古村治彦です。

 米外交誌『フォーリン・ポリシー』に掲載された、安倍晋三首相の靖国神社参拝に関して掲載された論文をご紹介いたします。

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安倍晋三の靖国神社参拝はワシントンとの関係を傷つけることになるか?(Will Shinzo Abe's Yasukuni Visit Hurt Relations in Washington?


http://blog.foreignpolicy.com/posts/2013/12/27/turkey_s_economic_enemies_corrupt_politicians_and_the_us_fed

アイザック・ストーン・フィッシュ(Isaac Stone Fish)筆

フォーリン・ポリシー誌

2013年12月28日


2013年12月26日(木)、日本の安倍晋三首相は靖国神社を参拝した。中国と韓国は安倍首相の靖国神社参拝を非難した。そして、東京にある駐日米大使館は厳しい言葉を使った声明を発表した。これは多くの人を驚かせた。米下院外交委員会のアドヴァイザーを務め、現在はSAISの米韓機構の訪問研究員を務めているデニス・ハルピンは、私に14名のA級戦犯が靖国神社に祀られていることは東アジアだけで論争を引き起こしている訳ではないことを次のように説明してくれた。


「東京にある靖国神社にはおよそ250万人の日本の天皇に命を捧げた魂が祀ってある。その中で全てのアメリカ人にとって際立った名前が一つだけある。それは東条英機である。」東条英機は日本帝国陸軍の将軍で戦時中に首相を務めた。彼は真珠湾に対する卑怯な攻撃を行うように命令を出した。この時、約2400名のアメリカ人が亡くなった。この数字は、2001年9月11日まで、アメリカ本土に対する攻撃で亡くなった数で最も大きいものだった。


 真珠湾攻撃は1941年12月7日に起きた。その翌日、フランクリン・ルーズヴェルトは衝撃を受けたアメリカ国民に向けて「今日私たちは屈辱の中で生きている」と語りかけた。その中には歴史的な出来事を忘れてしまう人たちもいるが、アメリカ人は東条英機が何を解放したかを忘れてはいないだろう。アメリカ人の中には真珠湾攻撃について

While they may be too young for Pearl Harbor, 現在を生きるアメリカ人のほとんどは、2001年9月11日の朝に起きた野蛮な攻撃とその後の国民の団結のことを覚えているはずだ。アメリカ人はオサマ・ビン・ラディンに敬意を表するのと同じことである、東条英機に敬意を表することを行う人物をアメリカ人は無視できるだろうか?

 

 「靖国神社に安倍晋三首相の前に参拝した首相は小泉純一郎だ。小泉純一郎は2006年にワシントンを訪問した時に、その代償を支払わされた。小泉はこの時のワシントン訪問の際にアメリカ議会で演説をするという計画を立てていた。私が当時仕えていた、ヘンリー・ハイド(共和党、イリノイ州選出)は米下院外交委員会の委員長を務めていた。ヘンリー・ハイド議員は、小泉がワシントン訪問の後に靖国神社参拝をする計画を持っていることを知った。ハイドは、「小泉がフランクリン・D・ルーズヴェルト大統領が“屈辱の日”演説を行った場所で小泉首相が演説を行い、東京に戻って東条英機に敬意を表することになったら、第二次世界大戦を覚えている世代の懸念を引き起こすことになるだろう」と述べた。小泉の米議会での演説は取り止めになって、小泉はそれを受け入れた。その代りとして、小泉は当時のジョージ・W・ブッシュ大統領と大統領専用機エアフォース・ワンに乗ってグレースランドを訪問した。小泉はエルヴィス・プレスリーの熱狂的なファンであった」


 安倍晋三首相は素晴らしい一年を過ごした。特に経済状況を改善させた。しかし、国際的に見て、安倍晋三首相は彼のナショナリズムで有目になってしまった。安倍首相の靖国神社参拝の決断は、アメリカにおける彼自身の立場を傷つけることになるだろうか?


(終わり)