古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 古村治彦です。

 今回は、アメリカ政治の重要論文をご紹介します。

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ランド・ポールにとっての秘密兵器:ヒラリー・クリントン(
Rand Paul's Secret Weapon: Hillary Clinton

 

もしヒラリーが2016年の大統領選挙出馬を早めに決定する場合、民主党支持と支持政党を持たない有権者たちが共和党の予備選挙に参加することになるだろう。そして、彼らはケンタッキー選出の連邦上院議員を支持するだろう。

 

ピーター・ベイナート(Peter Beinart)筆

2014年4月9日

ジ・アトランティック(The Atlantic)誌

http://www.theatlantic.com/politics/archive/2014/04/rand-pauls-secret-weapon-hillary-clinton/360409/

 

 私はこのシリーズに関連する論稿をいくつか掲載してきた。私の主張は「ランド・ポールが共和党の予備選挙に勝利し、大統領選挙候補になるだろう。笑わないで欲しい」というものだ。


randpaul001
ランド・ポール

 

 私はこれまで掲載した論稿の中で、ランド・ポールは、父親であるロン・ポールが成功したアイオワとニューハンプシャーでの予備選挙の戦い方と構造を受け継ぐことができると書いた。これは彼のライヴァルたちにはないものである。私は、ランド・ポールが共和党に高額の献金を行う支持者たちとインターネットで献金する少額の献金者たちの両方から多額の献金を集める能力があると書いた。そして、私は、予備選挙が早く行われる各州に住む共和党支持者たちは、ランド・ポールを急進的なリバータリアンではなく、保守本流であると考えているということも書いた。

 

 ランド・ポールが持つその他の大きな、そして知られていない強みというものがある。それは、ヒラリー・クリントンの存在である。物事は常に変化し続けるが、2016年の民主党の大統領選挙候補者は、現職の大統領が出ない予備選挙の中で最も競争がない予備選挙で選ばれることになるだろう。ヒラリー・クリントンに挑戦する人物たちは、バーニー・サンダースやブライアン・シュバイツアーのようなドンキホーテのような人々になるであろう。挑戦者たちは政治的基盤や多額の献金を集める能力を持たない人たちとなるだろう。

 

 ランド・ポールにとっては、これは僥倖となる。民主党支持と支持政党を持たない有権者たちの多くが共和党の予備選挙に参加することになるだろうからだ。彼らはヒラリーに対する反対のために何か行動を起こしたいと考え、その場所が共和党の予備選挙になる。そして、流れてきた有権者たちのほとんどがランド・ポールに投票することになるだろう。

 

 経済における政府の役割というテーマに関して言うと、ランド・ポールの考えは民主党支持、もしくは民主党支持に近い有権者たちの考えとは真逆となる。しかし、共和党内の彼のライヴァルたちとも反対なのである。そして、ランド・ポールは、ライヴァルたちとの間で、政府によるスパイ活動、軍事介入、収容所への収容といった重要な諸問題についての考えが異なるのである。そして、ランド・ポールの考えは、民主党員の多くにとって受け入れられるものであるばかりでなく、支持できるものなのである。例えば、NSAの調査に関して言えば、ランド・ポールは、ワシントンにいる民主党の政治家たちの多くに比べて、リベラルなグラスルーツグループの活動家たちの多くの考えを代表していると言える。ランド・ポールは、ヒラリー・クリントンに比べて、米軍を死地に送り込むことを躊躇している。最近、公開された演説の中で、ランド・ポールは、ディック・チェイニーがイラク戦争を推進したのは、関係するハリバートン社に利益をもたらすためであったと述べている。

 

 リベラルな人々が現時点でランド・ポールが彼らが支持できる考えを持っていることを知らないとしても、2016年までには知ることになるだろう。民主党の予備選挙が退屈なものとなると、マスコミは共和党の予備選挙に多くの時間を割くことになるだろう。ランド・ポールはライヴァルたちから、異端とも言うべき国家安全保障の考えに対して容赦ない攻撃を受けることだろう。しかし、彼の考えが明らかになることで、リベラルな民主党員や支持政党がない有権者たちから共感を得ることができるだろう。

 

最良のモデルとなるのが2000年の大統領選挙だ。この時、多くの点で典型的な共和党の政治家であるジョン・マケインが民主党員たちを刺激し、彼らの指示を集めたのである。マケインは選挙資金制度の改革を主張し、ジョージ・W・ブッシュの富裕層向けの減税計画を批判した。共和党内部のエリートたちがマケインを批判すればするほど、民主党員と支持政党を持たないリベラル派はマケインが正しいことをするだろうと考えるようになった。2000年のニューハンプシャーでの予備選挙に参加した有権者のうち、3分の1を占めたのが支持政党なしの有権者であった。彼らはマケインを支持しており、ブッシュとの差は42ポイントにもなった。ミシガン州の場合、それまで共和党の予備選の参加者の3割ほどが民主党支持や支持政党なしの有権者であったが、2000年の予備選では50%以上の参加者が民主党支持や支持政党なしの有権者であった。そして、彼らの第+がマケインを支持した。

 

 2000年のジョン・マケインと2012年のランド・ポールとの間には相違点があるのは当然のことだ。マケインは大統領本選挙に出馬しても勝利する可能性がある強力な候補者になると考えられていた。共和党の既存の支持層にとってマケインの快進撃を止めることが難しかった。しかし、最終的には彼を候補者にすることを阻止することができた。ランド・ポールは対照的に、共和党版のジョージ・マクガヴァーン(George McGovern、1922~2012年)だと考えられている。ランド・ポールは経験不足のイデオローグであり、クリントンに負けてしまうだろうと考えられている。しかし、ランド・ポールがマクガヴァーンと違うところは、共和党内部に熱烈な支持者たちを一定数持っている。ティーパーティー運動が盛り上がったこの時代、15年前に比べて、共和党内部のエリートたちの力は弱まっている。

 

 数年前から、専門家たちは、「帝国主義的な道徳を強制する右派(imperialistic, morally coercive right)」に対抗する「リベラル・リバータリアン連合(liberal-libertarian alliance)」について研究し始めている。これまでのところ、このリベラル・リバータリアン連合というテーマは主要メディアで取り上げられず、個人のブログに書かれている程度である。しかし、2016年になれば、リベラル・リバータリアン連合が主要メディアに取り上げられることになるだろう。そして、このリベラル・リバータリアン連合の存在が、常識が間違っていることを示す理由なのである。ランド・ポールは、2016年の大統領選挙の共和党候補者となれる人物なのである。

 

(終わり)








 

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 古村治彦です。

 本日は、皆様にお詫びを申し上げたく、ブログを更新します。

 2014年6月18日に私が掲載しました「一緒に笑っていると地獄に連れて行かれることだろう」というタイトルの記事に不正確な記述がありました。私はインターネット上で入手した写真(安倍晋三総理と麻生太郎副総理が国会の委員会の議場で爆笑している写真) から集団的自衛権についての文章を掲載しました。

 この写真は 集団的自衛権を審議している時に撮影されたものではないことが判明し、写真と文章が不正確なものとなりました。

 この度は、不正確な記述を行い、お読みいただいた皆様にご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。今後はより正確な調査を心がけ、正しい記述を行うようにいたします。

 上記記事の該当部分はすぐに削除いたします。(追記:2014年6月20日午後5時46分に削除しました)

 この度は大変申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。
 
 (終わり) 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 昨日、2014年6月18日の東京都議会本会議で、みんなの党所属・塩村文夏(しおむらあやか)都議会議員の質問中に、男性の声で「早く結婚しろよ」「子供もいないのに」という野次(不規則発言)が浴びせかけられました。東京都議会という都民の負託を受けて真剣にとの政策について議論する場において、人間性を疑う、品位を欠く発言が行われました。


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塩村文夏議員

※塩村文夏議員のウエブサイト↓

http://shiomura-ayaka.com/

 

 この野次はどうも本会議に出席していた男性都議会議員から発せられたもののようです。都議会本会議は傍聴ができますが、傍聴人が野次を発した場合は、議長から退場を命じられるはずです。しかし、どうも傍聴人が退場させられたということはないようですから、議場にいた男性議員から発せられた野次だということが分かります。

 

※新田哲史氏の論稿は大変参考になります↓

http://blogos.com/article/88778/

 

 以下の毎日新聞の記事を読んで、更に唖然とさせられたのは、東京都議会議会運営委員会委員長の吉原修(よしわらおさむ)議員(東京都町田市選出)の毎日新聞の取材に対する発言です。塩村議員に対する品性を欠いた野次を「聞いていない」とし、「(各)会派の中で品位のない発言をしないよう確認すればいいのでは」という、およそ見当違いの発言を吉原氏はしているのです。

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吉原修議員

 

 東京都議会は日本の首都である東京の議会として、誇りと品格を持って議会が運営されねばならないと考えます。この誇りと品格を維持することは、第一に議長の責任でありますが、それに協力する形で議会運営委員会があるはずです。このような品位のない発言があった場合に、それに毅然と対処することで、都議会に対する信頼が醸成されるはずです。しかし、残念なことに、少なくとも吉原修議員にはそのような対処をする意志は全くないようです。また、議長は議事運営の最高責任者のはずですが、このような発言に対して、何の対処もしていないようです。議長と議会運営委員会委員長は野次を「聞いていない」のでしょう。おそらく、塩村議員の質問も「聞いていない」ということなのでしょう。

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吉野利明議員・東京都議会議長 

 

 「犯人探しはよくない」という、学校現場で学生・生徒間の虐めや教師からの虐待で大きな事件が起きた時に、「事なかれ」で事件の終息を図ろうとする時に使われる主張がまた出てきそうです。しかし、それで再発防止になるのでしょうか。少なくとも成人した人間で、選挙という過程を経て政治家となった人物の無責任かつ品位を欠く行動、都議会の議場の品位を保つことに反した行動の責任を取らないで済むというのは、おかしなことではないでしょうか。

 

先日、サッカーJリーグの古豪チーム、浦和レッズのサポーターが競技場に「Japanese Only」という垂れ幕を掲げたことが大問題になりました。浦和レッズは無観客試合というペナルティを受けました。この垂れ幕を掲げたサポーターは競技場での応援活動ができないという処分になりました。海外でもサポーターが差別的な野次や行動を行うと、応援しているチームにペナルティが科せられ、そうした問題行動を起こしたサポーターは競技場から締め出されます。サッカー界は、あれだけの観客の中から問題行動を起こした人物を特定し、差別や問題と戦っているのです。東京都議会にもそうした毅然とした意志を示し、それを行動で示すことを期待します。まぁ往々にしてきたいというのは裏切られるものですが。

 

 日本社会でもハラスメントに対する意識が高まり、パワーハラスメント、アルコールハラスメント、セクシャルハラスメントに対しては敏感な対応がなされます。一般社会において、例えば企業社会や地域社会においても、人間関係において、ハラスメントに対しては、厳しい対応がなされます。しかし、東京都議会の鈍い動きを見ていると、東京都議会、そして、東京都議会で多数派を形成している、自由民主党(安倍政権は女性の社会進出を標榜しています)と公明党はハラスメントに鈍感であり、「浮世離れ」していると言わざるを得ません。

 

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東京都議会議員・東京都議会議会運営委員会委員長の吉原修氏(町田市選出、自由民主党所属)のウエブサイト↓

http://yoshiwara-osamu.blogspot.jp/

 

東京都議会議員・東京都議会議長の吉野利明(よしのとしあき)氏(三鷹市選出、自由民主党所属))のウエブサイト↓

http://www1.parkcity.ne.jp/toshiaki/

 

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(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「都議会:セクハラやじ 女性議員に「早く結婚しろ」」

毎日新聞電子版 2014年6月18日

http://mainichi.jp/select/news/20140619k0000m040122000c.html

 

東京都議会の本会議で18日、みんなの党会派の塩村文夏(あやか)議員(35)が、女性の妊娠・出産を巡る都の支援体制について一般質問をしていた際に、男性の声で「早く結婚しろよ」「子供もいないのに」などのヤジが飛んだ。同会派は、議員席からだったとして「公の場でセクハラ発言を受けた」と反発。発言議員を特定し、注意するよう議会運営委員会に申し入れる。

 

 塩村氏は議長席前の演壇でヤジを浴び、声を詰まらせる場面もあった。質問終了後、報道陣に「女性の気持ちを代弁していただけに腹が立つし、悲しい」と語った。同会派の両角穣(もろずみみのる)幹事長は「6年後に五輪が開かれる都市の議会でこういう発言が出るのは恥ずかしい」とあきれた様子。一方、議運の吉原修委員長(自民)は「聞いていない」とした上で、「(各)会派の中で品位のない発言をしないよう確認すればいいのでは」と述べるにとどめた。

 

 塩村氏は昨年6月の都議選で初当選。放送作家として活動し、日本テレビが放送していた人気バラエティー「恋のから騒ぎ」に出演していた。【和田浩幸】

 

(新聞記事貼り付け終わり)

 

(終わり)














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