古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

 古村治彦です。

 ホワイトハウスを去ったドナルド・トランプが新党を結成するかもしれない、というニュースがしばらく前に出た。その後、続報を聞いていなかったが、世論調査で凄い事実が明らかになった。サンプル数や方法に問題があり、信頼性がそこまで高くないとは言え、『ザ・ヒル』誌が実施した世論調査で、「トランプ新党」の支持率が高いことが分かったのだ。

 「トランプが新党を作ったら」という質問に、共和党支持者の64%がそちらを支持する、そのうちの半分32%はぜひとも支持すると答えた。支持政党なしは28%、民主党支持で15%がトランプ新党を支持すると答えた。そして、有権者全体にすると、37%がトランプ新党を支持すると答えたのだ。

 アメリカの有権者の3分の1以上がトランプ新党を支持するというのは、民主、共和両党にとって衝撃だ。共和党は党内にエスタブリッシュメント派対トランプ・ポピュリズム派の分裂を抱えているが、トランプ支持の有権者たちが離れてしまえば、共和党は選挙で勝てないどころか、第三党に転落してしまう。二大政党制(Two-Party System)の一方の雄、と威張っていたのに、そこから追い落とされる。そうなれば末路は哀れ、消滅してしまう可能性もある。

 トランプは「いつでも新政党をつくるぞ」という姿勢を見せながら、駆け引きができる。エスタブリッシュメント派はトランプにそっぽを向かれたら選挙に負けるということになる。トランプの影響力は大きいままで維持される。

 民主党側は高みの見物を決め込めるかというとそうでもない。民主党内部もエスタブリッシュメント派対進歩主義派の対立を抱えている共通の敵、トランプをとりあえずホワイトハウスから追い出すことができて良かったね、ということで今は対立は激しくないが、進歩主義派の要求にエスタブリッシュメント派は応えたくないということもでてくる。

また、2016年の大統領選挙民主党予備選挙でのヒラリーを勝たせるための民主党全国委員会の不正問題もある。トランプが影響力を行使する、もしくは新党を作るという行動に出た場合、進歩主義派も同様の手段でエスタブリッシュメント派を揺さぶるということも考えられる。

 トランプ新党の具体的な計画はまだ出ていない。しかし、その名前だけでもこれだけの有権者が期待を寄せている。せっかく協力してトランプをホワイトハウスから追い出すことに成功した、民主、共和の既成の二大政党にとっては深刻な問題は続く。

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世論調査:共和党支持の有権者の64%がトランプ率いる新党に参加したいと答えた(Poll: 64 percent of GOP voters say they would join a Trump-led new party

ガブリエル・シュルト筆

2021年2月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/hilltv/what-americas-thinking/537442-poll-64-percent-of-gop-voters-likely-to-join-a-trump-led-3rd

最新のヒル・ハリスXの共同世論調査の結果によると、共和党支持の有権者の多数が、もしトランプ前大統領が新しい政党を立ち上げたら、それに参加したいと答えた。

1月28日から29日にかけて実施された世論調査で、有権者登録済の共和党支持の有権者たちのうち64%がトランプ前大統領が新政党を立ち上げるならばそれに参加したいと答えた。そのうちの32%はぜひとも参加したいと答えた。

対照的に、共和党支持の調査対象者の36%が「全く」「それほど」支持しないと答えた。

支持政党なしの28%、民主党支持の15%がトランプ率いる第三党支持に回るだろうと答えた。

調査対象者全体の37%が、もしトランプが新政党を立ち上げたら、支持するだろうと答えた。

先月、トランプ派新しい政党をスタートさせるというアイディアについて話したという報道がなされた。しかし、トランプ率いる第三党に関する具体的な計画は浮上していない。

ハリスXCEO兼主席世論調査分析者のドリタン・ネショーは本誌に対して次のように語った。「議事堂進入という事件はあったが、トランプは政治的な力を維持し、それは真剣に興梠しなければならない程のものだということをこれらの数字は示している。彼は多様な支持基盤から支持を集め、有権者全体の3分の1の支持を集めている。これらの有権者は多くの問題に関して、トランプに魅力を感じている人たちである。これらの問題は民主党と共和党のエリートたちは適切に認識ておらず、対処もしていない」。

ネショーは続けて「トランプが共和党から離れて自分自身の政党を創設したとします。世論調査の結果から見ると、彼はアメリカで第2位の政党を創設するということになります。共和党は第3位に転落します」と語った。

最新のヒル・ハリスXの共同世論調査はオンラインで945名の有権者登録済の人々に対して実施された。その内の340名が共和党支持者であると申告した。今回の世論調査の誤差は3ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 ジョー・バイデンにハネムーンはなかった。「アメリカ大統領の就任直後の支持率は高い」というのは常識だった。バラク・オバマで7割近く、ジョージ・W・ブッシュ(息子)やビル・クリントンで6割近くという数字だった。そして、就任後100日間(だいたい3カ月だから4月いっぱいくらいまで)は、準備期間ということもあり、マスコミも厳しく報じない、ということで、ハネムーン(新婚)期間とされている。
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 ジョー・バイデンの大統領支持率は49%だった。全米史上最多得票で当選した大統領が、である。しかし、それは当然であろう。対抗馬だったドナルド・トランプもまた全米史上最多得票で敗れた候補者であったのだから。しかし、これまでであれば、大統領に就任したら、ご祝儀ということでもないが、対抗馬に投票した人たちも、「頑張ってね」ということで、支持するものである。しかし、そうではない。支持する党派別で見ると、民主党を支持する有権者の89%、共和党を支持する有権者の11%、支持政党なしの有権者の44%がバイデンを支持している。

 トランプの時はもっと酷かった、42%だった、という人もいるだろう。しかし、2016年の選挙では最多得票だったのはヒラリー・クリントンである。選挙人制度というやや複雑な制度を利用してトランプは勝った。そして、トランプとバイデンを比べて見ても「五十歩百歩」「目くそ鼻くそ」ということだ。

 どうしてこんなことが起きているのか。バイデンはかわいそうだ。バイデンは「トランプ大統領を落選させるため」の役割しか与えられていなかった。このブログでも紹介したが、CBSニュースが実施したある世論調査で、「バイデン氏を支持する理由は何ですか?」という質問に対して、50%が「トランプ大統領を倒すため」と答え、「バイデン氏が好きだから」と答えたのは27%だけだった。同様の質問で、「トランプ氏が好きだから」と答えた、トランプ支持者は68%だった。

 トランプ大統領を倒せたら誰でも良い、ということであれば、バイデンに対する積極的な支持など生まれない。トランプ大統領をとりあえずホワイトハウスから追い出したら、バイデンはお役御免なのだ。始まりから既に終わりなのだ。

 共和党は連邦議会、上下両院で過半数を失った。「連邦下院では議席数を伸ばして、次の選挙では過半数奪回を実現するぞ」昨年の11月の段階では意気込んでいた。しかし、1月から始まった連邦議会において、党内のエスタブリッシュメント派対トランプ・ポピュリズム派の対立が激しくなっている。

 トランプ前大統領が1月6日に起こった(起こされた)連邦議会議事堂への人々の進入事件について、扇動したということで、弾劾(impeachment)の手続きが進められることになった。弾劾ではまず連邦下院で過半数の賛成で訴追が成立する。訴追する先は連邦上院だ。連邦上院で3分の2の賛成で弾劾が成立する。弾劾が成立すると、その職から追われる。トランプ大統領は既にその職から退いている。それ上の刑事訴追などは訴追の中に入っていない。

 連邦下院では民主党が過半数を握っているので、弾劾の訴追は成立するのであるが、そこに共和党から10名の賛成者が出た。この議員たちは次の選挙(2022年)が厳しい。地元共和党から非難され、予備選挙で対抗馬が出される。予備選挙で勝っても、これまでのように熱心な支持が得られない、民主党支持者が良くやったと言って投票してくれるわけではない(民主党の候補者がいるのだから)、ということがあるのに、弾劾に賛成してしまった。「自分の良心に従って」と綺麗ごとでかっこつけるのだろうが、自殺行為だ。

 しかし、この10名に対する地元共和党の反応に差がある。レッドステイト(共和党優勢州)から出ている5名には地元から厳しい非難がなされているが、ブルーステイト(民主党優勢州)から出ている議員たちには地元共和党から非難は出ていない。ブルーステイトにおける共和党への風当たりがとても厳しいことが実感される。ブルーとレッドの分裂も激化している。

 バイデンは「国のまとまり」を掲げているし、政策でも共和党側からの協力を得たいとしているが、その道のりは遠い、どころから、そもそもその道のりは存在しない。アメリカの分裂・分断は進んでいく。

(貼り付けはじめ)

最新のキュニピアック大学による世論調査でバイデンの支持率が49%(Biden approval stands at 49 percent in new Quinnipiac poll

マックス・グリーンウッド筆

2021年2月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/537206-biden-approval-stands-at-49-percent-in-new-quinnipiac-poll?rl=1

バイデンは大統領執務室での一期目をスタートさせたばかりだ。アメリカ国民の約半数が彼を支持している。しかし、国をまとめていく、団結させていくという彼の意気込みも、厳しい党派上の分裂に直面している。水曜日に発表されたキュニピアック大学の世論調査の結果で明らかになった。

バイデンが1月20日に大統領に就任してから初めてキュニピアック大学が行った世論調査の結果によると、就任したばかりのバイデン大統領のホワイトハウスでの彼の仕事に対する支持率は49%で、不支持率は36%となった。16%は意見なし、もしくは回答を拒否した。

バイデンの仕事ぶりに対する意見における、党派上の分裂は激しいものだ。民主党支持の89%がバイデン大統領の仕事ぶりを評価している。一方、共和党支持でバイデンを支持しているのはわずか11%だ。

支持政党なしの中での分裂はより均衡している。世論調査の結果によると、44%が支持で36%が不支持であった。

バイデンの就任直後の支持率は彼の前任者であるトランプ前大統領よりも良い数字である。キュニピアック大学が2017年の同時期に発表した世論調査の結果では、トランプ大統領の支持率は42%、不支持率は51%だった。

キュニピアック大学の世論調査アナリストティム・マロリーは次のように述べている。「バイデンに関する世論調査の各種数字は、アメリカが新政権の下で、再スタートを切ろうとしている中で、手堅いものであるが、特に良いというものではない。新政権は経済に関する苦闘と新型コロナウイルスに懸念を持っている人々を安心させるという2つの課題に直面している」。

バイデンの支持率の数字において党派上の分裂が激しくなっているが、アメリカ国民の10人のうち6人、61%がホワイトハウスの主としてのバイデンの4年間について楽観的な見通しを持っている。世論調査の結果では、56%の人々は、バイデンが国を分裂させるのではなく、まとめようと努力していると考えている。

しかし、バイデンは彼自身に向いている仕事に取り組んでいる。新型コロナウイルス感染拡大、経済の落ち込み、そして政治上の緊張関係の激化の中で、仕事に取り組んでいる。

民主党についての意見は割れている。キュニピアック大学の世論調査の結果では、アメリカ国民の46%が民主党は正しい方向に進んでいると答え、46%が間違った方向に進んでいると答えた。

しかし、これらの数字は共和党に比べたらまだましである。アメリカ国民の64%が共和党は間違った方向に進んでいると考えており、正しい方向に進んでいると考えているのは25%にとどまった。

一方、連邦下院と上院の民主、共和両党の最高幹部たちに対する支持率は低い水準にとどまっている。

37%が連邦上院院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)の仕事ぶりを評価し、42%が評価しなかった。共和党側の、連邦上院少数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)の仕事ぶりについては、更に評価が厳しく、評価したのは21%にとどまり、3分の2の67%が評価しないと答えた。

連邦下院の指導者たちもパッとしない評価を受けている。キュニピアック大学の世論調査の結果では、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)の支持率は45%、不支持率は47%であった。連邦下院少数党(共和党)院内総務の支持率は27%、不支持率は45%だった。

全体として、連邦議会民主党の仕事ぶりについて、支持率は44%、不支持率は46%だった。一方、連邦議会共和党の仕事ぶりについては、支持率は26%、不支持率は64%だった。

ワシントンDCにおける厳しい党派対立があるが、アメリカ国民の大多数、68%が新型コロナウイルス感染拡大はアメリカにとって重大な危機であるということに同意している。

バイデン政権は既に、新型コロナウイルス感染拡大に由来する経済の落ち込みに対処するために、1兆9000億ドルの経済刺激計画を提案している。しかし、この提案は共和党側からの抵抗にあっている。共和党側には、6180億ドル規模の救済計画を提案している議員たちがいる。

しかしながら、世論調査の結果では、多くのアメリカ国民がバイデンの提案が実現することを望んでいる。調査対象者の68%が1兆9000ドル規模の経済刺激策を支持し、反対派24%にとどまっている。

同様に、調査対象者の大多数、78%がアメリカ国民に対して1400ドルの経済刺激のための給付を支持している。共和党側は1000ドルの直接支給を提案しているが、年収4万ドル以下の人々に限るとしている。

バイデンがアメリカの最低賃金を時給15ドルの引き上げるという提案をしているがこれも大多数のアメリカ国民の支持を集めている。世論調査の結果では、61%がこの制度化に賛成し、36%が反対している。

キュニピアック大学の世論調査は2021年1月28日から2月1日まで1075名のアメリカ国民の成人への電話インタヴューを基に実施された。誤差は3ポイントである。

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トランプ弾劾に賛成したことで共和党内部から非難された共和党所属の連邦下院議員一覧(Here are the GOP lawmakers censured by Republicans for impeaching Trump

ジャレッド・ガンズ筆

2021年23

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/537065-here-are-the-gop-lawmakers-censured-by-republicans-for-impeaching-trump?fbclid=IwAR3ljVZ0dDDxmTdoe2ktytMO6WNahxjoWSsl8j-2BNyirq2fIdwFQ10Vlhk&rl=1

トランプ前大統領に対する弾劾に賛成票を投じた複数の共和党所属の連邦下院議員たちは州共和党そして地方支部からの反発を受けている。

先月、共和党所属の連邦下院議員の内、10名が民主党所属の連邦下院議員の全員と一緒にトランプ断崖に賛成票を投じた。この弾劾は連邦議事堂に対する暴徒による死者を出した攻撃を非難する内容である。

これ以降、少なくとも5名の賛成票を投じた議員たちは州共和党もしくは地方支部から非難や叱責を受けている。その中には2022年の中間選挙での予備選挙に対抗馬が既に出ている人たちもいる。

選挙区の州の共和党から非難されたのは次の議員たちである。

(1)ジェイミー・ヘレーラ・バトラー(Jaime Herrera Beutler)連邦下院議員(ワシントン州選出)

ワシントン州共和党は公式にヘレーラ・バトラーを強く非難した。

(2)リズ・チェイニー(Liz Cheney)連邦下院議員(ワイオミング州選出)

チェイニーはワイオミング州内の10郡の共和党支部から非難を受けた。その10郡とはオルバニー郡、カーボン郡、クック郡、フレモント郡、ホットスプリングス郡、ジョンソン郡、リンカーン郡、シェリダン郡、スィートウォーター郡、ワシャキー郡である。

(3)ダン・ニューハウス(Dan Newhouse)連邦下院議員(ワシントン州選出)

ワシントン州共和党はニューハウスを強く非難した。

(4)トム・ライス(Tom Rice)連邦下院議員(サウスカロライナ州選出)

サウスカロライナ州共和党はライスを非難した。

(5)フレッド・アップトン(Fred Upton)連邦下院議員(ミシガン州選出)

アップトンは、ケース郡共和党支部とアレガン郡共和党支部から非難された。

トランプ断崖に賛成した他の議員たちは地元から非難されていない。その議員たちは次の通りだ。アンソニー・ゴンザレス連邦下院議員(オハイオ州選出)、ジョン・カトコ連邦下院議員(ニューヨーク州選出)、アダム・キンジンガー連邦下院議員(イリノイ州選出)、ピーター・メイジャー連邦下院議員(ミシガン州選出)、デイヴィッド・ヴァラダオ連邦下院議員(カリフォルニア州選出)。

(貼り付け終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側 span lang="EN-US">

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 古村治彦です。

人類は歴史上経験のない「高齢化社会」に突入している。もちろん、この高齢化に貢献しているのは、先進諸国だ。その中でも日本は既に「高齢化」の段階を過ぎて、「高齢社会」に突入している。そこに少子化という現象もくっついている。あからさまに言えば、日本は加齢臭と老醜と死臭に満ちた国ということになる。

 「今のお年寄りは元気ですよ」という言葉も聞かれる。確かにそうかもしれないが、それでも高齢となれば死亡するリスクは高まる。また、脳の働きが衰え、感情のコントロールができなくなる、判断力が衰えるということは起きる。

 政治の世界に目を転じてみれば、日本でも80歳に近い政治家たちがいまだに権力の座にしがみついて惨めで醜い姿を晒している。しかし、アメリカでもそれは同じだ。世界唯一の超大国の大統領に選挙で当選したとされるジョー・バイデンがそうだ。彼は現在78歳、大統領の任期の4年間で80歳を超える。先日は犬と戯れていて足を骨折したなどという、なんとも締まらないニュースも報道された。

 アメリカの一部では、「バイデンはとても4年間持たない。そうなれば、副大統領のカマラ・ハリスが大統領に昇格する。そうなればアメリカ初の女性大統領だ。早くそうならないかな、そうなって欲しい」という声がある。副大統領の大統領への昇格の可能性は、これまでの歴代政権に比べて、バイデン政権はダントツに高い。
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 副大統領から大統領に昇格となれば、多くのスタッフはそのまま留任させることになるだろうが、彼女の側近たちはそのまま重要ポストに入る可能性がある。今から、ハリスがどんな人物を自分に近いポジションに登用しているのかを見ることは、これまで以上に重要だ。

 全体的に見て、ハリスは自分の周辺を女性で固めた。しかも非白人のマイノリティを多く登用している。これは女性やマイノリティを大事にする、リベラルな民主党らしい布陣だということになるだろう。しかし、大事なのはこの人たちが何をするかだ。女性やマイノリティだから失敗をしない、世界に厄災をもたらさないなどと言うことはできない。

 また、ハリスを含めて、アメリカ東部の名門大学8校で構成するアイヴィーリーグの出身者はほとんどいない。ここまでアイヴィーリーガー(アイヴィーリーグの大学の卒業生)がいないというのも珍しい。彼女たちは揃って民主党エスタブリッシュメント派に属し、きれいごと大好きの現代風のリベラルの人々だ。
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ハーティナ・フロノイ

副大統領首席補佐官にはハーティナ・フロノイ(Hartina Flournoy)が選ばれた。フロノイは64歳のアフリカ系アメリカ人女性。直前までビル・クリントン元大統領の首席スタッフを務めている。ジョージタウン大学で学士号と法務博士号を取得し弁護士となった。ビル・クリントン元大統領の後輩ということになる。

 全米教員組合委員長公共政策担当アドヴァイザーなどを務め、その後民主党全国委員会入りした。1992年には民主党全国党大会の事務局長を務め、クリントン・ゴアの政権以降ティームに入り、クリントン政権下のホワイトハウスに入った。2000年の大統領選挙ではアル・ゴア陣営の財務担当部長を務めた。

 2004年、民主党全国委員長に選ばれたハワード・ディーン(元ヴァーモント州知事、2004年の大統領選挙で民主党予備選挙に出馬し一時は支持率トップとなった)の委員長就任時の引継ぎに貢献した。

 フロノイは民主党全国委員会に長く参加していたこと、クリントン政権にも参画していたことから、エスタブリッシュメント、ヒラリー派に属する人物である。

国内政策担当補佐官にはロヒーニ・コソグル(Rohini Kosoglu)が起用される。スリランカ系アメリカ人である。父親は医師で、スリランカでの大学生時代にはクリケットの有力選手として知られていた。父親が1980年代にアメリカに移住して、ロヒーニが誕生した。コソグルはミシガン大学で学士号を、ワシントンDCにあるジョージ・ワシントン大学で修士号を取得した。その後は、政治の世界に入り、マイケル・ベネット連邦上院議員やデビー・スティーブナウ連邦上院議員など、連邦議員たちの選挙などで組織運営の仕事を行っていた。また、オバマケア成立にも尽力した。

2017年からは連邦上院議員に当選したばかりのカマラ・ハリスの上級補佐官となった。2020年の大統領選挙民主党予備選挙では、首席スタッフとなった、ハリスは早々に撤退を余儀なくされた。コソグルは300名のスタッフがいた選対全体を統括し、討論会、政策、予算などを一手に管理した。政権移行ティームではハリスの上級補佐官と連邦上院議員首席補佐官を務めている。ハリスの大統領選挙対策委員会では国内政策アドヴァイザーを務めた。コソグルはハリスの側近中の側近だ。

 ハリスがインド系であり、コソグルがスリランカ系ということで、南アジアにルーツを持つ2人ということになる。スリランカではコソグルのホワイトハウス入りが大きく報じられた。コソグルはアメリカ国内政策担当であるが、彼女の存在は対外的に意味を持つ。対中国、対ロシアの戦略において、インドとスリランカはアメリカにとって重要になってくる。「自由なインド太平洋」を守るという概念を持ち出し、Quad(クアッド、アメリカ、日本、オーストラリア、インド)という協力関係を構築している。これは、中国の「真珠の首飾り」戦略に対抗するものだ。そうした中で、スリランカの重要性は高まる。そうしたこともあり、コソグルの登用は意味を持つ。
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ナンシー・マクエルダウニー

 国家安全保障担当副大統領補佐官にはナンシー・マクエルダウニー(Nancy McEldowney)が就任する。マクエルダウニーは、ジョージ・W・ブッシュ政権下では駐ブルガリア米国大使を務めた。フロリダ州のニュー・カレッジ卒業後、コロンビア大学国際公共政策大学院(School of International and Public AffairsSIPA)とアメリカ国防大学(National Defense University)でそれぞれ修士号を取得後、1986年に国務省に入り、外交官となった。

2001年から2004年にかけては駐アゼルバイジャン米国大使館首席公使(Deputy Chief of Mission)、2005年から2008年にかけては駐トルコ米国大使館首席公使を務めた。

マクエルダウニーは2009年から2011年にかけてヨーロッパ問題担当筆頭国務次官補代理を務めた。そして、2011年から2013年にかけては国防大学の学長代理と上級副学長を務めた。その後、フォーリン・サーヴィス・インスティテュート(FSI)の部長を務めた。FSIは国務省に採用された若手職員たちに、外国語や指導力など外交官としての訓練を施す機関だ。2017年からはジョージタウン大学ウォルシュ外交大学院の外交官養成系修士号プログラムの責任者に就任した。2010年以降は現場の第一線から外れて、教育畑に移った印象だ。ジョージタウン大学外交学部は外交官を多く輩出している機関であり、国務省ともつながりが深い。また、繰り返しになるが、ビル・クリントン元大統領の母校でもある。

 国務省のキャリア外交官であり、人脈的にヒラリー派ということになる。専門は、トルコとアゼルバイジャンということになる。対イラン戦略でどういう役割を果たすのか、注目される。
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シモンヌ・サンダース

 シモンヌ・サンダース(Symone Sanders、1989年-)は上級補佐官と首席報道官を務めることになる。1989年にネブラスカ州で生まれた。まだ31歳だ。ネブラスカ州にあるイエズス会系の学校であるクレイトン大学を卒業後、ネブラスカ州オマハ市長の広報担当からキャリアをスタートさせた。2015年には大統領選挙民主党予備選挙候補者バーニー・サンダースの選対に入り、広報を務めた。2016年には選対から離れ、CNNのコメンテイターとなった。2019年、バイデン陣営に上級顧問として入った。

 サンダースはハリスと直接関係があったのかどうか不明だ。サンダース陣営の広報担当を務めたという経歴があるが、今回の大統領選挙では、バーニー・サンダースが再び出馬したというのに、バイデン陣営に入った。2016年の大統領選挙でサンダース陣営の広報として脚光を浴び、その後CNNでコメンテイターとなったということを考えると、エスタブリッシュメント派に取り込まれたということが考えられる。
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アシュリー・エティエンヌ(Ashley Etienne、1978年-)は42歳の若さで広報担当副大統領補佐官を務める。エティエンヌは30代で、バラク・オバマ政権で特別補佐官を務め、その後はナンシー・ペロシ連邦下院議長の報道担当と上級補佐官を務めた。広報担当として大変有能な人物のようだ。

 エティエンヌはテキサス州のサム・ヒューストン州立大学を卒業し、その後、ジョンズ・ホプキンズ大学で政治コミュニケーションの修士号を取得した。その後は、政治コミュニケーションの分野で活動した。2001年から2013年までアメリカ連邦下院監視・政府改革委員会のコミュニケーション担当を務め、そこで、イライジャ・カミングス連邦下院議員(メリーランド州選出、2019年に没)と知り合った。

 2008年にはバラク・オバマの大統領選挙の選対に入り、広報担当を務めた。オバマ政権では広報担当部長と特別補佐官を務めた。その後、ナンシー・ペロシ連邦下院議長の広報部長と上級補佐官を務めた。2020年の大統領選挙ではバイデン選対に入り、戦略立案担当の上級顧問を務めた。

 ハリスの周囲は女性とマイノリティで固められている。こうしたこれまでワシントンで男社会の壁に阻まれてきた人たちが活動する機会が与えられるのは結構なことだが、あまりに偏り過ぎているようにも感じられる。これまで男社会で男ばかりに偏っていたではないか、という批判はその通りであるが、「偏り」という悪習を男社会から踏襲するのもおかしい。

 バイデンがいつまでもつだろうか、ということがアメリカ国民の一部の関心事だ。「早く女性大統領が誕生して欲しい」という声がある。その声の通りに、ハリスが大統領に「昇格」ということになれば、ハリス副大統領の周囲を固めている女性たちも一緒により重要なポジションに昇格する可能性が高い。これまでよりも「副大統領のスタッフ」に対して注目する必要がある。そして、この必要性こそがバイデン自身とバイデン政権が内包する「瓦解の芽」である。

(貼り付けはじめ)

Harris assembles staff as she builds her vice presidential portfolio

Jasmine Wright

By Jasmine Wright, CNN

https://edition.cnn.com/2020/12/03/politics/kamala-harris-staff/index.html?utm_content=2020-12-03T14%3A05%3A07&utm_source=twCNNp&utm_term=image&utm_medium=social

(CNN)Vice President-elect Kamala Harris is constructing the key team of senior staffers who will accompany her to the White House, announcing Thursday the hiring of three top roles including chief of staff.

The staffers, all of whom are women and two of whom are people of color -- highlight the incoming administration's commitment to diversity.

Harris tapped Hartina Flournoy, a Black woman, as her incoming chief of staff. She currently serves as chief of staff to former President Bill Clinton.

"Tina brings a strong commitment to serving the American people, and her leadership will be critical as we work to overcome the unprecedented challenges facing our nation," Harris said in a statement.

News of Flournoy's hiring was first reported by journalist Yashar Ali late Monday night, and confirmed by CNN shortly after.

Rohini Kosoglu, a longtime Harris aide who currently serves as senior adviser to Harris on the transition team and held chief of staff titles in both the incoming vice president's Senate office and past presidential campaign, will be her domestic policy adviser. And Ambassador Nancy McEldowney will be Harris' national security adviser. McEldowney has an extensive career in foreign service including serving as the US ambassador to Bulgaria during the George W. Bush administration.

"Together with the rest of my team, today's appointees will work to get this virus under control, open our economy responsibly and make sure it lifts up all Americans, and restore and advance our country's leadership around the world," Harris said.

The all-women, majority of color trio will join at least two other women of color holding senior roles in Harris' office, in the latest high-profile appointments for an administration that has pledged to have its ranks reflect the diversity in America. That includes Symone Sanders, an incoming senior adviser and chief spokesperson for the vice president-elect, and Ashley Etienne, who will serve as communications director for Harris.

The official announcement, first shared with CNN, is an early look at who Harris is surrounding herself with at the start of her new role, as she begins to build out her portfolio.

Building out her team

Harris has known Flournoy for a number of months, but it is a relatively new relationship, a source close to Harris told CNN. The vice president-elect spoke to Flournoy soon after she was selected by President-elect Joe Biden in August, during a series of phone calls to various leaders and Democratic operatives.

At the time, Harris, 56, leaned on her for advice, telling Flournoy, "I hope that you will help me find good staff people, including yourself," according to the source.

Harris interviewed numerous leaders virtually, both men and women, in what those familiar called a "rigorous process." She both identified individuals who she wanted to interview for the job and interviewed some provided to her by the transition team.

"She did not start out saying, 'I want a Black woman.' She started out saying, 'I want the best person qualified for this job. And that person just happens to be Black," Minyon Moore, a veteran political operative and current transition adviser tapped to help build out the vice president-elect's staff, told CNN in an interview.

And in the end, Harris chose Flournoy, a well-respected Black woman and Democratic operative with decades of experience in Washington, DC, and an aligning vision that reflected the priorities of the administration and values Harris is looking to bring to her office.

Flournoy is part of the "Colored Girls," a crew that stormed presidential politics in the late 1980's, that includes Donna Brazile, Moore, Leah Daughtry and Yolanda Caraway.

"When they start speaking, everybody shuts the hell up," said a source close to the campaign told CNN earlier this year.

Before her current role with Clinton, Flournoy, a graduate of Georgetown Law, served in several roles in the Democratic Party, including senior adviser to then-Democratic National Convention Chairman Howard Dean in 2005. She was the traveling chief of staff to 2000 Democratic vice presidential nominee Sen. Joseph Lieberman, finance director for then-Vice President Al Gore's 2000 presidential campaign and deputy campaign manager in the 1992 Clinton and Gore Presidential Transition Office and served in the White House Office of Presidential Personnel, according to her Georgetown University biography.

Kosoglu, who will be Harris' domestic policy adviser, has played a crucial part in her national political career, serving as a senior adviser since 2017 and sowing deep connections with her boss. A Sri Lankan-American, she became the first South Asian American woman to serve as chief of staff in the US Senate -- working for Harris, the first South Asian-American senator. Kosolglu was a spring 2020 Harvard University Institute of Politics fellow and before joining Harris' campaign, held senior leadership positions with Sens. Michael Bennet of Colorado and Debbie Stabenow of Michigan.

As the primary campaign's chief of staff, Kosoglu was instrumental in filling the team so it intentionally included a diverse group and shaped policy, a source familiar with campaign matters told CNN. During the general election, Kosoglu often traveled with the then-vice presidential nominee.

In her statement, Harris nodded to Kosoglu's vital role calling her, "an expert on some of the most important issues facing the American people, but also one of my closest and most trusted aides from the Senate and presidential campaign."

The third member of the team that Harris announced Thursday, McEldowney has served more than 30 years as a career foreign service servant and was also the chargé d'affaires and deputy chief of mission in Turkey and Azerbaijan as well as the State Department's director of the Foreign Service Institute, where she led the foreign affairs training facility for the US government, according to her Georgetown biography.

Building her portfolio

While no official policy designations have been set, sources say Harris wants to be a part of the administration's rebuilding of small and medium businesses stripped by the pandemic, in part because they disproportionately affect women and people of color.

The vice president-elect is also eyeing a role in the administration's education platform -- as many children without proper access to broadband during the pandemic have fallen behind.

Harris has long focused on the welfare of children throughout her prosecutorial career, in the Senate and during her own presidential campaign. Her first major policy proposal last year during the campaign pledged to boost teacher pay.

Over time, she'll look to solidify her foreign policy and national security accolades, leaning on her four years of experience as a member of the Senate Intelligence Committee, a source adds.

That is in addition to Harris' possible role in any criminal justice and climate justice reform, drawing on her years as California's attorney general and San Francisco district attorney.

The arsenal of key staff that Harris is surrounding herself with will be essential in securing the work that rounds out her record.

For her part, Flournoy has prior relationships with many top Biden advisers, having worked with them in her different capacities in Washington.

McEldowney, a veteran in the foreign policy arena, has deep ties to the community as well. Kosgoulu, who spent many years on Capitol Hill, could serve as an emissary for Harris who, once inaugurated, will become the president of the Senate.

But the most important relationship of them all, is the one Harris builds with the President-elect.

"The first obligation is to do what is asked by the President of the United States," Moore, who served as director of White House political affairs to Bill Clinton and watched his relationship to Gore flourish, said.

Harris has often called Biden a "model" for how she would shape her own vice presidency, calling his leadership on significant issues to support then-President Barack Obama an inspiration for how she will do her job.

Moore said from what she's witnessed, the pair have been open and trusting.

"Her voice is heard. She has a complete seat at the table, not a half seat. A complete seat. Shirley Chisholm said if you don't have a seat, bring a folding chair. Well, she has a hard chair," Moore said.

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