古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

 古村治彦です。

 

 民主党の大統領選挙候補者について何人かご紹介しましたが、今回は、ジュリアン・カストロが出馬に関心を持っているという発言を行いました。ニューハンプシャー州で開催される民主党系団体主催のイヴェントで演説を行う予定になっていて、そのイヴェントへの関心が高まっているそうです。会場をいつもよりも大きな場所にし、入場料も高騰しているそうです。カストロに対する期待の表れと言えるでしょう。しかし、入場料が2500ドルというのはいくらなんでもひどいです。普通の有権者が入れない、そうするとエリート、エスタブリッシュメント派よりだとして攻撃されてしまいます。

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左がホアキン・カストロ連邦下院議員、右がジュリアン・カストロ 

ジュリアン・カストロは民主党若手有望株です。1974年生まれですから今年で43歳になります。双子の兄弟がホアキン・カストロ連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)です。ホアキンは米日友好議連の民主党側委員長として何度も来日しています。二人ともスタンフォード大学に進学し、卒業後は、ハーヴァード大学法科大学院に進み弁護士資格を取得しています。エリート兄弟ということになります。

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ホアキン・カストロ議員と安倍晋三首相
 

 ジュリアンはテキサス州サンアントニオ市の市長を務め、その後、オバマ政権の第2期目では39歳で住宅都市開発省長官に抜擢されました。2016年のアメリカ大統領選挙ではヒラリー・クリントンの副大統領候補として名前が挙がりましたが、実際には選ばれませんでした。カストロ兄弟は民主党若手有望株として期待されています。

 

 カストロ兄弟はアメリカで人口増加が著しいヒスパニック系であり、大統領選挙ではいつも激戦となり、大統領選挙の勝敗の影響を与えるテキサス州を地盤にしているということもあって、民主党にとっては有力な持ち駒ということになります。まだ40代ですから、これからチャンスは3回、もしくは4回あります。

 

 民主党に関しては、党内分裂も激しいですが、有力政治家の高齢化も問題になっています。2020年の大統領選挙の候補者として、ジョー・バイデン前副大統領(デラウェア州が地盤)、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出)、ジョン・ケリー前国務長官(マサチューセッツ州が地盤)といった70歳を超えているような人たちの名前が出ているようでは厳しいです。

 

 若手と言えば、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出)、カーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出)、ティム・ライアン連邦下院議員(オハイオ州選出)ジュリアン・カストロ(テキサス州が地盤)、ホアキン・カストロ連邦下院議員(テキサス州選出)が40代、ジョセフ・ケネディ連邦下院議員(マサチューセッツ州選出)が30代となっています。これらの民主党若手有望株についてはこのブログでも既にご紹介しています。下のタグ「民主党」を押していただけると、アメリカの民主党に関連した記事が出てきますので、その中にあります。

 

 2020年の大統領選挙には民主党の予備選挙で若手有望株も出てくるでしょうから、2016年の時のような、ヒラリー一択という一種の閉塞感はないだろうと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

ジュリアン・カストロ:「2020年の大統領選挙出馬について大いに関心を持っている」(Julián Castro: 'I have every interest in running' for president in 2020

 

ルイズ・サンチェス筆

2018年2月6日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/372523-julian-castro-i-have-every-interest-in-running-for-president-in-2020

 

元サンアントニオ市長でオバマ政権では住宅都市開発省長官を務めたジュリアン・カステロが「2020年の大統領選挙への出馬について大いに関心を持っている」と発言した。

 

カストロは来週金曜日に「ニューハンプシャー州ヤング・デモクラッツ・グラナイト・スレイト・アワード」で冒頭の演説を行う予定になっている。この演説が2020年の大統領選挙に向けた最初の動きとなる。ニューハンプシャー州はアメリカ国内で最初に大統領選挙予備選挙が行われる州で、大統領選挙出馬を考えている候補者たちにとっては重要なテストの場所となっている。

 

カストロはNBCニュースの取材に対して次のように語った。「私は大統領選挙出馬について大いに関心を持っている。私が出馬するかどうかを決断する過程の一部として、仲間や友人たちの意見を聞き、有権者の熱意を感じるということがある」。

 

「ヤング・デモクラッツ」主催のイヴェントにはいつも100名ほどが出席する。しかし、今年は関心が高まり、開催場所も広い会場に変更になっている。チケット代は30ドルから2500ドルに急騰した。

 

カストロは2016年のアメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントンの副大統領候補となる可能性もあった人物だ、彼は自身の政治的な野心を隠そうとしたことはこれまでない。

 

カストロが初めて政治の世界に足を踏み入れたのは2001年のことだった。26歳の時にテキサス州サンアントニオ市の市議会議員に当選したのだ。昨年、カストロは自身の政治活動委員会(PAC、政治資金管理団体)を設立し、大統領選挙への出馬があるのではないかと人々の関心をひいてきた。

 

オバマ政権での閣僚期間終了後、カストロは住宅都市開発省長官に就任した際に中断した自伝の執筆を再開した。自伝は2018年中に出版される予定だ。カストロは現在、テキサス大学リンドン・B・ジョンソン記念公共問題大学院で教鞭を執っている。

 

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(終わり)







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 古村治彦です。

 

 2004年の米大統領選挙で民主党候補者となり、バラク・オバマ前大統領の2期目で国務長官を務めたジョン・ケリーが2020年の大統領選挙に出馬する可能性を示唆したということです。

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ジョン・ケリー
 

 ジョン・ケリーがどうしてパレスチナ自治政府の高官たちと会ったのかということが気になります。そして、パレスチナ自治政府の高官たちに大統領選挙に出馬する可能性について言及するだろうかということも気になります。このような大事なことを外国人に言うのだろうかという疑問が出てきます。

 

 また、トランプ大統領が進める中東政策やイスラエル政策を邪魔するようなことを国務長官経験者のジョン・ケリーがいうのだろうかということも疑問です。

 

 しかし、私はジョン・ケリーが2020年の大統領選挙に出るのはアリだと思います。民主党の分裂が深まっている現在、バーニー・サンダースでは主流派が動かないし、ヒラリーに近いとみなされる人物もまた厳しいとなると、ジョン・ケリーくらいがちょうどよいのではないかと考えます。彼はマサチューセッツ州選出の連邦上院議員でした。今回の一般居所演説の反対演説を行ったのがジョセフ・ケネディ連邦下院議員でした。

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ジョセフ・ケネディ
 

 2020年の大統領選挙で民主党は内部の亀裂を修復しながら戦わねばなりません。そうなると、厳しい戦いになると思いますが、修復と票の獲得を両立できる人物はジョン・ケリーだと私は考えます。そして、マサチューセッツ州を地盤とするケネディ家のジョセフ、もしくは他のケネディ家の人物を2024年で勝利させるための地ならしをジョン・ケリーがするのではないかと考えます。

 

 どうなるかは分かりませんが、ジョン・ケリーは有力な候補者だと私は考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

ジョン・ケリーが2020年の大統領選挙出馬を検討中(John Kerry considering presidential run in 2020: report

 

ジョン・ボウデン筆

2018年1月24日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/370629-john-kerry-considering-presidential-run-in-2020-report

 

イスラエル紙『マアリヴ』が報じた記事によると、ジョン・ケリー前国務長官はトランプ大統領を倒すために、2020年の大統領選挙への出馬を考慮しているということだ。出馬すると、ケリーにとっては2度目の出馬となる。

 

記事によると、ケリーはパレスチナ自治政府の高官たちに対して、2020年の大統領選挙出馬を真剣に検討中だと語り、水曜日のパレスチナ側との会話の中で、トランプは再選されないだろうと強い言葉で示唆した、ということだ。

 

ケリーは、パレスチナ自治政府議長マフムード・アッバスの側近に対して「持ちこたえて、強くいて欲しい」と述べた。「アッバス議長は自分の信念をしっかり持って、しばらく時間を稼ぐようにすべきだ。アッバス氏はトランプ大統領の要求を断るべきでもないし、譲歩すべきでもない」とも述べた。

 

ケリー前国務長官は、イスラエル政府とパレスチナ自治政府との間の和平計画の交渉を促進させるためのトランプ政権の継続的な努力についても発言した。12月にトランプ大統領がイェルサレムをイスラエルの首都として公認したことを受けて、アッバス議長がパレスチナ側の計画を提案するように促した。

 

ケリーは「今こそパレスチナ側が和平における諸原理と建設的な計画を定める時であろう」と発言した。

 

ケリーは2004年の大統領選挙に出馬し、再選のために出馬したジョージ・W・ブッシュ元大統領と争った。ケリーは251名の選挙人を獲得したが、286名を獲得したブッシュに敗れた。ケリーはその後、ブッシュの後任の大統領となったバラク・オバマ前大統領の最後の国務長官を務めた。

 

2017年12月、ケリーは2016年の大統領選挙に出馬することを検討したが、取りやめたことを認めた。

 

マサチューセッツ州選出の連邦上院議員を務めたケリーは、『ボストン・グローブ』紙のインタヴューに対して、「ほんの少しの間だったが、出馬するという考えが私の頭の中をよぎった。本当のことだ」と語った。

 

「しかし、複数の理由から私は出馬するという考えを振り捨てた。この決断は良かったと思っている。正しかったと思う。私は出馬について真剣に考えてはいなかった」とケリーは語った。

 

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(終わり)







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 古村治彦です。

 

 アラン・グリーンスパンはFRB議長として、アメリカ経済のかじ取りをした「マエストロ」と呼ばれた人物です。現在は91歳だそうで、映像で見る限り、相応に年齢を重ねていますが、まだ元気なようです。グリーンスパンは1996年に「根拠なき熱狂(irrational exuberance)」という言葉を使って、インターネットバブルを表現した人です。

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 日本語では「根拠なき」となっていますが、irrationalという言葉は、「合理的ではない」ということになります。「合理」とは、自分の利益を最短距離で最大化するための考え、ということになります。1990年代のインターネットバブルをグリーンスパンは、「人間が合理的な生き物であるとするならば、あり得ない動きをしていることで起きている経済の熱狂」と表現しました。経済においても人間は「合理的に」動くものではなく、それが熱狂、バブルを生み出してはじけてしまう、ということです。バブル発生と崩壊は人間らしい行為ということになるでしょう。崩壊が予測できればいいのでしょうが、個人として予測はできても、崩壊を防ぐまでのことはできません。

 

 グリーンスパンがブルームバーグのテレビ番組に出演し、現在、株式市場と債券市場がバブル状態にあると発言しました。株式市場は2万6000ドル台を記録し、アメリカ国債の金利は最低の水準を記録しています。日本も同じです。


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 アメリカではトランプ大統領の減税政策が実施に移されることになり、また、インフラ整備計画も発表になりました。連邦議会がどのように対応するか分かりませんが、こうしたトランプ大統領の政策が現在の株式市場の活況、資金流入、国債の利率の低水準を導いています。

 

 その代償として、トランプ大統領の計画を実行すれば、政府の財政赤字が膨らんでいくということが起きます。減税で税収が減り、インフラ整備でお金がかかるということになれば、国債を買ってもらって(=政府が借金をして)賄うということになります。ですから、トランプ政権としては、お金の使い道を変えていくしかありませんが、どの国でも固定的に出てしまう、社会保険(医療費や年金のお金)は削れませんし、削れる部分はかなり限られてしまいます。

 

 グリーンスパンは「財政赤字が増大することで、債券市場のバブルが起きているのだが、そのことに人々は十分な注意を向けていない」と述べています。これは、「トランプが行っている政策の良い面ばかりを見て、悪い面を見ていないので、バブルが起きている」ということになります。しかし、現在の状況は、既に経済学の理論や経済学の知識では予測をしにくい、最先端の状況になっています。トランプ大統領が本能的に行っている言動で起きているのが現在の状況で、これは後々経済学者たちが研究して新たな知識や理論を生み出すことになると思います。

 

 3月に利上げがあれば、現在のグリーンスパンが「バブル」と呼んでいる状況が変化することは容易に考えられます。そこから、崩壊に向かうのかどうかということになりますが、財政赤字をどこまで許容できるのか、ということになりますが、株高は一休止、もしくは株式の下落になると思います。また、国債の金利上昇で国債の価値が下がる(だれも買いたがらなくなる)とアメリカの信用不安、ドルに対する不安ということになって、ドルの価値が下がることも懸念されます。そうなると、現在日本でも同じ状況になっていますが、株高が終わり、円高が進むのではないかと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

アラン・グリーンスパン元連邦準備制度理事会議長が株式市場と債券市場がバブルだと見ている(Former Fed Chair Alan Greenspan Sees Bubbles in Stocks and Bonds

 

ジェンナ・スミアレク筆

2018年2月1日

『ブルームバーグ』

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-01-31/former-fed-chair-alan-greenspan-sees-bubbles-in-stocks-and-bonds

 

「根拠なき熱狂(irrational exuberance)」という言葉を有名にした人物が、投資家たちは再びその中にいると言っている。

 

91歳になるアラン・グリーンスパンは水曜日、トム・キーンとスカーレット・フーが司会を務めるブルームバーグ・テレヴィジョンの番組に出演し、「2つのバブルが存在する。株式市場のバブル、債券市場のバブルだ」と述べた。グリーンスパンは1987年から2006年まで米連邦準備制度を率いた人物だ。また、1990年代のドットコム・バブルの間に、「根拠なき熱狂」という言葉を使って財産価値の過剰な増大を描写したことでも知られる。

 

株式市場の諸指標は、ここ数日売りが優勢であるのに、記録的に高い値を付けており、政府の債権や国債の利率は歴史的な低い数値を記録している。こうした状況の中、グリーンスパンはコメントを行った。連邦準備制度が徐々に金融政策を引き締めようとしている中で、利率はこれから数年で情報していくと予測されている。

 

グリーンスパンは次のように述べている。「いろいろと考えてみると、債券市場のバブルは徐々に重大な問題になっていくだろう。しかし、短期で見ればそんなに悪いことではない。明白なことは、長期金利が大きく上がる方向に進んでいる。これは経済の構造全体に対して重要なインパクトを持つ」。

 

水曜日、連邦準備制度理事会は利率を変更しないという選択を行った。そして、市場は、連邦準備制度理事会が3月の会合で利率を引き上げることを織り込んでいる。

 

グリーンスパンは、アメリカ政府の抱える負債が国内総生産に占める割合が増加し続けるだろうという警告を発した。グリーンスパンは、火曜日の一般教書演説の中でドナルド・トランプ大統領が新たな政府の計画の資金を特定しなかったことに「驚いた」と述べた。トランプ大統領は先月、1兆5000億ドルの減税法案に署名した。批判者たちはこの減税によって政府の借金は増大がするだろうと主張している。

 

アメリカ政府の長期債券の販売は伸びているが、財政赤字は悪化している。

 

グリーンスパンは、債券の販売の原因を財政赤字の増大だとした。

 

「バブルが起きているのはどうしてか?そうだね、実際のところ、これまでになく政府の借金が増え始めている」とグリーンスパンは述べた。更に、対GDP比で見ても、「借金は大変な勢いで増加している。しかし、私たちはそれに十分な注意を払っていない」と述べた。

 

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