古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

2015年06月

ダニエル・シュルマン
講談社
2015-09-09



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 先日、安倍晋三首相・自民党総裁をひたすら賛美し・支持する自民党内の議員たち(安倍ユーゲント議員)の媚を売るための勉強会「文化芸術懇話会」の席上で、「マスコミを懲らしめる」と発言したのは、東京16区選出の大西英男代議士(当選2回)には、発言内容が確定したことで、自由民主党の谷垣禎一幹事長から厳重注意処分が下されました。

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大西英男 

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谷垣禎一幹事長

 

 下の記事によると、大西氏には女性議員に対するセクシャルハラスメント発言も以前にはあり、舌禍事件を引き起こしやすい人物であるようです。しかし、今回の所属する自由民主党からの正式な処分を受けて、さすがに「反省している」と自身のSNSの中で書いていたようです。

 

 しかし、同時に支持者からは「言うべきことは言って欲しい」という声があったことも紹介しており、「発言は反省するが、これからも“言うべき”ことは言っていく」という姿勢を取りました。

 

 そして、本日午後、大西議員は先日と同じ発言をしました。今回は記者団の質問に答えてのものだそうで、

 

“安全保障関連法案に批判的な報道機関について「懲らしめなければいけないんじゃないか」と述べた”

 

ということです。「懲らしめる」という言葉には、「ある主体が悪いことをしたから、強制的な手段を用いてもそれを矯正する」という意味が含まれます。この文で言えば、「悪いこと」は「安全保障関連法難に批判的」なこととなります。それが「懲らしめ(膺懲)」の対象になります。安全保障関連法案に批判的であり、反対することは「膺懲」の対象になる「悪いこと」だと大西議員は述べている訳です。

 

 これをもっと敷衍して言えば、「安全保障関連法案に批判的な」存在は「悪いこと」をしていることになります。それは様々な主体が含まれるでしょうが、個人も含まれるでしょう。この大西議員の発想は、「政府に批判的な存在は全て悪」という全体主義的な発想です。彼は本当に「自由」「民主」党所属の国会議員なのでしょうか?

 

大西議員は文化芸術懇話会の席上で、「政治家には言えないことで、安倍晋三首相も言えないと思うが」と述べてからマスコミ膺懲発言をしています。これは「普通の政治家には言う勇気はないだろうが、自分のような国士型の政治ははっきり言う」という意味だと思いますが、その内容は批判を浴び、自民党から公式に処分をされています。これはただの「蛮勇」「乱暴」だった訳です。

 

 大西議員は党から正規な処分を受けた後、反省していると言いながら、その直後にまた同じ内容の発言を行いました。彼が心の底から反省していないことは、「反省している」と書きながら、「言うべきことは言って欲しいと指示から激励された」と書いていることは明確でした。「自分は本当のことを言った被害者だ」とすら思っていることでしょう。

 

 彼を自身の発言の「殉教者」にしたのは、マスコミと党です。マスコミからその事実を暴かれ、党から処分を受けた訳です。しかし、党からの処分は彼からすれば、「自分は正しいことをしているのに、間違った処分である。しかし、安倍首相のために自分は甘んじてこれを受ける(わー、侍な自分、カッコいいぜ)」ということになるんでしょう。「背で泣いてる唐獅子牡丹」てな感じでしょうか。

 

 大西議員からすれば党の処分など何ということはないのでしょう。しかし、本日午後の発言は、自由民主党が正式に下した処分に公然と反旗を翻すような行為です。それだけ、自民党内のタガが緩んでいることもあるでしょうし、党の規律などよりも安倍首相と菅官房長官が大事、彼ら以外の存在など怖くない、舐められているということなのでしょう。自民党全体が増長していますが、安倍ユーゲントや細田派(実質安倍派)・清和会の増上慢は戦後政党政治で初めての醜悪な姿です。

 しかし、安倍晋三氏にしてみれば、無能な味方に後ろから撃たれてしまっている感じでしょう。贔屓の引き倒し、まさにこのことでしょう。 

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「「報道機関を懲らしめる」=広告自粛を-自民・大西議員」

 

時事ドットコム 2015年6月30日

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2015063000604

 

 自民党の大西英男衆院議員は30日午後、安全保障関連法案に批判的な報道機関について「懲らしめなければいけないんじゃないか」と述べた。また、「誤った報道をするようなマスコミに対して広告は自粛すべきじゃないか」とも語った。国会内で記者団の質問に答えた。 (2015/06/30-14:46

 

●「「マスコミ懲らしめる」発言の自民・大西英男議員、フェイスブックで「心より反省」」

 

弁護士ドットコム 629()1217分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150629-00003313-bengocom-soci

 

「マスコミを懲らしめるには、広告料収入をなくせばいい」という発言が現職の国会議員から飛び出したとして物議をかもしている自民党の若手議員勉強会「文化芸術懇話会」。複数の新聞報道によると、「マスコミを懲らしめる」発言をしたのは大西英男衆院議員(東京16区)とされている。その大西議員は628日夜、フェイスブックで「心より反省」していると述べ、次のようにコメントした。

 

「昨日、先日の文化芸術懇話会での私の発言について、谷垣禎一幹事長より厳重注意処分を受けた。平和安全法制の国会審議が山場を迎える中で、私の発言で混乱を呼んだことを心より反省し、処分を謹んでお受けした」

 

一方で、支援者から「言うべきことは言ってほしい」という励ましも受けたとしている。

 

「地元を回る中で、多くの方々にお目にかかり、お声をかけていただく。中には、『一部マスコミの慰安婦虚偽報道など国を貶めるような報道の在り方は考えていかなくてはいけない』というご意見をいただいた。『これに負けず、言うべきことは言ってほしい』という励ましも受けた。様々なお声を受け止め、明日からの活動にしっかりと取り組んでいきたい」

 

1年前に「セクハラヤジ」で謝罪していた

 

この勉強会には、代表の木原稔衆院議員(自民党青年局長)ら37人の国会議員が出席したが、大西議員は「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、(文化人の方は)経団連などに働きかけしてほしい」と語ったとされる。

 

自民党の谷垣禎一幹事長は、このような発言を問題視。木原議員を1年間の役職停止にしたほか、問題発言をした大西議員らを厳重注意処分とした。

 

この大西議員は昨年、衆院総務委員会で、日本維新の会の所属だった上西小百合衆院議員が少子化問題を質問していた際に「子供を産まないとダメだぞ」というセクハラヤジをとばし、謝罪に追い込まれた人物でもある。

 

いまから約1年前の7月上旬、大西議員がブログ「ヒデちゃんの携帯日記」で発表した謝罪メッセージには、次のような言葉が記されていた。

 

「私は、今後、自らの発言について十分に注意をしていかなくてはならないと肝に銘じている」

 

弁護士ドットコムニュース編集部

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23




 
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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-07-29



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 アメリカの有名なジャーナリストであり、地政学に関する記事が多いロバート・カプランの記事を皆様にご紹介します。

 

 この記事の中で、カプランは帝国が万能ではないこと、不毛な争いに深く関与させられるのは愚であること、戦いは他に任せるべきことなどを主張しています。

 

 現在、日本では安保法制が可決しようとしています。憲法改正も行わず、自衛隊を米軍のお先棒担ぎに使えるようにしようとしています。調子に乗って「南シナ海で中国と戦うんだ」と勇ましいことを言っていると、アメリカの「代理」をさせられて、日本は大きく傷つくことになるでしょう。

 

 日本で戦争を実際に体験した人たちがどんどん減っていく中で、自分たちは安全な場所にいて、愛国心やらショーヴィズム、崇高な理念とやらをやたらと声高に訴える政治家たちが増えてきました。彼らは日本のため、国民のためという顔をしながら、私たちを地獄へと誘う存在であると思います。実際に地獄まで突き進むのかどうか、今は重要なポイントであると思います。

 

==========

 

戦争を避ける技術(The Art of Avoiding War

―実際に戦うことはないであろう敵を打ち破るのはどうしてとても大変なことなのか。そして、イスラム国から中国までこのことはアメリカの戦略にとって何を意味するのか。

 

ロバート・D・カプラン(Robert D. Kaplan)筆

2015年6月号掲載

『ジ・アトランティック』誌

http://www.theatlantic.com/magazine/archive/2015/06/the-art-of-avoiding-war/392060/

 

 スキタイは騎馬の遊牧民族で国会北部から現在のウクライナ、ロシア南部にかけての広大な草原地帯(ポンティック草原地帯)を紀元前7世紀から紀元前3世紀まで支配した。その足跡を残すことなく消え去った古代の諸民族とは異なり、スキタイは姿を消した後も人々の記憶に残り、恐怖心を掻き立てる存在であり続けた。歴史家ヘロドトスはスキタイが「全アジアを荒らしまわった。彼らは支配した人々から貢物を取っただけでなく、襲撃をかけ人々が持つもの全てを略奪した」と記録している。ナポレオンはロシア侵攻の際、ロシア人たちが首都を敵手に渡すよりはと自ら火をかける様子を目撃し、「彼らはスキタイのようだ」と述べたと伝えられている。

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ポンティック草原地帯

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ヘロドトス


 現代を生きる私たちを恐怖させるのは、スキタイの残酷さではなく、紀元前6世紀初めにダレイオス一世率いるペルシア軍が侵攻してきた際の戦術である。ダレイオス一世率いる歩兵がアゾフ海東部まで進軍してきた。ペルシア軍はここでスキタイ軍と決戦を行うことを望んでいた。しかし、スキタイは自分たちの支配地域の奥深くにまで撤退してしまった。ダレイオス一世は困惑し、スキタイ王アガテュルソイに挑発のための使者を送り、「自分たちが私たちよりも強いと思うなら、戦場に立って戦え。そうでないのなら降伏せよ」というメッセージを伝えた。

 

 イダンテュルソスは、「スキタイの支配地域には、敵が破壊目標とする都市や農地はない。私たちには防衛すべきものはない。従って戦う理由は存在しない」と回答した。スキタイ軍はペルシア軍との決戦を避けつつ、小競り合いを繰り返し出血を強要した。スキタイ軍は素早い撤退を繰り返した。小規模のペルシアの騎士隊はスキタイ軍を蹴散らしたが、ダレイオス一世率いる主力は根拠地と補給線から離れて進軍するにつれて弱体化していった。sの結果、ダレイオス一世はスキタイから完全撤退した。戦う機会を得ることなく実質的に敗北したのである。

 

 この故事から言えることは、「敵を殺害することは容易であが、その敵を探し出すことが困難だ」ということだ。これは今日でもその通りである。戦争の様相は、産業革命時代の用意周到に計画された戦いよりも、より巨大になり、戦闘員はより希薄に配置されるようになっている。これに関連する教訓は次の通りとなる。「幽霊を探してはならない。文明の利点が役に立たない状況にまで進んではならない」。中国古代の兵法家孫子は次のような有名な言葉を遺している。「いつ戦い、いつ戦わないかを知っている側が勝利を得られる。進んではいけない道、攻撃してはいけない敵、攻撃してはいけない城というものが存在する」。これに当てはまるケースは紀元前5世紀末の悲惨な結果に終わったアテネによるシチリア遠征である。これについては歴史家ツキティディスが詳細な記録を残している。アテネは同盟諸都市を支援するために遠くシチリアに小規模の軍隊を送ったが、その結果として徐々に紛争へと引きずり込まれていった。アテネ海洋帝国の威容をもってすれば勝利は確実なはずであった。ツキティディスの記録は私たちにヴェトナム戦争とイラク戦争を思い起こさせ、胸に痛みを覚えさせる。アテネとダレイオス一世のケースは、大国が名誉と名声を得ようとすると悲惨な運命が待っているという事実を示しており、私たちを驚かせる。ダレイオス一世の軍たちが決して姿を見せることのない敵を求めてあてどもなく遮蔽物のない荒れ果てた草原を進軍しているというイメージは強烈であり、ただの象徴や想像を超えるものだ。

 


 敵というものはこちらの思い通りには動いてくれない。敵は敵自身の考えで動くものだ。戦争が非対称であるのは有史以来のことだ。活発な武装勢力がイラクのごみごみした町々で自動車による自爆テロ攻撃を行い、アメリカ海兵隊員や兵士を苦しめる時、彼らはスキタイのようなのである。中国が、アメリカ海軍と対峙することを避けながら、漁船、沿岸警備隊の船舶、油田採掘プラットフォームを使ってフィリピン海軍を悩ませつつ、領海の主張を行う時、彼らはスキタイのように行動しているのである。イスラム国の兵士がナイフとヴィデオカメラで武装する時、彼らはスキタイと同じなのだ。彼らはスキタイのように行動するので、アメリカは超大国ではあるが、多くの紛争の結果を決定する能力が限定されてしまうのである。アメリカは帝国の抱える皮肉な真実を学んでいる最中なのである。その真実とは、「戦いをするのではなく我慢しなければならない」というものだ。紀元一世紀、ローマ帝国第二代皇帝ティベリウスは、北部国境を越えて血なまぐさい紛争に関わらないようにしたことでローマ帝国自体を保全した。ローマに対する大虐殺が起きた時も戦略的な忍耐を維持した。彼はローマ帝国の力の限界を理解していた。

 


 ダレイオス一世がスキタイでやったこととは異なり、アメリカは軍を送ってイエメンにおいて戦うべき相手を追いかけ回したりしていない。しかし、アメリカは空からの攻撃によって敵対勢力の人々を殺害している。ドローン(無人飛行機)を使用していることは、アメリカの強さの証明ではなく、アメリカの限界を示しているのである。オバマ政権はこの限界をしっかりと認識しなければならない。そして、シリアにおける紛争に対してより深く関与してはならない。今週の水曜日にアメリカが支援して独裁者バシャール・アル・アサドを追い落としたとして、木曜日にアサド政権に代わってスンニ派が聖戦を遂行するための政権を樹立することになったら、アメリカはどうするのか?もしくは金曜日にシーア派勢力によって民族浄化が始まったら、アメリカはどうするのか?これは、孫子が言うところの戦うべきではない戦いなのである。しかし、アサドはこれまでに数百数千、いやもっと多くの人々をも殺害し、イランから支援を受けているではないか!確かにその通り。しかし、こうした感情は確かに正しいのだが、分析を行う際の邪魔になってしまうのだ。

 

 どのようにすればアメリカはダレイオス一世の陥った運命を避けることが出来るか?どのようにすれば大国としての矜持と道徳的責任を果たしながらその運命を避けることが出来るか?アメリカは代理を使うべきだ。どの場所においても代理をしてくれる国を見つけることが出来たらそれを使うべきだ。たとえ敵の中に代理を務められる国があれば利用すべきだ。イランから支援を受けている武装勢力ホーシがイエメンでアルカイーダと戦いたがっているのなら、アメリカはどうしてそれに反対できるだろうか?イランがイラクで新たな宗派間の戦争を始めようとしているのなら、それは彼らの先祖がスキタイから教えられた教訓を理解していないということなのだから、やらせておく。中東ではスキタイのように行動する国々の間でダラダラとした争いが続いている。トルコ、エジプト、イスラエル、サウジアラビア、イランが壊れにくい勢力均衡状態に到達するまで争わせておく。この時、慎重さは、何もかも放り投げることとは違うことに留意する。アメリカは半歩だけ下がる。最後に、アメリカはその根幹である「アジアにおいては海洋大国、ヨーロッパにおいては陸上における守護者」の立場に立ち戻るべきだ。ヨーロッパにはスキタイのように行動する国は中東に比べて少ないが、ずる賢く立ち回る国は多い。スキタイは、自分たちの限界を知らない、主義や価値観を世界中に押し付けようとする国に復讐者として出現する。そうなのだ、アメリカは手を差し伸べるべきだが、手を伸ばし過ぎてはならないのだ。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
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2014-05-23



 
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ダニエル・シュルマン
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2015-09-09



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




 

 2015年6月26日に開催された、自民党の文化芸術懇話会の初会合において、長尾敬代議士(比例近畿、大阪14区、元民主党所属代議士)が以下の新聞記事にある発言を行ったと認めました。会合に講演者として招かれていたベストセラー作家・放送作家の百田尚樹氏が「沖縄の2つの新聞は潰さねば」と発言したのは、この長尾代議士が「沖縄のメディアについてどう思うか」という質問に対して応えたものです。

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長尾敬代議士

 さて、長尾代議士が認めた発言内容は、

 

“沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは戦後保守の堕落だった。左翼勢力に完全に乗っ取られている”

 

 であり、その発言で言いたかったこと(趣旨)は、

 

“反社会的な行動をする人がいる実態がある。報道すべきことを報道してほしいということだ”

 

 ということです。

 

 長尾代議士が言いたかったことは、「反社会的な行動をする左翼勢力が沖縄のメディアを完全に乗っ取っている。これは戦後保守の失敗であった」ということになるようです。

 

 ここで問題になるのは、反社会的なという言葉です。普通、反社会的という言葉で思い出すのは、暴力団(所謂やくざ)や、テロ行為や暴力行為を行う左翼、右翼の過激派です。しかし、長尾代議士は今回の場合、暴力団や過激派集団を指して使ってはいないようです。

 

 長尾代議士は左翼勢力=反社会的として使っています。左翼は反社会的だと言っています。そして、そうした左翼勢力が乗っ取っている(これには不当に占拠しているという意味合いがあります)メディアが「報道すべきことを報道していない」としています。

 

 ここで長尾議員が言う「報道すべきこと」とは何でしょうか?安倍政権の政策に完全に賛成するような内容の記事、自民党の素晴らしさを称揚するテレビ番組なのでしょう。沖縄の基地負担(例えば米兵による凶悪な犯罪、夜間離着陸の実態、騒音、普天間基地の危険性など)についての報道は、長尾代議士が考える報道「すべき」ことに入っているでしょうか?

 

 このようなことを報道する「反日的」な、「日本を貶める」ことに加担しているメディアは「潰さねばならない」というのが、百田尚樹氏と長尾敬議員との間の出来の悪い「漫才」的やり取りで言いたかったことでしょう。

 

 この程度の人物が国会議員となる国、何とも不幸なことですが、こんな人物たちを国会議員にしてしまった私たちもよくよく考えねばならない、反省しなければならないと思います。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「自民長尾氏、発言認める 「沖縄メディアは特殊」」

 

沖縄タイムス 2015627 13:36

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=121742&f=t

 

 自民党若手国会議員らの会合で報道機関に圧力をかけて言論を封じようとする議論が出た問題で、出席していた自民党の長尾敬衆院議員(比例近畿)は27日、会合での発言の一部を自身のものと認めた。

 

 認めたのは「沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは戦後保守の堕落だった。左翼勢力に完全に乗っ取られている」との発言。

 

 大阪市内で地元市議らとの会合後、共同通信の取材に答えた。

 

 長尾氏は発言の趣旨について「反社会的な行動をする人がいる実態がある。報道すべきことを報道してほしいということだ」と説明した。(共同通信)

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
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2014-05-23






 

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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-07-29



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
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2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 2016年の米大統領選挙に向けてアメリカがいよいよ盛り上がってきました。本命視されている民主党のヒラリー・クリントンに続いて、共和党のジェブ・ブッシュが出馬表明しました。今回は、まだ出馬表明していない大物たちについての記事をご紹介します。この人たちが出馬するかどうかを発表した時点で正式に選挙戦が過熱していくことでしょう。

 

==========

 

2016年米大統領選挙への出馬が噂されている大物の名前(Big names to enter ’16 fight

 

ジョナサン・イースリー筆

2015年6月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/245575-big-names-to-enter-16-fight

 

 2016年の米大統領選挙の民主、共和両党の予備選挙には多くの人々が立候補を表明している。しかし、まだ立候補を表明していない人々がいる。

 

 民主党の予備選挙でヒラリー・クリントン(Hillary Clinton、)に挑戦し、民主党の大統領選挙候補者になろうとする人々はまだ複数存在する。一方、共和党では現在12名が立候補を表明しているが、この数は16にまで増えるだろうと予想されている。

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ヒラリー・クリントン

 まだ立候補を表明していない人々の中には大物も含まれている。

 

 ここでこれから立候補を表明する可能性がある大物たちについて見ていこう。

 

●共和党

 

・スコット・ウォーカー(Scott Walker、1967年―)

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スコット・ウォーカー

 

 ウィスコンシン州知事は共和党予備選に立候補すると考えられている。

 

 ウォーカーは今年初めアイオワ州で演説を行った。この演説が評判呼び、ウォーカーは有力な立候補者と見られるようになった。彼の支持率は一定の基準を保っている。

 

 ウォーカーはジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事と支持率の面で拮抗している。ウェブサイト「リアル・クリア・ポリティックス」の世論調査の平均では、全国的に見てウォーカーはブッシュを上回っている。

 

 各種世論調査の結果を見ると、アイオワ州では、彼の次に位置する人物に平均して8.5%もの大差をつけている。多くの人々は、ウォーカーがアイオワ州で強さを見ているのは、共和党内部のエリート層と庶民層両方にアピールすることに成功しているのだと指摘している。

 

 ウォーカーは、ウィスコンシン州議会が予算を決定した後に、米大統領選挙へ出馬するかどうかの決断を公表すると述べている。

 

 発表は6月末に行われると予想されている。そして、ウォーカーは立候補を表明し、選挙戦を7月中旬に開始するものと見られている。

 

・クリス・クリスティ(Chris Christie、1962年―)

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クリス・クリスティ

 

 ニュージャージー州知事クリスティは2015年にスキャンダルに見舞われ、痛手を負った。このスキャンダルは同州内のジョージ・ワシントン橋の道路を封鎖したことで、これはクリスティの再選に支持を表明しなかった市長に対する復讐であった。

 

 「パブリック・ポリシー・ポーリング」が今週発表した報告書によると、クリスティは、共和党の主要な立候補者、立候補予想者の中で最も低い支持率を記録したということである。

 

 多くの世論調査の結果を見ても、クリスティはドナルド・トランプの次に共和党員、共和党支持者たちの間で支持率が低くなっている。

 

 クリスティはニューハンプシャー州で遊説を行い、タウンホールでの演説会を行うことで、支持を回復させようとしている。クリスティはニューハンプシャー州で勝利を得ることが予想されている。

 

 共和党員、共和党支持者たちは、クリスティの政治的技術を過小評価すべきではないとしつつも、彼の人気や支持率が急落していることは明確に認めねばならないと言っている。

 

 クリスティの選挙ティームは既に結成済みであり、彼は大統領選挙へ出馬する可能性が高い。

 

. クリスティは、今月初めにウェブサイト「NJドットコム」に対して次のように語った。「現在のところ、私は8番目中の8番目、9番目以降の人々の間ではトップに立っている。しかし大統領選挙全体で見たらどうだろうか。私は何とか1位を占めることが出来ると考えている」。

 

・ジョン・カシック(John Kasich、1952年―)

 
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ジョン・カシック
 

 オハイオ州知事カシックは共和党予備選挙のダークホースと見られている。

 

 2015年4月、政治資金集めのために政治行動委員会を作り、予備選挙のための遊説が増えていく中で、その資金に充てている。

 

 カシックは政治資金を寄付してくれる人々に対して、自分の決断を見守ってくれるように求めている。一方、選挙戦に向けた選挙ティームを結成しつつある。

 

 表面上は、穏健な、エリート好みの候補者がこれ以上出馬する余地は存在しないように思われる。カシックは移民政策や全米統一の学力基準(Common Core)について、共和党の熱心な支持者たちの考えとは違うものを持っているのである。

 

 もし共和党の候補者たちで今日討論会(共和党の第1回目の討論会で参加が許されるのは10人だけ)が開かれたら、彼は参加資格すら持っていないことになる。リアル・クリア・ポリティックスの平均では、彼は現在13番手に位置している。支持率は1.8%しかない。

 

 最近のある世論調査の結果では、オハイオ州でカシックはヒラリーをリードしている。オハイオ州は激戦州であり、2016年米大統領選挙本選挙の結果にとって重要な州である。

 

 カシックはエリート層向けに受けが良い候補者がいない状況で、ジェブ・ブッシュは共和党の指名を一気に受けることが出来ないことを指摘し、自分ならそれができると訴えている。

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ジェブ・ブッシュとコルンバ夫人
 
 

 先月、ワシントンでカシックは記者団に対して、「私が最も経験豊富だ、以上」と述べた。

 

 『ワシントン・ポスト』紙の記事によると、カシックは7月か8月に予備選挙への出馬を発表する予定だということだ。

 

・ボビー・ジンダル(Bobby Jindal、1971年―)

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ボビー・ジンダル

 ルイジアナ州知事ジンダルは来週水曜日に大きな発表をする予定である。彼は大統領選挙への出馬を表明するだろう。

 

 ジンダルは大統領選挙で大穴扱いで、ほとんどの世論調査で何とか名前を載せてもらっている状況だ。

 

ジンダルは自身を保守主義の先導者と規定し、社会問題における保守派が重視する宗教の自由のような諸問題について、オバマ政権に対する主要な批判者だとしている。

 

 ジンダルのメッセージはアイオワ州の有権者たちに受けるだろう。アイオワ州では、共和党の候補者の中で同じ社会的保守派である連邦上院議員テッド・クルーズ(テキサス州選出)とベン・カーソン、連邦上院議員リック・サントラム(ペンシルヴァニア州選出)と争うことになる。

 

しかし、ジンダルは共和党内の討論会を通じて人々の支持を集めると思われる。リアル・クリア・ポリティックスの平均によると、ジンダルは現在のところ、全国的に見て15番手の位置にあり、支持率は1%ほどしかない。

 

●民主党

 

・ジム・ウェッブ(Jim Webb、1946年―)

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ジム・ウェッブ
 

 ヴァージニア州選出連邦上院議員であったジム・ウェブは、昨年11月に2016年の米大統領選挙への出馬を検討すると述べて、いち早くレースに参加を表明した。

 

 それ以降、彼は沈黙を守っており、多くの人々は彼が民主党予備選に出馬することを真剣に考えているのかどうか疑問を持っている。

 

 ウェブはヴェトナム戦争に従軍した経験を持ち、所得格差に特化した大変に進歩的な主張を行っている。

 

 しかし、ウェッブの支持率は大変に低い。ヒラリーを追いかける候補者たちの2番手くらいに付けている。リアル・クリア・ポリティックスの平均によると、全国的に見て、平均で1.6%の支持率しかない。彼はロードアイランド州知事だったリンカーン・チャフィーだけを上回っている状況である。

 

 ウェブサイト「バズフィード」によると、今週初め、ウェッブは大統領選挙出馬を「2週間以内に」発表すると述べたということである。

 

・ジョー・バイデン副大統領(Joe Biden、1942年―)

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ジョー・バイデン

 

 『USニュース・アンド・ワールド・レポート』紙が今週掲載した記事によると、ジョー・バイデン副大統領は8月1日までに大統領選挙出馬を表明するということだ。

 

 バイデン副大統領はデラウェア州司法長官を務めた息子ボー・バイデンの死去に伴い、喪に服している。ボー・バイデンは先月、脳腫瘍によって亡くなった。

 

 USニュース・アンド・ワールド・レポート紙の記事によると、バイデン副大統領は大統領選挙への出馬を断念していないということだ。

 

 バイデンはヒラリーにとって手ごわい候補者となる。バイデンはヴァーモント州選出連邦議員バーニー・サンダースと支持率の面で拮抗しており、リアル・クリア・ポリティックスの四トン調査の平均では全国的には民主党内で第2位につけている。

 

 現在でも、ヒラリー・クリントンの支持率は大変高い状況であり、リアル・クリア・ポリティクスの世論調査の平均によると、その数字は47%に達している。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
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2014-05-23



 
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ダニエル・シュルマン
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2015-09-09



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
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2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 昨日は永田町の自民党本部で様々な「出来事」が起きていたようです。

 

 自民党本部では、「文化芸術懇話会」と「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」の勉強会が開催されることになっていたそうです。「文化芸術懇話会」は初会合で、ベストセラー作家・放送作家の百田尚樹氏を、「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」は、漫画家の小林よしのり氏を講演者として招待していたとのことです。

 

 「文化芸術懇話会」の初会合は無事に開催されましたが、「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」の会合は、「国会空転中」を理由にして中止となりました。どちらにも自民党所属の国会議員が出席しているのに、一方は開催され、もう一方は中止される、となると「おかしい」と思われるのは当然ですし、偶然だった、意図的ではなかったといってもそれは通らないくらいわからないでは政治なんてできませんから、両方開催、両方中止にするのが、木を見るに敏な政治家の皆さんの集まりである自民党なら当然です。自民党は、いつからこんなにアホ(関西弁的な愛らしい、良い意味も含まれるものではなく)と傲慢な、考えの足りない人間の集団になってしまったのでしょうか。

 

 この「文化芸術懇話会」は、“保守系文化人による「政権応援」を展開”してもらい、“憲法改正の国民投票まで見据え「自民党政権応援団」を増やす狙い”だそうです。そして、初会合では、百田尚樹氏を講師に迎えての講演会があったのですが、百田氏は早速、「沖縄の2つの新聞はつぶさないと」と発言しています。また出席者の中からは、

 

“出席議員からは、広告を出す企業やテレビ番組のスポンサーに働きかけて、メディア規制をすべきだとの声が上がった。

 

 出席者によると、議員からは「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」など、政権に批判的な報道を規制すべきだという意見が出た”

 

ということです。

 

 この時代錯誤。インターネット上で展開されるネトウヨの与太話が「自由」(嘲笑)「民主」(呆笑)党の本部の一室で、「保守」言論人と「選良」とが「文化芸術懇話会」(何かの悪い冗談でしょうか)で真剣に展開されているというのはもはや喜劇、コント(スケッチ)です。私はこの文化芸術懇話会を「安倍ユーゲント」「安倍SS」と呼びたいと思います。荒っぽく言えば、今の自民党はナチスと同じです。

 

 自民党(の一部)がそのような考えなら、それをやっていただきましょう。その代り、まず芸術文化懇話会という勉強会に参加している、出席している議員たちの名前と選挙区を全て公表してください。「言論統制」「言論破壊」「言論封殺」を志向する議員たちであるという情報は選挙区内に住む有権者の次の選挙での投票行動に重要な判断材料になります。また、比例区のブロックに住む有権者にとっても、「自民党に入れた場合、当該の政治家が比例で通ってしまうこともあるな」という判断材料になりますから、比例区で自民党に投票するかどうかの重要な判断材料になります。

 

 また、情報はすぐに伝達されますから、どの企業がどのテレビ局の番組のスポンサーや新聞広告の出稿を取り止めたかはすぐに分かりますし、その前の番組や新聞記事の内容も分かりますから、是非自民党の要請が正しい思えば、経団連を通じての圧力に屈してください。消費者としてそこを判断して購買行動などに反映させることが出来ます。経団連所属の大企業は板挟みになってしまいますから、そこの点は同情しますが。まぁ経団連としては、企業経営の基本であるリスク分散をきちんとしておくべきでしょう。自民党にだけベットするというのは下策ですね。

 

 自民党の議員たちの劣化は全く止まりません。彼らは安倍晋三首相・自民党総裁にだけ目を向けているので、このような視野狭窄に陥った、とんでもないことを言い出すのです。有権者はこうした人たちに「マスコミを懲らしめる」などという思い上がったことを言ってもらうために議員にした訳ではありません。こうした政治家たちは忘れているのです、「自分たちが有権者に懲らしめられてしまう存在である」ということを。そのことを思い出させてあげないと、お互いの不幸になります。来年には参議院選挙が行われます。この時に是非その冷厳な事実を自民党の皆さんに味わっていただきたいものです。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「百田尚樹氏「沖縄の2つの新聞はつぶさないと」発言」

 

日刊スポーツ 20156252243

http://www.nikkansports.com/general/news/1497679.html

 

 安倍晋三首相に近い自民党の若手議員約40人が25日、憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」の初会合を党本部で開いた。

 

 安全保障関連法案に対する国民の理解が広がらない現状を踏まえ、報道機関を批判する意見が噴出した。講師として招いた作家の百田尚樹氏に助言を求める場面も目立った。

 

 出席者によると、百田氏は集団的自衛権の行使容認に賛成の立場を表明した上で、政府の対応について「国民に対するアピールが下手だ。気持ちにいかに訴えるかが大事だ」と指摘した。

 

 出席議員からは、安保法案を批判する報道に関し「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」との声が上がった。

 

 沖縄県の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、百田氏は「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した。

 

 懇話会は木原稔青年局長が代表で、首相側近の加藤勝信官房副長官や萩生田光一・党総裁特別補佐も参加した。

 

 出席者の一連の発言について、自民党中堅は「自分たちの言動が国民からどのような目で見られるか理解していない。安保法案の審議にマイナスだ」と指摘。公明党幹部は「気に入らない報道を圧力でつぶそうとするのは情けない。言葉を尽くして理解を求めるのが基本だ」と苦言を呈した。(共同)

 

●「「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」 自民勉強会」

 

朝日新聞電子版 20156252256

http://www.asahi.com/articles/ASH6T5W6FH6TUTFK00X.html

 

 安倍政権と考え方が近い文化人を通し、発信力の強化を目指そうと、安倍晋三首相に近い若手議員が立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)の初会合が25日、自民党本部であった。出席議員からは、広告を出す企業やテレビ番組のスポンサーに働きかけて、メディア規制をすべきだとの声が上がった。

 

 出席者によると、議員からは「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」など、政権に批判的な報道を規制すべきだという意見が出た。

 

 初会合には37人が参加した。官邸からは加藤勝信官房副長官が出席し、講師役に首相と親しい作家の百田尚樹氏が招かれた。同会は作家の大江健三郎氏が呼びかけ人に名を連ねる「九条の会」などリベラル派に対抗するのが狙い。憲法改正の国民投票まで活動を続けたい考えだという。

 

●「保守系文化人「発信力を強化」 自民若手が勉強会発足へ」

 

朝日新聞電子版 20155290854

http://www.asahi.com/articles/ASH5X566JH5XUTFK00T.html

 

 安倍晋三首相に近い中堅・若手自民党議員が6月に勉強会を立ち上げ、保守系文化人による「政権応援」を展開する。作家の大江健三郎氏が呼びかけ人に名を連ねる「九条の会」などリベラル派に対抗し、政権寄りの文化人や芸術家を講師に招いて、発信力を強化するのが狙いだ。

 

 勉強会「文化芸術懇話会」(仮称)の呼びかけ人は、自民党青年局長の木原稔衆院議員。東京都内で27日夜に開いた準備会合には、首相に近い加藤勝信官房副長官や萩生田光一・自民党総裁特別補佐を含む20人ほどが参加した。

 

 6月以降、党本部で定期的に会合を開く予定で、参加予定者の一人は「有名人に『首相のやっていることは正しい』と発信してもらえば、一気に広まる」と期待している。憲法改正の国民投票まで見据え「自民党政権応援団」を増やす狙いだという。(二階堂友紀)

 

●「小林よしのり氏「ああ、負けたんだなと」 勉強会中止」

 

朝日新聞 20156260506

http://www.asahi.com/articles/ASH6T4RNHH6TUTFK00F.html

 

 25日の「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」で講演予定だった小林よしのり氏が、朝日新聞の取材に語った内容は以下の通り。

 

 勉強会の中止については「国会が空転しているから」という説明があっただけだ。その理由ならば、なぜ安倍首相シンパの会合は(同じ日に)できて、リベラル派の会合は開けないのか。「ああ、負けたんだな」と思う。小選挙区制によって、執行部の抵抗勢力になるのが怖くなったのでしょう。自民は全体主義になっている。

 

 安全保障法制をみても、安保環境の変化というのは、中国が怖いから対米追随を強めるんだ、と。つまり、安倍政権は、中国へのおびえから、立憲主義が崩壊するほど切迫した事態があるのだと言っているわけで、そんなのは強迫神経症だ。

 

 憲法を変えずにやって、さらに憲法を改正しようとしたら、国民は「まだ足らんのか」となり、国民投票で負けてしまう。改憲派のわしには、それじゃあ困る。安倍政権は取り返しのつかないことをやっているのだ。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23





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