古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回はアメリカ社会の格差についての記事を2本ご紹介します。2本目は書評です。取り上げられているハーヴァード大学教授ロバート・パットナムについては、拙著『ハーヴァード大学の秘密』でも取り上げましたが、現代アメリカの重要な社会科学者です。著書『孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生』(柴内康文訳、柏書房、2006年)は、アメリカでベストセラーになりました。私にとっては、『哲学する民主主義―伝統と改革の市民的構造』(河田潤一訳、NTT出版、2001年)が思い出深いです。こんな何を言っているのか全く分からない邦題ですが、原題は、Making Democracy Workです。政治学をアメリカで学んでいる時に読んだのですが、比較政治分野における素晴らしい本の一つといえます。パットナムは「社会関係資本(Social Capital)」と呼ぶ、簡単に言えば人間同士の信頼とつながりという概念を使って、社会や政治の構造を分析しています。現在の日本もこの概念を用いて分析することが可能です。

 


 アメリカ(そして日本でも)では、大学教育を受けることが中間層への確実な道であり、そのために、オバマ大統領は「大学2年まで(短期大学)の学費を無償にする」ことを訴えています。現在でもアメリカでは、お金がない人は学費が安い短期大学に行き、そこから学部の3年生に編入して学士号取得を目指します。

 

 このような社会制度の整備をしても、アメリカ社会の問題である人種と階級の問題を解決することは大変に困難です。恐らく完全に解決することは不可能でしょう。そうした諦観を2本目の書評には感じてしまいます。しかし、それがより現実的な反応であると思います。日本では、生活保護受給世帯の子供たちが奨学金を得るとその分を減額するということがなされています。これでは新たな格差を生み出すだけのことでしょうし、長期的な視点で見れば国益を損なう、まさに公務員が「法匪」となる具体例です。

  

 『ニューヨーカー』誌のジル・レポーレはロバート・パットナムの本の書評論文”Richer and Poorer: Accounting for inequality”(2015年3月16日付)の中で、ジニ係数やトマ・ピケティなどの研究に言及しています。その中で、政治学者アルフレッド・ステパン(コロンビア大学)と故ホアン・リンツの民主政治体制と格差についての研究を取り上げています。2人は研究の中で、「拒否プレイヤー(政策決定を阻害できる個人や組織)」に注目し、アメリカには4つの拒否プレイヤーがいること、そして、拒否プレイヤーの数が多いほど、国内の経済格差は大きくなることを発見しています。

 

※記事のアドレスは以下の通りです↓

http://www.newyorker.com/magazine/2015/03/16/richer-and-poorer

 

 「格差」は先進諸国を蝕む脅威となりつつあります。日本でも脅威となりつつあります。格差を少しずつでも小さくするためには、結局のところ、「子供たちに教育を受けさせること」が必要となります。そのためには、「機会の平等」が保証されるようにすべきです。しかし、現在の先進諸国では、社会階級や人種のためにそれが実現していないのが現実であり、「生まれてしまった家」によって、子供たちのそれからの人生が決まってしまっているのです。能力で差が出てしまうのは当然として、このような生まれた時からすでにギャンブルのような社会が不安定になるのは当然のことです。

 

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オバマ大統領:大学教育こそは中間階級になるための「最も確実なチケット」だ(Obama: College ‘surest ticket’ to middle class

 

マーク・ヘンシュ筆

2015年3月14日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/235730-obama-college-surest-ticket-to-middle-class

 

 今週土曜日、オバマ大統領は、アメリカ国民に対して、「学生援助権利章典(Student Aid Bill of Rights)」に署名し、一緒になって高等教育にかかるコストを削減するように努力しようと呼びかけた。

 

 オバマ大統領は土曜日恒例の演説において、「技術革新に基礎を置いた経済においては、最も売り物になる重要な技能となるのは知識だ。従って、高等教育は中間階級になるための最も確実なチケットになる」と述べた。

 

 大統領は続けて「しかし、高等教育は重要であるがゆえに、どうしても高価なものとなってしまう。高等教育が平均的な大学生が卒業するまでに約2万8000ドルを学生ローンから借りることになる」と語った。

 

 オバマ大統領は高等教育にかかるコストを下げるためにいくつかの試みを行っている。税額控除の幅の拡大、連邦政府による奨学金(Pell Grants)の拡大、学生ローンに関するプログラムの改革、そして、進歩の例としてコミュニティ・カレッジの無償化を進めている。 これらの努力は行われているが、それでも十分ではないと大統領は述べている。

 

オバマ大統領は次のように語っている。「選挙で選ばれた政治家、各大学、財界のリーダーたち全てが一緒になって大学教育にかかるコストを引き下げるように努力する必要がある。そのために今週、私はより多くのアメリカ人が大学教育を受けられるようにするために新たな試みを発表したのだ。これに関しては新しい支出も官僚制度の創設も行わない。これは価値観の簡潔な宣言書である。私はこれを“学生援助権利章典”と呼ぶ」。

 

 オバマ大統領は、この宣言書には4つの基本原理が書かれていると述べた。その第一条は、全ての学生は「質の高い、学費に見合うだけの教育」を受けられるというものだ。

 

 それに続いて、学生ローンを借りている学生たちが「大学の学費を払えるだけの支援」と「実現可能な返還プラン」を持てるようにすべきだと宣言書に書かれている。

 

 最後に、学生ローンの利用者たちは、返還プロセスにおいて、「質の高い消費者向けサーヴィス」「信頼できる情報」「公平な取り扱い」を利用できるようにしなければならない。

 

 オバマ大統領はアメリカ国民に対して、彼の出した新たな宣言書に署名するように求め、この宣言を出来るだけ多くの友人、家族、学生たちに知らせて欲しいと述べた。

 

オバマ大統領は次のように語った。「アメリカにおいては、より高等教育は数少ない人々のために準備された、庶民の手に届かないものになってはならない。高等教育はそれを手に入れたいとして努力する人々全てに利用可能なものでなければならない」。

 

「学生援助権利章典」はウェブサイト「WhiteHouse.gov/CollegeOpportunity」で閲覧できる。

 

(終わり)

 

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書評:ロバート・D・パットナム著『我らが子供たち:危機にあるアメリカン・ドリーム』

 

アラン・ウルフ筆

2015年3月6日

『ワシントン・ポスト』

http://www.washingtonpost.com/opinions/the-persistence-and-danger-of-americas-class-hierarchy/2015/03/06/fe92bb50-b076-11e4-827f-93f454140e2b_story.html

 

 1950年代末、卓越した社会科学者で2000年に現代において影響力を持つ著書『孤独なボウリング』を出版したロバート・パットナムは、オハイオ州ポート・クリントンの高校の学級委員長の選挙に敗れた。委員長に選ばれたのは学校にはほとんどいなかった黒人の学生であった。彼は学校でもスターの運動選手であった。彼は設備工から身を起こし、ロサンゼルスの教育界で出世を重ね、校長と地区の教育委員長になった。彼はキャリアにおいて大変に出世したと言える。しかし、彼の出世をパットナムの出世と比べるとその凄さが薄れてしまう。パットナムは、ハーヴァード大学の公共政策に関するピーター・アンド・イザベル・マルキン記念教授である。

 

 個人がそれぞれ人生において全く異なるキャリアを積むのだが、それを決定する要素は何だろうか?こうした要素は時代と共に変化しているのだろうか?パットナムはこれらの疑問を新刊『我らの子供たち』の中で取り上げている。そして、ある人々の人生を取り上げ、社会的、経済的移動についての大量のデータに基づいた分析を行うことで答えを導き出している。そして、パットナムは現代アメリカにおける、唯一の最もひどいスキャンダルを白日の下に晒した。それは、人生の成功を収められるかどうかにおいて社会階層が果たす役割は過度に大きなものとなっており、それに伴って、この半世紀で社会階層の差を乗り越えることが困難になってきた。つまり、低い社会階層から高い階層へと移動することは大変困難な状況になっているのである。

 

 高校の学級委員長になるにはパットナムに限界があったことを私は知っている。それは、この本の第1章でパットナムが高校時代に住んでいたポート・クリントンで起きていたことや過去半世紀にわたりこの町に住み続けてきた人々のことを書いているからだ。パットナムはポート・クリントンに生まれて幸運だったのだ。それは、1950年代のこの町は安全で、比較的のんびりした場所であったからだ。そして、オハイオ州が国政選挙のたびに勝利する政党が変化するスイング州であったために、大統領選挙では勢力を均衡させるような結果を出してきたので、オハイオ州がアメリカ全体の縮図のようなものだったからだ。私たちはこれまで、中西部各州の各都市の空洞化(とごくごくたまに再生)について耳にしてきた。パットナムが自分の生まれた町を見るまなざしは特に辛辣である。景気後退のあおりを受けて工場は閉鎖されたが、エリー湖湖畔の一地区は富裕層の別荘地帯となったために賑わいが戻っている。

 

 しかしながら、ある国全体を描き出すことは、その最も小さな部分(個人)を描き出すことよりも困難である。それでもパットナムはそれをやっており、第1章はそれに終始しているために、分かりにくくなっている。確かに、パットナムは、オレゴン州ベンドからアトランタまで様々な実際に生きている人々の人生を本の中で描き出している。しかし、これらの人生模様の描き方には活き活きとしたものを感じない。: 取り上げられた人々の人生について、パットナム自身がそれほど関心を持たず、ただ大きな主張をするための材料していることが説教臭さが出ている理由である。更に言えば、取り上げられた人々の数が多過ぎて、読んでいて、「サド」が生まれた場所を忘れてしまったり、「シモンヌ」が抱えている問題を忘れてしまったりする。パットナムが持つ最大の強みは、明確なそしてわかりやすい言葉でチャートや表を説明できる能力であり、人々の語りよりもデータに集中した方が、この本はより良くなったことであろう。

 

 それでは私たちはこの本から一体何を学び取ることが出来るのか?明らかなことは、子供に投入する資源を多く持っている親がいることで、子供たちは人生で多くのものを達成できるということだ。より重要だとパットナムが強調しているのは、不幸な子供たちが成長し、やがて彼らが親になる将来に起きる危機である。地球温暖化と同様、将来の危機に備えて、今行動を起こさねばならないのだ、と彼は主張している。しかし、彼の意図は素晴らしいし、彼の研究もイデオロギーの枠組みを超えるものであるのだが、政治システムは物理的な社会資本を修理することは不可能だと人々は思い始めており、社会的、文化的な社会資本の修復すらも不可能だという考えにまで進んでいるのである。

 

 我が国の政府が機能するのなら、私たちはアメリカに存在する2つの大きな断裂線(fault lines)について率直な議論を必要とするだろう。それは人種と階級である。パットナムの本はこの2つの断裂線を乗り越えることが将来においてもいかに困難かを見通している。私たちが直面しているこの問題の深刻さを明らかにするために、パットナムはある人の幼少期にスポットを当てている。家族、学校、ご近所が社会性の発達のために果たす役割を取り上げている。両親が揃った家庭で育った子供たち、どちらか一方しか親がいない子供たち、そして両親がいない子供たちもたくさんいる。パットナムは、親から捨てられたある子供に「イライジャ」という仮名を付けている。彼は本当にひどい人生を送ってきた。放火の罪で服役して出所後、父親に殴られ、飲酒と麻薬の常用のために母親によって家から追い出された。そのために街の不良たちに魅了されてしまった。「デズモンド」はイライジャとは全く別の人生を送った。彼の両親は彼が少しでも良い学校に行けるように引越しをした。本を読むように勧め、彼は一流大学へ入学を果たした。この二人の若者は、幼い頃の一時期を共にアトランタで過ごした。それなのに、彼らの人生は全く異なるものとなり、全く別の場所に至った。それは、一人は年長から支援を受けることが出来たが、もう一人は受けられなかったからだ。

 

 「イライジャ」と「デズモンド」は二人ともアフリカ系アメリカ人だ。しかし、この本ではそのことについて重きを置かれていないようだ。子供のことを考える両親に育てられた子供は人種の壁を乗り越えて成功する。しかし、これは個人の特殊な物語でしかない。もしそれが、パットナムが「幼児の経験はあなたの肌の下で力強く息づいている」と書いたことが本当ならば、幼児期において起きることとあなたの肌の色は相関関係を持っていることもまた事実なのである。パットナムが人種に関係なく子供たちを全員助けたい、彼らの才能を開花させたいと望んでいるのは全く疑いようがない。しかし、彼は幼児教育において重要な要素となるものを本の中で軽視している。それは人種だ。都市部のゲットーで育つ貧しい黒人の少年たちは、アメリカの他の子供たちよりも厳しい障害に直面していることに思いを致さざるを得ない。「統計的に見れば、イライジャは常に死と隣り合わせで生きている」とパットナムは書いている。彼と同じ黒人の少年たちの多くが同じような生活を送っている。

 

 パットナムは改革を望んでいる。しかし、彼が本書で描いた富裕層と貧困層、もしくは黒人と白人の格債の深刻さを実現可能な改革で乗り越えることが出来るだろうか?彼は、幼児教育の重要性について、「これはもっと大きくなってからの教育が有効ではないということを意味するものではない」と書いている。階級を基にした格差は紙が与えたものでもないし、元々決められたものでもないとも主張しているが、幼児教育を行うことの重要性を特に強調している。しかし、幼児教育が決定的な要素となるのかどうか、人は様座な主張を行う。チャールズ・マーレーのような右翼的な学者たちが指摘するように、大きくなってからの教育は効果を生み出すのが困難である。もしそうでなければ、パットナムが描いているような階級と人種の格差はそこまで酷いことはないであろう。パットナムの描き出す物語を読むとそこには希望が溢れているが、彼が提示しているデータを見れば、希望などどこにもないことがはっきりしている。

 

 私は、この『我らの子供たち』が『孤独なボウリング』と同じような衝撃を与えることが出来るとは思っていない。それは、私たちが貧困層の急増よりも中流階級の不幸せにより関心を持っているからだ。しかし、私たちは貧困層の増大にこそ関心を持つべきだ。本書は様々な欠点を持っているが、このパットナムの新刊は私たちの目を開いてくれるものだ。選挙の候補者たちが真剣に「アメリカには階級など存在しない」などと言ったとしても、パットナムが現実を私たちに見せてくれる。その点でとても心強い一冊である。

 

※アラン・ウルフ:ボストン・カレッジで政治学を教えている。著書に『国内の亡命者:故郷からの離散がユダヤ人たちにとって何故良いのか』がある。

 

(終わり)









 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 イスラエルのネタニヤフ首相の連邦議会演説、総選挙前と当日の人種差別を煽る発言とこれまで積み上げてきたパレスチナ国家樹立をすべて否定する発言、それ以降の動きについて、ホワイトハウスの大統領首席補佐官デニス・マクドノウと、ジョージ・HW・ブッシュ(父)政権時代に国務長官を務めた重鎮ジェイムズ・ベイカーが同じ場所で語った内容について、ご紹介します。

 

 2人は、左派的な親イスラエルのロビー団体Jストリートの年次総会に出席し、演説を行いました。二人の話した内容はほぼ同じですが、それは、2人が所属する政党は違えども、外交政策に関しては「リアリスト」的な立場を同じくしているからです。

 

 日本でリアリストと言うと、中国や北朝鮮と戦争をやるんだというようなことを言う声の大きなオヤジ、という感じですが、本当のリアリストは、慎重に国益を判断し、現状から最善の結果を導き出す考えをする人たちです。私が拙著『アメリカ政治の秘密』(PHP研究所、2012年)で取り上げた、また副島隆彦先生の最新刊『日本に大きな戦争が迫り来る』(講談社、2015年)で分析の枠組として使われた、共和党のネオコン、民主党の人道主義的介入派はそれぞれアメリカと西洋文明の理想を世界に広めて「アメリカ版・八紘一宇」の世界を作り上げようとする人たちです。理想のために現実をいじくることはとても危険なことです。しかし、それをやりたがって、悲惨な結果を招くことを何とも思わない人たちです。

 


 私が拙著『アメリカ政治の秘密』で取り上げたように、オバマ大統領の外交政策の理想は、同じ民主党の歴代大統領ではなく、どちらかと言うと人気がなかったジョージ・
HW・ブッシュ(父)大統領時代のものです。このこともきちんと押さえておく必要があります。

 

 私は2015年から定期的に「副島隆彦の学問道場(http://www.snsi.jp/tops/entry)」内の「今日のぼやき」に寄稿することになりました。このリアリストについても「今日のぼやき」で近々論稿を発表したいと思います。恐らく、会員(年会費が一般1万円、学生6000円、困窮者には救済制度もあります)しか読めない場所に掲載されると思いますが、ご興味がある方は是非会員になって、お読みいただければと思います。宜しくお願い申し上げます。

 

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ホワイトハウスはネタニヤフの謝罪ツアーに何の印象も受けず(White House Not Impressed by Netanyahus Apology Tour

 

ジョン・ハドソン、デイヴィッド・フランシス筆

2015年3月23日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2015/03/23/white-house-not-impressed-by-netanyahus-apology-tour/

 

 イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフは、月曜日(3月23日)、謝罪ツアーを継続した。イスラエルのアラブ系国民に対して、パレスチナ国家樹立につながる和平合意に対する支持を撤回すると選挙日当日に発表したが、これは有権者の不安感と恐怖感を煽るための戦術ではなかったと弁解した。しかし、ホワイトハウスは今でも懸念を持ち続けており、ベンヤミン・ネタニヤフの発言をすぐに忘却することはないだろうとある高官は述べている。

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ホワイトハウスの大統領首席補佐官のデニス・マクドノウは、ハト派の親イスラエル・ロビー団体Jストリートがワシントンで開催した年次総会に出席し、「これらの発言がなされなかったというふりをすることはできない」と発言した。更には、「総選挙後、ネタニヤフ首相は自分自身の立場を変えていないと発言した。しかし、イスラエル国民の多くと国際社会は、彼の矛盾に満ちた発言を聞くことで、彼の2国共存による解決への関与に関して甥なる疑問を持たざるを得ない状況になっている」とも述べた。

 

マクドノウは続けて、「パレスチナの子供たちは、イスラエルの子供たちと同じく、自分たちの土地で自由を享受する権利を持っている」と述べた。

 

 ネタニヤフがイスラエル国内の少数派の指導者たちを集めた会合で、選挙前にパレスチナ国家樹立を認めないこと、「アラブ人たちが投票所に押し寄せる」と警告を発したことに関して謝罪した。

 

 『エルサレム・ポスト』紙は、ネタニヤフが「私が数日前に発言した内容でイスラエル国民、アラブ系のイスラエル国民の中に感情を害した人々がいることは分かっている。こうした人々の感情を害することは私の意図ではなかったし、申し訳なく思う」と発言したと報じている。

 

 ネタニヤフが発言内容を撤回したのは、2015年3月19日で、MSNBCのアンドレア・ミッチェルに対して、彼自身は「平和的な」2国共存による問題解決を望んでいるが、「そのためには環境が変化しなければならない」と発言した時からだ。

 

 マクドノウは、「アメリカは和平プロセスに対する私たちのアプローチを再考する」というホワイトハウスの立場を繰り返した。これは明瞭な言葉ではないが、アメリカ政府はイスラエル・パレスチナ紛争を国連の場に持ち出すことを示唆する脅しであった。イスラエル政府はこのような動きには徹頭徹尾反対してきた。

 

 オバマ大統領の片腕、デニス・マクドノウは、イスラエルが永続的にヨルダン川西岸地区とガザ地区とを占領し続ける、1国主義的な解決法を、アメリカは「決して支持することはない」と改めて強調した。マクドノウは「イスラエルが、他国の人々を完全に軍事力によって統制し続けることなど不可能なのだ」と発言した。マクドノウは包括的な和平合意を結ぶことが、国連やその他の機関においてイスラエルを孤立させ、経済制裁を加えようとする試みに対しての「致命的な一撃」になるのだと強調した。

 

 現在行われているイランとの核開発を巡る交渉について、マクドノウは最近47名の共和党所属の連邦上院議員たちが署名した、イランの最高指導者に宛てた公開書簡を引き合いに出し、オバマ大統領が結ぶいかなる合意をも避妊できる連邦議会の力に対して憂慮を示した。

 

 マクドノウはリベラルな考えを持つ聴衆に対して、「私たちは外交に成功するチャンスを与える必要がある(We have to give diplomacy a chance to succeed)」と述べた。聴衆は共和党の連邦上院議員たちが発表した公開書簡に話が及ぶと大きなブーイングを発し、不満の意を露わにした。

 

 月曜日、連邦下院外交委員長エド・ロイスは別の書簡を発表した。これには民主、共和両党の367名の連邦議員たちが署名をした。彼らはイランの核開発を巡る交渉から派生して起きる「致命的かつ緊急の諸課題」について懸念を持っていた。3月20日付でオバマ大統領宛てに出された書簡では、イランのウラニウム濃縮プログラムの規模と、イラン政府の国際原子力機関に対する極めて非協力的な態度に関する懸念が書かれていた。

 

 マクドノウは、アメリカはイランが核兵器を所有できないようにこれからも努力を続けると強調した。しかし、同時に、ホワイトハウスは現在行われている交渉に対して連邦議会が介入しようとして行ういかなる試みに対しても、拒否権を使って対抗するとも述べた。

 

(終わり)

 

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ジェイムズ・ベイカーは、ネタニヤフよりも厄介だったイスラエル首相との思い出話を語った(James Baker Recalls An Israeli Prime Minister More Difficult Than Netanyahu

サマンサ・ラクマン筆

2015年3月23日

『ハフィントン・ポスト』紙

http://www.huffingtonpost.com/2015/03/23/james-baker-j-street-_n_6928042.html

 

 ワシントン発。元国務長官ジェイムズ・ベイカーは月曜日、アメリカとイスラエルとの間の関係が低調である現在であっても、イスラエル・パレスチナ間の紛争のための2国共存による解決について「楽観的である」と発言した。

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 ベイカーは、左派のイスラエル・ロビー団体Jストリートの年次総会で基調講演を行った。この中で、ベイカーは、イスラエルの指導者たちと関わった自分自身の経験から、ネタニヤフ首相とバラク・オバマ大統領が現在の低調な両国関係を乗り越えることが出来れば、中東における和平はまだ実現可能だと述べた。ベイカーはジョージ・HW・ブッシュ元大統領に仕え、現在は共和党の米大統領選挙の有力候補ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事に助言を行っている。

 

 ベイカーは、和平合意が出来なければ、「衝突は継続」するとし、「私は現在も楽観している。私は自分が慎重に事態を見ていることを強調しておきたいが、それでも楽観している。それは、2国共存が実現しなければ、イスラエルの将来は厳しいものとなると考えているからだ」と述べた。

 

 共和党側はオバマ大統領が不当にネタニヤフを攻撃していると批判しているが、ベイカーはこうした批判は的外れだと述べた。

 

 「世界中の誰もアメリカのイスラエルに対する関与の深さを疑うことなどできない。現在もそうだし、未来においてもそうだ」とベイカーは述べた。

 

 ベイカーは自身が国務長官在任当時の、イスラエル首相イツハク・シャミルとの緊迫した外交関係についての思い出話を語った。彼は、「自分が国務長官の時には緊張した瞬間があった」と述べ、それでもイスラエルとアメリカの同盟関係が政策の不一致を乗り越えることが出来たと話し出した。ベイカーは1991年に起きたシャミルとの対立について語った。この当時、ソヴィエト連邦の崩壊に伴って多数のユダヤ人たちがイスラエルへの帰還を果たしていた。それに対して、アメリカ政府は100億ドルの住宅ローン保証をイスラエルに与えるとしたのだが、それにはシャミルがこのお金をヨルダン川西岸地区へのユダヤ人入植地建設には使わないと確約することをベイカーとブッシュは条件とした。

 

 「私はアメリカ・イスラエル関係に関して最初はその複雑さに驚き、それから常に論争が起きることに気付いた。私はブッシュ大統領が行ったことは正しいと考えた。これは今も変わらない」とベイカーは述べた。

 

 ネタニヤフが総選挙前に2国共存による解決を支持しないと発表したことを受けて、オバマ政権は、紛争解決のためのアプローチを再考しているが、このことについて、ベイカーは総会の出席者たちに対して、ネタニヤフはアメリカにとって最も扱いにくいイスラエル首相という訳ではないと述べた。ベイカーは、その当時イスラエルの外務次官を務めていたネタニヤフに対して国務省への出入りを禁止しなければならなかったと思い出話を語った。その理由について、ベイカーは、「彼がアメリカの中東に対する外交政策は、“嘘と歪曲”の上に成り立っていると述べたからだ」と語った。

 

 ベイカーは次のように述べた。「皆さんに申しあげたいのは、25年前、イツハク・シャミルはベンヤミン・ネタニヤフを“柔らかすぎる”と評したことだ。これは、ネタニヤフが若くして首相になった時にシャミルが述べた発言だ。アメリカとイスラエルの国益は常にぴったり一致する訳ではない。全く別のものになるということはこれからもあるだろう」

 

 ネタニヤフの行動は「彼の発言内容と一致してこなかった。入植地の建設は勢いが衰えないままに継続されている」とベイカーは指摘した。しかし、同時に、オバマ大統領とネタニヤフ首相は両者の争いを「悪化」させてはならないとも述べた。

 

 イランの核開発を巡る交渉について、「完璧な(perfect)」合意内容の達成をあくまで求めることには懸念を示した。ネタニヤフは連邦議会の演説でアメリカとイランの交渉の道筋について反対を表明した。

 

 ネタニヤフは次のように語った。「ウラン濃縮をイラン側が行わないこと、これ以外に合意は存在しない。アメリカもイスラエルも、本来の目的を忘れて本末転倒のことをすべきではない(not led the perfect be the enemy of the good)」。(←この英語の言葉がリアリストの真骨頂だと思います。訳者註)

 

ベイカーはまた、オバマ大統領は、必ずしも必要ではないにしても、イランとのいかなる内容の合意を結ぼうともそれについて議会の承認を得られるように努力すべきだ。

 

 Jストリートの年次総会でのベイカーの演説は、Jストリートがイスラエルのヨルダン川西岸地区の占領に対して批判的すぎると考える保守派の人々からは批判された。

 

(終わり)








 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2015年2月16日、NHKはニュース番組の中の特集のコーナーで、1946年2月16日から政府が行った「預金封鎖」を取り上げ、詳しく報じました。江崎大輔記者という人が主に取り組んだ特集のようです。

 

私たち戦後生まれ世代も歴史の事実として、「預金封鎖」と呼ばれる、突然自分の銀行口座から自由に現金が引き出せなくなる措置が政府によって行われたことは知っています(ちなみに現在のATMでの引き出し額制限も緩やかな「預金封鎖」であると私は思います)。

 

 私たちが習ったのは、「悪性インフレ(その例として第一次世界大戦後のドイツのマルク紙幣の話を習います)を抑制するために、預金封鎖をして、世の中に出回る通貨の量を減らしたのだ」ということです。しかし、以下の特集内の報告にあるように、インフレは解決されず、預金封鎖が解除された時には、預金の価値はがた減りしていたということです。取材に協力している大阪市立大学名誉教授の林直道氏は、預金封鎖中は現金が自由に降ろせずにそこらに生えている草まで食べ、封鎖が解除になったら、預金の価値がなくなっていたことをなまなましく証言して言います。私たちは人生の先輩のこうした証言を真剣に聞かねばなりません。

 

 特集では、預金封鎖の目的として、「財産税徴収の前提となる国民の資産把握」があったということを明らかにしています。戦時中の国債発行(国が国民に借金をしたこと)で、政府の債務は膨大な額となりました。そこで、政府は、国民に借金を返すために、国民から税金を取り立てることにした、というなんだかよく分からない、自家撞着の話になりました。特集の中で、当時の大蔵省幹部の呆れるほど傲慢な発言が取り上げられています。

 

(引用はじめ)

 

『“天下に公約し国民に訴えて発行した国債である以上は、これを踏みつぶすということはとんでもない話だ” “取るものは取るうんと国民から税金その他でしぼり取る。そうして返すものは返す”』。

 

『「一億戦死」ということばがある。みな一ぺん戦死したと思えば、相続税を一ぺん位納めてもいいじゃないか』。

 

(引用終わり)

 

 国民も確かに戦争を望んだ面があったかもしれませんが、それはマスコミ(政府によって利用された)に煽られた面があります。しかし、誰も米英などと戦争をしたい、戦争をして勝てるなんて思っていなかった訳です。勝手に自殺的な戦争を(天皇の意志をもある意味踏みにじるようにして)勝手に初めて、国民を殺すだけ殺して、それで「一億総戦死だ(自分たちは死なないけれど)」などと放言するのが官僚の真骨頂であり、これは21世紀でも30世紀でも不変でしょう。

 

 私は更に「預金封鎖」には、次のような目的があったと考えます。

 

①負債の重さを軽くするには、インフレが進行させれば良い。ですから、「インフレ退治」を名目にしているが、政府はインフレを進行させるつもりでいたと考えます。②しかし、インフレで生活が苦しい庶民たちの不満が過激思想(共産主義など)に結びつくことを恐れた。③そこで、戦前に社会革新を唱えた革新官僚たちは、このインフレを使って、「革命を実行しよう」と考えたのだと思います。戦前からの財産家たちを没落させて、社会革新を行って社会の平等化を進めようとしたのだと思います。国民の殆どは資産なんかありませんから、預金封鎖はある程度の資産家たち(大富豪たちは逆に助けてもらえたのでしょう)を狙い撃ちにして、表面的な「平等社会」(大富豪たちの存在は見えない形になっている)が官僚たちによって作り上げられたのだと思います。

 

 こうして考えると、現在の状況は70年前とよく似ています。そこで、再び、官僚による「革命」が起きる可能性があります。その時、庶民はお金なんかありませんから、体や労働力を、そして財産家たちは財産を取り上げられるのだろうと思います。

 

 国家(官僚たち)は私たち国民に寄生し、食い殺す存在です。パラサイトであり、プレデターなのです。そのことをNHKの特集は教えてくれました。

 

 

(転載貼り付けはじめ)

 

“預金封鎖”の真実

 

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江崎大輔記者

http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2015_0218.html

 

終戦後間もない昭和21年2月16日、時の日本政府は預金の引き出しを厳しく制限する「預金封鎖」を突然発表しました。

 

日本経済を襲った猛烈なインフレを抑えるためだと国民に説明された「預金封鎖」。

しかし、その政策決定過程を検証していくと、現代の日本にも通じる深刻な財政問題が底流にあったことが見えてきました。

 

特別報道チームの江崎大輔記者が取材しました。

預金封鎖で国民生活は

 

突然通告された預金封鎖を国民はどう受け止めたのか。

当時のことを証言してくれる人を探すなか、私は、兵庫県芦屋市に住む大阪市立大学名誉教授の林直道さんにたどり着きました。

 

現在91歳の林さん。

 

当時は22歳の学生で大阪で母と姉の3人で暮らしていました。

 

当時、一家の蓄えは3万円ありましたが、「預金封鎖」で突然自由に引き出せなくなり、途方に暮れたといいます。

 

特に、手持ちのお金が不足したことで、ただでさえ足りなかった食料がさらに手に入りにくくなり、川の堤防に生えている草をゆがいて、ごく僅かのご飯とともに食べたこともあったと、当時の窮状を語ってくれました。

 

林さんは「封鎖」の印が押された当時の通帳を今も保管していて、預金封鎖について「突然の発表に仰天し、恐怖感すら抱いた。こつこつ貯めたお金が使えないということは本当につらかった」とも語っていました。

 

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預金封鎖はなぜ断行された?

 

日本政府が預金封鎖を発表したのは今から69年前、昭和21年2月16日でした。

 

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当時の日本は、物資や食料が極度に不足し猛烈なインフレが起き、経済は破綻しかねない状態にまで追い込まれていました。

そこで政府は流通するお金の量を強制的に減らしインフレを抑えこもうと預金封鎖を断行しました。

 

時の大蔵大臣、渋沢敬三氏は「政府はなぜこうした徹底した、見ようによっては乱暴な政策をとらなければならないのでしょうか。それは一口に言えば悪性インフレーションという国民としての実に始末の悪い、重い重い病気を治すためのやむをえない方法なのです」と呼びかけ、国民に理解を求めました。

 

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預金封鎖後、物価上昇の動きは弱まりました。

 

しかし、それはあくまで一時的で、その後、インフレは収まるどころか、逆に加速していきました。

 

その結果、預金は封鎖された2年余りの間に価値が大きく毀損しました。

林さんは「何十年もかけて貯めてきたお金なのに、数か月分の生活費しか残らなかった。 戦時中、そして戦後も国民はさんざんな目に遭った」と憤りを隠しません。

 

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預金封鎖もう1つのねらい

 

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国民生活を混乱させ犠牲を強いた預金封鎖。

 

この手荒い措置がどう決まっていったのか。

 

私は政策決定過程を検証しようと財務省に情報公開請求を行い、当時、非公開とされた閣僚や官僚の証言記録を入手しました。

 

すると、インフレ対策とは別に、もう1つのねらいがあったことが見えてきました。

それが如実に記されていたのが、渋沢大臣の証言記録です。

 

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この中で渋沢大臣は大蔵官僚だった福田赳夫氏から『通貨の封鎖は、大臣のお考えでは、インフレーションが急激に進みつつあるということで、ずっと早くから考えていられたのでございますか』と問われたのに対し、『いやそうではない。財産税徴収の必要から来たんだ。まったく財産税を課税する必要からだった』と答え、預金封鎖に込めたもう1つのねらいを吐露していました。

 

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渋沢氏が語った“財産税”とは? それは、国が戦争で重ねた膨大な借金の返済を国民に負わせる極めて異例の措置でした。

 

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「国債を買って戦線へ弾丸を送りましょう」。

 

政府は戦時中、国民に国債の購入を促し、国債を大量に発行しました。

その結果、政府の債務残高=借金は急増し、終戦前の昭和19年度末には対国民総生産比204%にまで膨らみ、財政は危機的状況に瀕しました。

 

このため政府は、借金返済の原資を確保しようと国民が持つ預貯金のほか、田畑、山林、宅地、家屋、株式など幅広い資産に25%から最高90%の財産税(対象10万円超)を課税することを決めたのです。

 

ただ、財産税を課税するには対象となる国民の資産を詳細に把握する必要がありました。

つまり、預金封鎖には、財産税徴収の前提となる資産把握のねらいもあったのです。

 

大蔵官僚の証言記録からは財政再建のためには国民負担もやむをえないという当時の空気がうかがえます。

 

『“天下に公約し国民に訴えて発行した国債である以上は、これを踏みつぶすということはとんでもない話だ” “取るものは取るうんと国民から税金その他でしぼり取る。そうして返すものは返す”』。

 

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さらに、戦時中を思わせるようなことばもあります。

 

『「一億戦死」ということばがある。みな一ぺん戦死したと思えば、相続税を一ぺん位納めてもいいじゃないか』。

 

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東京・北区にある旧古河庭園も財産税で国に徴収された資産の1つです。

 

申告された財産税の税額は国全体でおよそ400億円に上りました。

 

預金封鎖と財産税を決めた渋沢氏は後にNHKの番組で、「国民に対してこんなに申し訳ないことはないと思う。焼き打ちを受けると思うぐらいの覚悟をした」と振り返っています。

 

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預金封鎖現代への教訓

 

預金封鎖から69年。

 

国民の負担のもといったん改善した財政は、バブル崩壊後、経済対策として繰り返された財政出動、そして高齢化の進展による社会保障費の増大で再び悪化の一途をたどっています。

 

国の借金は今年度末に1100兆円を超え、対国内総生産比232.8%にまで膨らむ見込みです。

 

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日本総合研究所調査部の河村小百合・上席主任研究員は、当時と今では状況が大きく異なるとしたうえで、「国として負った借金というのは国民の借金であり、万が一、うまくまわらなくなれば間違いなく、国民にふりかかってくる。厳しい財政状況を国全体としてきちんと受け止める必要がある」として、悪化し続ける国の財政状況に警鐘を鳴らしています。

 

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ことしは戦後70年にあたります。

 

今回の取材で私は、林さんが「戦争は絶対にするものではない」と話していたことが強く印象に残りました。

 

なぜ日本は借金を重ねてまで戦争を続けたのか?その借金のつけをなぜ国民が負わなければならなかったのか?当時を証言できる人が年々少なくなっていくなか、いち記者として歴史の事実を取材し、伝え続けていかなければならないと深く考えさせられました。

 

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「預金封鎖」と「財産税」は、今では考えがたい措置で、経済大国となった現代の日本と当時とを安易に重ね合わせるわけにはいきません。 しかし、日本の財政が今、先進国で最悪の水準まで悪化していることを考えると、歴史上の出来事だと片づけてはならない問題だともいえます。 政府は、この夏までに今後5年間の財政健全化計画を策定することにしています。 歴史の教訓を肝に銘じ、同じ過ちを2度と繰り返さないよう現実を直視することが、現代を生きる私たちの責務ではないでしょうか。

 

(転載貼り付け終わり)

 

※2分過ぎ頃から番組内容が視聴できます 
 

(終わり)











 
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