古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。


 今月末に、「第13回 副島隆彦の“予言者”金融セミナー」が開催されます。

 以下にセミナーの情報を掲載します。セミナーに関するお問い合わせは下記連絡先にお願い致します。

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第13回 副島隆彦の“予言者”金融セミナー

開催日:2017年3月26日(日)
開演:11時(開場・受付:10時)・途中休憩あり
終了:17時
受講料:15,000円(税込)/全指定席
会場:ヤクルトホール
   東京都港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル
アクセス:新橋駅(JR、東京メトロ銀座線)
企画・運営:ブレイントラスト企画
主催:(有)アールシステム

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ヤクルトホールの地図

【お問い合わせ】

(有)アールシステム ブレイントラスト企画
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-2-1 サンライトビル401
電話:03-6261-5465(平日10~18時、土・日・祝は休み)
ファックス:050-3153-2488
Eメール:bt-soejima@nifty.com

※以下のアドレスからお申込みできます↓
http://kokucheese.com/event/index/456484/

宜しくお願い致します。

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 古村治彦です。

 

 今回は、菅野完(すがのたもつ)著『日本会議(にっぽんかいぎ)の研究』を皆様にご紹介します。私の所属しております「副島隆彦の学問道場」では、副島隆彦先生と菅野氏の対談を行い、その模様を公開しています。是非ご覧ください。

 

※アドレスは以下の通りです↓

http://www.snsi.jp/tops/kouhou

 

 さて、今回は、菅野氏の著書『日本会議の研究』についてご紹介したいと思います。菅野氏は現在、大阪にある森友学園・塚本幼稚園・瑞穂の國記念小學院を巡る疑惑を調査し、その成果をインターネット上で発表しています。

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日本会議の研究 (扶桑社新書)

 

 今回のスキャンダルの中心となっている森友学園を巡っては、登場人物たちが日本会議に絡んでいます。まず最重要人物である森友学園理事長である籠池泰典(かごいけやすのり)氏が日本会議大阪支部の役員であることを日本会議が認めました。また、小学校のウェブサイトであいさつ文を掲載しているのは、平沼赳夫代議士です。平沼代議士は、日本会議国会議員懇談会の会長を務めています。また、これまで海外メディアでの報道についてこのブログでもご紹介してきましたが、安倍晋三首相と安倍内閣の大臣たちのほとんどが日本会議と深いつながりを持っているということはどの社も必ず言及しています。

 

 現在の日本政治を理解するうえで、日本会議と政治の関係を理解することは重要な事です。本書『日本会議の研究』はその手助けとなるものです。本の中身を見ながら、戦後の保守系がどのような動きをしていたのかも合わせて勉強になりました。左翼については、佐野眞一著『唐牛伝』を読んで勉強になりました。こちらの本も後ほどご紹介します。

 

 日本会議は1997年に創設されました。その前身となったのは、「日本を守る会」と「元号法制化国民会議」から名前が変わった「日本を守る国民会議」という2つの団体でした。これらの団体は目標であった元号法制化には成功したものの、靖国神社国家護持法制定運動では足並みをそろえることができずに失敗してしまいました。これらの団体を支えていた保守的な宗教団体の中で、これに賛成と反対で分裂してしまいました。

 

 著者の菅野氏は、日本武道館で行われた日本会議主催の集会に取材に行き、そこで、霊友会、佛所護念会、崇教真光、神社本庁、天台宗、黒住教といった仏教系や神道系の各宗教団体の信者たちがバスで武道館まで来て、団体ごとに入場していく姿を目撃しています。こうした宗教団体からの参加者以外はそんなに多くなかったと報告しています。こうした大きなイベントをやり、日頃の活動を支えているのが事務局になります。その有能さについて菅野氏は特記しています。

 

 日本会議を現在、取り仕切っているのは、日本会議事務総長の椛島有三氏です。椛島氏は長崎大学で学園正常化(学生自治会の役員を左翼過激派団体の学生ではない学生にする運動)を成功させたことで、保守派・右派で有名になった人物です。彼は生長の家の信者ですが、大学を卒業できなかったために生長の家の職員になれず(生長の家の職員になるには大学生だったら大学を卒業していなければならない)、その後、保守の草の根運動を続けてきた活動家です。先ほど書いた「日本を守る会」の事務局で実務を担ったのが「日本青年協議会(1970年結成)」という学園正常化運動に成功した・関与した生長の家の若い信者たちで作った団体で、椛島氏はそこの書記長をやっていました。現在は議長です。椛島氏は、日本青年協議会議長であり、日本会議事務総長でもあります。そして、日本青年協議会の人々が日本会議の事務局に入って活動を支えています。

 

 椛島氏の学生時代の仲間であるのが日本政策研究センター代表を務める伊藤哲夫氏です。伊藤氏は安倍晋三首相のブレーンとも言われている人物です。彼もまた生長の家の信者です。伊藤氏率いる日本政策研究センターの憲法改定の主張と自民党の憲法改定草案はほぼ一致しているということです。また、伊藤氏は安倍晋三首相を草の根保守の世界で有名にし、首相にまで押し上げた人物の1人であり、著者の菅野氏は「プロモーター」と評しています。

 

上記2人よりも目立ちませんが、実は最も重要な人物が、学生協議会初代議長安東巖氏です。安東氏は10代で大病をし、7年間にもわたる壮絶な闘病生活の中で、『生命の實相』に出会い、生長の家の信仰で病気が治り、同世代の人々よりも遅れて長崎大学に入学しました。そこで、椛島氏と共に長崎大学の学園正常化に成功し、生長の家の若者信者たちの中で有名になっていきます。また、大病を信仰で治したということで、教祖である谷口雅春からも講演などで名前が出るなど、カリスマ信者ということになりました。大学を卒業した安東氏は生長の家の職員となりました。この安東氏と人気を二分していたのが、鈴木邦男氏です。鈴木氏は早稲田大学で左翼学生たちと激しく戦い、それで有名になっていきましたが、安東氏の策謀によって生長の家を追われることになったそうです。この安東氏は裏方ですが、椛島氏や伊藤氏は彼と会う時には直立不動であったということです。

 

 日本会議を支える人々は若い頃からの生長の家の信者です。生長の家(教祖は谷口雅春)はかなり国家主義的な教義を掲げて戦後勢力を伸ばした宗教です。アメリカのニューソートムーヴメントの影響も受けていますが、選良体制の打破と戦前回帰を掲げるような宗教であったそうです。1983年に政治からの決別を決定し、現在は大きく旋回してリベラルになっています。元々の教義を信奉する人々は「谷口雅春先生を学ぶ会」という原理主義的なグループを作っています。

 

日本会議に結集している保守系草の根の運動の手法は現代的、民主的です。右翼団体のように暴力をちらつかせるようなことはしません。各地に団体を作り、署名集めや請願を地方議会に行います。意見書が採択されたり、決議がされたりするとそれは大きな事実として残ります。そうやって運動の実績を積み重ねていきました。これは左翼、リベラル派も同じような運動をしてきているのですが、草の根の保守も粘り強く運動を展開してきました。彼らが望むのは人権や自由が制限された世界ですが、それを実現するために民主的な手法を選択している点は皮肉なものだと思います。

 

 私は、本書の最後に出てくる安東氏の逸話がとても気になりました。安東氏は10代で大病をし、7年間にもわたる壮絶な闘病生活の中で、『生命の實相』に出会い、生長の家の信仰で病気が治り、同世代の人々よりも遅れて長崎大学に入学しました。しかし、入ってみた大学では授業が行われませんでした。安東氏は授業が正常に行われるように求めましたが、左翼過激派の学生に殴り倒されるという経験をしました。この時、自分の傍らを一般学生たちは知らんぷりで通り過ぎて行ったということが安東氏の学園正常化運動に対する情熱の原点となりました。大学生にとって授業に出る、授業を再開して欲しいと願うことは当然のことです。そして、そのために行動したら左翼学生に殴られた、その時、見て見ぬふりで一般学生は通り過ぎていったということですが、安東氏は左翼学生に対する怒りよりも、一般学生に対する怒りを強くしたのだろうと思います。

 

 現在、生長の家は政治路線から撤退し、どちらかというとリベラルな方向に転換しています。昔からの信者たちは、「谷口雅春先生を学ぶ会」というグループを作っています。生長の家の原理主義グループというべきものです。現在、疑惑の中心になっている森友学園の副理事長である籠池夫人もこの会に参加していると言われています。籠池夫人は、一度、開成幼稚園(現在は休園)の近くで挨拶をしたのに返さなかったということで、小学3年生の児童を殴り、警察に逮捕されたことがあります。また、塚本幼稚園の保護者向けの文書では、駅を通行中にキスをする男女を見て、女性の手をつねり、男性に警察に突き出されたことを自慢げに書いています。籠池夫人は自分が持っている理想の姿、美しい状況に合わない状況に対しては過剰に反応してしまう人物のようです。

 

 安東氏と籠池夫人、どちらも真面目、おそらく馬鹿とかクソといった言葉がつくほどのまじめ人間なのだろうと思います。融通が利かないと言ってもよいのかと思います。そういう人物はえてして、この世の中では生きにくいことになります。彼らが言っていることのほとんどは「正しい」ことです。「殴られている人がいたら助ける、止める」「挨拶をしたら返す」というのは正しいことです。しかし、世の中には正しいことが必ずしも通らないことが起きます。そうした時に、不愉快な気持ちになっても、「まぁ仕方がないか」と諦めてしまう人がほとんどだと思います。しかし、安東氏や籠池夫人は違います。そうした中、安東氏や籠池夫人が属する「谷口雅春先生を学ぶ会」という生長の家の原理主義的グループは、現代日本を堕落していると考え、戦前に戻そう、美しい日本人(挨拶をしたら返すような)がいた戦前に戻そうとしています。

 

 彼らは理想主義者で、自分たちの持つ理想が現実のものとなるように動く人物です。問題は、理想とは万人にとって受け入れられるものではないということです。共産主義者の理想に反対する人がいるとの同様に、安東氏や籠池夫人が理想とする社会に反対する人もいるのです。もし理想社会が実現してもどうしても反対者が出てきますから、結果として秘密警察や強制収容所が出てきて、反対者は殺されるということになります。

 

 これまで私たちは、左翼の理想主義の怖さについては、北朝鮮やカンボジアの悲惨な具体例を見ることで認識してきました。しかし、右派・保守派に理想主義者が出現するとどうなるかということは、実際に体験しています。安倍晋三首相と安倍内閣の大臣たちのほとんどが日本会議と密接につながり、お互いを利用しながら、日本を彼らの理想とする「美しい国」にしようとしています。私はそれに反対するものです。そもそもこの世には理想は理念上は存在しても、実現せず、実現してもそれは人間の知恵の限界の悲しさもあって理想たりえない、ということを知ることが大人であって、それでも少しずつでも社会を生きやすい方向に持っていこうとするのが穏健な態度です。そういう点では、日本会議に集う人々は、年齢を重ねているとは言え、大人とは言えません。「左翼小児病」という言葉がありましたが、今は「右翼小児病」が蔓延している状況です。

 

 『日本会議の研究』は現在の日本政治について知り、考えるうえで大変有益な本ですので、是非お読みください。

 

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 古村治彦です。

 

 今回は、『ブルームバーグ』誌の森友学園・塚本幼稚園を巡るスキャンダルに関する記事をご紹介します。そして、この記事を書いた記者が昨年に行った安倍昭恵さんへのインタヴューを基にした記事を併せてご紹介します。

 

 イザベル・レイノルズ記者は、安倍昭恵さんにインタヴューを行い、それが記事になったのが昨年の12月、そして、先週の金曜日に、森友学園スキャンダルについて記事を書いています。これまでご紹介した他の欧米の新聞や雑誌に比べて、ややトーンがやわらかく感じるのは、やはり記者自身が安倍昭恵さんと直接会って話をしているということが影響しているのだろうと思います。安倍昭恵さんは直接話せば、魅了されてしまうような魅力を持っている人なのだろうと推察されます。しかし、綺麗なバラにはとげがあるとも言います。

 

 安倍昭恵さんのインタヴューを読むと、彼女の中に、「アメリカに占領されてしまって、アメリカ文化が入ってきたために、日本の良い部分が失われた」という考えが確固としてあることが分かります。明恵さんが大麻解禁に熱心なのは、戦後に大麻の栽培がアメリカによって禁止されて、それで神道の儀式で使う麻繊維が日本製ではなく、中国からの輸入に頼るようになったからだということが分かりますし、彼女が開いたレストランでは、日本で採れた食材のみを使っているのもその延長でしょう。彼女の中で、大麻解禁と瑞穂の國記念小學院の名誉校長になることは矛盾しないのはそのせいです。この点では、結局安倍昭恵さんと安倍晋三さんはぴったりのご夫婦であり、このご夫婦が分業して、「アメとムチ」をやって、人々の支持を惹きつけてきたことが現在の状況を生み出しています。ですから、「アメ」である昭恵さんの存在は厄介なものです。今回のスキャンダルでしかし、この危険性が明らかになっていくと思います。

 

 彼女のインタヴュー記事を読んだ後で、スキャンダルをめぐる記事を読むと、やや擁護している感じがするなという印象を持ちます。

 

レイノルズ記者は、「安倍首相は今週、国会で「私は公人ですが、妻は民間人です。妻を犯罪者化のように取り扱うことは極めて不愉快です」と発言した」と書いています。これは確かにそのような発言はありましたが、質問者は誰も安倍昭恵さんを犯罪者であると発言していません。それどころか被害者ではないのかという懸念を示唆している人たちもいます。これは阿部首相自身の変な印象操作による、答弁逃れでしかありません。そうした文脈を無視して、この発言を特別に取り上げている点で、少し擁護しているんだろうと思われます。

 

 安倍首相の支持率が高いこと、自民党の党大会で総裁任期が3年、3期までということで、戦後では最長の10年の首相在任と言うことも視野に入ってきました。安倍首相の人気を支えてきた一つの要素として、昭恵さんの行動と存在があるのは間違いないところです。しかし、森友学園の報道が続いていく中で、安倍首相の在任期間が10年に届くかどうか、少し心許なくなってきていると言えるでしょう。

 

(貼りつけはじめ)

 

●「党大会を前に幼稚園を巡るスキャンダルが安倍首相に付きまとう(Kindergarten Scandal Dogs Abe Ahead of Party Meeting)」

 

イザベル・レイノルズ筆

ブルームバーグ

2017年3月3日

https://www.bloomberg.com/politics/articles/2017-03-02/nationalist-kindergarten-scandal-dogs-abe-ahead-of-party-meeting

 

●安倍首相は妻の学校との関係、更に土地取引の件で厳しく追及されている

●トランプとの会談で上がったが支持率が6ポイント下落と日経新聞が報道

 

日本の歴史上、最長の在任期間を誇る首相になるための段階に進む前のこの数日間、安倍晋三首相は妻と国家主義的な教育を行う幼稚園を巡るスキャンダルに対峙している。

 

安倍氏が首相になって4年間が過ぎた。この週末、与党である自由民主党の党員たちは、安倍首相が党の総裁に3期連続在任することができるようにするための規則の改定に無条件の賛成を示そうとしている。これによって、安倍氏の首相在任が10年に及ぶ可能性も出てきた。

 

安倍首相の支持率は概して安定している。世論調査の数字では、彼の支持率の李悠馬は良く分からないが、安倍首相の政権担当期間中に失業率が1990年代中盤の数字にまで下がっていること、野党第一党の民進党が2012年の総選挙での惨敗の後で再建に苦闘していることが考えられる。

 

それでも、今週末の彼の大勝利の瞬間が森友学園を巡るスキャンダルで怪我される危険が出てきている。森友学園は大阪で幼稚園を運営しており、この幼稚園は戦前の国家主義的な要素を含むカリキュラムでの教育を行い、安倍首相を支持しているということが明らかになった。

 

森友学園が、野党側が述べているように評価額よりもかなり低い値段で土地を購入できたことについて、いくつも疑問が浮上している。この土地取引は、森友学園が小学校を開校して業務を拡大しようとした計画の一部である。

 

●ゴミのある土地(Waste Site

 

安倍首相や昭恵夫人(学校の名誉校長に就任させられた)が土地取引に関与したことを示す証拠は出てきていない。そして、学園の理事長である籠池泰典氏は土地の価格について政治家に働きかけを行ったことはないと述べた。籠池氏は産経新聞の取材に対して、敷地内から実際にゴミが見つかったと答えた。

 

安倍首相はこの問題から距離を取ろうと努めている。そして、土地取引に関して、自身もしくは昭恵夫人が関わっていることを示す証拠が出たら辞職すると述べた。そして、木曜日、いかなる調査にも協力すると表明した。野党の山本太郎議員は、証拠を出してもらうために、昭恵夫人に国会に出席してもらって質問を受けてもらうように求めた。

 

今回の問題は国家審議の多くの時間を占め、マスコミにとっては格好のテーマとなっている。月曜日に発表された日経新聞による世論調査では、安倍首相に対する支持率は6ポイント下がり、60%であった。2月に行われたドナルド・トランプ米大統領との首脳会談の後に上昇した支持率は少し低下した。それでも、政治アナリストであるスティーヴン・リードは、安倍首相は「各種のスキャンダルに上手に対処している」と述べている。

 

●中国の反応(China Reacts

 

政治腐敗に関する著書もある東京にある中央大学の政治学教授スティーヴン・リードは、「大事なことは人々を素早く切り捨てること、そして、何も嘘はないと明らかにすることです。しかし、安倍首相は妻を切り捨てることはできませんし、野党側は、このことをニュースにすることに成功しています」と述べた。

 

中国の国営メディアもこの騒ぎを報道している。日中両国は現在、領土と安倍首相の軍隊の役割を拡大させようという努力を巡って緊張関係にある。新華社通信は木曜日、記事の中で、「火のないところに煙は立たないものだ」と書いた。

 

塚本幼稚園は、子供たちに天皇の写真に頭を下げさせること、19世紀に出された教育勅語を暗唱刺させることで知られている。こうした行為は第二次世界大戦での日本の敗戦後、行われなくなったものだ。先月、幼稚園は、「外国人の間で誤解を引き起こす可能性」を持つ表現を使ったことについて謝罪した。共同通信によると、籠池園長は韓国人と中国人に対する差別的な発言を行った疑いで調査が行われた。

 

昭恵夫人は予定されていた役職から身を引いたが、森友学園との妻との関係を巡って国会では安倍首相への追及が続いている。今週、フジテレビで放映された映像の中で、昭恵夫人が幼稚園を訪問し、園児たちが「日本と日本人のために働いている安倍晋三内閣総理大臣を献身的に支えている」ことに感謝するという言葉を大きな声で一斉に述べた時に、涙を流した様子が映っている。

 

安倍首相は今週、国会で「私は公人ですが、妻は民間人です。妻を犯罪者化のように取り扱うことは極めて不愉快です」と発言した。

 

昭恵夫人は昨年にブルームバーグが行ったインタヴューの中で、日本は、西洋文化を取り入れたことで、アイデンティティのいくつかの要素を失ったように感じていると述べた。

 

自民党所属の参議院議員で元防災大臣の鴻池祥肇は記者たちに、森友学園から献金は受けたが、土地取引に関しての助力を求められたが拒否したと述べた、と水曜日に読売新聞が報じた。

 

テンプル大学日本校の非常勤研究員であるマイケル・キューセクは、YouTubeにアップした動画の中で、幼稚園のカリキュラムよりも、学園を巡るお金の動きの方が安倍首相を傷つける可能性があると述べた。

 

今回の自民党大会は、「安倍氏にとっての戴冠式となるはずであったが、にわかに彼がこれまで経験したことのないスキャンダルが起きた」と、キューセクは述べている。

 

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●「日本のファースト・レディーは安倍氏への家庭内ホットラインで批判を行う(Japan’s First Lady Offers Critics a Household Hotline to Abe)」

 

イザベル・レイノルズ、エミ・ノブヒロ筆

ブルームバーグ

2016年12月5日

https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-12-04/japan-s-first-lady-offers-critics-a-household-hotline-to-abe

 

●安倍昭恵夫人は貿易、原子力発電、国防政策に反対している

●総理大臣夫人のフェイスブックのタイムラインには平和への願いがつづられる

 

高い支持率を誇る安倍晋三氏は、現代史において最長の在任期間を誇る首相となる可能性も囁かれている。そのような安倍首相にはひとりよがりになるリスクがある。そこで、29年間、安倍首相の妻をしている安倍昭恵氏の出番だ。

 

日本の大製菓会社の家に生まれ、現在54歳になる昭恵氏は、日本では、「家庭内野党(the household opposition)」として有名だ。これは、昭恵氏が、TPP貿易協定、原子力技術の輸出の拡大、沖縄における米軍基地の拡大といった安倍氏の政策に反対を表明しているからだ。

 

先週、東京の中心部で4年前に彼女が開店したレストランでインタヴューを行った。昭恵氏は、「私の夫や近い人々には届かないような考えを取り上げて、伝えたいのです。これが野党のようだと思われたんだと思います」と語った。

 

昭恵氏は伝統的な首相夫人のイメージから離れようとしている。伝統的なイメージは、妻は夫に従い、裏で色々と助けるというものだ。更に驚くべきことは、安倍首相の政策に対する批判を表に出すことが、62歳の保守派の論客にとってアピールとなっているということだ。

 

元経済産業省の官僚で、現在は明治大学国際総合研究所客員研究員の奥村準は次のように語っている。「昭恵氏はこれまでの首相夫人の枠では捉えきれません。日本国内の誰も、アメリカのファースト・レディーでも、あの方のようには行動できないでしょうね。興味深いことは、昭恵氏の行動や言動が安倍首相を傷つけていないということです。実際には、安倍首相のイメージを和らげています。安倍首相は全く異なる考えや視点を許容できているという風にです」。

 

●ソーシャル・メディア(Social Media

 

Uzu」という名前のオーガニック食材を使う小さなレストランでインタヴューは続いた。昭恵氏は、人々から聞いた批判的な意見を夫に伝える時にはそれに適した時間とタイミングに行うようにしようとしていると述べた。

 

昭恵氏は、「毎日、野党の方々が批判されていて、私が家に帰ってきて批判を始めたら、夫は止めてくれと言うでしょうね」と語る。続けて、「妻として、夫をあまり攻撃したくないと思うときももちろんありますが、時には、どうしても言わなければならないことがあると思うときもありますよ」とも述べる。

 

昭恵氏は日本の総理大臣夫人では初めて積極的にソーシャル・メディアを活用している。彼女のフェイスブックのページには彼女の考えについて、多くの賞賛と批判の声が寄せられる。フェイスブックでは10万以上のフォロワーを持っている。彼女は口汚い書き込みをするフォロワー以外にはブロックすることはない。

 

彼女は今年11月にフェイスブックに書き込みを行いその中で、「世界平和について語る前に、私自身のタイムライン内での平和を達成したいのです」と書いた。

 

昼食をともにしながらのインタヴューの中で、「中には、私に大きな期待を寄せて下さる方もいます。夫とは逆の意見を持つ方で、私に対して夫にもっと強く言うようにと批判する方もいます。私たち夫婦の間で意見が異なるのにどうして一緒にいられるのかと質問する方や離婚しなさいと言う方までいるんですよ」と言って、昭恵氏は笑った。「ほっといてください、ですよね」。

 

●メディアの注目(Media Storms

 

昭恵氏は、幼稚園から高校まで、上流の過程の子女が通うカトリック系の学校に通った。そして、女性だけの専門学校に進学した。彼女は卒業後、日本最大の広告会社である電通に入社した。電通の上司が安倍氏を紹介する算段をした。今年初めのある雑誌のインタヴューの中で、子供を授からなかったことについてあれこれ言われることに対して、苦言を呈した。

 

昭恵氏の行動はしばしば彼女の言葉よりも雄弁だ。今年8月、彼女は、警察による警備や秘書の同行もなく(without a police escort or secretaries)、予告なく沖縄を訪れた。彼女は沖縄本島北部のアメリカ軍のヘリパッド建設反対の人々の許を訪れた。彼女は、夫には反対される恐れがあったので、相談しないで訪問したと述べた。

 

メディアが注目したもう1つの行動が、8月の後半にハワイのパールハーバーで祈りをささげる姿であった。パールハーバーは日本が奇襲をかけた場所で、この攻撃によって、アメリカは第二次世界大戦に引きずり込まれることになった。彼女の弧の行動が、安倍首相の日本首相初のパールハーバー訪問を促したという見方も出たが、公式訪問がこのように急に決まるということはない。

 

安倍夫妻は合わないようで合っているカップルだ。そんな2人は1945年から1952年まで続いたアメリカの占領時代よりも前の日本の様々な側面を称賛する点では一致している。安倍首相はたびたび、「戦後レジーム」を批判し、軍隊の役割を拡大するためにアメリカが草案を作った憲法を書きなおそうという熱意を持っていることで知られている。昭恵氏は文化面に興味を持っており、言語と自然により集中している。

 

昭恵氏は自身でオーガニックの米を作っている。そして、日本で取れた食材だけを使った食事を提供する彼女のレストランでその米を出している。彼女はまた、首相公邸に設置しているミツバチの巣箱では日本のミツバチを飼っていると述べた。ヨーロッパのミツバチの方がより多くのハチミツを作るがそれでも日本のミツバチを飼っていると述べた。

 

「戦後、ヨーロッパとアメリカの文化が入ってきて、日本はもともと持っていたものを弱められてしまったと考えています」と昭恵は述べた。

 

昭恵氏は西洋においては自然をコントロールしようと試みると述べる。そして、これは、2011年の大震災の時に起きたレヴェルの大津波から地域を守るために東北地方で進められている巨大な堤防作りもそれと同じだと述べている。

 

●大麻関連産業(Hemp Industry

 

昭恵氏はまた日本の大麻関連産業が失われたことを残念に思っている。アメリカが占領するまで、日本では大麻関連産業が栄えていたが、現在では、33の農家に栽培許可が与えられているだけだ。1954年には3万7000の農家が栽培していた。昭恵氏は、長い間、日本独自の宗教である神道の儀式で麻繊維が使われてきたが、今はその大部分を中国からの輸入に頼っていると語った。

 

昭恵氏は精神に作用しない大麻の栽培と医療目的でのマリファナの使用を主張している。医療用マリファナを支持した参議院議員が辞職したことから、ここ数か月、始まったばかりの医療用マリファナの合法化を目指す運動に対する批判が起こっている。

 

「私はこれまで大麻を吸ったことはありませんし、大麻吸引には賛成ではありません」と述べたが、大麻の産業目的、医療目的での使用まで全て禁止するのは正しくないと考えているとも述べた。

 

安倍氏は2006年に1年だけ首相を務めた。それ以降、昭恵氏はスポットライトを浴びる生活を送るようになった。昭恵氏は夫である安倍晋三氏が3期連続で自民党の総裁に留任し、首相を続けることは素晴らしいことだと考えている。特に、ドナルド・トランプが大統領選挙に当選して、アメリカの政策ははっきりしない時に、世界に強力な指導者として安倍晋三氏が存在することは素晴らしいことだと考えている。

 

昭恵氏は、「私の夫が再び総理大臣になれたのは、努力のせいではなく、運命というべきものです。日本は今、大きな役割を果たす時です」と語った。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)









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