古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


 

 古村治彦です。

 

 今回は、2014年の中間選挙の結果を見ていきたいと思います。と言っても、全てを見ていくことはできませんので、連邦上下両院の結果を特に見ていきたいと思います。私が注目したいのは、2012年の大統領選挙で激戦州と呼ばれ、大統領選挙では常にどちらに転ぶか分からない州の結果です。上院は2年後に3分の1ずつ改選していきますので、1回の選挙で全ての州で上院議員選挙がある訳ではありません。下院議員は2年ごとに全員が改選ですので、下院議員は2年ごとに選挙があって大変です。

 

 私が注目する激戦州というのは、ニューハンプシャー州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、ミシガン州、ウィスコンシン州、アイオワ州、コロラド州、ネヴァダ州、フロリダ州です。これらの州の動きに敏感になっていれば、大統領選挙の結果も予想しやすくなります。

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アメリカの地図 

 

 さて、上院議員選挙から見ていきます。選挙が行われたのはニューハンプシャー州、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、ミシガン州、アイオワ州、コロラド州で、ヴァージニア州では結果が出ていません。結果が出ている5州のうち、ニューハンプシャー州とミシガン州で民主党の現職が議席を守り、ノースカロライナ州、アイオワ州、コロラド州で共和党の新人が勝利を収めました。選挙前は民主党5人でしたが、選挙後は民主党2名対共和党3名となった訳です。


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2014年中間選挙・上院議員選挙の結果(茶色は共和党が民主党から議席を奪った州)

 下院議員選挙についてみていきます。議席数の変更が起きたのは、ニューハンプシャー州(民主:2→民主:1;共和:1)、ノースカロライナ州(民主:4;共和:9→民主:3;共和:10)、アイオワ州(民主:2;共和:2→民主:1;共和:3)、ネヴァダ州(民主:2;共和:2→民主:1;共和:3)でそれぞれ共和党が1議席を増やしています。ペンシルヴァニア州(民主:5;共和:11)、オハイオ州(民主:4;共和:12)、ヴァージニア州(民主:3;共和:8)、ミシガン州(民主:5;共和:9)、ウィスコンシン州(民主:3;共和:5)、コロラド州(民主:3;共和:4)、フロリダ州(民主:10;共和:11)では議席数の変動はありませんでした。フロリダ州では、民主党が共和党から1議席を奪取し、共和党も民主党から1議席を奪取しましたので、総数では変更はありませんでした。

 

 私は民主党惨敗、バラク・オバマ大統領惨敗という報道に対してその通りだとは思うのですが、大統領選挙を絡めて見ると、民主党もオバマ大統領もそこまで負けていないのではないかと考えています。激戦州での動きは小さいものだと言えます。彼らは自分たちが取るべきところはきちんと死守したのではないかと思います。2006年の下院議員選挙(ジョージW・ブッシュ前大統領最後の中間選挙)でも、民主、共和党寮で30議席以上の変動があり(民主:233対共和:202)、現職2期目の大統領の最後の中間選挙は大統領を出している党が弱いということが言えると思います。現職に飽きてきたという感情が国民の中にあり、それが個々の政策課題についての批判となって噴出するのだと思います。


 選挙前にあれだけの逆風、共和党には多額の資金がりゅうリュウした状況下で、そこまで負けなかったと思うのです。その証拠の一つとして、2012年の大統領選挙の結果と2014年の下院議員選挙の結果を地図にしたものを挙げたいと思います。

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2014年中間選挙・下院議員選挙の結果(茶色は共和党が民主党から議席を奪った選挙区で、濃い青のシマの部分は逆) 

 
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2012年の大統領選挙の結果(下院議員選挙の選挙区ごと)
 

これら2枚を見比べていただくと分かると思いますが、ほぼ同じです。民主党は太平洋沿岸、東海岸、大都市圏では勝利を収めています。2008年の選挙から2010年、2012年、2014年と3回の選挙がありましたが、民主党は2008年の時の貯金を吐きだしたと言えますが、致命的な後退はしていないのです。

 

 そうなると、次は2016年の選挙と言うことになりますが、現在の情勢下では、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官が候補者として有力視されています。この2年間で、リーダーシップを見せつけ、大統領選挙に臨むことになるだろう。今回の中間選挙はその第一歩であったと言うことができます。

 

(終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


 

 古村治彦です。

 

 昨日、やっと2か月半ほど取り組んでおりました翻訳を終えました。これからゲラが出て赤ペン入れを行うことになります。総量が原稿用紙1000枚ほどの量になりましたので、どういう形で出版になるか分かりませんが、出版が決まりましたらお知らせ申し上げます。宜しくお願い申し上げます。

 

 アメリカ時間2014年11月4日には、アメリカで中間選挙が行われます。今回は一部の知事選、連邦上院の議席の3分の1、連邦下院の全議席が選挙されます。中間選挙はMidterm Electionと呼ばれます。今回はアメリカ大統領選挙が行われません。Midtermという言葉は学校では「中間試験」を意味します。中間選挙は、大統領を出している与党に対する「中間試験」の意味合いがあります。

 

 オバマ大統領の国内、対外政策について「リーダーシップの欠如」によって対応が遅れているという批判がなされ、支持率が40%代に低下し、不支持率は50%を超えています。中東情勢ではイスラム国(IS)に対して地上軍を送るべきではないかという議論もありますが、アメリカにはそれだけの力が残っているようには思えません。また、経済政策も成果が見えにくく、社会保障費の増大にどう対処するのか、債務上限問題も再び火を噴くと可能性もあり、そうした不安や不満がオバマ大統領に対する批判として表面化しています。大統領支持率の数字は、オバマ政権発足以来、最低の数字です。


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(ギャロップ社のウェブサイトから:Approveが支持、Disapproveが不支持、No Opinionが無回答・どちらでもないを意味しています)

この状況を受けて、中間選挙では、共和党が躍進を見せる可能性が高まっています。現在、連邦上院では民主党が過半数を占めていますが、今回の選挙の結果、共和党が過半数を占めることが確実視されています。また、連邦下院では共和党が既に過半数を占めていますが、議席数を更に増やしそうな勢いです。オバマ大統領と民主党にとって、今回の中間試験は落第点を取るということになります。

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(連邦上院の選挙結果予想:赤が共和党、青が民主党を示しています)

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(連邦下院の選挙結果予測:赤が共和党、青が民主党を示しています)


 連邦上院は議席数が100、州の人口や大きさとは関係なく、各州2名ずつが出ます。連邦下院議員は議席数が435議席で各州で複数の選挙区があります(人口を基に区割りしています)。選挙結果予想を見てみると、大西洋岸、太平洋岸、大都市圏は民主党が強く、それ以外の地方の選挙区では共和党が強いことが分かります。これが最近のアメリカ政治の一つの潮流と言えます。 

 

 オバマ大統領は2期目の後半を迎えました。米大統領は2期までという制限がありますので(戦時下のフランクリン・D・ルーズヴェルト大統領は例外的に3期やりましたが、任期途中で亡くなりました)、次の大統領選挙に出ることはできません。ですから、中間試験で悪い点数を取ることになっても、挽回しようとはしますが、結局のところ「後は大過なく過ごせばよい」という状態になりますし、周囲の人々も協力的ではなくなります。これを「レームダック(へたれたアヒル)」状態と言います。

 

 この中間選挙の後からは、いよいよ民主、共和両党が2016年の米大統領選挙の候補者選びの段階に入っていきます。来年は両党で予備選(Primary)が行われ、それを勝ち抜いた候補者が本選挙(Presidential Election)を戦うことになります。有力候補者たちの顔ぶれについては近いうちにお知らせしたいと思います。

 

(終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 古村治彦です。

 今回は、2014年11月2日に発売となります、副島隆彦先生の最新刊『官製相場の暴落が始まる――相場操縦しか脳がない米、欧、日 経済』(祥伝社)を皆様にいち早くご紹介したいと思います。

kanseisoubanobourakugahajimaru001今の日本政府がやっていることは相場操縦(そうばそうじゅう)である。すなわち、政府による市場の価格操作(マーケット・マニピュレーション market manipulation )である。こんなことを一体いつまで続けられるのか。

 法律違反である相場操縦を、金融市場で政府、国家自身がやっている。先進国、すなわち今のアメリカ、ヨーロッパ、そして日本の3つがそろってやっている。① 株式と、② 債券(金利)と、③ 為替(円・ドル相場、ドル・ユーロ相場)の政府自身による価格操作と統制が行なわれている。明らかに統制経済( controlled economy  コントロールド・エコノミー)である。

 今のところは、この先進国3つの地域の思うがままである。だからこのあとも円安(1ドル=116円ぐらいまで)が進み、株高(日経平均1万7000円台


 アメリカのジェイコブ・ルー財務長官の行き過ぎた円安の是正を求める発言を受け円高が進み、期待外れのアメリカの経済指標によるアメリカの株式市場の下落の影響を受けた株安が起きています。

 2012年12月に成立した第二次安倍晋三内閣は、「アベノミクス」を掲げ景気対策を行ってきました。その効果もあって株式市場が持ち直し、景気は良くなりつつあるということになっていました。しかし、その実態は、全く別ものであったということが暴露されつつあります。

 大きくは世界経済や日本経済、小さくは家庭の経済状況に関心のある多くの方々にとって、本書は導きの書となります。是非、お読みください。

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まえがき

 

 今の日本政府がやっていることは相場操縦(そうばそうじゅう)である。すなわち、政府による市場の価格操作(マーケット・マニピュレーション market manipulation )である。こんなことを一体いつまで続けられるのか。


 法律違反である相場操縦を、金融市場で政府、国家自身がやっている。先進国、すなわち今のアメリカ、ヨーロッパ、そして日本の3つがそろってやっている。①
株式と、② 債券(金利)と、③ 為替(円・ドル相場、ドル・ユーロ相場)の政府自身による価格操作と統制が行なわれている。明らかに統制経済( controlled economy  コントロールド・エコノミー)である。


 今のところは、この先進国3つの地域の思うがままである。だからこのあとも円安(1ドル=116円ぐらいまで)が進み、株高(日経平均1万7000円台まで)が演出される。しかし、はたして金利(国債の値段)までを操
(あやつ)ることはできるだろうか。

来年に入ったら、ニューヨークで株式の暴落が起きるだろう。無理やり作ったNYダウ平均株価1万7000ドル台は、1万5000ドル台まで落ちるだろう。


 アメリカのFRB(米連銀準備
(リザーブ)制度理事会)のジャネット・イエレン議長は、金融政策における〝タカ派〟の本性をついに露(あら)わにした。金融緩和(クオンテイテイテイブ・イージング)をこの10月でやめる、と終了宣言した(7月9日)。世界的に強いドル、すなわちドル高、株高演出の政策を強行しつつある。同時に「金利を徐々に上げる」と言う。はたしてそんなことができるのか。

「量的緩和をやめることなんか、できるものか。イエレンを痛めつけてやれ」という動きがニューヨークで起きている。アメリカにも、企業経営者たちが本業ではない〝金融バクチ〟で会社の利益を捻(ねん)(しゆつ)している者たちがたくさんいる。経営者たちは金利が少しでも上がると資金繰()りに響く。
 

実は、アメリカの経済政策(財政政策(フイスカル・ポリシー)と金融政策(マネタリー・ポリシー)の2つで経済政策(エコノミツク・ポリシー))の本当の主役はイエレンではなくて、米財務長官(トレジヤリー・セクレタリー)のジェイコブ・ルーだ。真犯人は、こっちなのだ。私たちは騙(だま)されている。いつもいつも、白髪の老婆のイエレン議長の、顔と声明文だけをニューズで見せられて、囮(おとり)作戦(レッド・へリング red herring )に引っかかっているのである。
 

ジェイコブ・ルー率いるアメリカの財務省にしてみれば、絶対に金利を上げることはできない。金利が少しでも上がると、巨額の米財政赤字(ファイナンシャル・デフィシット)を返済することができなくなる。利子分の支払いができなくなる。予算が組めなくなる。だからイエレンが言う「アメリカ経済を正常化させるために金融市場に金利を付ける」とは、ウソである。金利を上げれば企業経営者たちが嫌がる。資金が株式市場から逃げる。すると株式の暴落が起きるはずなのだ。

 

日本では8月20日から急に円安・ドル高が起きて、1ドルは=110円になった。2003年4月のブッシュ・小()(いずみ)の時とそっくりだ。イエレンは10月末で金融緩和策(じゃぶじゃぶマネー)を全面停止(終了)して、「政策金利(短期金利、FFレート)を来年中には(相当の時期に)上げる」と言い出した。米、欧、日の先進国3つは、もがき苦しむように今のデフレ経済から脱出しようとしている。が、できるはずがない。財政赤字の額が巨大すぎる。イエレンの判断はどう考えても筋が悪い。慎重に慎重に、そろりそろりと「金利が上がっても株式が暴落しない」ようにしている。真犯人の米財務省は金利が上がると困る。日本財務省も同じだ。相(あい)()(じゆん)した愚(おろ)かな政策に突っ走っている。


 アベノミクスの安倍晋三(あべしんぞう)首相が、いくら「デフレ経済からの脱却」と言っても、できるわけがない。今年いっぱい年末までは、〝官製(かんせい)株バブル〟で株高にして投資家や経営者たちを浮かれ騒がせる。それで
12月中旬に消費税の追加増税(10%へ)を決める。だから来年は株が暴落する。どれだけGPIF(ジーピーアイエフ)の弾(たま)が保つかである。


 アメリカは、アメリカ市場に、ヨーロッパからの資金と新興国や日本の資金も吸い上げて、掻
()き集めることで自分だけ生き残ろうとする。イエレン(アメリカ)は異常な金融緩和策をやめて、形(かたち)(じよう)だけ正常な経済に戻ろうとする。しかし内心はビクビクものである。今のような超低金利(ゼロ金利)で、やっとのことで経済を回している仕組みが、いつまでも続くわけがない。彼ら自身が死ぬほど分かっている。それでもデフレ(不況)と低金利は続く。
 

だから年末までは、日本でも低金利(ゼロ金利)を原因とする株式値上がりの浮かれ騒ぎが続く。それを安倍政権自身が〝相場操縦〟で、価格操作して吊り上げる。


 私は、資産家と投資家の皆さんに、暴落が来るので利益が出ている今のうちに、ガラが来るまえに上手に売り逃げてください、と助言する。

 

 金融・経済の本が、書店の棚にトンと並ばなくなった。金融本の書き手たちが読者の信用を失()くして全滅したのだ。私はただひとり、金融予測本を書いて世に問い続ける。

 

 2014年10


副島隆彦

 

 

あとがき

 

 今年はゆうちょ・かんぽの資金を30兆円ぐらいアメリカに送った。今やボロクズ債である米国債を買った形にして、だ。だから円安が起きたのだ。私以外の言論人は、誰もこのことを書かない。


 私はこの本で、米、欧、日の3つの先進国の政府自身による、違法な市場操作の実態を暴き立てるように書いた。彼らのやりたい放題の悪
(あつ)(こう)を徹底的に説明した。日本政府(安倍政権)が喧伝(けんでん)する「景気回復」はなかった。私たちの暮らしは苦しいままだ。日本はますます貧乏になっている。
 

この本の英文タイトルは、 Governments(ガヴアメンツ) Market(マーケツト) Manipulation(マニピユレーシヨン) である。マニピュレーションとは、①機械や飛行機を巧(たく)みに操縦すること。② 事件、問題をうまく処理すること。③ 人々や世論を操(あやつ)ること。④ 株式や通過を人為的に操作すること。⑤ 帳簿や報告をごまかすこと。⑥ 医学用語としては、患者を触診すること、だ。このように)修館『ジーニアス英和辞典』にも書いてある。
 

米、欧、日の政府による金融市場の価格操作、すなわち相場操縦は、すでに限界に達しつつある。


 市場
(マーケツト)を支配(コントロール)しようとする者たちは、必ず市場から復讐される。どんな権力者でも、独裁者でも、ローマ皇帝でも、市場を支配しつくすことはできなかった。日本の徳川(とくがわ)八代将軍吉宗(よしむね)は、米(こめ)相場を管理しようとして「米将軍(こめしょうぐん)」と呼ばれたが、大失敗した。

 

 最後に。この本も祥伝社の岡部康彦編集長と二人三脚で作った。夜を日に継いで書き続けて、18日間で書き上げた。記して感謝します。

 

副島隆彦


(終わり)

 












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