは民主党主流派が自分たちの力をどうしても温存しておきたいという意向が強く働いた結果だ。しかし、そのためにルールが複雑なものとなってしまった。

 今年の民主党全国大会では、全米に配分された宣誓済み代議員3979名の過半数1990名以上を獲得した候補者が党の指名候補となる。党全国大会までに予備選挙の投開票は全て終わっているので、その時点で1990名以上の宣誓済み代議員を獲得している候補者は自動的に党の指名候補となる。

 宣誓済み代議員2268名(全宣誓済み代議員の約57%)と超過半数を得ている候補者がいる場合には、特別代議員も宣誓済み代議員と一緒に投票できるが、結果は既に超過半数2268名(過半数は1990名)を得ている候補者の勝利であるので、特別代議員の投票が結果に影響を与えることはできない。

 今回の宣誓済み代議員1886名から2267名を獲得した候補者が出た場合、特別代議員は1回目の投票には参加できない。そして、宣誓済み代議員たちだけによる投票の結果で候補者が決まる。従って、1886名以上の宣誓済み代議員を獲得した候補者が勝利者となる。特別代議員は投票結果に影響を与えることはできない。

 「ブローカー全国大会(brokered convention)」の状態となる場合はどの候補者も宣誓済み代議員1885名を獲得できない場合だ。この場合はまず全国大会で1回目の投票が実施される。そして、1885名以上の宣誓済み代議員獲得候補者が出ないとなり、2回目の投票が実施されることになる。この時は特別代議員が投票に参加できることになる。特別代議員も入っての東京となると、投票総数4750となり、過半数は2376となる。競争的全国大会状態となると、過半数2376に達するまで投票が実施される。

 長々と書いたが、今回の民主党全国大会ではブローカー全国大会の状態にならない限り、特別代議員が影響力を行使することはできない。

 現在の勢いでサンダースが1886名以上の宣誓済み代議員を獲得するとなると、主流派が推しているバイデンは勝利できないということになる。また、誰も1885名以上の宣誓済み代議員を獲得した候補者が出ない場合でも、進歩主義派のサンダースが2位、ウォーレンが3位となった場合には2,3位連合を組むことでサンダース勝利が近づく。中道派はバイデンに一本化できるかどうかが焦点となる。そこで重要なのがこのブログでもお知らせしてきたマイケル・ブルームバーグの動きだ。
 そこで、民主党の一部で、ルールを変更すべきだという主張が出ているそうだ。2018年に決めたルールを実際に選挙が始まって変えようというのはあまりにご都合主義だ。しかし、それほどにサンダースの勢いが高まっているということを示している。

 民主党主流派は今回の選挙では一時的に特別代議員の影響力を弱めておいて、次回はまた特別代議員の影響力を高めようともしている。

 民主党内部は深刻な分裂を抱えながら大統領選挙を戦う。この分裂は修復がかなり難しいように思われる。

(貼り付けはじめ)

民主党全国委員会の複数のメンバーが民主党全国大会においてサンダースの党指名候補獲得を阻止すべくルール変更を話し合った(DNC members discuss rules change to stop Sanders at convention

―このよう話し合いがなされているというのは、予備選挙の投開票が始まる直前においてヴァ-モント州選出連邦上院議員の勢いが上がっていることについて懸念が広がっていることを示している。

デイヴィッド・サイダース筆

2020年1月31日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/news/2020/01/31/dnc-superdelegates-110083

アイオワ州デモイン発。民主党全国委員会の少数のメンバーが私的に集まって、「バーニー・サンダースの大統領選挙運動の勢いを弱める、もしくは民主党全国大会において1回回の投票で党の指名候補が決まらないようにする」ことに関する計画への支持を集めようと動き始めている。

民主党全国委員会の幹部会の休憩時間、電話やEメールを通じて、6名ほどの民主党全国委員会のメンバーたちが、いわゆるスーパーデレゲイト(特別代議員、superdelegates)が民主党全国大会において1回目の投票から参加できるようにするルールの変更を行う可能性について議論した。このようなルール変更が行われた場合、民主党全国委員会のメンバー、党所属の連邦議員、また民主党の幹部たちの持つ、党の指名候補選びへの影響力が増大することになる。現在のルールでは、スーパーデレゲイトたちは、民主党全国大会の1回目の投票で党の指名候補が決定されない場合に、投票に参加ができるようになっている。

ある民主党全国委員会のメンバーが先週、民主党全国委員会のテネシー州代表メンバーであるウイリアム・オーウェンにEメールを送ってきた。オーウェン自身はルール変更を支持していない。Eメールには「私たちはルールの変更をすべきだと確信しています。ルール変更に関しては他のメンバーからも賛成の意見を聞いています」。

オーウェンはメッセージを送ってきたメンバーの名前を明らかにすることは拒否したが、このメンバーは更に「ルール変更を実際に行うことは難しいと思います。私たちはルール変更のための会議を開くか、全国大会の場で決めるかすべきです」と書いていると述べた。

ルール変更の支持者たちは、ルール変更を行うのに十分な支持を集めることはできないと認識している。しかし、こうしたルール変更に関する会話は、民主党エスタブリッシュメント派の多くがアイオワ州党員集会を前にして大きな不安と怒りを感じていることを示している。

サンダースは支持率を伸ばし、一方でバイデンは全国レヴェルではリードを維持している。しかし、少なくとも3名の候補者たちは有力だと見られている。現在の候補者たちの数とそれぞれの勢いから、民主党全国大会においては、1回目の投票で党の指名候補が決まらずに2回目の投票が必要となると見込まれている。

月曜日のアイオワ州での党員集会でサンダースが勝利を収め、これ以降も支持を伸ばし続ける場合、全国大会において多数の宣誓済み代議員(pledged delegates)を獲得しているという想定も可能となる。しかし、サンダースは、1回目の投票で過半数を獲得し、党の指名候補となるには不十分な数しか獲得できないだろうと考えられている。サンダースと同じ進歩主義派のエリザベス・ウォーレンが獲得宣誓済み代議員数で2位か3位で民主党全国大会に臨む場合、サンダースとウォーレンの獲得代位議員数を合計すると、トップを上回る可能性もある。

2回目の投票になってスーパーデレゲイトは自分たちが支持する候補者に投票することになる。そうなれば形勢を逆転できる(訳者註:サンダースではなくバイデンを党の指名候補に選ぶことができる)であろうが、民主党員の多くは、そのような結果になれば、党の指名候補になった人物の本選挙での戦いの邪魔となる反乱がおきるかもしれないと懸念している。

ルール変更に関する会話は、サンダースが予備選挙で勢いを増している中で行われた。しかし、民主党全国委員会の中で具体的に話が進んでいるものではない。

サウスカロライナ州出身の民主党全国委員会元委員長ドン・ファウラーは「民主党全国大会の場で今回の候補者選びの過程に関するルールの変更について会話がなされたそうです。しかし、それは正式なものではなくて気軽なものだった。私も少し参加しましたよ」と述べている。ファウラーは2018年に民主党全国委員会が最終決定された、スーパーデレゲイトが党の大統領選挙指名候補選びの過程において持っている力を削ぐことに反対した人物だ。ファウラーは続けて「しかし、はっきりさせておきたいのは、私は2020年の党の全国大会の場でそのようなルール変更をしようと試みる勢力には加担していません」と述べた。

ファウラーは更に次のように語った。「民主党全国委員会の席上でルールを決めるにあたり私たちの主張は通りませんでした。それで私たちがルール変更に関して今回の全国大会の場で争いを起こそうとするのは誠意ある態度ではないと思います」。彼は、そのようなことをすれば、「民主党全国大会の歴史の中で最も忌むべき戦い」が展開される結果になってしまうだろう、と述べた。

ファウラーは会話に参加したメンバーの名前を明かすことを拒絶した。そして、民主党全国委員会はルール変更に関する考えを却下した。

民主党全国委員会の広報担当デイヴィッド・バーグスタインはEメールを通じた取材に対して次のように答えた。「現在の民主党全国委員会委員長トム・ペレズは、あらゆる手段を講じて、自動的に決定される代議員(スーパーデレゲイト)ではなく、民主党の指名候補が予備選挙の投票を通じて選ばれた宣誓済み代議員によってえらばれるようになるよう戦いました。民主党全国委員会は今回のルール改正を満場一致で可決しました。現在のルールは私たちの党をより強くし、党の指名を受けた候補者が、党を支える支持者の方々から全面的な支援を受けられるようにするものです」。

どの候補者も代議員の過半数を獲得しない全国大会になってスーパーデレゲイト、現在は「自動代議員」と呼ばれる代議員2回目の投票ができるようにした。これはスーパーデレゲイトの力を削ぐ決定だ。この決定がなされるまでに2016年の大統領選挙から2年刊を費やした。2016年の大統領選挙の民主党全国大会で、スーパーデレゲイトの圧倒的多数がヒラリー・クリントンを支持したことに、サンダース支持者たちは激怒した。

2018年のルール変更は民主党左派にとっては大きな勝利だったと見られている。この当時、代議員制度の改革を「歴史的な」事業と位置付けていた。一方、民主党内の進歩主義派と穏健派の多くは、党の権力の集中化に疑問を持つ若い有権者たちに自分たちの主張を声高にアピールしていた。

会話の中で他のメンバーに対してルール変更を主張した民主党全国委員会のあるメンバーは、今週の試みについて「厳しい戦い」だと形容した。

しかし、このメンバーは名前を明らかにすることは拒絶しているが、この人物は党の全国大会は「党の最高の意思決定機関であり、党の全国大会は望むことはなんでもできるのです」と述べた。

この人物は更に「民主党全国委員会のメンバーは予備選挙でも1回目の投票をすることができないんですよ。サンダース氏が勢いを増している状況が続けば、全国大会でどのようなパニックが起きるかを見ることになります」と述べた。

ミルウォーキーで今年開催される民主党全国大会の後でルールの改正が行われる可能性は高い。これは今年の党の指名候補選びのためではないが、2024年の党の指名候補選びのためである。

前述のファウラーは「今回の民主党全国大会の後、ルール改正が行われることが予期されます。古いルールが採用されるようにする努力がなされるでしょう。古いルールについて関心を持つ人はたくさんいます」と述べた。

この記事が出された後、ペレズはツイッター上で次のように書いた。「そんなことは絶対にない。私たちは権力を草の根の人々に戻すようにしてきた。私たちは民主党全国委員会が決めたルールに従っていく。それを変えるようなことはしない。ルールを変更することはない」。

サンダース陣営の上級顧問ジェフ・ウィーヴァ―はEメールの中で、「民主党が数年をかけて実施してきた党指名候補決定の過程について述べるならば、改革を実施しようとしてこなかったことが深刻な間違いなのである」と述べた。

2016年の予備選挙の後にスーパーデレゲイトの力を弱める動きに強く反対した人々の多くも現在のルールを変更することに関心を持っていない。

民主党全国員会の元委員長ドナ・ブラジルは民主党ルール・内規委員会での議論について次のように述べた。「私がついた側は議論に負けました。せっかく治った傷口を再び開くようなことは賢いことではないと考えています」。

ブラジルは次のように語った。「2024年までに、2016年の大統領選挙の後がそうであったように、昔のような公平なゲームになるようにルールは変更されることになるでしょう。しかし現在のところは、現在のプロセスに私たちは満足すべきなのです」。

オーウェンもまたスーパーデレゲイトの影響力の削減に反対した。しかし、オーウェンは金曜日に「ルールに関するいかなる変更もルール変更に投票した人々の横っ面を張り倒す」ようなものだと述べた。

オーウェンは次のように語った。「私は、私たちのティームを勝たせたいと考えています。ティームを勝たせる方法は分裂ではなく、団結です」。

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(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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 古村治彦です。
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 年末年始はイラン革命防衛隊のカシーム・スレイマニ殺害によってイラン、中東情勢がどうなるかということで大きな不安が起きたが、現在は小康状態となっている。スレイマニはこれまで様々なテロ事件や攻撃に関わったとして、スレイマニ殺害を評価する主張がある一方で、中東情勢を不安定化するような決断を下したドナルド・トランプ大統領の安易な姿勢に対する批判も存在する。
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 アメリカもイランも全面戦争に突入することを避けたいという思惑は一致しているので、即座に戦争ということにはならなかったが、それでも何が起きるか分からない、不測の事態で開戦まで突き進むということは考えられた。第一次世界大戦は一発の銃声から始まったということを考えると、「悪い奴だから殺して当然」というのは単純すぎる主張である。

 少し古い記事になるが、アメリカ国民はイランとの戦争を望んでいない、ということを示す記事をここで紹介したい。著者はメリーランド大学教授で、2019年9月にトランプ政権の対イラン政策についての世論調査を実施した。ここで示された数字はどれも、アメリカがイランとの緊張関係を深刻化させるべきではない、戦争にまで進むべきではないというアメリカ国民の考えを浮き彫りにするものだ。

 そもそもトランプ大統領はアメリカの対外戦争には反対、アメリカが世界中に展開している状況に反対ということで当選した大統領だ。「アイソレーショニズム(Isolationism、国内問題解決優先主義)」「アメリカ・ファースト(America First、アメリカ国民の生活が第一)」という言葉は日本でも広く知られることになった。また、2020年は大統領選挙の年であり、トランプ大統領は再選を目指している。アメリカ国民の意向には特に敏感にならざるを得ない時期である。

そのような大統領の下で、戦争を起こすような出来事が起きるというのはおかしいということになる。「火遊び」にしてはその危険性はあまりにも大きい。ウクライナ疑惑から起きた弾劾から目を逸らさせるということも理由としてあっただろうが、連邦上院で否決される公算は高いので、そこまでする必要があるのかということになる。政権内のマイク・ペンス副大統領やマイク・ポンぺオ国務長官の差し金ということは大いに考えられる。危険な対外戦争を推進するというネオコン勢力がトランプ政権内にもかなり入っているのだろう。今回の件もこうした人々が絡んでのことだろう。
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 トランプ大統領が自身の発言と矛盾するようなことを決定したというのは、大統領職の厳しさを浮き彫りにするものだと私は考える。大統領の周りには自分よりも頭が切れて、弁も立つ人物たちが揃っている。こうした人々が話す内容を全て理解することはできない。そして、大統領を説得して自分たちの望む政策をやらせようとしてくる。そのためにあらゆる権謀術数を駆使し、手練手管を繰り出してくる。それにフラフラっと乗せられてしまうということはどんな大統領にも起きることだろう。トランプ大統領が特別に弱いと彼以外だということはない。

 話は逸れてしまったが、トランプ大統領が上京を何とかコントロールできる範囲に収め、イラン側も復讐を「予告して」行うという抑制的な行動に出た。しかし、両国の最高首脳たちが全面戦争を望まなくても、全面戦争を望む勢力がどちらの側にもいるということを考えると、不測の出来事でどうなるかは分からない。事態の推移を注視しなくてはいけない。

(貼り付けはじめ)

アメリカ国民は現在もイランとの戦争を望んでいない(The U.S. Public Still Doesn’t Want War With Iran

―最新の世論調査のデータによると、アメリカ国民の過半数は、イランとの緊張関係を高める対イラン政策を批判している、スレイマニ殺害が起きてもそれは変化しないだろう

シブレイ・テルハミ筆

2020年1月3日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2020/01/03/killing-suleimani-iran-tension-trump-fault/

中東地域での戦争を嫌悪していると明言しているある大統領がイランのカシーム・スレイマニ将軍の殺害を命じた。ドナルド・トランプ米大統領はイランとの争いが軍事衝突に突き進むように政策を進めているが、その坂道を更に転げ落ちていくかもしれない。確かなことは、トランプ大統領がアメリカ国民に対してスレイマニがアメリカ国民の流血の原因になっていたと説得することは容易なことだ。しかし、説得を受けたからと言って、アメリカ国民はアメリカが戦争に進むことがアメリカの国益に最も適うと考えるようになるとは意味しない。

2019年9月にメリーランド大学が全国規模で世論調査を実施した。調査対象者は3016名だった。この世論調査の結果が示しているのはイランとの危機がエスカレートする中でトランプ大統領がアメリカ国民の意見とは異なることをして苦境に直面しているということだ。世論調査の結果には3つの特徴が出ている。共和党員と共和党支持者の過半数を含むアメリカ国民の4分の3がイランとの戦争は正当性がないであろうと答えている。多くの人々はトランプ政権がイランとの緊張を高めていることを非難し、トランプ政権の対イラン政策を認めていない。アメリカ国民はトランプのイランに関する目的を評価することについて分裂している。

アメリカ国民の大部分は、アメリカの国益がイランとの戦争を正当化するとは考えてない。世論調査に答えた人々の5分の1だけがアメリカはイランに関する目的を達成するために「戦争の準備をすべきだ」と答えたのに対し、4分の3がアメリカの目的は戦争を正当化しないと答えた。共和党員と共和党支持者の内、34%だけがアメリカの国益を守るために戦争を選択肢に入れるべきだと答えた。

●この中であなたの考えにより近いのはどれですか?

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2019年9月まで

出典:メリーランド大学

トランプ大統領にとってさらに懸念材料となるのは、世論調査の約半分が2019年9月14日より前に実施されたということだ。この日、サウジアラビアの油田地帯へ軍事攻撃が実施された。この攻撃についてアメリカはイランが攻撃を実施したと非難した。世論調査の残り半分はこうした事態を受けての国民の反応を示す稀有な機会になるこの攻撃はアメリカの国民の姿勢に対して影響を与えることはなかった。アメリカ国民の4分の3が開戦という選択肢は正当化されないと言い続けている。最近起きたイラク国内のアメリカ大使館への攻撃とスレイマニ殺害もまた同じ結果を生み出すことになるだろう。

●この中であなたの考えに近いのはどれですか?

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2019年9月現在

出典:メリーランド大学

メリーランド大学が2019年10月に実施した世論調査は、イランとの危機について4つの説明ができることを示している。イランの現政権の性質、イエメンでの戦争、2015年のイランとの核開発をめぐる合意の放棄、石油輸出を含むイランに対する新たな経済制裁である。これらの要素について調査対象者にランク付けするように問われた後、それぞれの説明の重要性は個別に証明されている。最も支持が少ない要素はイエメンでの戦争は5%がこれを原因に挙げている。イランの現政権の性質を原因に挙げているのは22%が理由に挙げている。69%はトランプ政権の政策を支持していない。イランとの合意の廃棄と新たに経済制裁を科すことへの賛成はそれぞれ35%、34%だ。重要なことは、共和党員の60%が危機の原因はトランプ政権の行動だと答えている。

●ペルシア湾における緊張関係について最も良く説明しているのはどれだと思いますか?

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2019年9月現在

出典:メリーランド大学

サウジアラビアの油田への攻撃前、トランプ政権のイラン政策への反対は51%だったが、攻撃後は57%に上昇している。アメリカ国民の開戦に対しての忌避とトランプ大統領の政策がペルシア湾岸地域の緊張関係の深刻化の原因だと考えていることを考慮すると、最近の一連の出来事についても同様の結果が出るだろうと考えられる。

●アメリカ政府のイランへの対処の方法について支持しますか、不支持ですか?

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2019年9月現在

出典:メリーランド大学

トランプ政権の対イラン政策の目的について評価すると次のようになる。30%(共和党員の53%)がイランの核兵器開発の阻止を挙げている。28%(共和党員の45%)がバラク・オバマ前米大統領の政策に戻すことを挙げている。9%がトランプ大統領はアメリカ国内で「強い大統領だ」と見られたいと考えている。そして、7%が中東地域のアメリカ同盟諸国を喜ばせるもしくはイランの態度を変化させるということを挙げている。

共和党員たちがトランプの対イラン政策の目的として望んでいるのはイランの核兵器開発の阻止だ。これはトランプ大統領にとって頭の痛い問題となるだろう。それは、ここ数カ月でイランが核開発プログラムを促進し、スレイマニ殺害の後に更に急速に促進することになるだろうからである。

●現在のトランプ政権の対イラン政策において最も重要な目的にすべき選択肢は何だと考えますか?

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2019年9月現在

出典:メリーランド大学

この世論調査が示しているのは、スレイマニ殺害を受けてのアメリカとイランとの間の緊張関係の悪化は、トランプ大統領のアメリカ国民からの支持率を試すものとなるだろうということだ。もちろん、トランプ大統領は状況をコントロールする卓越した能力を持っていることを示している。特に彼の支持者たちの間ではそのように考えられている。トランプ大統領は自分の考えに同調する人たちを獲得することができるだろう。しかし、アメリカ国民の戦争に対する懸念は現実的なものだ。イランとの衝突によって流されるアメリカ国民の血というコストもまた現実的なものだ。トランプ大統領が政権前半で行ったイランとの合意の破棄と経済制裁の強化は結果として二国間の関係を断絶寸前に追い込む理由となったと民主党員も共和党員も考えている。トランプ大統領の政策がアメリカとイランとの対立を深刻化させると見られると、彼は国民からのより大きな反対に直面するようになるだろう。

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