古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。




 古村治彦です。



 今日は、徳洲会事件の影響について考えたことを書きたいと思います。徳洲会事件は、現在、猪瀬直樹都知事の現金授受(貸し借りと知事側は主張)にスポットライトがあてられている状態です。しかし、鹿児島生まれの私としては、逮捕された徳洲会関係者が起訴され、裁判で有罪になった場合、連座制が適用されて、徳田毅代議士(鹿児島二区選出、自民党を離党)が失職する(辞職まではいかないのではと個人的には思います)ことにも関心があります。



 そのように思いながら、ネットで産経新聞の以下の記事を見つけました。大変長い記事ですが、状況が分かるので是非読んでいただきたいと思います。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「安倍政権を悩ます「徳洲会補選」 消費増税後初の国政選挙に?」



2013年11月24日 産経新聞

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1124/san_131124_3698317976.html

 

 医療法人「徳洲会」グループをめぐる公職選挙法違反事件が予想以上に安倍晋三政権に重くのしかかっている。渦中の徳田毅衆院議員(42)=自民党離党、鹿児島2区=が失職あるいは辞職し、補欠選挙が来年4月に行われることは不可避とみられるからだ。補選となれば消費税率の5%から8%への引き上げ後、初の国政選挙となる。自民党は「徳洲会後遺症」と「消費増税」という二つの十字架を背負いながら“負けられない戦(いくさ)”に臨まざるを得ないのだ。



 東京地検特捜部と警視庁は12日、昨年12月の衆院選で公選法が禁じる運動員買収をしていたとして、自民党公認候補で当選した徳田毅衆院議員の姉で、徳洲会の関連会社社長だった越沢徳美(なるみ)容疑者(50)、スターン美千代容疑者(46)とグループ幹部ら計6人を同法違反容疑で逮捕した。



 捜査当局は、不正を主導したのは徳田議員の父で元衆院議員の徳洲会創設者、虎雄前理事長(75)とみているが、病気療養中のため在宅で容疑者として調べを進めている。



 今後の焦点は、徳田議員の刑事責任が及ぶか否かに移っている。



 しかし違法な報酬を受け取って選挙運動に従事した傘下病院などの職員は563人、不支給の総額は1億4750万円相当に上るとされ、公選法違反の買収事件としては空前規模である。



 国会議員には不逮捕特権があり、原則として国会会期中は逮捕されないが、徳田氏は自身の関与のあるなしにかかわらず、まず議員辞職して責任を明らかにするのが政治家のとるべき道だろう。



 しかし仮に徳田氏に刑事責任が及ばないにしても、「自分はシロだ」として議員の職に居座り続けることもできまい。公選法の規定によると、候補者の父母や兄弟など親族が買収の罪で禁錮以上の刑が確定したら連座制により当選無効となる。2人の姉が逮捕された徳田氏が早晩、失職を余儀なくされるのは必至とみられるからだ。



 徳洲会の公選法違反事件のダメージを最小限に食い止めるべく自民党は14日、持ち回りの党紀委員会(中曽根弘文委員長)で、徳田議員の離党を了承した。とはいえ「これで一件落着」といくわけがない。おそらく半年以内に当該選挙区の補選が待ち受けているのである。



 公選法によれば、投票日に特に定めがなく、9月16日から翌年3月15日に欠員などで補選を行う事由が生じた場合、当該期間直後の4月の第4日曜日に投票となる。従ってカレンダーに目をやれば、「徳洲会補選」の投票が来年4月27日に実施されることは永田町では既定路線になりつつある。



 しかし、その補選が安倍政権にとっては厄介(やっかい)極まりない戦いなりそうな気配だ。



 内閣支持率は「アベノミクス」への期待感や野党のふがいなさなどがあいまって約60%の安定高値を維持しており、本来なら自民党が“横綱相撲”で受けて立つ選挙になってもおかしくない。だが、そうは問屋が卸してくれない。



 徳田議員の父親、虎雄氏も自由連合時代、中選挙区制で唯一の1人区だった奄美群島区で、自民党の保岡興治衆院議員と何度も激しい選挙戦を繰り広げた。「保徳戦争」「ハブとマングースの戦い」などとたとえられうえに死人が出るとまで言われ、選挙違反の摘発も

枚挙にいとまがない。文字通り「死闘」の連続だった。



 徳田氏が地盤とする奄美群島を中心とした当該選挙区はそんな土地柄、土壌ゆえに「有権者にとって衆院選は数年に1度の大イベント、お祭りだった。4月に補選が実施されれば地元の関心や熱気はこれまでの選挙より冷めるのは言うまでもない」と選挙事情通は指摘する。



 とはいえ、安倍政権が10月に消費税率の3ポイント引き上げを決定し、そして来年4月1日にそれが実施されてから初めて行われるであろう国政選挙である。



 現に補選となれば、多くのメディアは「消費増税に対する民意を図る試金石」などとはやし立て、再来年10月の消費税10%への再引き上げの是非を争点化することが十分予想される。野党が「消費増税」の一点を突いてくることも想像に難くない。自民党関係者はこう語る。



 「補選になった場合、政権に与える勝敗の影響は限りなく大きい。消費増税に対する世論の反発が全国に波及する恐れがある。絶対に落とせない選挙になる」



 アベノミクスへの国民の期待値は高いが、景気回復や雇用、賃上げが政権のシナリオ通り進まなければ、支持率は急降下する。先行きの期待感をあおりにあおってきた分、反動は大きく、そこに消費税アップの生活苦が重なれば、国民の失望が怒りに変わりかねない。



 前出の自民党関係者は「来年4月の選挙はタイミング的に『凶』と出る要因ばかりだ。これまで自身の『強運』の助けもあって政権を順調に運営してきた安倍首相にとって、それこそ運の尽きとなる可能性がある」と懸念を抱く。



 さらに自民党にとって難題なのは、徳田氏の威光や影響がどっぷり根付いている選挙区で、“徳田色”を払拭(ふっしょく)した「クリーンな候補者」を見いだせるかどうかだ。



 昨年末の衆院選で渦中の徳田氏は、民主党前職の打越明司氏にダブルスコア以上の大差で圧勝した。しかし、むろん補選となれば、これまでカネにモノを言わせた徳田陣営による「徳洲会式選挙戦略」は過去のものとなる。



 まさか政権党が「不戦敗」というわけにはいかないし、いかなる逆風でも勝てる候補者の擁立作業は一筋縄ではいかないだろう。



 ただでさえ4月以降、首長選挙で自民党推薦候補がきびすを接するように敗北している。静岡県知事選、名古屋、川崎、さいたま、福島の各市長選…。それぞれ地方の特性や野党との相乗りしたケースのマイナス要因など考慮すべき事情はあろうし、中央政界の状況が

首長選に必ずしも直結するものではない。



 ただ自民党内から「7月の参院選では勝利しているのに、首長選で敗れるのは、政権についたおごりや慢心が出ているのではないか」(中堅議員)という声が一部で出ているのも事実だ。



 まだ「徳洲会補選」が決まったわけではない。仮に確定しても、過去に例を見ない大規模な公選法違反事件を受けた選挙という“特殊事情”から、「負けてやむなし」と予防線を張る動きが自民党内に出てくるかもしれない。



 しかし、その勝敗はやはり、その後の政権運営の行方を少なからず左右するため、安倍政権が「4月決戦」を見据え、経済指標や景気動向、そして野党の出方にことさら神経質になっているのは確かだ。たかが補選、されど補選なのである。(高木桂一)



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 この新聞記事にあるように、来年4月に徳田氏の失職による鹿児島第二区の補欠選挙が行われる可能性が大変高くなっています。来年4月というのは消費税の税率が現行の5%から8%に引き上げられる時期でもあり、補選で自民党の苦戦が予想される、と記者は書いています。自民党、安倍政権贔屓の産経新聞ですから、それはさすがにご心配なんでしょうねと、皮肉の一つも言いたくなります。



 鹿児島第二区という選挙区は、地図で見ても分かるように、鹿児島県薩摩半島南部の各自治体と奄美群島が一緒になった選挙区です。鹿児島では「本土」と「離島(シマ)」という言い方をしますが、文化や風習がだいぶ異なります。農業が盛んな地域ではありますが、本土とシマでは作られる作物が違います。ですから、この選挙区はかなり多様性がある、悪く言ってしまえば分裂気味の選挙区と言えるでしょう。


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 この選挙区からこれまで代議士になったのは、徳田虎雄氏、園田修光氏、徳田毅氏、打越明司氏です。このうち、徳田親子は選挙に出られないといすると、園田氏と打越氏、そして新顔ということになります。小選挙区制が導入されて以降、小選挙区で民主党や共産党が勝利を得たことはありません。2009年に民主党が大勝した時の選挙でも、徳田毅氏が小選挙区で勝利し、民主党から出馬した打越明司氏は比例復活当選を果たしたくらいで、保守的な選挙風土と言えましょう。



 打越氏は、鹿児島ラ・サール高校から九州大学を卒業し、松下政経塾に進んだ人物です。一期生ということで、民主党の野田佳彦前首相とは同期の間柄です。長らく自民党所属の県議会議員を務めていました。その後、国政を目指して自民党を離党し、民主党に所属し、国政に挑戦し、2009年には比例復活を果たしましたが、2012年の選挙では敗れてしまいました。もし補選が行われた場合、出馬するのか微妙なところです。



 園田修光氏は県立錦江湾高校から日本大学を卒業した人物です。1996年の選挙では、自民党の公認候補として徳田虎雄氏を破って鹿児島第二区から国政の場に出ましたが、その後、徳田家に苦杯を飲まされてきました。そして、徳田毅氏が自民党に入党したことで、徳田氏の支援に回りました。2012年の総選挙では、徳田毅氏の選対本部長を務めました。



 打越氏は温泉で有名な指宿、園田氏は鹿児島市南部の谷山地区(元々は谷山市という別の地方自治体でしたが鹿児島市と合併しました)をそれぞれ地盤としています。鹿児島二区は先ほど書きましたように、離島部と薩摩半島南部が一緒になっています。薩摩半島南部の人々からすれば、補選が行われる場合、「奄美ではなく自分たちが代表を出すチャンス」と捉えることになるでしょう。



 そのため、本土の人々は、できれば本土系の人を勝てる公算の高い自民党には公認して欲しいと考えるでしょう。そうなった場合、奄美系は無所属でも奄美の利益代表的な人物を出すこともあり得ますので、自民党としては頭が痛いところです。



 本土とシマの両方をある程度納得させる人物ということになれば、私は園田氏であろうと考えます。園田氏は2012年の総選挙で徳田毅氏の選対本部長を務めましたが、今回逮捕されていません。これからの捜査の行方もありますが、徳洲会事件の力点が徳洲会と徳田毅氏の選挙違反から猪瀬氏の方に移っている以上、園田氏は逮捕を免かれるでしょう。



 園田氏は徳田氏の選挙を支援しました。そういう人物が徳田氏の代わりに選挙に出るとなれば、奄美の人々もある程度納得できるでしょうし、本土系の人物も納得できるのではないかと考えます。



 勘ぐったことを言えば、園田氏は次の補選のために逮捕されずに残された人材なのだと言うことも可能なのではないかと思います。



(終わり)


 


 


 


 


 


 


 


 



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古村治彦です。



 2014年1月に刊行予定の2冊目の本のゲラに手を入れる作業をしておりまして、本ブログの更新を休止しておりましたが、緊急的に再開いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。



 今回は、徳洲会事件について書きます。このブログでも以前に徳田毅代議士(鹿児島二区選出、自民党を離党)の選挙違反事件について書きました。そして、徳洲会の事件は、現役の東京都知事である猪瀬直樹(いのせなおき)氏にも拡大しました。



 昨年末に行われた東京都知事選挙で、当時、都知事の最有力候補であった猪瀬直樹が、都知事選出馬の挨拶を、徳洲会グループ創業者で病気療養中の徳田虎雄(とくだとらお)氏に行い、その後、徳洲会側から5000万円を受け取ったが、今年の9月に徳洲会の選挙違反で捜査が入った時に、全額返却したというのが事件のあらましです。以下の新聞記事には時系列が書かれており参考になりますので、是非ご覧ください。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「徳田親子の「猪瀬文書」残っていた」



2013年11月24日 日刊スポーツ

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20131124-1222496.html



 東京都の猪瀬直樹知事(67)が昨年末の知事選前、徳洲会グループから5000万円を提供されていた問題で、現金を渡した徳田毅衆院議員が、父の徳田虎雄・前徳洲会理事長に「知事が1億円を要求している」と話したという文書記録が残されていることが23日、分かった。虎雄氏は「とりあえず5000万」「足がつかないようにしろ」と指示したという。猪瀬氏は自ら金銭を要求していないと否定したが、徳洲会側との主張の溝が広がっている。



 5000万円は、猪瀬氏から要求していたとする徳洲会側の「記録文書」の存在が明るみに出た。関係者によると、猪瀬氏に直接現金を手渡した徳田議員が昨年11月19日、神奈川県鎌倉市の湘南鎌倉総合病院で療養している虎雄氏と電話をした際のやりとりという。



 徳田議員 都知事選の応援について、猪瀬氏は1億円ほしい。残ったら返すということでした。



 虎雄氏 とりあえず5000万円を渡せ。足がつかないようにしろ。



 その後徳田議員が、現金を渡す場所を議員会館にすべきか相談する場面も、記録されていたという。猪瀬氏は金銭授受の場所について「議員会館だったかもしれない」と話している。



 虎雄氏はALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い、文字盤を目で追う形で会話をする。通訳人を介した会話となり、当時の複数の病院関係者も耳にしているという。このやりとりの後、徳田議員の事務所で、5000万円が猪瀬氏に手渡された。猪瀬氏が要求したとされる額に関して、1億5000万円との報道もある。



 猪瀬氏は22日の会見で、資金提供を受けた理由を「申し出があれば、断るのは失礼だろうから」と述べ、あくまで徳洲会側の申し出だったと説明した。23日、都の防災訓練後に取材に応じ、「(1億円という)金額を要求した事実は100%ありません」と述べ、自ら要求したことはないと否定した。「残ったら返す」発言の事実関係も問われたが明言を避け、記者に繰り返し質問されて「していません」と述べた。22日の都庁の会見と同様、問い詰められると答えの内容が変わった。



 猪瀬氏は現金授受の際に借用書を作成したと説明するが、返却された徳田議員の母親は、「借用書は知らない」と話しているとされる。この件について、猪瀬氏は「僕、割とまじめですから」と前置きし、借用書を書いたと何度も強調。今年1月には返却の意思を伝えていたとも繰り返し、この日も釈明に追われた。



 会見では「防災について質問ありますか」と呼び掛けたが、記者の反応はなく、質疑は5000万円問題に集中。訓練の視察中には、年配の女性から「5000万円が通った」と怒りがにじんだ声が上がる場面もあった。徳洲会との主張が食い違う中で“潔白”を証明できなければ、猪瀬氏への批判はさらに強まりそうだ。



<資金提供をめぐる経過>



 ▼12年11月6日 猪瀬氏が入院中の徳田前理事長に、出馬のあいさつ



 ▼同月中旬 猪瀬氏が議員会館を訪れ、徳田議員から5000万円を無利子、無担保で受け取る



 ▼12月16日 猪瀬氏が都知事選で初当選。史上最多の433万票を獲得



 ▼13年2月 徳田議員の女性問題発覚。猪瀬氏はこのころ、現金を返却しようとしたが、「向こうが雑誌に取り上げられ、てんやわんやとしている状態でチャンスがなかった」と主張



 ▼7月21日 闘病中だった猪瀬氏の妻ゆり子さんが、死去。猪瀬氏は返却が遅れた理由の1つに、現金を妻名義の貸金庫に入れ、鍵も妻が持っていたため開けなかったと説明



 ▼9月8日 2020年の東京五輪開催決定



 ▼同17日 徳洲会グループに強制捜査。猪瀬氏はこの後秘書を通じ、徳田議員の母に5000万円返却



 ▼11月22日 猪瀬氏が、徳洲会からの5000万円提供を会見で認める



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 5000万円の「受け取り」については、猪瀬直樹はその事実を認めています。そして、これは、徳洲会側から「借りてくれ」ということで、断りにくい状況であったので、借用書を書いて「借りて」おいて、亡くなった猪瀬氏の奥様名義の貸金庫に保管してあったと主張しています。そして、返そうと思っていたが、貸金庫の名義人である猪瀬氏の奥様が亡くなったこと、徳田毅代議士の女性問題の報道が出て混乱していたこと、などの偶然の出来事が重なり、返却する時期が遅れてしまったということだそうです。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「猪瀬知事、崖っぷち 徳洲会に1億円要請… 「東京五輪に大打撃」の声も」



2013年11月23日 ZAKZAK 

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20131123/plt1311231501003-n1.htm



 猪瀬直樹東京都知事(67)が、崖っぷちに立たされた。医療法人「徳洲会」グループから現金5000万円を受け取っていたことを、

「個人的に借りた」「選挙資金ではない」と釈明したが、不自然さは明らか。当初、1億円の資金提供を要請していたことも関係者証言

で浮上した。今後、東京地検 特捜部の捜査に加え、検察審査会という壁も待ち受ける。2020年東京五輪への打撃は避けられない。



 猪瀬氏が22日午後、都庁で開いた記者会見は哀れだった。



 前日夜、朝日新聞の取材には「私はまったく関知しない」と全否定しておきながら、一転、「ご心配、ご迷惑をおかけしたことをおわ

びします」と陳 謝し、「あくまで個人として借りた」「選挙と関係ない」「手を付けず全額返済した」などと、弁護士と打ち合わせた

ような回答を連発した。



 その目は泳ぎ、かつてノンフィクション作家として、社会の闇や不正を追及してきた毅然とした姿はなかった。



 記者会見は1時間10分に及んだが、(1)5000万円の趣旨(2)無利子・無担保の異常さ(3)特捜部による強制捜査後の返却

(4)選挙運動 費用収支報告書や政治資金収支報告書、資産報告など公的処理をしなかった理由-など疑問や謎は深まり、「『裏金』

だったと疑われても、仕方ない」 (毎日新聞23日朝刊)と指摘するメディアもあった。



 こうしたなか、猪瀬氏が都知事選出馬にあたり、徳田毅衆院議員(42)を通じてグループ創設者の虎雄氏(75)に1億円の資金

提供を要請してい たことが明らかになった。関係者は電話の生々しいやりとりを証言する。



 毅氏「都知事選の応援について、猪瀬氏は1億5000万円と言っていましたが、結局、1億円を先に欲しい、残ったら返すということ

です」



 虎雄氏「とりあえず5000万円。先方に取りに来させろ」



 毅氏「議員会館でやりましょうか」



 虎雄氏「足がつかないようにしろ」



 注目されるのは、捜査の行方と猪瀬氏の去就だ。



 公職選挙法が禁じる虚偽記載の疑いがあるため、特捜部の捜査が入ることは避けられない。仮に、特捜部が不起訴としても、無罪と

なった生活の党の 小沢一郎代表のように、一般人による検察審査会で「起訴議決」されて、強制起訴される可能性もある。



 都議会も、猪瀬氏の資金貸与問題を徹底追及する構えで、東京五輪の開催に向けた予算などを審議する議会が紛糾しかねない。都庁内

には「東京五輪に大打撃だ」という声も出ている。



 猪瀬氏は自身の出処進退をどう判断するのか。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 ここでよく分からないのは、猪瀬氏と徳田虎雄氏は面識がなく、都知事選出馬の挨拶に行った時が初対面であったという点です。お互いが初対面の人物同士、いきなり、お金の話になるでしょうか。猪瀬氏側にお金がなくて苦しいという話を仮にしたとして、「じゃぁ5000万円を提供します」ということになるでしょうか。私は、猪瀬氏の徳田氏への挨拶は、誰かに「行くように」と言われて行ったものであると考えます。それでは、猪瀬氏がわざわざ挨拶に行くように仕向けた人物は誰なのか。そのことを何となくでも示唆するのが次の新聞記事です。



●「徳洲会違反事件、政界ルートに発展か」



2013年11月23日 日刊スポーツ

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20131123-1221982.html

 

 東京都の猪瀬直樹知事(67)が、公職選挙法違反容疑で幹部6人が逮捕された医療法人徳洲会グループから、昨年12月の都知事選前に5000万円を受け取っていたことを22日、明らかにした。



 徳洲会グループによる公選法違反事件は、猪瀬氏の5000万円受け取り問題が発覚したのを機に、「政界ルート」に発展するのではないか、との指摘も出始めている。永田町では、「次は誰の名前が出るのだろうか」と、戦々恐々としている。



 グループを率いた徳田虎雄・前理事長(75)の人脈は広く、猪瀬都知事を後継に指名し、国政に復帰した石原慎太郎・日本維新の会共同代表(81)とは“盟友”の関係にあるといわれるほか、亀井静香衆院議員らとの交流でも知られた。



 事件が表面化した後も、選挙戦でのグループ職員の派遣などを通じて、現職の大物議員や元職を含む、複数の政界関係者の名前が取りざたされている。先日、東京地検特捜部が、同グループによる公選法違反容疑を裏付けるために行った家宅捜索では、多数の資料が押収されており、現在検証作業が進んでいる。



 徳洲会の選挙をめぐっては、徳田前理事長が1983年(昭58)、当時全国唯一の1人区だった衆院旧奄美群島区に無所属で出馬、政界を目指し始めた過程で、「金権選挙の象徴」といわれていた。徳田前理事長と自民党の保岡興治氏の間で展開された、島を二分する

激しい選挙戦は「保徳戦争」と呼ばれた。徳田前理事長は2度落選し、3度目の1990年に初当選。現金が飛び交ったといわれ、選挙違反で逮捕者も出た。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 猪瀬氏の前任者である石原慎太郎(いしはらしんたろう)氏は、徳田虎雄氏とは長年の盟友関係にあります。徳田氏は物心両面で石原氏を支援してきました。石原氏は猪瀬氏を後継者としました。そして、猪瀬氏に次のようなことを言ったのではないかと推測します。「徳田氏とまだ会ったことがないのか。それはいかん。必ず挨拶に行きなさい。石原の跡を受けて都知事になります。つきましては石原の時と同様にご支援をお願いしますと言いなさい」と。それで、猪瀬氏は徳田氏に挨拶に行きました。そして、「同様のご支援」の中に、資金提供があったのだろうと思います。



 石原慎太郎氏は現在、代議士で日本維新の会共同代表(もう一人の共同代表は橋下徹・大阪市長)です。これから石原氏が都政に復帰することは考えにくいです。となると、今回のスキャンダルを石原氏が仕掛けたということはないと思います。ですから、徳田家、徳洲会グループに対する今回の捜査と猪瀬氏への拡大に関しては、石原氏が自爆(自分も道連れになって猪瀬氏を追い落とす)ということでもない限り、石原氏も攻撃を受ける側となります。


 猪瀬氏はあったことを正直に全て話すべきですが、石原慎太郎氏が絡んでいるとすると、それは難しいでしょう。お世話になった人を売ることになりますし、事件の影響がもっと拡大してしまうことになるからです。猪瀬氏も厳しい立場に立たされています。

 今回の猪瀬氏への拡大に関して、誰が得をするのかということを考えてみると、私は橋下氏ではないかと考えます。現在、日本維新の会は、一時期のような勢いを失っています。また、日本維新の会に多く入ってきた石原氏系の政治家たちとの勢力争いもあります。この場合、橋下氏にとって石原氏が影響力を失うことは利益となります。ですから、今回の件は、橋下氏にとって利益につながると私は思います。



 もっと考えてみると、これは安倍晋三総理から橋下氏への援護射撃ではないかと思います。これによって、安倍総理は橋下氏と再び共同歩調を取ることが可能となりますし、恩を売ることができます。橋下氏にとっても目の上のたんこぶを取り除くという点でメリットがあります。



 徳洲会事件はこれからもっと拡大していく可能性があります。私はこれまで書いたようなラインで事件の推移を見ていきたいと思います。



(終わり)

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


 

 古村治彦です。

 明日2013年11月20日から11月25日までブログの更新を休止いたします。誠に申し訳ございません。

 休止の理由は、2014年1月に出版予定の私の本の原稿の推敲、加筆訂正を行うことになったからです。このために、ブログの更新ができない状況となるためです。

 折角、心機一転、ブログの刷新を図るためにブログの会社を引っ越しましたのに、それほど日数も経たないうちに更新を休止することになりまして、数少ない読者の皆様にお詫びを申し上げます。2013年11月26日にまたお目にかかりたいと存じます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

 古村治彦謹白


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