古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を発売しました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 サウジアラビアは隣国イエメンの内戦で政府側を支援し、反体制派フーシ派との戦いを続けてきた。フーシ派を支援しているのはイランである。同時に、サウジアラビアは、フーシ派との和平交渉を続けてきた。中国が仲介したサウジアラビアとイランの国交正常化交渉開始も追い風になっている。しかし、これに水を差す形になったのは、アメリカとイギリスによるフーシ派への攻撃だ。これによって、サウジアラビアとフーシ派との和平交渉はとん挫する形になった。
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 アメリカはイスラエルと中東諸国との間の和平を進めている。実際に一部の中東諸国とイスラエルとの間に和平が成立している。サウジアラビアもアメリカの仲介でイスラエルとの和平、国交正常化を続けてきたが、2023年10月8日のハマスによるイスラエル攻撃、その後のイスラエルの過剰報告によって、サウジアラビアとイスラエルとの和平は絶望的になっている。イスラエルは中東で孤立状態になっている。
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 フーシ派は紅海で船舶攻撃を行っている。紅海はスエズ運河を通じて、地中海とインド洋を繋ぐ重要地点である。紅海の安全が保障されない状況では、世界の物流も厳しい状況になる。結果として、物価にも影響が出る。サウジアラビアは自国の安全を最優先にして、フーシ派を暴れさせないように、和平交渉を行ってきた。フーシ派はパレスティナ紛争をめぐり、イスラエルとの和平を行った各国への攻撃も行う可能性を持っている。こうなれば中東全体の不安定要因となる。サウジアラビアの和平交渉が重要であったのだが、米英両国によるフーシ派攻撃によって状況は悪化することになった。

 中東の状況がこれから悪化することになる。注目していかねばならない。

(貼り付けはじめ)

紅海上での衝突をサウジアラビアが傍観している理由(Why Saudi Arabia Is Staying on the Sidelines in the Red Sea Conflict

-フーシ派との数年にわたる戦争の後、リヤドは何よりも自国の安全を確保しようとしているが、和平交渉は不安定であり、この計画は裏目に出る可能性がある。

ヴィーナ・アリ=カーン筆

2024年1月16日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/01/16/saudi-arabia-red-sea-conflict-houthis-us-strike/?tpcc=recirc_trending062921

ほんの数年前であれば、サウジアラビアはフーシ派の拠点を狙った米英共同攻撃の機会を利用しようとしただろう。リヤドはほぼ10年間、フーシ派と残酷な戦争を戦ってきた。しかし今日、イエメン内戦から手を引き、国境を越えた攻撃から自国を恒久的に守るためにフーシ派指導部と微妙な和平交渉を行っているリヤドにとって、イエメンのグループであるフーシ派に対する西側の攻撃はまさに望むところとは正反対である。

紅海における緊張が高まる中、サウジアラビアは紛争に関わらないことを選択した。その代わり、サウジアラビアとフーシ派の間のコミュニケーションラインはオープンなままであり、リヤドは攻撃の標的にならないよう、あからさまにワシントンに味方することを避けている。今のところ、この戦略はうまくいっているように見えるが、長期的にサウジアラビアの保護が保証されるのかという大きな疑問が残る。

1月12日未明。米英軍機はイエメンのフーシ派軍事拠点数十カ所を標的とした。その翌日、ワシントンはフーシ派の拠点への新たな空襲を開始し、司令部、弾薬庫、ミサイル発射システム、無人機を標的にした。復讐を誓うフーシ派は1月15日、アメリカ所有のコンテナ船に弾道ミサイルを発射した。(ワシントンは1月16日に再び報復した)。

これらの攻撃は、紅海の商業船舶に対するフーシ派の2ヶ月にわたる攻撃に続くもので、反政府勢力フーシ派は、ガザ地区のパレスティナ人との連帯を示すものだと主張している。フーシ派は、これらの攻撃はイスラエルと関係のある船舶に限定されていると言っているが、実際には、射程距離圏内にある全ての船舶を標的にしている。これまでに30件近いフーシ派による国際海運への攻撃により、少なくとも50カ国が影響を受けている。

世界の主要なコンテナ海運会社のほとんどが、世界の輸送量の約15%、最大で3分の1を扱うスエズ運河に通じる重要な水路である紅海を避ける決定を発表するまでに時間はかからなかった。

アントニー・ブリンケン米国務長官の最近の中東歴訪は、ガザ紛争を封じ込めるよう地域アクターに圧力をかけることを意図したものだった。しかし、ペルシャ湾岸諸国はフーシ派をよく知っており、彼らに対する影響力も限られているため、大した反応はしなかった。別の試みとして、アメリカはサウジアラビアに対し、反体制派との和平交渉において紅海の危機を考慮し、交渉のペースを落とすよう促した。

それにもかかわらず、フーシ派とリヤドは、紅海の危機が両者の合意を妨げることを避けるために、協議を継続することを選択した。米英両国の攻撃を受けて、サウジアラビア外務省は「大きな懸念(great concern)」を表明し、エスカレートを避けるために「自制(self-restraint)」を求めた。

リヤドには、フーシ派との新たな手に負えない紛争に巻き込まれる気はまったくない。サウジアラビアは反政府勢力への軍事対処を通じて過去の教訓から学び、直接戦闘を行うことの危険性を痛感している。

フーシ派が主張した2019年のアラムコ攻撃は、2つの主要石油施設を標的とし、サウジアラビアの石油生産の半分を一時的に停止させたが、これが転機となった。その原因はアメリカの対応の遅れにあった。アメリカから裏切られたと感じたリヤドは、その後数年間、外交政策を急速に見直し、ワシントンの救援に頼るのではなく、地域の頭痛に対する外交的解決策(diplomatic solutions to its regional headaches)を模索するようになった。

最近では、リヤドは代わりにイランとの対話を続けている。イエメン攻撃の前日、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン外相はイランのホセイン・アミール=アブドラヒアン外相から連絡を受けた。サウジアラビアの皇太子であるムハンマド・ビン・サルマンにとって、待望の「ビジョン2030(Vision 2030)」(国民経済の多様化を目的とした大規模な改革計画)に向けた重要な数年間において、状況を混乱させるようなエスカレーションは最も避けたいことだ。その結果、サウジアラビアは紅海の危機において沈黙を守ることを選択し、2023年春に発表された中国が仲介するイランややフーシ派とのコミュニケーションチャンネルが、地域の混乱や将来のフーシ派の攻撃から自国を守ることになると期待している。

これらの新しいコミュニケーションラインは、紅海におけるフーシ派の行動を阻止することを目的としている訳ではない。むしろ、どのような状況であれ、地域のエスカレーションからサウジアラビアを孤立させるための、より広い努力の現実的な一部なのだ。今のところ、この戦略はうまくいっているようで、リヤドは標的にされていない。実際、サウジアラビアがフーシ派に対するアメリカ主導の海上連合(maritime coalition)に参加しないという決断を下した理由には、イランとアメリカの緊張の矢面に立たされた経験が影響している。

サウジアラビアの最優先事項は自国を守ることだ。サウジアラビアはイエメン戦争からの迅速な撤退を望んでおり、西側諸国と反体制派との最近のいざこざがこれを台無しにすることはないだろう。2021年以来、オマーンが促進したフーシ派との交渉は困難な中で進んできた。リヤドはようやくフーシ派との効果的な意思疎通が可能になった。それゆえサウジアラビアは、紅海でのアメリカの作戦を支援するためだけに、フーシ派の攻撃から自国を守るのに十分だとサウジアラビアが考えているこの関係を危うくする価値はないと判断している。

むしろ、最近のエスカレーションは、サウジアラビアにできるだけ早く合意をまとめようとする、更なる誘因を与えた。 2023年11月末に向けて、リヤドはイエメン政府とフーシ派との間の将来の国連主導の協議の基礎を築くことを目的とした提案草案を国連イエメン担当特使に提出した。伝えられるところによると、協定の一部にはサウジアラビアの最優先事項である国境を守るための緩衝地帯(buffer zone)が含まれている。

リヤドも自画自賛している。サウジアラビアは以前から、フーシ派がより高度なドローン能力を獲得し、紅海に近い地域を支配する危険性についてワシントンに警告してきたが、彼らの目には、精彩を欠いた対応しか受けられなかった。それゆえ、サウジアラビアは、フーシ派に対する残忍な戦争で何年も自国を批判してきた同じ西側のパートナーを、なぜ支援しなければならないのかと疑問を呈している。

しかし、サウジアラビアの計算は間違っている可能性がある。最終的な和平合意はまだ確実なものとなっていない。現在存在しているのは、いつ崩壊するか分からない脆弱な理解だけだ。正式な和平合意がなければ、将来的にフーシ派が紅海やその国境でサウジアラビアを標的にすることを阻止するものはない。

状況がエスカレートすればするほど、その可能性は高まるばかりだ。フーシ派自身も、リヤドの保護が、より広範な紛争に関与しないという決断にかかっていることを内心認めている。フーシ派はサウジアラビアの弱点である国境を認識しており、いつでもこれを利用することができる。アメリカによる第2次空爆のわずか数時間後、フーシ派はサウジ国境沿いで軍事作戦を実施し、アメリカに味方した場合の潜在的な結果についてサウジアラビアに警告を発した。

問題を更に複雑にしているのは、もしリヤドがイスラエルとの国交正常化交渉を再開することになれば、サウジアラビアは再び反政府勢力の格好の標的になりかねないことだ。フーシ派は、アブラハム協定(2020年にイスラエルと一部のアラブ諸国がアメリカの仲介によって国交正常化した協定)に対する批判の声を避けておらず、この問題はアラブ首長国連邦に対する批判の中心となっている。

サウジアラビアが国交正常化交渉を進めれば、フーシ派がゴールポストを移し、イスラエルと同盟関係にあると思われる国々を標的にすると宣言し、和平交渉でサウジから更なる譲歩を引き出す正当な理由にする可能性が高い。確かなことは、リヤドはフーシ派による将来の標的の可能性に留意しながら、イスラエルとの協議を再開する必要があるということだ。

サウジアラビア・フーシ派両陣営にとって理想的な世界であれば、和平交渉は紅海の危機から切り離されたままであろう。しかし、今日の現実はそうではない。この地域は急速にヒートアップしており、イエメンの脆弱な和平プロセスを完全に脅かしかねない事態に、より多くの関係者が次々と参戦している。アメリカがフーシ派を対外テロ組織として指定するなど、非軍事的なアプローチを選択すれば、フーシ派の国連主導の和平交渉への参加は危うくなり、イエメンの地域紛争が再燃し、事実上の停戦が終わる恐れが出てくる。

他方、米英がイエメンへの攻撃を続ければ、フーシ派は、バーレーンを含むこの地域にある米軍基地や、イスラエルと連携しているとみなす湾岸諸国の首都を標的にすることで、これまで彼らが脅してきたように、状況をさらに悪化させる可能性がある。少なくとも、このような攻撃は和平交渉を完全に頓挫させ、サウジアラビアに行動を起こさせ、イエメンをより複雑な地域戦争(regional war)に巻き込むことになるだろう。

全体として、イエメンにおいてサウジアラビアに残された、自分たちを有利にする選択肢はない。2つの問題を区分するという戦略は、今のところリヤドを守ることに成功しているが、これは公式な和平合意がない場合の一時的な応急処置にすぎない。イエメン紛争の将来は、今や紅海の動乱と表裏一体であり、イエメンの和平プロセスはこの不快な現実についてきちんと考慮しなければならない。

※ヴィーナ・アリ=カーン:ニューヨークを拠点とするイエメンとペルシア湾地域の研究者。イスタンブールで、インターナショナル・クライシス・グループのイエメン研究担当を務めた経験を持つ。

(貼り付け終わり)
(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。アメリカ政治と世界政治について詳しく分析しました。是非手に取ってお読みください。このブログを継続するため、本をご購読いただければ大変助かります。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 昨年からの自民党各派閥のパーティー券販売キックバック問題(裏金作り)は、複数の政治家と安倍派、二階派、岸田派の会計責任者の立件でひと段落となった。安倍派、二階派、岸田派、森山派、石破グループ(政策集団・勉強会として存続していた)は派閥解散、麻生派と茂木派は存続ということになった。菅義偉前首相を中心とする、無派閥という議員グループが大きな勢力となっている。現状は、旧派閥と新派閥の対立構造という形で捉えることができる。

 また、茂木派からは、小渕優子衆議院議員と青木一男参議院議員が退会を表明し、その後も参議院議員数名が退会した。田中角栄から竹下登、小渕恵三、橋本龍太郎と続く派閥において、「茂木敏充ではなく、小渕優子を首相にする」という意図を持った動きである。麻生派は今のところ大きな動きはないが、80歳を超えて失言も続く麻生太郎に引退してもらい、河野太郎を領袖とするという動きと、それに反対する動きが派内にはあるだろう。河野は菅義偉とも同じ神奈川県を地盤としている点で関係が良好であり、同じ神奈川県を地盤としている小泉進次郎も、以前の総裁選挙で河野太郎を支持したこともあり、河野太郎は、麻生派を継承もしくは分裂して、河野派となり、菅・小泉の神奈川グループの支援を受けるということも考えられる。

 安倍派に関しては、幹部の責任論がくすぶり続け、座長の塩谷立議員や五人衆と言われる幹部たちの離党や議員辞職についても語られている。自民党内部にそのような声がある。これは極めて重要な動きである。この議員たちは、自分たちが離党をしたり、議員を辞めたりする必要があるのかと憤慨しているだろうし、そもそも自分たちは派閥の慣例に従っただけのことで、それを作ったのは森喜朗元首相だと声に出して反論したいだろう。こうした安倍派の凋落の中で、福田達夫議員は新しい集団作りを目指すと発言した。福田派の結成ということになる。

 今回の派閥パーティー券販売をめぐる特捜検察の捜査にはアメリカの意図があっただろうということを推察し、そのことをこのブログでも書いた。そしうて、これまでの動きも合わせて考えると、私は、今回の派閥潰しの最終目標は森喜朗元首相の失脚であっただろうと考える。そして、合わせて、現在の自民党執行部の古い幹部たちの力を失わせ、新しい、若手たちの東洋を進めるということであっただろうと考えている。

 森喜朗という人物については、全くとらえどころがない、理解しがたい、日本の典型的な政治家として、アメリカは捉えていただろう。ロシアとの関係が深く(父親の代から)、清濁併せ呑むということで、アメリカ側としては御しにくいタイプの典型的な日本の政治家であった。今回、二階派も解散ということになり、二階俊博元幹事長も力を失い、引退を迫られることになるだろう。二階議員は中国との太いパイプを持つことで知られているが、アメリカにしてみれば、邪魔な存在ということで、森喜朗と二階俊博はまとめて失脚させられることになった。

 自民党の新しい実力者として、菅義偉がその地位に就くことになった。菅義偉議員は、安倍晋三政権の官房長官時代にアメリカを単独で訪問し、アメリカ側が首実検を済ませている。日本維新の会とも関係が深く、カジノ推進ということでアメリカの利益を推進する政治家である。アメリカとしては、森や二階に代わって、菅を実力者として据えるということにしたようだ。そして、派閥はご破算になって、新たに、河野派、福田派、小渕派、無派閥の小泉進次郎議員という、新しいリーダーたちを育成し、より直接的に、アメリカの意向が伝わり、実行されるような体制を構築しようとしていることになる。

 今回の動きは、アメリカ国内のジャパンハンドラーズの勢力変動の影響もあったと言えるだろう。安倍晋三を支持してきた、マイケル・グリーンがシドニー大学に移籍したことは、彼が左遷され、都落ちさせられたということである。そして、グリーンの後ろ盾を失った安倍晋三は首相の座を追われ、最終的には暗殺された。誰に暗殺されたか、このことは私の先生である副島隆彦先生の『愛子天皇待望論』(弓立社)に詳しいので、そちらを読んでもらいたい。

安倍晋三元首相と彼を取り巻く勢力は、統一教会に影響を受け、日本の歴史守勢主義を推し進め、核武装まで進めようとしていた。アメリカとしては、アメリカ軍にとって役立つ日本の防衛力強化は歓迎であるが、安倍晋三元首相はそれ以上のことをしようとした。彼はアメリカにべったりで、アメリカ従属路線の人物だと日本人である私たちは評価するが、アメリカ側からすれば、「靖国神社に参拝し、太平洋戦争での日本は正しかったと主張するカルト・オブ・ヤスクニであり、核武装まで主張する危なっかしい人物」となる。アメリカにとっては使い捨ての駒であり、どんなに栄耀栄華を誇っていても最後はポイッと捨てられる。

こうした動きを冷静にかつ冷酷に見てきたのが岸田文雄という人物の怖さである。岸田首相に関しては世間の評価は低いが、その粘り強さや下手(したて)に出ながら、いつの間にか相手を逆に締めているような動きには、政治家としての強さを感じる。岸田首相の対米レッドライン(最終防衛線)は、「金で済むことならば金を出す(防衛費の倍増のために増税はする)が、中国とぶつけられることはなんとしても回避する」ということだろう。国民生活の苦しさは日本の政治家であれば分かっているはずだが、「戦争をさせられるよりはずっと良い、何とか耐えてもらいたい」ということだと思う。書き散らしになって申し訳ないが、私の今に日本政治に関する考えを書いた。

(終わり)

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 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。アメリカ政治、アメリカ大統領選挙に関して詳しく分析しています。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 1月の最終週に地元鹿児島に戻っておりました。家族の用事でバタバタしておりました。ブログの更新が滞りまして、申し訳ございません。今回からまた精進してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 アメリカ大統領選挙は今年11月に投開票が実施される。それに向けて、まず民主、共和両党の候補者を決める予備選挙が実施される。民主党は現職大統領であるジョー・バイデンが二期目を目指すと表明した時点で、事実上、候補者に内定している。共和党側では、ドナルド・トランプ前大統領が立候補を表明して以来、最有力候補となっており、複数名の政治家たちが出馬したが既に多くが撤退を余儀なくされている。現在でも選挙戦に踏みとどまっているのは、元サウスカロライナ州知事で米国連大使を務めたニッキー・ヘイリーだ。
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 アイオワ州に続いて、ニューハンプシャー州で予備選挙が実施された。選挙の形式は、アイオワ州の党員集会とは異なり、普通の選挙と同じで、予備選挙と呼ばれる形式だった。

 ヘイリーはニューハンプシャー州にお金と時間を投入し、トランプをかなり追い上げた。事前の世論調査で数ポイント差まで追い上げたが、結果としては敗戦となった。ヘイリーは、地元サウスカロライナ州での支持率は低迷しており、一応、地元のサウスカロライナ州での予備選挙まで選挙戦を続け、地元で撤退宣言を行うだろうと私は見ている。これで、共和党予備選挙は事実上の終戦となり、トランプが大統領選挙の候補者に内定する。
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 これで、共和党のトランプと民主党のバイデンという2020年と同じ構図での大統領選挙本選挙ということになる。現在のところ、各種世論調査では、トランプが1ポイント、2ポイントで、バイデンをリードしている展開だが、これからバイデン陣営がどのような奇手を繰り出してくるか分からない。既に「トランプには大統領選挙に立候補する資格はない」という訴えを起こしての法廷闘争が起きている。この他にもメディアを使ってのネガティヴキャンペーンも行われるだろう。バイデンは、現職大統領の強みで、外交上の大きな成果を挙げてアピールすることも考えられる。ウクライナ戦争やパレスティナ紛争での大きな動きがあれば、バイデンの支持率も上がるだろうから、それを狙ってくるだろう。

 今回の大統領選挙でトランプ、バイデンのどちらが勝者となっても、アメリカ国内の分断が深まり、アメリカの統一が危ぶまれる事態が発生することも十分に考えられる。

(貼り付けはじめ)

トランプがニューハンプシャー州で勝利し、ヘイリーに打撃を与える(Trump wins New Hampshire in blow to Haley

キャロライン・ヴァキール筆

2024年1月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4424478-donald-trump-wins-new-hampshire-gop-primary-nikki-haley/

ディシジョンデスクHQによると、米大統領ニューハンプシャー州共和党予備選挙で、ドナルド・トランプ前大統領が勝利を収めることが確実となった。主要なライヴァルであるニッキー・ヘイリーに対する大きな一撃となり、トランプが共和党の大統領選挙候補者指名を確実とすることにまた一歩近づいた。

ニューハンプシャー州でのトランプの勝利はヘイリーに特にダメージを与えることになる。それは、ヘイリーがニューハンプシャー州に彼女の持つ時間と資源のほとんどを投入してきて、更に同州で人気の高い知事クリス・スヌヌ(共和党)の支持を得ていたからだ。ある時点では、支持率において、ヘイリーはトランプに数ポイント差に迫っていた。

元米国連大使のヘイリーは、アイオワ州共和党党員集会において、彼女のライヴァルだったフロリダ州知事ロン・デサンティスの後塵を拝し、3位となった。予備選挙形式で最初に行われるニューハンプシャー州共和党予備選挙をわずか数日後に控えた時点で、デサンティスは選挙戦からの撤退を決めた。撤退を宣言する演説の中で、デサンティスはトランプ支持を表明した。そうした状況下、ヘイリーは結果として、最後まで残った、トランプに対する主要な挑戦者ということになった。

しかし、ここ数日の各種世論調査の結果を見ると、ヘイリーがトランプを追い落とすのはかなりの困難な道のりであることが明らかになっていた。ディシジョンデスクHQと本誌の集計した、ニューハンプシャー州での各種世論調査の平均では、トランプの支持率が51%に対して、ヘイリーは37%となっていた。

トランプはまた、かつてのライヴァルたちが彼の周りに結集したことで、上機嫌となった。アイオワ州党員集会の直前、ノースダコタ州知事ダグ・バーガム(共和党)はトランプを支持した。ティム・スコット連邦上院議員(共和党)とバイオテクノロジー起業家のヴィヴェック・ラマスワミも、ニューハンプシャー州共和党予備選の前にトランプ支持を表明した。

ヘイリーはウィル・ハード元連邦下院議員(テキサス州選出)やアサ・ハッチンソン元アーカンソー州知事(共和党)など、予備選挙から撤退した、数名の支持を得たのみだった。

ニューハンプシャー州でのトランプ氏の勝利は、ヘイリー氏が地元サウスカロライナ州に向けて予備選の戦いを続けるかどうかという問題を提起している。アイオワ州とニューハンプシャー州の両州での勝利は、共和党内におけるトランプの優位性を強調するものであり、次の予備選挙は、ヘイリーにとって逃げ道を提供するものだ。

しかし、ヘイリー選対は、ニューハンプシャー州予備選の前に、サウスカロライナ州で戦うことを示唆していた。アドインパクトは月曜日にヘイリー陣営がサウスカロライナ州で木曜日から始まる広告の予約を入れたと報じている。

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ニューハンプシャー州予備選挙の5つのポイント(5 takeaways from the New Hampshire primary

キャロライン・ヴァキール、ジュリア・ムラー筆

2024年1月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4425725-5-takeaways-from-the-new-hampshire-primary/

ドナルド・トランプ前大統領は、アイオワ州の重要な党員集会で勝利したわずか1週間後の火曜日、全国初の予備選挙形式のニューハンプシャー州予備選でニッキー・ヘイリーを破って勝利を収めた。

ヘイリーは、前回のアイオワ州での成績からニューハンプシャー州でのトランプとの差を縮めたが、それでも、この記事の発表時点で、ディシジョンデスクHQが発表したように、トランプが約10ポイント差で勝利した。

共和党予備選挙は現在、2人の有力候補の直接対決となっており、先行するトランプが共和党の大統領選挙候補者指名を獲得するのはほぼ確実だ。

一方、ジョー・バイデン大統領はニューハンプシャー州の民主党予備選で追加候補者として、自党の挑戦者を破って勝利を収めた。

これからニューハンプシャー州予備選挙の5つのポイントを挙げていく。

(1)トランプが共和党大統領選挙候補としてほぼ確実な地位を固める(Trump cements status as almost certain GOP nominee

ニューハンプシャー州でのトランプの勝利は、同州での最後の投票が終了した午後8時(米国東部標準時)に即座に予想されたもので、トランプが共和党大統領選挙候補になることがほぼ確実となった。

共和党員たちのほとんどは、このニューハンプシャー州でトランプが勝利すると予想しており、得票率で二桁の大差を予想する者さえいたが、ヘイリーが無党派層に強いことから、火曜日に向けて、この対決がどの程度の接戦になるのか注目されていた。

ディシジョンデスクHQとザ・ヒルがまとめたニューハンプシャー州の各種世論調査の平均では、トランプが51%、ヘイリーが37%だった。トランプは先週のアイオワ州党員集会で30ポイント差の圧勝を収め、フロリダ州知事ロン・デサンティスとバイオテクノロジー起業家のヴィヴェック・ラマスワミが選挙戦から脱落し、トランプ前大統領を支持することになった。

2023年11月に大統領選挙運動を断念したティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)も、ニューハンプシャー州予備選投開票日までの数日間、トランプを支持し活動した。

しかし、トランプ懐疑派や穏健派の共和党支持者たちがどの候補者を支持するのか疑問があったが、ニューハンプシャー州でトランプが勝利した後、これらの多くがトランプを支持すると明言した。

ミッチ・マコーネル連邦上院少数党院内総務率いる連邦上院共和党の幹部メンバーであるジョン・コーニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)はXに「もう十分だ。バイデンに勝つためには、共和党は1人の候補者を中心に据えて団結する必要があり、トランプ大統領が共和党有権者の選択であることは明らかだ」と書いた。

コーニン議員は更に「バイデンが引き起こした国境危機や記録的な高インフレのような失敗した国内政策や、敵対勢力を増長させ世界をより危険な場所にした失敗した外交政策を、あと4年も続くことがないように阻止しなければならない」と書いた。

(2)バイデンが予備選挑戦者たちを一蹴(Biden brushes off primary challengers

ジョー・バイデン大統領は火曜日にニューハンプシャー州予備選挙に出馬しなかったにもかかわらず(選挙の投票用紙に名前が掲載されない)、名前を書きこまねばならない候補(write-in candidate)となりながら、挑戦者たちを圧倒し、勝利すると草々に予想が出た。

ニューハンプシャー州民主党は、共和党の予備選と同じ火曜日に予備選を実施することで、ニューハンプシャー州を全米最初の予備選開催州の座から追い出そうとした民主党全国委員会(Democratic National CommitteeDNC)の計画に反発し、バイデンの名前は投票用紙から外された。

バイデンは民主党全国委員会の規則に従う義務があり、民主党の予備選挙選挙戦への立候補をしないことを選択した。そして民主党は、火曜日のニューハンプシャー州での選挙戦は今年後半に実施予定の全国大会に出席する代議員には何の影響もないと述べた。

しかし、ニューハンプシャー州のバイデン支持者たちは、とにかく現職大統領であるバイデンを勝利に導こうとして、名前を書き込もうキャンペーンを開始し、予備選挙序盤の重要な州でバイデンを押し上げることの重要性を強調した。

ディシジョンデスクHQによると、共和党の予備選挙では共和党のトップランナーであるトランプが勝利した。バイデン大統領は民主党候補のマリアンヌ・ウィリアムソンとディーン・フィリップス連邦下院議員(ミネソタ州選出、民主党)を打ち負かすと予測されていた。

バイデン大統領の書き込み作戦が功を奏しての予備選挙勝利は、バイデンの支持率が低迷する中で、民主党のライヴァルたちに対して、二期目を目指す戦いを続ける中で、党支持層の間でのバイデンの力強さを反映したものだ。

予備選挙での勝利予測が出た後、バイデン陣営は「2024年11月の大統領選挙投開票に向けて取り組んでいるが、今日ますます明らかになっていることが1つある。それはドナルド・トランプが大統領選挙本選挙での共和党候補となるだろうが、彼に真っ向から向かい、投票所でこれまでに自分に勝った唯一の人物である、ジョー・バイデンと対戦することになるということだ」と述べた。

(3)ヘイリーには一撃を加えられた(Haley dealt a blow

火曜日はトランプにとって良い夜になったが、ヘイリーにとっては、選挙戦に踏みとどまっている、最後の主要なトランプのライヴァル候補として、無党派層と共和党員の両方に働きかけようとしていたため、ニューハンプシャー州で打撃を受けた。

ニューハンプシャー州は、登録をしていない有権者が共和党予備選に投票できることから、ヘイリーが序盤の指名争いで好成績を収める絶好のチャンスを提供していた。しかし、ここ数週間の世論調査では、ヘイリーがトランプを数ポイントの差で引き離しているとの見方もあったが、結局、無党派と共和党支持者の両方を十分に納得させ、ヘイリーの選挙戦に結集させることはできなかった。

ヘイリーは、4期目を務めている、人気の高いニューハンプシャー州のクリス・スヌヌ知事(共和党)の支持を得たにもかかわらず、惨敗してしまった。

それでも、ヘイリー候補は、火曜日夕方の支持者向け演説で、予備選の全結果がまだ集計されていないにもかかわらず、「次は私の愛するサウスカロライナ州だ」と述べた。また、共和党大統領予備選から脱落するつもりはないだろうと予想されている。

しかし、ニューハンプシャー州での敗北は、トランプとヘイリーが来月のサウスカロライナ州での共和党予備選に備える中で、彼女の実行力に新たな疑問を投げかけている。世論調査では、元国連大使ヘイリーは地元でトランプから大きく引き離されている。

ディシジョンデスクHQと本誌がまとめたサウスカロライナ州における世論調査の支持率の平均では、トランプが61%、ヘイリーが27%となっている。

(4)トランプの勝利は共和党内部の分裂を浮き彫りに(Trump win highlights divide in GOP

ニューハンプシャー州でのトランプの勝利はかなり早く予想されたものの、トランプ前大統領は先週のアイオワ州のような地滑り勝利を楽しむことはできなかった。

記事掲載時点で74%の得票が報告されており、ディシジョンデスクHQは、トランプ54.8%に対し、ヘイリー44%と約10ポイントの差をつけている。

出口調査でも、トランプとヘイリーの支持層は大きく異なっていた。CNNの出口調査では、トランプ支持者の80%が、バイデン大統領が2020年の選挙で正当に当選していないと考えているのに対し、当選していると答えたのは17%だった。逆に、ヘイリー支持者の83%が、バイデン大統領は2020年の選挙に正当に勝利すると答えたのに対し、勝利しないと答えたのは15%だった。

また、CNNの出口調査では、前国連大使ヘイリーに投票した人の約40%が、彼女のライヴァルであるトランプに反対して投票したことが分かった。

トランプが共和党の大統領候補になった場合、最終的にはヘイリーの支持者の多くから支持を得る可能性が高いが、共和党予備選で示された分裂は、党がトランプを中心にまとまろうともがく中で、有権者間でグループがあることを示唆している。

(5)予備選の季節は短く、ドラマなど起きないだろう(Primary season looks short and drama-free

ヘイリーは敗北予想が出た後、「ニューハンプシャーにおいて全米で最初の予備選挙が実施された。全米で最後ではない。このレースはまだ終わっていない。まだ何十州も残っている」と発言し、予備選挙での選挙戦の継続を約束した。

しかし、党内では以前から、アイオワ州とニューハンプシャー州でトランプが連勝すれば、トランプ前大統領の共和党候補指名がほぼ確定するとの予測もあった。

トランプは2024年の選挙で事実上の現職として出馬しており、全米の世論調査では2桁のリードを誇っている。混戦模様の候補者たちは、トランプに代わる最有力候補となるべく何カ月も争ったが、トランプが発表した時点でレースは実質的に決まっていたと言う専門家たちもいる。

今月、共和党予備選挙の有力候補4人が立候補し、選挙戦を通じて、トランプとヘイリーの一騎打ちに移行した。

火曜日、ヘイリーは自身のキャンペーンが「半数近い票を獲得した」と宣伝したが、彼女のキャンペーンは今、それが指名候補としての競争力を証明し、サウスカロライナ州での2月の予備選挙とその後に向けたキャンペーンの燃料として十分かどうかという疑問に直面している。

そうでなければ、共和党の予備選シーズンは始まってわずか数週間で終わってしまうかもしれない。

アメリカ南部初のサウスカロライナ州での共和党予備選は2月24日に行われる。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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