古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

ダニエル・シュルマン
講談社
2015-10-28



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 来年のアメリカ大統領選挙は新しい人物が大統領になることは確定しているのに、いまいち盛り上がっていません。共和党は政党自体がダメダメな感じだし、民主党はヒラリーが一人勝ちの様相で、しらけています。その中で、最大の関心事は、「バイデンは出るのかどうか」ということです。ご子息が亡くなられてまだ間もないところですから、決心がつかないようですが、周囲は動けるように準備しているようです。

 

==========

 

バイデンは大統領選挙出馬を考慮中と報じられる(Biden reportedly considering 2016 run

 

ピーター・シュローダー筆

2015年8月1日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/250013-report-biden-considering-2016-run

 

 ジョー・バイデン副大統領は米大統領選挙の民主党予備選挙でヒラリー・クリントンに挑戦することを検討している、と一部メディアで報じられた。

 

 『ニューヨーク・タイムズ』紙は土曜日、バイデンの側近アドヴァイザーたちが民主党の指導者たちと大口寄付者たちに連絡を取り、クリントンの選挙活動に対する懸念とバイデンの大統領選挙への出馬を匂わせた、と報じた。

 

 バイデンの側近たちが関係者たちに再び連絡を取り始めたのは、バイデン副大統領の子息ボウが亡くなった後であった。2015年5月、バイデンの支持者たちは哀悼の意を表するとともに大統領選挙への出馬を勧めた。ヒラリーは国務長官時代に私的なEメールを使用したことやリビアのベンガジのアメリカ領事館襲撃事件発生時の彼女の役割について議会で証言を求められていること、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が人々の受けの良い主張を繰り返し、支持を集めていることに関して民主党と支持者たちは懸念を持っている。そうしたことから、バイデンの支持者たちは彼に出馬の可能性があるのか知りたいと思うようになっている。

 

 ニューヨーク・タイムズ紙は、バイデンの首席補佐官スティーヴ・リチェッティが頻繁に秘密の会合を開いていると報じている。同紙は、バイデン自身は出馬するかどうかまだ決めていないと書いているが、8月末から9月の初めには結審するだろうとも報じしている。

 

 ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストであるモウリーン・ダウドは土曜日に発表したコラムの中で、バイデンは大統領選挙への出馬を再考している、そしてそれは彼の子息バウが死の直前に彼に出馬を勧めたからだ、と書いている。

 

 ダウドは、バウが脳腫瘍で息を引き取る直前、父ジョーから大統領選挙に出馬してヒラリーに挑戦するという約束を取り付けようとしたと書いている。

 

 ジョー・バイデンはこれまでに2度大統領選挙に出馬している。1988年の時は、演説での盗用と学歴の過大な表現のために撤退を余儀なくされ、2008年の場合は序盤のアイオワ州で全く支持を得られなかったために撤退している。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23




 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

ダニエル・シュルマン
講談社
2015-10-28



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 今回はアメリカとイランとの間の核開発を巡る合意について当事者のアーネスト・モニス米エネルギー庁長官の書いた記事を皆様にご紹介します。この枠組みは北朝鮮にも応用できるのではないかと思います。

 

==========

 

交渉担当者がイランとの核開発に関する合意の科学を詳しく解説(Negotiator Breaks Down Science of Iran Nuclear Deal

 

アーネスト・モニス(Earnest Moniz、米エネルギー省長官)筆

2015年7月30日

『フォーワード』誌

Ernest MonizJuly 30, 2015Image: Getty Images

http://forward.com/opinion/318187/negotiator-breaks-down-cheat-proof-iran-nuclear-deal/

 

 本誌は7月15日付の論説で読者の皆さんに対して、ジュネーブで交渉が行われ最終的に合意に達した、イランの核開発をめぐる合意について賛成するか、反対するかを決定すする際に、また今回の合意がイスラエルにとっての脅威を増大させるかどうかについて考える際に、「生産的で、理性的、思慮深く、適度に懐疑的に、そして関与」するように訴えた。

 

 まず基本的なことを言えば、現状維持は受け入れられないことは多くの人々が認めるところだ。そうなると、今回に合意について読者の皆さんは是々非々で内容を検討すべきであろう。そこで、今回はこの場を借りて、私は今回の合意が如何にしてアメリカ、イスラエル、そして世界の安全保障を強化することになるかについて説明したい。

 

 今回の合意はJCPOA(包括的共同行動計画)と呼ばれる。今回の合意によって、イランが核兵器を製造するための武器に適した原材料を十分に製造することを効果的に防ぐことが出来る。これはイランが核兵器に必要なウランの濃縮に必要な期間が現在は2、3カ月であるのを少なくとも1年に延ばすことになる。これだけの時間があれば、アメリカと同盟諸国は強力な対処を行うことが出来る。また、合意によって協定違反を発見するためのこれまでにない確認のための道具も使えるようになる。しかも、私たちの側の持つ幾つもの選択肢を一つも放棄したものではない。

 

 今回の合意は、諸大国とイランとの間で成立したもので、イランは核兵器を開発も所有もしない代わりに、この対応に見合った見返りを与えるというものだ。合意に署名した中国、ロシア、フランス、ドイツ、イギリス、ヨーロッパ連合、アメリカの共有した目的はこれまでにないものであった。

 

 重要なことは、科学が正解を導き出したことだ。私はマサチューセッツ工科大学で40年にわたり原子物理学の教員をしていた。そして、この1年の大部分はイラン側の原子力専門家たちとの交渉に費やした。そして、私はエネルギー省管轄下の国立研究所と核関連施設のトップクラスの専門家たちによる地道な分析に頼ることが出来た。

 

●武器製造への道筋を塞ぐ

 

 JCPOAはイランが核兵器を製造するために必要な物資の製造への道筋を一つ一つ塞ぐものとなっている。

 

JCPOAによってウランの貯蔵量は劇的に削減される。イランは低濃度濃縮ウランの貯蔵量を98%削減することになる。また、高濃度濃縮ウランの場合は20%が削減される。これによって、イランは1年間の濃縮期間で高濃度のウラニウムを製造し、10発以上の核兵器を製造する状態から1発も製造できないようになる。

 

②遠心分離器 イランは現在保有している遠心分離器の3分の2以上を廃棄しなければならない。現在1万9000を保有しているがそれを5000にまでする。そして、これから10年でイランでは古くなって能力も減退した原子分離器が稼働することになるだろう。

 

③プルトニウム製造の道筋を絶つ。イランはアラク原子炉を1年に1発から2発の核兵器を作れるだけのプルトニウムを作れる施設からそれ以下の低濃度のウラニウムを製造でき雨量に転換する。これによってごまかしは容易に止めることが出来るようになる。高濃度ウラン製造を更に防止するために、イランはプルトニウムを抽出できる使用済み核燃料を全て国外に運び出すことになる。

 

●これまでにないレヴェルの確認とアクセス

 

 これまでにないレヴェルの確認作業を行うことで合意内容の遵守を担保できる。信頼は問題ではない。国際原子力エネルギー機関(IAEA)はイランに核関連施設に対する十分なアクセスと調査のための道具を持つことになる。

 

 イラン側が届け出た施設に対して、調査官たちは最短2時間前の通告で定期的に調査のために立ち入ることが出来る。届け出ていない施設に関しては、24時間以内の立ち入りが認められる。イランが施設への立ち入りについて異議を申し立てる場合、24日以内に紛争を解決し、立ち入りを行うための重要なそして新しい道具が提供されることになる。

 

●ごまかしを探し出す

 

 IAEAはごまかしと合意内容遵守違反を見つけることが出来る。核物質をトイレに流してしまったり、隠してしまったりは不可能なのだ。放射能はその存在の痕跡を残すものであり、私たちはその痕跡を見つける方法を知っている。

 

 1980年から、アメリカはロスアラモス国立研究所でIAEAの全調査官を訓練してきた。私たちは10以上のコースを開講し、調査官たちが最新式の調査機械と電子封印用の機械を使いこなせるようにして来た。これらの道具の多くはアメリカが開発したものだ。

 

 更には、将来イランが合意内容遵守を拒否する事態になったら、私たちにはそれに対処するためのいくつもの選択肢が存在する。その中には、核開発を行ったある国に科される中で最も厳しい金融・経済制裁を再び科すことも含まれている。

 

●永続的な、透明性の確保された合意

 

 今回ジュネーブで承認された計画は最終的なものではない。これから10年、もしくは15年、20年、25年の間に出いくつかの手直しがなされるだろう。しかし、透明性とイランの根本的な義務である核兵器開発プログラムの廃棄は恒久的なものだ。

 

 今回の合意に関して、いかなる「付帯事項」も「秘密協定」も存在しない。JCPOAは、イランが最終的にIAEAと協力させることになる。イランはIAEAを満足させるために核兵器開発に必要な行動を全て取り止めることになる。イランはIAEAに対して非公開の文書を提出する義務を負うことにもなる。

 

 もちろん、アメリカと友好・同盟諸国の情報収集能力によっていかなる秘密の行動も止めることが出来る。アメリカの国家情報局長官は「合意がなくても100%の革新を得ることはできるが、合意によってイランのプログラムの可視性を手に入れることが出来る」と発言した。イランがいかなるごまかしをやろうとしてもそれにはリスクが伴い、その結果、国際社会の厳しい反応が返ってくるようになる。その結果、秘密の活動を防止することが出来る。

 

●私たちの基本線

 

 オバマ大統領と私は、イランが核兵器開発に成功し、実際に核兵器を所有することは、イスラエルと中東地域にあるアメリカの友好国や同盟国の存在を脅かす脅威になると確信している。間違って欲しくないのだが、交渉を始める前、イランは核兵器を開発寸前の状態にあった。今回の合意は、そうしたぎりぎりの状態から引き戻し、私たちの持つ調査能力を引き上げるものとなった。

 

 今回の歴史的な合意は、イランの核開発の脅威を消し去る最善の機会となった。アメリカと国際社会は、イランが中東地域で行っている行動が引き起こしているいくつかの問題について、強力で協調的な手段を通じて対処することが出来る羽陽になったのだ。

 

 アメリカは世界の経済、軍事、外交の指導者である。私たちはイスラエルとイスラエル国民の安全に対して責任を負っている。イランが核兵器を所有することはこれからも許されないだろう。今回の合意はこの決意を新たにし、責任をますます重いものにする。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23





 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 古村治彦です。

 

 副島隆彦著『「熱狂なき株高」で踊らされる日本』(徳間書店、2015年)発刊記念で、2015年9月6日(日)に「第10回副島隆彦の“予言者”金融セミナー」が開催されます。宜しくお願い申し上げます。

 
nekkyounakikbudakadeodorasarerunihon002

==========

 

「第10回副島隆彦の“予言者”金融セミナー」


dai10kaiyogenshakinyuuseminer001
dai10kaiyogenshakinyuuseminer002

※セミナー申込みハガキは書籍の中に挟まれております。

開催日:2015年9月6日(日)

会場:浜離宮朝日ホール

hamarikyuuasahihallmap001

開演:11時(開場・受付10時)途中、休憩あり

終了:17時

受講料:15,000円

企画・運営:ブレイントラスト企画

主催:(有)アールシステム

お問い合わせ:(有)アールシステム ブレイントラスト企画

101-0051 東京都千代田区神田神保町3-2-1 サンライトビル601

TEL 03-6261-5465(平日10時~18時)

FAX 050-3153-2488

Email bt-soejima@nifty.com

(終わり)












 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ