古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。





アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 先週の土曜日、神宮球場で行われた早大対東大の試合を観戦してきました。いつもは一般内野席で観戦するのですが、一緒に行った方たちの希望で、学生応援席に入りました。学生応援席は500円と割安ですが、写真撮影と飲酒が禁止となっており、応援部の指示に従った行動が求められます。学生ではなくても入れますので、レベルの高い六大学の応援を楽しみたい方や東京六大学入学を目指し興味がある方はこちらに入るとよろしいかと思います。

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 試合結果は早大11点-東大5点となり、早大が大勝と報じた新聞もありましたが、内容としては五分、早稲田にしてみれば負けに等しいものであったと思います。早稲田は昨年夏の甲子園に熊本代表の濟々黌高校のエースと活躍した1年生大竹投手が先発しました。4年生でドラフトの目玉と言われている有原投手は右肘の違和感で対法政戦は登板なし、明治戦は1試合だけ中継ぎで3イニング登板、無失点はさすがでしたが急速が上がらず、ということで、本調子ではありません。東大の先発は東京の私立・城北高校出身の2年生吉川投手が先発でした。吉川投手はこの試合までシーズン2試合9イニングを投げて無失点、投手ランキング1位となっている投手でしたので、ぜひ見てみたいと思っていました。




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 大竹投手も吉川投手もストレートが130キロ前後、変化球は95キロ前後と軟投派、コントロール重視、打たせて取るタイプの投手です。どちらもランナーがいない時のコントロールはなかなかのものです。吉川投手は、東大に臨時コーチで入った桑田真澄氏の教えである「外角のストレートのコントロール」が絶妙で、そこを軸に早めに追い込んでいく投球ができていました。5回を投げて与四球が1つというのは素晴らしいものでした。

 

 吉川投手は5回を投げて7点を失うのですが、投手の責任で失った点数を示す自責点は3点でした。これはどういうことかと言うと、守備がエラーを連発し、外野守備ももっと前に守っていたらヒットにせずに済んだ当たりが何本もあったということです。公式にはエラーが5つ記録されていますが、目に見えないエラー、守備位置エラーと言われるようなものを含めると10に迫るのではないかと思われました。その後の投手もホームランを打たれたのは仕方がないにしても、全体で自責点5、失点11から引くと、6点のうち何点かは防ぐことができたものと言えると思います。そう考えると、東大側は、投手陣の底上げができている状況で、守備が破綻をきたしているのは何とも残念です。

 

 早稲田は有原投手不在でチーム全体のバランスが崩れていると感じました。前回の明治戦は完膚なきまでにやられ、連敗したのですが、「有原がいないのだから、自分たちがしっかりしないと」という気持ちが強すぎて、体ががちがちでバッティングもタイミングが悪い、守備も駄目という感じになっていました。東大戦は、大変失礼ですが、速球派が出てくるわけでもないし、長打を浴びる訳でもないのだから、攻撃、守備両方ともリラックスしてできるはずでした。しかし、軟投派の吉川投手に抑え込まれながら、相手のエラーにどうにか助けられて得点を重ねることが出来ました。しかし、手応えがあった得点と言うのは7点くらいのものでしょう。

 

 東大の攻撃力は格段に上がっています。早稲田の投手陣、二番手の竹内投手はまあまあとして、三番手高梨投手、四番手黄本投手は散々な出来でした。高梨投手は4年生で、先発の柱としてリーグ戦でも10勝を挙げ、東大戦ではノーヒットノーランを達成した投手ですが、昨年からの不調から復活できていません。久しぶりに見ましたが、球速はあるのですが、コントロールが良くなく、カウントを取りに行くところを痛打されるという感じ、下半身がうまく使えていないのか、ストレートに伸びが感じられませんでした。高梨投手は打者5人に対して被安打3、与四球1、自責点2、1アウトしか取れずに降板となりました。これでは残りの対立教、早慶戦で使えるかどうか分かりません。黄本投手は木更津総合のエースとして甲子園にも出場した投手ですが、高梨投手の後の異様な雰囲気でうまく力を出せなかったという感じでした。

 


 全体としては、東大はチャンスをつかむ前に、自滅してしまった、早稲田は相手のエラーに助けられて安全圏まで逃げ込むことができたのだが、力としては拮抗していたと思います。現在の東大は81連敗、100連敗も可能性として浮上している中、逆に言うと、どこが連敗ストッパーとなるのかということで、「出来るならうち以外で」とどこも思っている状況です。爆発寸前の爆弾を5校の中で回しているという感じです。そこの緊張感を利用すれば、東大にもチャンスがあるのではないかと思います。早稲田戦以外で是非勝利を挙げていただければと思います。

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


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イスラム国に関する5つの神話

 

ダニエル・バイマン筆

2014年7月3日

ワシントン・ポスト紙

http://www.washingtonpost.com/opinions/five-myths-about-the-islamic-state/2014/07/03/f6081672-0132-11e4-8572-4b1b969b6322_story.html

 

※ダニエル・バイマン:ジョージタウン大学安全保障研究プログラム教授兼部ブルッキングス研究所サバン記念中東政策研究センター研究部長

 

イラク・シリア・イスラム国(The Islamic State of Iraq and SyriaISIS)はロックバンドよりも頻繁に名前を変えている。 スンニ派の急進グループは、シリア国内で戦い、サウジアラビアとレバノン国内での攻撃を計画している。このグループは現在、戦う場所を変えて、イラク国内にも浸透し、「イスラム国(Islamic State)」と名乗るようになった。イラクとシリアにおいて、イスラム国はシーア派や他の宗教グループの人々を背教者として殺害している。また、同じスンニ派の人々をイラク政府の協力者として殺害している。彼らの残虐性は、彼らの目的と本当の危険性から人々の目をそらさせる効果がある。「汝の敵を知れ」精神を発揮し、本稿では、イスラム国についての神話を除去することにしたいと思う。

 

1.イスラム国はアルカイーダの一部だ

 

イスラム国とアルカイーダは長期にわたり、複雑な関係を築いてきた:かつては緊密な同盟関係にあったが、現在は敵意剥き出しの敵対関係になっている

 

 イスラム国の様々な名前は、アルカイーダとの間の緊張関係を示している。ジハーディスト・グループは、2003年のアメリカによるイラク侵攻直後にイラクを離れた。そして、その多くがアブ・ムサブ・アル=ザルカウィの下に集結した。ザルカウィはヨルダン出身で、アルカイーダとは協力関係を保っていたが、その一部ではなかった。ザルカウィは2004年10月にオサマ・ビン・ラディンに忠誠を誓った。そして、ザルカウィのグループはイラクでアルカイーダという名前を使うようになった。この当時、さるかうぃのグループは、アルカイーダの指導者の一人、アイマン・アル=ザワヒリと衝突を起こしている。ビン・ラディンはアメリカを攻撃対象にするように主張したが、ザルカウィと彼の後継者たちは地域での戦いに集中するように主張した。ザルカウィはイラク国内のシーア派と戦い、スンニ派に対しては、味方に引き入れるのではなく、テロ攻撃を敢行した。

 

 アルカイーダとイスラム国との間には、戦術、戦略、指導者層に関して違いを持った。イスラム国の指導者アブ・バクール・アル=バグダーディは、斬首と磔という手法を採用している。そして、バグダーディは中東諸国の政権やライヴァル関係にある諸グループを攻撃対象にし、ザワヒリが主張した「遠くにある敵」、アメリカへの攻撃しようという主張を完全に無視した。

 

 これらの相違点がシリアで明らかになった。ザワヒリは、比較的抑制的なジャブハット・アル=ナスーラをアルカイーダの代理人に任命した。バグダーディは、自分のグループがイラク、シリア、レバノン、ヨルダンでジハーディスト運動に参加すべきだと考えた。ナスーラとバグダーディがそれぞれ率いる2つのグループはお互いを刺激し合い、数千人を殺害していると言われている。

 

 イラク国内での劇的なキャンペーンの成功によって、バグダーディはザワヒリを追い越すことになった。アルカイーダは無人攻撃に追いかけ回されている。一方、バグダーディは、自分は背教者たちとの戦いを指導しているのだと主張している。彼の主張は中東地域の人々の人気を得ることになった。

 

2.イスラム国の建国の意味するところは、このグループが統治する準備ができている

 

 イスラム国は現在、シリア東部とイラク西部をコントロールしている。これらの地域の大部分は砂漠地帯である。しかし、イスラム国はシリアのラッカ、イラクのモスルといった重要な都市を統治している。イスラム国は、イスラム法の過激な解釈に基づいた統治によって正統性を増加させようとしている。そして、それによってより多くの志願兵と財政上の支援者を募ろうとしている。

 

 イスラム教徒のテロリストたちは各地で統治に成功している。ハマスは7年間にわたりガザを支配し、ヒズボラはレバノンの一部を何十年にわたり実質的に支配している。これら2つのグループは学校、病院、基本的な住民サーヴィスを運営している。しかし、イスラム国の前身組織が10年前にイラク西部を支配した時、その統治は破滅的な失敗に終わった。彼らが示した残虐さと無能さによって、イラク国内のスンニ派は遠去かった。スンニ派はジハーディストを除去するための「覚醒運動」に参加した人々であった。

 

 イスラム国は、バグダッドにあるシーア派が支配するイラク政府からの差別的取扱いに恐怖をいただいているスンニ派にアピールする可能性が高い。しかし、イスラム国から逃れている中流階級のビジネスオーナーや技術者たちであって、彼らは基本的な社会サーヴィスを運営する人々である。最終的に、イスラム国は略奪をしたり、闇市場で石油を売却したり、大規模な飢饉が阻止するための基本的なサーヴィスを作ったりした。しかし、混同してはならないのは、イスラム国が効率的な国家ではないということである。

 

3.シリアのアサド政権はイスラム国にとって憎き敵である。

 

 シリアの大統領バシャール・アル=アサドの政府は、テロリストとの戦争を宣言した。一方、イスラム国は自分たちをシリア国内のスンニ派イスラム教徒の守護者と自認し、アサド政権のような「背教者」政権と戦うと主張した。しかし、両者ともにシリア国内の穏健な反体制派の存在を敵視している。アサド政権は、この穏健派の勢力を弱めることで、政権にとって長期にわたる脅威を弱めることができる。

 

 アサド政権は、イスラム国が支配している地域での軍事行動を控えている。そして、空軍を使って、イスラム国と戦っている穏健派反体制グループに対する空爆を行ったり、イスラム国から石油を購入したりしているもしイスラム国が存在しなければ、アサド政権はそのような存在を作り出したことであろう。実際には、アサドはそのような行動を取ったのだ。3年前にシリア国内で内戦が始まった時、この戦いは、残虐さと不正義に嫌気が差した市民による蜂起だと言われた。アサド側は、この戦いはテロリストたちに対する戦いだと主張した。そして、アサド側の表現と戦術によって、内戦を変容させたスンニ派イスラム教徒たちの間で反動が起きた。イスラム国のようなグループが台頭したのだ。シリア国民は、アサド政権か、急進的なイスラム主義か、いずれかを選ばねばならないという悲惨な状況に追い込まれた。

 

 イスラム国はイラク国内で勢力を伸ばしている。これに合わせて、イスラム国とアサド政権との間の戦術上の同盟関係は終結を迎えることになるだろう。アサドはイスラム国が強大になり過ぎていると考えることだろう。イラク政府はアサドの同盟者であり、シリアとイラクとの間の国境地帯の支配権を失うことで、イラクからアサド政権に供給されていた物資や兵員の補給をイスラム国が遮断することになった。

 

4.イスラム国は手に負えない戦闘集団である

 

 イスラム国はモスルを掌握し、バグダッドに向けて進軍している。イラク国内におけるイスラム国の成功は、イスラム国の強力な軍事組織を基礎にしている。実際にはイスラム国は1万人の戦闘員しか有していない。モスルのような都市を攻撃した時は、1000人以下しか動員しなかった。

 

 イスラム国が軍事的な勝利を収めることができたのは、イラク軍の脆弱さとノウリ・アル=マリキ首相の政策の失敗があったからだ。アメリカは、イラク軍に対して数億ドル規模の軍事援助を行った。数字上はイスラム国を圧倒しているはずだった。落とし穴だったのは、イラク軍は戦わない存在であったことだ。マリキ首相は、能力のある人物ではなく、自分に忠実な人々を政治的に重要な地位に就けた。マリキ政権はイラク国内のスンニ派を差別しているので、イラク軍のスンニ派兵士の士気は低下している。彼らは自分たちを差別する政府を守るために戦いたくないと思っている。

 

 イラク軍にシーア派教徒が参加することで、多くの地域でイスラム国の進撃が止められている。イラク政府がより多くのグループを取り込み、穏健なスンニ派を味方に付けることができたら、そして、イラク軍がより統一性が取れるようになったら、イスラム国の拡大は止まり、縮小に進むようになった。これらは大きな仮定なのではあるが。

 

5.イスラム国はアメリカを攻撃したがっている。

 

 2009年にイラク国内の刑務所から釈放された後、バグダーディはアメリカ軍の刑吏たちに対して、「ニューヨークで会おう」と語った。この発言にアメリカ政府関係者は凍りついた。2014年5月25日、アメリカ市民でアブ・マンスール・アムリキと自称したモネル・ムハマド・アブサルハはシリア国内で自爆攻撃を行った。イスラム国の幹部たちの中には、ヨーロッパ国籍の人々が多く含まれている。彼らは自分のパスポートを使えば、容易にアメリカ国内に潜入することができる。また、イスラム国に参加し、シリアに渡った100名以上のアメリカ市民の中の1人がアメリカに戻り、攻撃を実行する可能性が存在する。

 

 イスラム国は潜在的にアメリカに対する脅威となっている。諜報関係者や治安関係者たちは常に警戒を怠らないにしなければならない。しかし、現在のところ、イスラム国はアメリカを攻撃対象にしている訳ではなく、西洋諸国との戦いを重視している訳でもない。実際のところ、これがイスラム国をアルカイーダから分離させた理由なのである。「ニューヨークで会おう」と言ったバグダーディの発言は誤って伝えられたものである可能性が高く、冗談である可能性もある。彼を担当した看守たちの多くはニューヨークの出身者たちであった。より重要なことは、イスラム国の行動を見ていると、彼らが西洋諸国からの参加者たちを、中東地域での戦いに投入したいと考えていることが分かる。イスラム国にとって、イスラム国の創設と維持、そして背教者たちとの戦いが最優先なのである。

 

 イスラム国はイラクと地域の安定に対する脅威になっている。しかし、オバマ政権はイスラム国の謀略宣伝を鵜呑みにしないように気を付けるべきだし、イスラム国の勢力は増大していくということを前提にしなければならない。

 

(終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 古村治彦です。

 

 2014年11月16日に、沖縄県知事選挙の投開票が行われます。現在のところ、現職の仲井真弘多(なかいままさいひろ)氏、那覇市長の翁長雄志(おながたけし)氏、全衆議院議員で郵政担当大臣を務めた経験を持つ下地幹郎(しおじみきお)氏、前参議院議員でミュージシャンの喜納昌吉(きなしょうきち)氏が知事選への立候補を表明しています。自民党沖縄県連は仲井真氏を推薦し、社民党、共産党、生活の党、沖縄社会大衆党、自民党会派を離脱した那覇市議会議員たち、そして連合が翁長氏を支持しています。下地氏、喜納氏には組織・団体の応援はないようです。公明党は仲井真氏を支持、民主党は自主投票になる見込みです。

 

 沖縄県知事選挙は、福島県知事選挙(2014年10月26日投開票)と並んで、国政に大きな影響を与える選挙と位置付けられています。ここで自民党の候補が負ければ、自民党の国政運営にも大きな影響が出ると言われています。福島県知事選挙では、自民党県連が現職の佐藤雄平知事を下して、日銀の福島支店長を務めた人物を候補者にしようとしていたところ、党本部の意向で、民主党が支持する佐藤氏の腹心で副知事の内堀氏が候補者となりました。自民党は民主党と「相乗り」して、「敗北」を避けた訳です。

 

 谷垣禎一幹事長は、ポスト安倍に向けて、失点をできるだけ少なくする意向のようです。選挙は幹事長が責任を負うものですから、敗北となるとやはり評価が下がります。民主党の方では、地方選挙を反転攻勢のきっかけにしたいところですが、地方組織も壊滅状態のところも多く、単独で候補者を出して、自民党に勝ち切るというのは難しい状況です。

 

 沖縄県知事選挙の争点は、普天間飛行場の辺野古への移転問題です。宜野湾市の住宅密集地にあるアメリカ海兵隊の普天間飛行場を名護市辺野古地区への移設をどうするかという問題です。日米両政府の間では、辺野古地区への移転と普天間飛行場の返還で既に合意ができています。しかし、移設には反対も多く、現状では全く何も進んでいない状況です。

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 仲井真氏は、辺野古地区への移設に賛成、翁長氏は、移設に反対、下地氏は移設については県民投票を行う、喜納氏は、反対という主張を行っています。移設の賛成、反対については、候補者間で割と鮮明に、はっきりとしていると思われていました。

 

 しかし、エコノミストの植草一秀氏がブログにおいて、「翁長氏は、辺野古地区の埋立承認の拒否を公約にしていない。姿勢を変える可能性がある」という鋭い指摘を行っています。以下が植草氏のブログのアドレスです。

 

(貼り付けはじめ)

 

ブログ『植草一秀の知られざる真実』

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埋立承認撤回公約拒絶翁長雄志氏支持急落へ

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-6889.html

 

(貼り付け終わり)

 

 これを受けて、私の師である副島隆彦先生は、「自民党と翁長氏の間で話ができており、翁長氏が県知事に当選し、態度を変える。官邸にいる菅義偉官房長官が仕組んだ、もう結果が出ている出来レースなのだ」と書かれています。副島先生の分析は以下のアドレスで読めますので、是非ご一読ください。

 

(貼り付けはじめ)

 

ウェブサイト『副島隆彦の学問道場』内「重たい掲示板」

[1668]次の沖縄の知事選挙は、出来(でき)レースで八百長でもう終わっている。

投稿者:副島隆彦

投稿日:2014-09-22 06:27:48

http://www.snsi.jp/bbs/page/1/

 

(貼り付け終わり)

 

 外交問題は、国と国同士の交渉と、国内で政府と様々なアクターたちの交渉という二つのフェーズがあります。これをハーヴァード大学教授ロバート・パットナム(Robert Putnum)は、「両刃の外交(Double-edged Diplomacy)」と呼んでいます。

 

日本政府↔様々なアクター

アメリカ政府↔様々なアクター

 

 普天間基地の移設に関しては、アメリカ国内でも「日本の状況を見れば不可能だ」という意見もありますが、全体としては辺野古地区への移設に賛成です。そして、日米政府の交渉でも辺野古地区への移設は合意ができています。日本政府と国内の様々なアクターたちとの間に合意がないことは明らかです。地元では賛成と反対で割れている、ということは報道されます。このグループは賛成、あのグループは反対、消極な姿勢で賛否を明らかにしないということもあるようです。防衛省初代事務次官であった守屋武昌氏の『「普天間」交渉秘録』(新潮文庫、2012年)を読むと、様々なアクターたちが登場し(アメリカ政府やジャパン・ハンドラーズも含む)、地元で誰が最終的に決定するのか、不透明な状態にあることが分かります。

 

 これからも普天間飛行場移設を巡り、何かが少しずつ決められていきながら、だらだらと進んでいくのでしょう。こういうことを書くのはまずいかもしれませんが、移設がすんなりと進んでしまって、「問題化」しなければ、引き出せなかった利益というものもあるでしょう。賛成、反対それぞれの立場のうち、強硬派ではなく、穏健派はお互いにつながっているのかもしれません。政治勢力が二つある場合、強硬派+穏健派↔穏健派+強硬派という図式になり、穏健派同士が現実的な「落としどころ」を実現させるということになります。55年体制下の自民党と社会党、1980年代の民主化運動でこうした動きが見られました。

 

県知事選挙について話を戻すと、翁長氏は、不人気の仲井真氏を破る可能性もあります。しかし、副島先生が指摘しているように、政府側に態度を変える「穏健派」である可能性が高く、そうなると移設反対派の願いは実現されないことになります。菅官房長官と翁長氏は2歳違いで、ほぼ同時期に法政大学法学部で学んでいたようですから、こうした面からも話が進む可能性があります。

 

 自民党本部としては、「沖縄で勝つのは難しい」ということでコンセンサスができていて、仲井真氏が負けても、執行部の責任問題にならないでしょう。そして、寝業師の菅官房長官が、翁長氏をうまく変身させることになるのでしょう。植草氏や副島先生の分析から、このような動きになるのでしょう。

 

 政界では誰も傷つかない、という結果になり、現実政治としてはだらだらと続いていく、ということになるのでしょう。自民党と民主党は対決を避け、翁長氏も決定を先延ばししながら、状況が大きく変わらずに進んでいく、その間に沖縄はいただけるものをいただく、「それはそれで仕方がないか」と多くの国民は思いながら、容認していくのでしょう。

 

 「仕方がない(It cannot be helped)」という言葉は、外国の人々にはなかなか理解されない言葉ですが、日本人の知恵の結晶でもあり、かつ毒の実なのかもしれません。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

沖縄知事選:保守分裂招いた辺野古移設対応

 

毎日新聞 20140921日 1506分(最終更新 0921日 1554分)

http://mainichi.jp/select/news/20140921k0000e010157000c.html

http://mainichi.jp/select/news/20140921k0000e010157000c2.html

 

 

 沖縄県知事選は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設を巡って保守が分裂し、一部が革新と共闘する初めての知事選になる。11月16日の投開票まで2カ月を切り、選挙戦は事実上始まっている。各陣営にとっては、最大の争点となる辺野古移設へのスタンスを巡り一枚岩になれるかが、当面の課題だ。

 

 立候補を表明しているのは辺野古移設推進を訴え、3選を目指す自民推薦の仲井真弘多(ひろかず)知事(75)▽辺野古移設反対を訴え、自民党を除名された那覇市議や社民、共産など県政野党が推す翁長雄志(おなが・たけし)那覇市長(63)▽移設を県民投票に問うとする下地幹郎・元郵政担当相(53)−−の3氏。

 

 「ウチナーンチュ(沖縄人)を裏切ったあの県庁にお住まいの方、心して聞いてほしい。この不幸な状態を2カ月で終止符を打とう」。16日、那覇市内であった翁長氏の事務所開きで、呉屋守将(ごや・もりまさ)選対本部長は辺野古の埋め立てを承認した仲井真氏をそう批判した。

 

 陣営は辺野古移設反対で一致するものの、保守系の支持者の中には国との対決姿勢を不安視する人もいる。正式な出馬表明となった13日の記者会見では「当選したら埋め立て承認の撤回、取り消しをするのか」との質問が相次いだ。これに対し、翁長氏は「保守と革新が腹八分で気持ちを固めて闘おうとしている」と述べて、共闘する保守と革新の支持者の考えが完全には一致していないことを認め「私一人の一存で申し上げることはできない」と明言を避けた。

 

 一方、仲井真氏は「普天間飛行場の5年以内の運用停止を実現させたい。この流れをストップさせてはならない」と「普天間飛行場の危険性除去」を強調する。だが、埋め立て承認への反発は強く、7日に投票があった沖縄の「ミニ統一地方選」では、保守系の候補者から「今回は知事に応援に来てほしくない」という声もあったという。陣営関係者も「支持者の中にはまだ抵抗感がある人もいる」と語った。【佐藤敬一】

 

 ◇どうなる、埋め立て承認 「現状では撤回難しい」「県民総意で撤回可能」

 

 辺野古沿岸部では今も防衛省によるボーリング調査が進んでいる。知事が承認した政府の埋め立て申請を、後で撤回したり取り消したりすることは可能なのだろうか。

 

公有水面埋め立て法には撤回や取り消しについての規定はない。三好規正(のりまさ)・山梨学院大法科大学院教授(行政法)は「法律に書いていなくても、承認手続きに瑕疵(かし=本来あるべき要件が欠けていること)があったり、深刻な環境破壊など公益に反する状況が明白になったりすれば撤回できる」と指摘する。ただ辺野古については「瑕疵があるかどうか。現状では撤回は難しいだろう」とみる。

 

 三好教授によると、仮に移設反対派の知事が誕生し撤回した場合、国が県を相手に違法確認訴訟を起こす可能性があるという。

 

 嘉手納爆音訴訟などを手掛けてきた池宮城紀夫弁護士(沖縄弁護士会)は「重大な瑕疵を理由に行政行為の効力を失わせるのが『取り消し』で、瑕疵はないが効力を持続させることが適当ではない理由が発生した場合に失効させるのが『撤回』だ」と説明する。その上で「撤回の理由を『県民の総意』とできるし、知事の裁量の範囲内として法的にも認められる可能性がある」と主張する。

 

 一方、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は辺野古移設を「過去の問題」とし、知事選に関係なく進める考えを示している。こうした政府の方針について元琉球大教授の江上能義(たかよし)・早稲田大大学院教授(政治学)は「反対派の知事が誕生し、名護市長も反対する中で移設を強行すれば、憲法が定める地方自治の本旨を踏みにじる行為だ」と指摘している。【福永方人】

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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