古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

 古村治彦です。

 

 加計(かけ)学園岡山理科大学獣医学部新設が連日国会で取り上げられています。愛媛県今治市に開学予定の岡山理科大学獣医学部をめぐり、安倍晋三首相と加計孝太郎・加計学園理事長がアメリカ留学時代以来の友人関係で、便宜が図られたのではないかという疑惑が出ています。

 

 現在の加計孝太郎理事長の息子が鹿児島大学農学部の卒業で、現在、鹿児島大学と山口大学共同で設立し運営している研究科(大学院)で博士号取得を目指して勉学に励んでいるという話があり、孝太郎氏が鹿児島大学農学部を訪問した際に、「この程度の施設で良いなら自分たちでもできる」と考えたという報道がなされています。また、「博士号を取得する息子へのご褒美としての獣医学部じゃないか」という半分やっかみの声も存在します。

 

 人口減少時代、ペットの数は少なくなるでしょうし、家畜管理や食品衛生の分野の獣医師数は不足している訳ではないという主張から、日本獣医師会は新規の獣医学部開設には反対していましたが、岡山理科大学獣医学部は定員120名で開設ということになりました。これまで全国の国公立私立各大学獣医学部の定員合計が約1,000名でしたので、その1割以上の大きな定員の新しい学部が新たに誕生することになりました。獣医師の需要と供給のバランスに大きな影響を与えることになるでしょう。ペットの減少の上に、供給過多になれば、当然のことですが、小さくなるパイを分け合う獣医師の数は増えていきますから、取り分は小さくなります。

 

 また、これまで試験で一定の水準以上の学力を持つ学生を選抜することで、学生の質を確保してきましたが、これまで不合格となってきた学力の学生を受け入れるということになると、教育が難しくなるという可能性があります。

 

 山本幸三地方創生担当大臣は、獣医師教育の質が下がっており、競争のために新しい学部の開設は必要だと述べましたが、どのような根拠でそのようなことを述べたのか分かりません。

 

 日本の地方自治体では、大学を誘致して若い人を呼んできて地域を活性化させようという考えを持つところが多くあります。そのために土地取得などで便宜を図るということをやっています。

 

獣医師の仕事は地方と都市両方にありますが、今治市にあるキャンパスで学んだ人々(1学年120名)のうち、今治市にそのまま残ることができる人はほとんどいないでしょう。今治市と今治市の周辺にそれだけの獣医師を必要とする仕事はないでしょう。仕事を求めて日本全国に散らばるでしょうし、自分の出身地に戻る人もいるでしょう。

 

 地方私立大学は今、学生の確保に四苦八苦しています。医師、看護師、薬剤師、教師などの資格が取得できる学部の学生確保は大丈夫なようですが、それ以外の学部は厳しい状況にあります。ですから、こうした学部を持っている地方私立大学は大丈夫でしょうが、文系学部しかないような地方私立大学は厳しい状況に置かれています。

 

 岡山理科大学獣医学部に関しても、学生の確保については懸念が持たれていたことが報道されています。国家資格である獣医師免許が取得できる学部でも実は厳しいということが分かります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「<加計学園>獣医学部 内閣府「学生が集まるのか」懸念示す」

 

6/13() 7:30配信 毎日新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170613-00000008-mai-soci

 

 ◇今治市議会の資料で分かる

 

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」が愛媛県今治市で獣医学部を新設する計画を巡り、内閣府が昨年2月の時点で「学生が集まるのか」と懸念を示していたことが、今治市議会の資料で分かった。ところが、競合する大学もある中、内閣府はその後も市側と連携しながら2018年4月開学を推し進めていた経緯が浮かび、野党側は加計学園を前提に手続きを進めていたとして批判を強めている。【松井豊、小林祥晃、遠藤拓】

 

 毎日新聞が入手した資料によると、昨年2月9日に市議4人が内閣府の藤原豊地方創生推進室次長(現審議官)らと国会内で面会。内閣府側から「(市の)新設大学への財政支援による今後の財政悪化や、人口減少により学生が本当に集まるのか」との指摘を受けたとされる。ところが、昨年3月8日の市議会本会議では菅良二市長が「最速で平成30(18)年4月の開学となれば大変ありがたい」と表明。同4月21日に市議会特別委の協議会で配布された資料のスケジュール表にも「最速でH30・4開学(予定)」と書かれている。

 

 さらに、情報公開条例に基づき開示された市の資料では、市が特区に指定される以前の15年4月2日の時点で、市の担当課長らが獣医師養成系大学の設置に関する協議のため首相官邸と内閣府を訪問したことも判明。今月8日の参院農林水産委員会で自由党の森裕子氏が資料に基づき事実関係をただしたが、萩生田光一官房副長官は「記録が保存されていないため確認できなかった」と答弁。藤原氏も「自分が会ったかどうかも含めて市との面談は確認できていない」とし、森氏は「これで公正に加計学園が選ばれたなんて国民が納得するのか」と批判した。

 

 獣医学部新設を巡っては、京都産業大も京都府内での新設を希望していたが、京都府側は「18年4月開学」について内閣府が昨年11月18日に公式に発表して初めて把握し、準備が間に合わないとして見送った経緯がある。特区を担当する山本幸三地方創生担当相は国会で「(開学時期を)事前に今治市に対しても、京都府に対しても一切申し上げていない」と答弁している。

 

(貼り付け終わり)

 

 地方自治体は若者を地元に呼び込みたいということで、大学の開学や新しい学部の開設を求め、そのために多額の公費(税金)を投入するということをしています。そして、地方私立大学はそうした優遇措置があるのなら、ということで開学、開設を行うという形になっています。しかし、そこには理念であるとか、社会に奉仕するための目標というものは存在しません。安易な人集めと税制の優遇で利益が合致した、ということでしかありません。こうして見ると、教育、特に高等教育は何も神聖なものではなく、学生(生徒)を人質にした商売でしかないということが明らかになります。

 

 こうした商売が見込み通りに行けばいいですが、そうならないと破綻ということになります。一般的な企業であれば、清算や破産ということになります。しかし、学校の場合には、なかなかそうはいきません。特に多額のお金を投入した大学の場合は、大きな問題になります。そうした場合にとられる措置が「私立大学の公立化」です。以下の雑誌記事がその実態を伝えてくれています。是非お読みください。

 

※「地方の私大を公立化する「ウルトラC」の成否 大学、学生、自治体みんながハッピー?」(『AERA』誌 2016年12月13日)

http://toyokeizai.net/articles/-/149287

 

 雑誌記事によれば、山口県にある東京理科大学が設置した山口東京理科大学は、運営していた東京理科大学が学生数の減少などを理由に閉鎖するしかないと決定しました。それに対して、地元の山陽小野田市は、そうなると大きな責任問題になるということで、「公立化」することになりました。その結果、「山陽小野田市立山口東京理科大学」という何が何だか、という名前の大学になりました。また、教育県として名高い長野県では、3つの私立大学が公立化されたということです。

 

 公立大学になったので、国からの補助が多く出るようになり、結果として学費が下がり、「国公立」の仲間入りをしたことで、地方の国公立大学志向の学生たちが志望するようになり、競争率が数倍に跳ね上がる結果となりました。これは、山口理科大学にとっては素晴らしいことかもしれませんが、このような素晴らしい状況を生み出しているのは私たちの税金が投入されているからです。

 

少子化や格差の拡大で学生の確保が難しい地方私立大学で、苦渋の選択で閉鎖するところも出てくるでしょうが、公立化してもらえるところとそうではないところが出てくるのは不公平です。しかも、本当は閉鎖されるべき大学がゾンビのように税金で生き残るというのはおかしな話です。

 

 今回の岡山理科大学獣医学部新設をめぐるスキャンダルは、クローニー・キャピタリズム(お仲間優遇資本主義)としての面と、日本の高等教育が抱える問題を明らかにしたということが言えると思います。日本の高等教育を支えているのは、私立大学です。全国に約700ある大学・短期大学の中で、私立が占める割合は7割以上です。戦後の日本の高等教育を支えてきた私立大学ですが、今、少子化の時代を迎え、厳しい時代になっています。大都市圏にある有名私立大学でもそこまで深刻ではないですが問題はあるようです。

 

 日本のこれまでのキャッチアップ型の方向性が終わった中で、高等教育はどのような理念と目標を持って、社会に対する貢献を行っていくのかということが再考され、再構築されねばなりません。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





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 古村治彦です。

 

 アメリカのドナルド・トランプ大統領の当選に関して、ロシア政府の関与、介入があったこと、トランプ政権とロシア政府との間で共謀があったという疑惑が連日ニュースになっています。ウォータゲート事件になぞらえて「ロシアゲート」「クレムリンゲート」などと呼ばれています。

 

 しかし、実際はそのようなものではない、ということが先日のジェイムズ・コミーFBI長官のアメリカ連邦議会での証言でも明らかになりました。コミーはトランプ大統領を「嘘つき」と呼びましたが、トランプ大統領がロシア関連捜査の対象ではないということを明言しました。また、捜査妨害についても命令されたものではないと述べましたし、バラク・オバマ前政権のロレッタ・リンチ司法長官から「ヒラリー・クリントンのEメール問題を大ごとにしないように」と言われた、と証言しました。こちらの方がより積極的な捜査妨害ということになります。

 

 ロシア関連捜査では、トランプの義理の息子で上級顧問でもあるジャレッド・クシュナーも捜査対象になっている、という報道がなされました。今回ご紹介する記事はそれに対する反論記事です。内容を読んでいただくと、トランプ政権に対する攻撃が酷いものだということが分かります。

 

 根拠薄弱なスキャンダルで大騒ぎしても、トランプ政権に対する致命傷にはならないということもまたはっきりします。

 クシュナーがヘンリー・キッシンジャーの最後の弟子として、トランプ政権で外交政策、特に対ロシア、対中国で重要な役割を果たしています。このクシュナーを排除しようという動きは、ロシアや中国を敵視している人々、具体的には民主党内の人道的介入主義派、共和党のネオコンが主導しています。こうした人々がリベラルなメディアとして知られるニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙を使ってトランプを攻撃しています。こうしたリベラルメディアはネオコンとは敵対するくせに、人道的介入主義派に対しては無批判です。


 表面的に見れば、リベラルな正義のメディアが邪悪なトランプ政権を攻撃しているという形になりますが、実際はその逆ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ジャレッド・クシュナーを攻撃対象にした捻じ曲げられた攻撃(The twisted takedown targeted at Jared Kushner

 

カイレイ・マケナニー筆

2017年5月30日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/pundits-blog/the-administration/335694-the-twisted-takedown-targeted-at-jared-kushner

 

ジャレッド・クシュナーを攻撃目標にしている捻じ曲げられた攻撃が行われている。クシュナーはドナルド・トランプ大統領の上級顧問であり、義理の息子だ。左派の人々は昨年の11月8日のトランプの勝利をいまでにうまく消化できないでいる。左派の人々は、彼らが「存在すべきではない」と確信しているトランプ政権を追い落とすことを固く決心している。

 

トランプ大統領を追い落とすためには、リベラル派は大統領とアドヴァイザーたちとの間にくさびを打ち込むことで打撃を与えねばならない。リベラル派の人々は、米大統領国家安全保障問題担当補佐官だったマイケル・フリンを辞任させたことで成功の味を覚えた。当時、フリンはジョー・バイデン副大統領に嘘をついたというニュースが連日報道された。リベラル派は更なる成功を求め、それを渇望している状態だ。

 

リベラル派は、ジェフ・セッションズ司法長官を辞任させようとしている。セッションズは司法長官就任まで連邦上院議員であったが、この時に駐米ロシア大使と会談を持ったことを議会証言の際に明らかにしなかったということがニュースとして報道された。セッションズが連邦議員だった時にロシア大使と会談を持ったことは違法なことでもやましいことでもない。これ以降、大統領首席ストラティジストであるスティーヴ・バノンが更迭されるというリーク(情報漏洩)が数多くなされ、報道された。バノンの更迭は、ホワイトハウスのシーン・スパイサー報道官が更迭されるというニュースと同じく、根拠のないもので、実際に起きなかった。

 

現在、左派はより大きな攻撃目標に狙いを定めている。それは、大統領が最も信頼しているアドヴァイザーであるジャレッド・クシュナーだ。リベラル派は匿名の情報漏洩(リーク)を使ってそこに犯罪性があるように見せようとしている。漏洩された情報の内容が事実であった場合、こうした動きは正しいし、因果関係を説明できるものとなるが、リベラル派が指摘しているのは、根拠のない疑惑ばかりである。

 

このようなやり方は、「攻撃目標を定めてくれ、そうしたらそいつの犯罪を見つけてくる」というものだ、とハーヴァード大学法科大学院教授アラン・ダーショウィッツは指摘している。クシュナーは疑惑について、捜査に全面的に協力し、全ての質問に答えている。彼は不自然なまでの犯罪疑惑の被害者である。

 

ここからはジャレッド・クシュナーに対する嫌疑と呼ばれるものについて見ていく。

 

●クシュナーとロシア政府関係者との会合

 

ホワイトハウスは、クシュナーが政権移行の時期にロシアの代表団と「相互の連絡方法を構築」するために会談を持ったことは認めている。しかし、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「政権移行ティームの幹部が外国政府の幹部と会談を持つのは普通のことではあり、不適切とは言えない」と指摘している。

 

実際のところ、クシュナーは駐米ロシア大使とロシア大使の提案でロシアの銀行家と会談を持った。それだけではなく、様々な国々の政府関係者20名以上と会談を持った。政権移行ティームの外交政策部門の責任者として、クシュナーの責務は外国政府関係者と会談を持つことである。

 

●ロシアをめぐる捜査に対するクシュナーの介入

 

木曜日にアメリカ政界を揺るがす「ジャレッド・クシュナーがロシアをめぐる捜査の対象に」という見出しの記事が出た。よくないことの前兆のように思えるものではないか?

 

『ワシントン・ポスト』紙の記事の内容は見出しのおどろおどろしさを打ち消すものであった。5段落続いた後の文章を以下に引用する。「本紙はクシュナーが捜査対象、もしくは捜査にとっての重要人物であるという報告は受けていない。そして、彼は謝った行動によって告発されているものでもない」。

 

明確になったのは、クシュナーは捜査の「対象」ではないということだ。また、そこには犯罪性を示すものは存在しないということだ。ジェニファー・ルービンがワシントン・ポスト紙上のコラムの中で書いているように、クシュナーはトランプ政権の外交政策に関する主要な存在であるので、「クシュナーは目撃者ではあるだろうが、実行者ではないかもしれない」というのがせいぜいのところなのだ。

 

●クシュナーがロシアに対して裏チャンネル構築を依頼したという疑惑

 

金曜日、ワシントン・ポスト紙は、リベラル派のトランプ政権に対する攻撃の材料となる記事を一面に掲載した。それは、「駐米ロシア大使が本国のロシア政府に対して、クシュナーがロシア政府との間で非公式の裏の連絡チャンネル構築を望んでいると報告した」というものだ。中身を読まなくても、おどろおどろしい話のように聞こえる。

 

ワシントン・ポスト紙は、ロシア大使とロシア政府との間の会話の中身を盗み見したか、盗聴をした匿名の人物への取材に基づいて記事を書いている。ロシア大使は、クシュナーが連絡用の秘密チャンネルの構築を提案したと本国政府に報告したということは考えられる。

 

繰り返しになるが、今回もワシントン・ポスト紙は自身の記事の信憑性を自身で損なっているのだ。 今回は8段落記事が続いてからの文を引用したい。「ロシアは時に疑いを持っている情報チャンネルに間違った情報を流し、経緯を監視することがある。これは、アメリカの専門家たちに誤った情報を与え、混乱させるためだ」。 記事の内容は、アメリカを混乱させようとしてロシアが提供した誤った情報に基づいている可能性がある。一方で、左派は繰り返し、ロシアは信頼できず、邪悪な存在だと主張しているが、そのロシアが提供した情報でトランプ政権がダメージを受けるということになると、ロシアは信頼できるので情報は正しいということになる。

 

しかし、たとえ記事の内容が真実だとしても、ジョン・ケリー国土安全保障長官は、裏チャンネル構築の提案は「私を不快にさせるものではない」と述べている。また、H・R・マクマスター大統領国家安全保障問題担当補佐官は、週末に「そうした話に懸念を持つことはない」と発言し、ケリーの発言を支持した。

 

どうしてだろうか?それは、裏のチャンネルは、目的の達成のために戦略的に使用されるコミュニケーション方法としては一般的なものだからだ。オバマ大統領とヒラリー・クリントン国務長官は、イランと核開発をめぐる合意を結ぶためにコミュニケーションを取ろうとして、オマーン政府と非正規なルートでやり取りを行った。そうなのだ、オバマ政権はテロ攻撃を支援する最大国家とコミュニケーションを取るために、裏チャンネルを使ったのだ。オバマ政権がそのようなことをしても誰も怒り狂ったりしなかったではないか。

 

裏チャンネルは、トランプ政権が使うと途端に邪悪な方法になる、と言っているようなものだ。

 

私たちアメリカ国民が懸念を持つべきなのは、トランプ政権がダメージを受けることと、ロシア側と共謀していたとする根拠のない疑惑についてである。ダーショウィッツは次のように指摘している。「これはアメリカ政治における大きな後退となる。市民の自由に関して大きな疑念を生んでいる」。

 

ダーショウィッツは、犯罪捜査は通常であれば法規に則って行われると述べている。たとえば、ヒラリー・クリントンは、機密情報の取り扱いに誤りがあったということで、スパイ防止法に則って捜査された。トランプ政権の場合、捜査員たちは「気に入らないことが起きた」と言っているように見えるとダーショウィッツは指摘している。ダーショウィッツは更に、「捜査を始めよう、そうしたら何かの法規に引っかかる何が見つかるさ、と言うのが捜査当局の態度だ。こんな態度は許されるものではない」と述べている。

 

クシュナーは、ほぼ存在しない証拠によって過度に行われている捜査の被害者である。クシュナーがホワイトハウスの高官を務め、トランプの親族であるために、証明されるまでは無罪という犯罪に関する基準が適用されてしまっている被害者なのである。これは正義の実現の名を借りた醜いやり方そのものだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12








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 古村治彦です。

 

 今回は、昨年の米大統領選挙で民主党の候補者であったヒラリー・クリントンについての記事をご紹介します。

 

 ヒラリーは昨年の敗北以降、少しずつ表舞台に姿を現すようになっているようです。そして、ドナルド・トランプ大統領に反対する発言や、大統領選挙の敗北を民主党全国委員会やジェイムズ・コミー前FBI長官に責任だという趣旨の発言を繰り返しています。彼女の批判は間接的にバラク・オバマ前大統領にまで及んでいるようです。

 

 こうしたヒラリーの行動に辟易している民主党関係者が多くいることが分かります。民主党は2018年の中間選挙(連邦下院議員全員と連邦上院議員の3分の1の選挙)での勝利を目指して体勢を立て直そうとしています。

 

 そうした中で、ヒラリーだけがいつまでも過去にこだわり、敗北を自分の力不足ではなく、他人や組織の責任にしている、ということが、民主党関係者や支持者たちを呆れさせている、ということです。

 

 ヒラリーからしてみれば、横綱相撲で勝利できるはずだった大統領選挙で敗北してしまったということで未練が残っているでしょうし、誰かの責任にしたくなるでしょう。人情としては理解できます。しかし、政治家として連邦上院議員、国務長官まで務めた人物ならば、民主党の大物として、民主党の利益となるような動きをすべきということになります。

 

 アメリカの有権者からすれば、潔くない敗北者となったヒラリーを見て、「だから落選させて良かったんだ、こんな人物はアメリカ大統領に相応しくない」ということになるでしょう。

 

 どんな人物も引き際は難しいものです。潔くということはなかなかできないものです。ヒラリーを他山の石としたいものです。

 

(貼りつけはじめ)

 

民主党関係者はヒラリー・クリントンに対して表舞台から退場して欲しいと望んでいる(Dems want Hillary Clinton to leave spotlight

 

エイミー・パーネス筆

2017年6月4日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/336172-dems-want-hillary-clinton-to-leave-spotlight

 

民主党関係者は、オバマ前大統領を見習って、スポットライトを浴びる場所から出ていってほしいと語っている。

 

民主党関係者は、昨年11月の予想だにしなかった敗北について説明をしてきた。ヒラリーは公の場で一連の発言を行い、その中で民主党全国委員会に敗北の責任があると述べてきた。これはオバマに対しても批判的になっているということでもある。こうした発言は民主党にとってマイナスになっており、ヒラリーを惨めな姿にしてしまっている。

 

本誌は20名ほどの民主党関係者たちにヒラリーの一連の発言について取材をした。取材した中には、ヒラリーの支持者や側近たちも含まれている。

 

彼らは一様に大統領選挙で起きたことを説明することはヒラリーにとっては必要な事なのだろうという理解を示し、ヒラリーのジェイムズ・コミーFBI前長官のヒラリーの私的Eメールサーヴァー使用についての取り扱いに怒りを持っているであろうと考えている。

 

 

しかし、彼らはまた、ヒラリーが全国行脚をして批判を公にしていることについては方法に再考の余地があると考えている。

 

水曜日にカリフォルニア州で開催されたレコーデ会議でのヒラリーの演説を聞いたある側近は次のように首をかしげながら語った。「うーん、彼女はいったい何をしているんでしょうね?彼女はいまだに怒り狂っているんですよ。私たちも怒り狂っています。選挙は彼女から盗まれたんですよ。彼女もそう思っています」。

 

この人物は続けて次のように語った。「しかし、公の場に繰り返し出てきて、選挙についてうだうだ言うというのはどうでしょう?民主党全国委員会を非難するのもどうでしょうね?アメリカのためにはなっていませんよね。彼女のためにもなっていないと思うんですよ」。

 

オバマの側近だったある人物たちはヒラリーの戦略について一様に首をかしげている。

 

レコーデ会議の席上、ヒラリーは、「自分はオバマ大統領が8年間率いた“破綻した”民主党から何も助けてもらえなかった」と述べた。

 

オバマの上級顧問だった人物は次のように語っている。「2016年に起きたことに怒りを持つ人々の運動の指導者になろうとしているのなら、彼女はその目的を達成している。しかし、彼女がその一部となっている問題は、彼女が民主党の将来像を持っていないということです。今、彼女がすべきことは休みを取り、他の人を最前線に立たせることです」。

 

オバマ政権の8年間と予想外のヒラリーの敗北の後、民主党は指導者不在状態になっている。ヒラリーの一連の発言はこうした状況下でなされている。

 

オバマは公の場に出ないようにしている。しかし、トランプがパリ気候変動協定からの脱退を決定したことを受けて今週、批判する声明を発表したことで姿を現した。

 

オバマのアドヴァイザーだった人々は口をそろえて、オバマが新しい世代に指導者としてもらおうとしているのだと述べている。

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)は、現在、左派を率いるリーダーになっている。サンダースは2016年の大統領選挙民主党予備選挙でヒラリーと互角に戦った。しかし、サンダースは民主党員ではない。

 

民主党全国委員会委員長トム・ペレズは、連邦下院議員キース・エリソン(ミネソタ州選出、民主党)との選挙戦に勝利して委員長に就任した。ペレズは選挙後、指導者としての自分の存在を何とか現実に合わせようと努力している。ペレズとエリソンは大統領選挙以降、民主党の統一と中間選挙に向けてのまとまりを生み出すために努力している。

 

オバマの側近だったある人物は、ヒラリーが民主党全国委員会に対して執拗に批判を続けることで、新しい執行部が前進することが難しくなっていると述べた。

 

「大統領選挙で自党の候補者となった有力者が外に出てきて、マスコミの関心を集めるようなやり方で、攻撃を続けると、色々とやりにくいでしょう」とこの人物は語った。

 

オバマ大は大統領退任後、公の場に出でも、トランプについて語ることをやんわりと拒絶している。その代りにオバマは今年の4月にも開催したような、若い人々が政治や市民社会に参加することを促すイヴェント開催に力を入れている。

 

オバマは、歴代の大統領が守ってきた、自分の次の大統領を公の場で批判することを避けるという伝統をこのような形で受け継いでいる。

 

オバマがこのような役割をずっと続けていくのかどうかは明らかではない。

 

当然のことながら、ヒラリーは前大統領ではない。

 

ヒラリーの長年の側近や助言者たちは口を揃えてヒラリーが公職を得るために選挙に出ることはないと述べている。そして、彼女はやっと色々なことから解放されて自分の思っていることを口にしているのだと述べている。彼らは、ヒラリーが大統領選挙について議論を続けるであろうと考えている。今年の秋に出版されるであろう彼女の本の宣伝のためにも続けられるであろうと考えている。

 

2016年の大統領選挙で選対に参加したある側近は次のように語る。「ヒラリーは私と携帯電話で話すのと同じ内容を話しています。彼女はこれからも改善が必要な事柄について語り続けるでしょう。そしてそれはアメリカ国内で関心を持たれることでしょう」。

 

民主党関係者の中には、ヒラリーは静かにおとなしくしておくべきだと言う人々もいる。

 

民主党のストラティジストであるブラッド・バノンは次のように述べる。「彼女に政治的な戦略があるとは思えないのですよ。個人的な戦略以上のものはないように思えます」。

 

バノンは、「結果について不平不満を述べ、全ての人々を批判することは、政治戦略としては全くいただけません」と述べている。

 

民主党のストラティジストであるジャマール・シモンズは、ヒラリーの一連の発言に関する民主党員や支持者の間に広がる不満について気付いている。

 

シモンズは「私の知人たちは、ヒラリーが表舞台に出てきて発言していることにイライラしています。彼女は国の英雄であり、素晴らしい公僕でしたから、怒る権利はあるとは思いますよ」と述べている。

 

シモンズは、「しかし、彼女が選挙での敗北について議論しようというなら、彼女から何を間違ったのかについて聞く方が良いですよね。それが彼女が現在議論していることよりも重要だと思います」と述べた。

 

シモンズはアル・ゴアの選対で働いた経験を持つ。彼は「自分は接戦で敗北した後の悲しさ、特に数百票差の大接戦で負けた悲しさを良く知っています。」

 

シモンズは次のように述べている。「アル・ゴアは選挙に負けた後、ヨーロッパを訪問しました。体重が増えて、髭を生やしました。彼は表舞台から退場したんです。それこそがヒラリーのやるべきことですよ」。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)









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