古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

2014年07月


アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、最近起きたマレーシア航空機撃墜事件を軸に世界情勢、アメリカの外交政策について書いてみたいと思います。大風呂敷を広げてしまいましたが、まぁやってみたいなと思っています。

 

 2014年7月17日、ウクライナ東部でマレーシア航空機(マレーシア航空17便)が撃墜され、乗員乗客298名が死亡しました。この飛行機はオランダのアムステルダムからマレーシアのクアラルンプールに向かっている途中でした。犠牲となられた乗客乗員とご親族や関係者の皆さんに心から哀悼の意を表します。

 

↓この事件についての「ヤフー」のニュース一覧ページのアドレスは以下になります。

http://news.yahoo.co.jp/list/?t=russia

 

 飛行機が撃墜された場所がウクライナから独立を宣言した「ドネツク共和国」であったことから、犯人は新ロシア勢力か、ウクライナかで批判合戦が起きています。また、日にちが経つにつれて、様々な情報や分析が出されて、かえって状況が分かりにくくなっています。

 

 私はこれまで全ての報道を見た訳ではありませんが、どうもロシアと飛行機を撃墜されたマレーシアは自制的な態度を取り、ウクライナとアメリカ(の一部)が攻撃的な態度を取り、ヨーロッパ諸国はボーっとしてしまっていると見ています。ウクライナとアメリカの一部の勢力が、事件発生当初からロシアを名指しで激しく非難しているのに対し、ロシア、新ロシア勢力、マレーシアは事件の解明の推移を見守る、そして解明に協力するという態度を取っています。

 

 私は、ロシア、ウクライナ両方の専門家ではありませんが、これまでの両国の動きを見ていて、これは、「アメリカがこの事件を使ってロシアを攻撃しているのだ」と考えるようになりました。

 

 この構図は日本と中国との関係と同じです。日本をウクライナ、中国をロシアに置き換えてみれば、ついでに現在のウクライナの国家指導者たちは、決して高潔な人々ではありません。ネオナチであったり、マフィアと関係があったりする人々です。彼らはアメリカから利用されて、ロシアに噛み付くようにけしかけられているのです。これは、現在の日本の状況ともよく似ています。と言うか、全く同じであると言ってよいでしょう。

 

 考えてみれば、ロシアや新ロシア派が民間航空機を撃墜する理由はありません。そんなことをすれば自分たちが不利な立場に追い込まれてしまうことは明らかです。また、現在はアメリカが偵察衛星を飛ばして(搭載されているカメラの精度は地上の人間を判別できるほどだそうです)、地上を監視しているのですから、それに残っている映像を解析してみたらよいのです。そういう作業もなしにロシアを犯人にしよう(ロシア領内で起きた事件でもないのに)という動きが見られます。

 

 ロシア国内では、自国の関与を認め、謝罪を行う集会が開かれたり、新聞に謝罪記事が掲載されたりしているようです。だからと言って、ロシアが事件に関与したという証拠にはなりません。ロシア国内にも親米勢力がおり、彼らが側面的にこうした動きをしている可能性はあります。

 

 ロシアを犯人してウクライナを使って、ロシアを攻撃し、暴発させようという動きがアメリカ国内にもあるようです。私は、ネオコンと人道的介入主義派について、デビュー作『アメリカ政治の秘密 日本人が知らない世界支配の構造』(PHP研究所 2012年)で明らかにしました。ネオコンというのはジョージ・W・ブッシュ政権の外交政策を牛耳った人々のことで、ネオコンについては日本でも知られています。

 

 人道的介入主義派(humanitarian interventionists)と呼ばれる人々は、民主党系で、リベラルなんですが、理想主義が高じて、「世界中の悲惨な問題を解決するためにアメリカが積極的に介入すべきだ」と考えるようになった人たちのことです。ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton  1947年)前国務長官はその親玉みたいな人です。

 

 ここで、2014年7月18日にアメリカの公共放送PBSで放送された「ザ・チャーリー・ローズ・ショー」に出演したヒラリー・クリントン前国務長官のインタビューをご覧いただきたいと思います。チャーリー・ローズ・ショーは、ジャーナリストのチャーリー・ローズが幅広い人々(政治家から実業家、俳優、スポーツ選手まで)を迎えて、インタビューする番組で、アメリカで長く続いている番組です。

 

 ヒラリーは、このインタビューの中で、「ウクライナでのマレーシア機撃墜を起こした犯人について知りたい」としながらも、「その犯人はウクライナによると新ロシア派勢力であるようだ」と語っています。事件がまだ日にちも経っていない、状況も分からない、分析も進んでいない状況で、このような発言をするというのは不可解なことです。自分が大物であり、2016年の大統領選挙の有力候補であるという自覚があれば、中立的な発言を行うはずです。しかし、私はかなり踏み込んだ発言のように感じました。

 


 

 人道的介入主義派とネオコンは党派こそ民主党と共和党で分かれていて、国内政策ではリベラルと保守で争っていますが、対外政策で言えば、アメリカ至上主義であり、アメリカが積極的に世界各国に介入すべきだという点で一致しています。「アメリカが帝国として世界を支配する」という本音のために、建前として、「世界平和と発展のためにアメリカが積極的に介入する」と考えているのです。ヒラリーの顧問をしていた人物にロバート・ケーガンという人物がいますが、彼はネオコンの理論家です。奥様は国務省報道官をしているヴィクトリア・ヌーランドです。このように、ネオコンと人道的介入主義派は人脈的につながりを持っているのです。

 こうした人々から見れば、
BRICSと呼ばれる国々(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は少しずつ邪魔になりつつあります。特に中国とロシアは邪魔で、この両国を抑え込めれば、BRICSは怖い存在ではなくなります。

 

ロシアと中国を押さえる為にアメリカ自身が動ければよいのですが、アメリカもお金が無いので、それぞれウクライナと日本を使っている訳です。

 

今回の事件は綱引きの上で、「新ロシア勢力が間違って撃墜してしまった」ということで決着するのでしょう。実行した人たちが処罰され、ロシアは武器を渡したことを認めて謝罪で幕引きということになるでしょう。

 

私は日中関係について考えてしまいます。日中の間には尖閣諸島の領有権を巡る問題が存在します。いや、最近になって急速に問題化されてきました。その一因となったのが、石原慎太郎元東京都知事による尖閣諸島購入提案でした。この尖閣諸島問題をめぐり何か事件が起きた場合に、今回のマレーシア機撃墜事件のようなことになるのではないかと考えています。

 アメリカの対外介入主義を標榜する凶暴な人々がアメリカの外交政策が牛耳る限り、アメリカの衰退は止まらないし、世界各国からの支持は減少していきます。そして何より、世界を壊していくのだと私は考えています。このいびつな国際関係と終わらない紛争はここに原因があると私は考えています。 

 
 そして、もっと怖いのは、人道的介入主義派のヒラリー・クリントンが2016年の米大統領選挙の最有力候補であり、大統領になってしまうかもしれないということです。そうなってしまえば、世界はもっと破壊の方向に進むことになるでしょう。
 

(終わり)







 


アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


 

 古村治彦です。

 

 今回はアメリカ軍の機関紙であるスターズ・アンド・ストライプス紙に掲載されたアメリカの対外政策に関する論稿を皆様にご紹介いたします。

 

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オバマ大統領は外交政策ドクトリンをイラクでテストされている(Iraq putting Obama's foreign policy doctrine to the test

 

レスリー・クラーク、アニータ・クマー・マクラッチー(ワシントン支局)

2014年7月2日

スターズ・アンド・ストライプス紙

http://www.stripes.com/news/iraq-putting-obama-s-foreign-policy-doctrine-to-the-test-1.291780

 

ワシントン発。イラクでは現在大きな衝突が起きている。この衝突は、バラク・オバマ大統領の外交政策ドクトリンに対するテストとなっている。

 

 バラク・オバマ大統領は彼自身の外交政策ドクトリンは、今年5月にアメリカ陸軍士官学校の卒業式での演説で明らかにした。オバマ・ドクトリンの内容は次のようなものだ。①世界中の紛争に対して軍事介入すべきという圧力に抗する、②軍事力の行使はアメリカの国益が重大な危機に瀕している時に限る、③軍事力の行使はアメリカ、もしくは同盟諸国が危機に陥っている時に限る、④同盟諸国や外国政府により大きな責任と負担を求める。

 

 このドクトリンの下、オバマ大統領はイラクに戦闘部隊を送らない代わりに、300名の軍事顧問団を派遣する計画があると発表した。今週にはバグダッドの空港など重要な施設を防衛するために200名の部隊が送られることが承認された。

 

 オバマ大統領のイラクに関する一連の決定は彼のドクトリンに従ったものである。これに対して、批判者たちは、「イラク国内の無秩序がもたらす複雑な脅威に対して十分に対処しているとは言えない」と批判している。

 

 米連邦下院議長ジョン・ベイナー下院議員(オハイオ州選出、共和党)は次のように批判している。「世界という舞台からアメリカが退くことは選択肢とはなり得ない。アメリカが退けば、同盟諸国は動揺し、アメリカ人をより大きな危険に晒す無秩序を生み出すだけのことだ」

 

 アトランティック・カウンシルのブレント・スコウクロフト記念センター(国際安全保障を研究)の副所長で運営責任者であるバリー・ペイヴェルは、オバマ大統領の後ろ向きの態度は、「アメリカの同盟諸国に対して、アメリカは自分たちの国益も含めて、アメリカにとって重要な国益を防衛する意志を持たないという認識を持たせることになる」と警告している。

 

 オバマ大統領がイラクに対して取った最初の方策は特別変わったものではない。アメリカは既に70以上の国々に対して軍事顧問団を送っている。ワシントンにあるアメリカン大学国際関係学部学部長のジェームズ・ゴールドガイガーは次のように語っている。「オバマ大統領に限らず、米大統領は常に軍事力の行使に“慎重”なものである」

 

イラクに派遣されるアメリカの軍事顧問団についてゴールドガイガーは「これは重要な動きではない。極めて小さな、最低限の動きである。アメリカの軍事顧問団派遣がイラクの将来にとって大きな影響を与えるとは考えない」と述べている。

 

 専門家の多くはオバマ大統領が空爆命令を下す場合、それを支持すると述べたが、オバマ政権ではオバマ・ドクトリンの下、そのような可能性を除外している。ある政権高官は、イラク国内の状況に関して「より良い情報」を受けた後でなら、オバマ大統領は空爆の命令を下すだろうと述べている。この政府高官は状況をよく分かってはいるが、政権の政策について対外的に発言する権限を有していない人物である。政権関係者の中には、コカ的な攻撃を行うために必要な諜報情報をアメリカ政府は持っていないと述べている人たちがいる。

 

 オバマ大統領は昨年、イラクの隣にあるシリアでの空爆を検討した。オバマ大統領は、シリア国内で継続している内戦に関わることを躊躇している。オバマ大統領は、ロシアが提案したシリアのアサド政権の化学兵器を完全に放棄させるための計画を支持した。化学兵器は廃棄されたが、シリア国内での内戦は継続している。先週、オバマ大統領は、議会に対して、シリアの穏健な反政府勢力の武装化に対する最終的な支援のために5億ドルを拠出する許可を与えるように求めた。

 

 ゴールドガイガーはオバマ大統領のアプローチについて次のように語っている。「オバマ大統領のアプローチの目的は、イラク政府がイスラム国家(正式にはイラク・シリア・イスラム国家)との戦いを進めるための援助を行うことである。しかし、オバマ大統領は大統領選挙期間中に反対した戦争にアメリカ人を関与させようとはしていない」

 

 ゴールドガイガーは次のように発言している。「オバマ大統領は、彼が大統領を退任する時に、アメリカがイラクとアフガニスタンに関与していないようにするという決心をしている。彼はまたアメリカが新しい戦争に関与しないようにさせているのだ」

 

 5月28日の米陸軍士官学校の卒業式での演説の中で、オバマ大統領はイラクについてほとんど言及しなかった。それでも言及した中で、オバマ大統領は卒業生たちに対して、「皆さんは2001年9月11日の同時多発テロ発生以降、イラクとアフガニスタンに派遣されることがないであろう最初の卒業生たちとなる」と述べた。

 

 オバマ大統領のアプローチが持つ1つの例外は、2011年にリビアに介入する決定を下したことだ。しかし、オバマ大統領は、ムアンマル・カダフィの追い落としのための国際的な協力体制をきちんと組織化するまでは介入を行わなかった。リビアにはアメリカ軍の地上部隊は派遣されなかった。このことについて、オバマ大統領は後に「これが将来の成功にとって重要なカギとなる」と述べた。しかし、リビア国内は無秩序状態が続き、暴力が蔓延している。2012年には、アメリカ公使と3名のアメリカ人が殺害される事件が起きた。

 

 オバマの思考は、アメリカ人がアフガニスタンとイラクからの撤退を熱望していた時期に選挙戦で約束した公約よりも先に進んでいる。

 

ランド研究所の上級政治学者で、米陸軍の将校を務めていたリック・ブレナンは、「オバマ大統領のアプローチは国際安全保障に対する哲学的なアプローチである。オバマ大統領のアプローチは哲学的な信念でしかない」と述べている。

 

 ブレナンは、「オバマ大統領のアプローチはアメリカの軍事力を使うのではなく、その他の方法で支援を与え、“他国がより大きな役割を果たす”ようにさせるようにするものだ」と述べている。

 

 オバマ大統領は士官学校の卒業式での演説で多くのことを話している。オバマ大統領はアメリカにとっての最大の脅威は、アルカイーダや過激派のテロ攻撃の可能性であり、それが今でも残っていると述べた。オバマ大統領は「テロリストのネットワークが拠点を定めようとする国々とより効率的な協力関係を築く」方法の実現を求めた。

 

 オバマ大統領はイエメンが協調のモデルケースになると指摘している。アメリカはイエメンに戦闘部隊を送っていない。しかし、イエメン政府がアラビア半島に蟠踞するアルカイーダ勢力と戦うことを支援するために無人機を派遣している。

 

オバマ大統領は最近ホワイトハウスでの演説の中で次のように述べている。「シリアとイラクの抱える諸問題を解決するために私たちがどのように協調のためのモデルケースを生み出したかを見て欲しい」

 

 オバマ大統領は「アメリカは、“アメリカの大規模部隊を派遣することなし”に、イエメンの対応力を強化することができている」と述べた。続けて、オバマ大統領は、「アメリカは十分な対テロ能力を持っている。私たちは、私たちの大使館を攻撃しようとしたり、ヨーロッパやアメリカにテロリズムを拡散しようとしたりしている人間たちを追いかけることができるのだ」とも述べた。

 

 ワシントンにある戦略国際問題研究所の戦略部門のアーレィ・A・バーク記念部長アンソニー・コーデスマンは「オバマ大統領の士官学校の卒業式での演説には限界がある」と述べている。

 

 コーデスマンは「オバマ大統領のアプローチは事態が緊迫化したら対応できないものである。しかし、オバマ大統領のイラクに対する対応は“正しい第一歩”である」と述べている。

 

 コーデスマンは次のように語っている。「しかし、問題は“第二、第三、第四”の段階である。そして、もし大変重要な決定的な行動を取る必要が発生した時、何が起きるだろうか?」

 

(終わり)







 




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 本日は、アメリカ政治の記事を皆様にご紹介したいと思います。この記事は、アメリカ連邦上院の民主党重鎮、ハリー・リード院内総務が、アメリカの億万長者コック兄弟を批判した内容です。

 

 一昔前のアメリカのレスラーみたいですが、彼らは、政治に多額の資金を投入して、金持ち優遇政策を推進し、気候変動に対する政策を行おうとしています。共和党には既に彼らの資金が入っていると言われています。地獄の沙汰もカネ次第、アメリカの民主政治体制もカネ次第といったところでしょうか。

 

 是非お読みください。

 

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ハリー・リード:「共和党はコック(コーク)中毒に陥っている」(Harry Reid: ‘Republicans are addicted to Koch’

 

アーロン・ブレイク(Aaron Blake)筆

2014年3月4日

ワシントン・ポスト(Washington Post)紙

http://www.washingtonpost.com/blogs/post-politics/wp/2014/03/04/harry-reid-republicans-are-addicted-to-koch/

 

米連邦上院議員(民主党、ネヴァダ州選出)で、共和党上院院内総務(Senate Majority Leader)のハリー・リード(Harry Reid、1939年~)はこれまで保守派の大物であるコック兄弟に対する批判を続けてきた。そして、2014年3月4日(火)、コック兄弟が「アメリカの政治システムを、自分たちの利益のために不正な手段を用いて操ろうとしている」と非難し、「共和党は“コック(コーク)”中毒に陥っている」と発言した。

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デイヴィッド(左)とチャールズのコック兄弟 

 

 ハリー・リードは、先週には、チャールズ(次男)とデイヴィッド(三男)のコック兄弟について「非アメリカ的」だと発言したが、今週になっても上院の議場で批判を続けた。

 

リードは事務所からの発表を通じて次のように発言している。「非アメリカ的だと私が考えるのは、億万長者が裏舞台で無制限に資金を投入して、私たちの民主政治体制を不正に操り、自分たちと富裕な1%の利益に奉仕するためのシステムにしようとしているということだ」

 

 リードは続けて次のように発言している。「私はアメリカでは経済的な機会が全ての人々に開かれていなければならないと固く信じている。しかし、彼らの行動と彼らが推進している政策の中身から判断して、コック兄弟は、アメリカの経済システムを富裕層の利益のためのシステムにしようとしていると言わざるを得ない」

 

 リードは共和党にも批判の矛先を向け、共和党がコック(発音ではコーク)兄弟に政策を売り渡し、政治資金のために共和党が身売りしているようなものだと告発している。

 

「コック兄弟は共和党の連邦上院議員選挙立候補者に対して巨額の選挙資金を寄付している。連邦上院の共和党はコック(コーク)中毒に陥っているのだ」とリードは発言している。

 

 リードは、「コック兄弟が“アメリカを買い占める”試みを継続する限り、批判を止めることはないだろう」とも述べている。

 

リードは次のように発言している。「コック兄弟が数百万ドルを使って選挙の結果に影響を与えようとする限り、私は彼らの意図を公にする努力を継続する」。そして、本日午後4時26分、コック・インダストリーズの会長で最高執行責任者のフィリップ・エレンダーは、リードの批判に対して次のような談話を発表した。

 

「この話題は、自分の考えとは相いれない考えを持つ人々との間に相互に敬意を持つ人々の間で、深く話され、公の場で議論される価値がある。私たちは、リード連邦上院議員がこの国が直面している諸問題に取り組むことよりも、民間の一般市民を攻撃することに狂奔していることに失望を覚えている」

 

(終わり)







 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 

 古村治彦です。

 


 本日は『巨魁』(清武英利著、ワック、2012年)を皆様にご紹介いたします。清武英利氏(1950年~)は、プロ野球セントラル・リーグに所属する日本最古のプロ野球球団である読売巨人軍(読売ジャイアンツ)の球団代表、ジェネラル・マネージャー(
GM)、オーナー代行などを務めた人物です。球団代表、GM、オーナー代行などといった職務は、「フロント」と呼ばれ、球団の運営を行っています。

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渡邉恒雄(左)と清武英利

 

 清武氏は読売新聞社会部記者を長年務め、2004年に読売巨人軍球団代表兼編成本部長に就任しました。清武氏が球団代表に就任した2004年、読売ジャイアンツは堀内恒夫監督(現役時代は巨人のエース背番号18番を背負い、通算203勝を挙げたV9時代の大エース)が率いながら優勝を逃し、シーズン中に大阪近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併が発表され、球界再編の嵐が引き荒れた動乱の年でした。

 

 新聞記者からプロ野球空団のフロント幹部に転身した清武氏は、何も知らない状況で球界再編に直面しつつ、巨人軍の強化と覇権奪還(セ・リーグ制覇、日本一)を目指すことになりました。また、彼の上司になる渡邉恒雄(1926年~)にも対応しなければなりませんでした。渡邉恒雄と言えば、プロ野球好きには、「ナベツネ」の愛称でよく知られた人物です。巨人軍のオーナーで、辛辣で率直な物言いで巨人ファン、アンチ巨人ファンの心を騒がせる人物です。渡邉恒雄は、読売新聞の世界最大の発行部数「1000万部」を守り、発展させるために巨人軍があるという考えで、そのためには巨人軍が常勝球団でなければならない、そのためには大金を投じて補強をしなければならなないという考えでした。これは今も変わっていないでしょう。

 

 清武氏は、スター軍団であるだけでは巨人は強くならない、自前の選手を球団で育ててスターにすること、そして、若者たちがプロ野球に挑戦しやすくし、「一芸に秀でた」「異能」の選手をプロ野球に迎えるために「育成選手制度」を導入しました。この育成制度によってプロとなり、活躍している代表例が巨人軍の山口鉄也投手と松本哲也外野手で、2人とも新人王に選ばれました。また、スカウト制度や選手評価を近代化するために、大リーグのニューヨーク・ヤンキースで研修を行い、ベースボール・オペレーション・システム(Baseball Operation System)を導入しています。また、2011年には野村克也監督時代にヤクルトで活躍し、その後、野村氏が東北楽天ゴールデンイーグルス監督時代にはコーチとなった橋上秀樹を戦略担当コーチとして招聘しています。結果、2007年から2009年までセ・リーグ3連覇を達成していますし、2012年、2013年も連覇しています。清武氏の改革が巨人軍の強さを取り戻したということが言えます。

 

 清武氏がこのような改革を進める中で、その対処に一番困ったのが渡邉恒雄です。「二塁手と遊撃手でどちらが一塁に近いのか」ということを知らないほどの野球音痴の人物が巨人軍の最高意志決定者、独裁者であるために、様々なことが起こります。また、選手の衰えが見えると途端に悪口雑言を投げかけ、球団から追い出そうとする人物であるということも清武氏は書いています。

 

 清武氏が渡邉氏に最終的に反抗したのは、巨人の次のシーズンのコーチ陣の陣容が決まった段階で、それを鶴の一声で覆し、岡崎郁ヘッドコーチがいながら、江川卓氏をヘッドコーチとして招聘するということを勝手に決めたことが理由となっています。清武氏は、巨人軍内部のコンプライアンスを守るために、敢えてこのことを記者会見で発表することで、渡邉氏に反抗し、巨人軍から、そして読売全体から追い出されることになりました。

 

 本書『巨魁』は、読売巨人軍の改革、渡邉恒雄の独裁者ぶり、読売新聞内部にある政治部と社会部の対立といったことも分かって大変面白い内容です。また、現場の指揮官である原辰徳監督の話はあまり出てきませんが、清武氏と原監督との間に遭った不和といったことも読み取ることができます。

 

 清武氏は、本書のあとがきの中で、37歳で急逝した、宮崎県立宮崎南高校の後輩であった木村拓也コーチのことを書いています。木村拓也は投手以外のどのポジションでもこなせるユーティリティー・プレイヤーとして、日本ハムファイターズ、広島東洋カープ、読売ジャイアンツでプレーしました。2009年に現役引退後、一軍守備内やコーチに就任しましたが、2010年4月2日に広島での試合前にノックを打っている途中に脳内出血で倒れ、意識不明となり、4月7日に亡くなりました。

 

木村拓也はドラフト外(練習生扱い)で進学校である宮崎南高校から日本ハムに入団し、広島に移籍してから才能が開花し、巨人でも活躍しました。通算で1500試合に出場し、1000本以上の安打を記録した、一流選手でもありました。また、広島時代の2000年にはアテネオリンピックに野球日本代表として出場し、銅メダルを獲得しました。

 

 清武氏は、野球エリート出身ではない木村選手のようなたくましい選手を巨人に生み出そうとして、選手の育成やスカウトの改革を行ったと書いています。清武氏も立命館大学を学生運動に関わったせいで5年かけて卒業し、読売新聞にも本社採用ではない記者としてエリートではない道を進んだということです。また、読売新聞社会部に所属し、巨悪と戦うという生活をしていたということもあって、反骨精神が宿っている人物であるということが分かります。

 

 面白いのは、清武氏も彼が闘うことになった渡邉恒雄氏も共に学生運動出身であるという点です。清武氏ははっきりとは書いていませんが、立命館大学で学生運動の組織に入っていたかのような書きぶりです。一方、渡邉恒雄氏は、セゾングループの故堤清二、日本テレビ社長の故氏家斉一郎といった人々と東大時代に共産党細胞として活動していたことは有名な話です。

 

 彼らの動きを見ていると、学生運動を通じてに培ったであろう正義感と反骨心、そして人々を動かすマキャベリズムいったものが見て取れます。

 現在、野球人気は低下していると言われています。巨人と言うと、今の小学生たちはアニメの「進撃の巨人」の巨人を思い出すとさえ言われています。野球の人気復活には巨人の人気復活が不可欠だとも言われています。しかし、V9だ、読売の1000万部確保のための尖兵だといった感覚で巨人軍が運営されている限り、それは難しいのではないかと私は考えています。 

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




 古村治彦です。

 今回は、副島隆彦先生の講演会のご案内を申し上げます。

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20140726seminar002 (1)

 
「『金融市場を操られる絶望国家・日本』発刊記念講演会―副島隆彦の”予言者”金融セミナー第8回」

開催日:2014年7月26日(土)
開演:11時(開場・受付10時)途中、休憩あり
終了:17時30分(予定)
受講料:15,000円(税込)/(指定席と自由席)
会場:ヤクルトホール
    東京都港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル
アクセス:新橋駅(JR,東京メトロ銀座線)

お問い合わせ:101-0051 東京都千代田区神田神保町1-42
          (03)3292-8401(平日10:00~18:00)
          (050)3156-3040(FAX)
          seminar@seikoshobo.co.jp

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