古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。





アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 イスラム国による湯川遥菜さん、後藤健二さんの誘拐事件がお二方の殺害という最悪の結末を迎えました。前回の本ブログの記事でもお知らせした通り、その後、我が国の政府は、お二人の解放に向けて「何もしていなかった」ということが明らかにされつつあります。そして、本日、2月3日には『女性自身』誌に以下のような記事が出ました。

 

 後藤さんの奥様とシリア人のガイドに対して外務省が「誘拐されたことは決して口外しないように。後藤さんの安全のために必要です」と口止めを行ったということです。

 

 日本国内でもごくたまに起きる誘拐事件の場合も、捜査はまず秘密で行われ、それから公開捜査に切り替えられます。また、人質解放交渉においては秘密を保つ必要がある場合もあることは容易に理解できます。

 

 しかし、日本政府は人質解放に向けて、イスラム国と交渉することもなく、身代金さえも用意していませんでした。それなのに、後藤さんの奥様とシリア人ガイドには「後藤さんの安全のために事件のことは口外しないように」と口止めをした訳です。

 

 この口止めの時期も問題で、昨年12月2日で総選挙の告示日でした。後藤さんの誘拐事件のことが明るみに出れば、それより前に発生していた湯川さんの誘拐事件も引き合いに出されて、「政府は何をやっているんだ」という声が上がり、自民党は苦戦を強いられた可能性もあります。

 

 政治家にとって選挙は最重要です。選挙に勝たねば何もできません。しかし、有権者の側から見れば、選挙においてはあらゆる判断材料を提示してもらわねば、正しい判断を下すことはできません。昨年12月の時点で事件を公表すべきだったかどうかで言えば、私は交渉継続中であっただろうし、積極的に事件のことを公表する必要はなかったと思います。ただ、後藤さんの奥様とシリア人ガイドに対して口止めをするという行為はやり過ぎだと思います。

 

安倍政権は発足以来、こうした過度な隠蔽体質が見え隠れします。こうした隠蔽体質を、事件の事後検証においては是非出さないようにお願いしたいところです。事件についての正しい検証こそが次の悲劇を防ぐために必要なことだと私は思います。また、事件のことをしっかりと検証し、事実を公表することで、次の選挙における判断材料にさせてもらいたいと思います。

 

 安倍氏とその周辺の言動を見ていると、陰鬱な隠蔽体質といわゆる「逆切れ」を頻発させる未熟さがあります。これらが日本の民主政治体制と日本を殺してしまうのではないかとハラハラさせられてしまいます。安倍晋三政権の退陣が一日も早からんことを願ってやみません。

 

(雑誌記事転載貼り付けはじめ)

 

●「後藤健二さん 外務省が妻にしていた「総選挙12日前の口止め工作」」

 

女性自身 23()00分配信

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150203-00010001-jisin-ent

 

 テロ組織『イスラム国』に人質となっていたジャーナリスト・後藤健二さん(47)の殺害が公表された。 イスラム国を訪れたこともあるジャーナリスト・常岡浩介氏が言う。

 

「遺体の返還はこれまで例がありません。イスラム国は、遺体に“身代金”を払うよう要求してきたこともあります」

 

 殺害を受け、後藤さんの妻は、夫を「誇りに思う」との声明を発表した。妻は、幼児2人を抱えながら独立行政法人で働く、東大大学院修了のキャリア女性だ。122日に夫の拘束をイスラム国からのメールで知って以来、彼女は苦難の日々を過ごしてきた。だが、常岡さんは重大な情報を本誌に明かす。

 

「この122日という日は、衆議院総選挙の告示日でした。1214日が投票日ですから、その12日前という状況です。じつはこのとき、外務省が後藤さんの奥さんとシリア人の現地ガイドに、厳重に“口止め”をしていたのです」

 

 選挙直前に“日本人人質事件”が発覚すれば、選挙に影響が――。万一にも事件が表沙汰にならないよう、外務省が口止めをしていたというのだ。

 

「奥さんは子供を守るため、もともとメディアにさらされたくないとは思っておられましたが、外務省からの“口止め工作”について、現地ガイドがはっきりと証言しています。外務省は『後藤さんを守るためだ』と言ってきたそうですが、選挙前にこの話が出たら、安倍首相にプラスにはなりません。譲歩して助けても、助けられなくても批判されますから。でも、選挙前に拘束の事実が明らかになっていたら、日本政府はもっとまじめに助けていたかもしれませんね」

 

 政府による後藤さんの救出活動に問題はなかったのか。これからその検証が始まるーー

 

(雑誌記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)








 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote


アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


 

 古村治彦です。

 

 今回は、アメリカのバラク・オバマ大統領のイスラム国に関する最新の発言をまとめた記事を皆様にご紹介いたします。

 

 現在、日本国民の関心を集めているイスラム国ですが、アメリカにとっても重要な国際問題です。

 

 ですが、オバマ大統領は抑制的な姿勢を貫き、安易に地上軍を派遣するといった攻撃的な戦略をとっていません。

 

 このような姿勢こそが外交面における「リアリスト」であって、お勇ましいだけの日本の「リアリスト」とは違うところなのです。

 

==========

 

オバマ大統領がイスラム国の脅威を過大に喧伝することに対して釘を刺した(Obama Warns Against Exaggerating the Islamic State Threat

 

ケイト・ブランネン(Kate Brannen)筆

2015燃2月1日

フォーリン・ポリシー誌

http://foreignpolicy.com/2015/02/01/obama-warns-against-exaggerating-the-islamic-state-threat/

 

バラク・オバマ大統領は、イスラム国がどのようなものかを知り、このグループの脅威を大げさに喧伝しないようにすることが重要だと述べた。

 

オバマ大統領は、日曜日にCNNのファリード・ザカーリヤの番組「GPS」に出演し、インタビューに答えた。大統領は次のように発言した。「イスラム国を見る限り、彼らに統治に関する戦略など存在しないことが分かる。彼らは新しいカリフ体制国家を樹立すると述べているが、彼らが支配地域の人々を飢えさせないようにし、教育を与え、機能する社会を組織化できるなどという幻想を誰も持っていない」

 

イスラム国はシリアとイラクの広大な地域を占領し続けている。

 

地元の人々の支持を勝ち取ることは、この好戦的なグループが長期にわたり成功を抑えるために必要なことだ。しかし、現在までのところ、彼らが実権を掌握しているのは人々の恐怖心を煽ることを通じてだ。イスラム国の本部があるシリアのラッカでは、公開の斬首や磔が定期的に行われている。

 

しかし、イスラム国の長期的な安定にとってより脅威となるのは、彼らがきちんとした統治を行い、支配地域に住む人々に対して生産的な経済を提供する能力に欠けている点だ。イスラム国自体はきちんと行政サーヴィスを提供する能力を持ち、汚職にまみれ、統治能力の欠けたシリア政府やイラク政府よりもより良い統治を行っていると主張している。しかし、イラクのモスルをはじめとする都市部では、貧困、インフレ、水不足が発生していると報告されている。イスラム国の内部にジャーナリストは誰も入れないために、人々の生活が実際にどうなっているのかを明らかにすることは困難を極めている。

 

オバマ大統領は、イスラム国について「適切な視点を確保する」ことが重要だと述べた。大統領はイスラム国を「狂信的なカルト集団、もしくは現実の世界では機能しない過去の幻想ばかりを追いかけている集団」と形容した。

 

イスラム国とその他のイスラム主義の過激派組織は人々に危害を加えることはできるが、「アメリカと世界秩序に対して現実的な脅威とはならない」と大統領は述べた。

 

大統領は、イスラム国の脅威について注視し、アメリカの価値観を損なわないような方法で対応すると述べた。

 

「私が言いたいのは、イスラム国に対処するのに占領するための地上軍を送って、テロ集団が出てくるたびにもぐらたたきゲーム(whack-a-mole)のようなことをするつもりはないということだ。そのようなことをすれば我が国の経済力は疲弊してしまい、我が国の軍隊にとっても大きな負担を背負い込んでしまうことになる」

 

大統領は最後に、「必要なことは、大変特殊な、特定の問題に対して矯正的な、適切な対応をするということだ」と述べた。

 

(終わり)










このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 イスラム国によって日本人2人が拉致され、殺害された事件を受けて、安倍晋三内閣の菅義偉官房長官が会見で大変重要な発言しました。下に貼り付けたロイター通信の記事をまずお読みください。

 

 会見内容で衝撃だったのは、「身代金を用意していたかについて記者から問われ、「それは全くない。100%ない」と明確に否定した。さらに、イスラム国と交渉する気は「全くなかった」と述べた」という部分です。これはつまり、日本政府はイスラム国と交渉していなかったということです。

 

 これまで「政府が懸命に交渉しているのだから邪魔をしてはいけない」から「政府や安倍首相を批判することはテロ擁護でありテロ行為だ」という極端な主張までなされてきました。しかし、日本政府はイスラム国と交渉する訳でもなく、代理で交渉してもらう人には「交渉の結果、ある程度の金額で解決できるならお願いします」と言えるようにするために、ある程度のお金を用意しておくべきなのに、それすら用意していませんでした。

 

 それでは政府関係者が東奔西走している様子をマスコミに取材させていたことは一体なんだったのでしょうか?また、安倍首相と菅官房長官は、「テロに屈しない」ということを壊れたラジオのように繰り返すだけでしたが、「国民を助けるために何もしないこと」=「テロに屈しない(イスラム国にお金を渡さない=アメリカのネオコンや人道主義的介入派のご機嫌を取ること)」とでも考えていたのでしょうか。

 

 今回の事件については事後検証が重要です。「終わってしまったことをほじくり返しても仕方がないじゃないか」では済まない問題です。二度とこのような悲劇を繰り返さないために、徹底した事後検証が必要です。

 

 しかし、今回の菅官房長官の発言は大変重要です。それは、「結局、日本政府と安倍政権は、国民を救うために何もしなかった」と認めた内容だからです。私は、このような、国民を見殺しにするような安倍晋三政権を支持することはできません。内閣総辞職を要求したいと思います。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「菅官房長官「身代金用意せず」、イスラム国との交渉を否定」

 

ロイター通信電子版2015 02 2 17:08

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0L60JI20150202

 

[東京 2日 ロイター] - 菅義偉官房長官は2日午後の会見で、過激派組織「イスラム国」とみられるグループに日本人2人が殺害された事件に関して、政府としては身代金を用意せず、犯人側と交渉するつもりはなかったことを明らかにした。

 

イスラム国は1月20日にインターネット上に投稿した映像の中で、拘束していた湯川遥菜さんと後藤健二さん解放の条件として、身代金2億ドルを要求していた。菅官房長官は会見で、身代金を用意していたかについて記者から問われ、「それは全くない。100%ない」と明確に否定した。さらに、イスラム国と交渉する気は「全くなかった」と述べた。

 

今回の事件を受けて、政府は3日、「国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部」の会合を開催し、国際テロへの対抗策などを検討する。菅官房長官は事件をめぐる政府の対応について、まず政府内で検証を行い、有識者の意見も聞く可能性にも触れた。

 

(梅川崇)

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

このページのトップヘ