古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

2015年08月

ダニエル・シュルマン
講談社
2015-10-28


アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 現在、私の関わっている副島隆彦を囲む会の講演会DVDの作成と発想の準備に追われて忙しい状況です。ご注文いただいている皆様にはお待たせしてしまい、まことに申し訳ございません。ウェブサイト「副島隆彦の学問道場」の「重たい気持ちで書く掲示板」の2015年8月15日に囲む会の須藤よしなお代表が書いている通りの状況があれからまだ続いている状況です。それでも8月31日中には完成し、発送が開始できそうです。深く深くお詫び申し上げます。

 

 さて、山形市長選挙への対応に端を発し、維新の党が分裂しました。非自民系の立候補予定者を柿沢未途幹事長が応援したことに対して、松井一郎・大阪府知事、維新の党最高顧問が批判(共産党みたいなことを言っているなどと批判)、幹事長を辞任するように求めました。これに対して、柿沢氏は辞任を否定し、松野頼久維新の党代表は辞任の必要なしと主張したことを受けて、松井氏と橋下徹・大阪市長は維新の党を離党しました。そして、大阪維新の会を国政政党にするということになり、維新の党に所属している大阪系の国会議員たちも大阪維新の会に移るということで、維新の党は分裂ということになりました。

 

 今回の分裂劇は松井一郎大阪府知事が仕掛けたものであり、橋下徹氏は脇役なのですが、維新の党分裂後、橋下氏が中心となって大阪維新の会を国政政党化し、それを松井氏らに引き継ぐということになっています。橋下氏は最初のうち、柿沢氏の処分を求めず、党も割らないという姿勢を取っていました。松井氏に引きずられているように見えます。

 

 その松井氏ですが、8月26日に東京で、安倍晋三内閣の菅義偉官房長官と会談しています。私はここで維新の党の分裂が正式に決定したと思います。それからの動きは素早く、橋下氏も巻き込んだものになっています。

 

 今回の維新の党分裂は、松井氏がチンピラのように難癖をつけて、分裂まで至りました。最初から分裂ありきで、そのための理由づけとして柿沢氏が利用されたのでしょう。また、これまでの地方選では自民党は敗北を続けています。山形市長選でも自民系が不利な状況でしたが、非自民系の立候補予定者に対して「国政政党を分裂させた責任」をかぶせて勢いを鈍らせようという考えがあるものと思います。

 

 維新の党の分裂によって、大阪維新の会は国政政党化し、5月に住民投票で否決された大阪都構想を再び公約とするということになりました。この都構想はよほど「おいしい」話で、諦めてしまうのに惜しい物なのでしょう。

 

 ここからは私の考えですが、26日の菅・松井会談では取引があったものと思われます。自民党が大阪都構想を容認し、反対している自民党府連に対してもそれを強力に圧力をかけることになるでしょう。「共産党なんぞと一緒にやりやがって」と執行部は苦々しく見ていたでしょうから、そうした点から責められることになるでしょう。松井氏が柿沢氏に対して「共産党が応援している候補なんぞ応援しやがって」と同じことです。

 

 その代り、大阪維新の会は明確にはしなくても改憲に賛成する、そして、2016年の参議院選挙では公式な選挙協力はなくても自民党に協力するということになるのでしょう。考えてみれば、松井氏や橋下氏の主張は安倍首相とほぼ同じなのですから、わざわざ別の政党である必要はないのですが、それが別の政党であるのは、野党攪乱要員としての役割を期待されてのことでしょう。つまり、野党再建・野党再編の阻害要員としての役割を期待されている訳です。

 

 来年の参議院選挙では大阪維新の会が攪乱要員として自民党を助け、野党をかき回すことでしょう。この時、有権者として本質を見誤らず、投票行動をすることで、最悪の事態である会見を防ぐことが出来ると私は考えています。

 

(新聞記事転載貼りつけはじめ)

 

●「維新分裂 民主、維新の両代表、31日午後会談へ 合流か否か…」

 

産経新聞 831()1121分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150831-00000513-san-pol

 

 民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表は31日午後、野党再編や両党の合流構想をめぐり国会内で会談する。合流構想には、来年夏の参院選に向けて巨大与党に対抗できる勢力をつくる狙いがある。両党には消極論も存在しており、成否は見通せない。

 

 民主党の枝野幸男幹事長は31日午前、両代表の会談について国会内で記者団に「松野氏の話を聞いてみないといけない」と述べるにとどめた。

 

 松野氏は30日、東京都内で記者団に「岡田氏と胸襟を開いて話したい。(自民党の)1強多弱を変えるため強い野党をつくらねばならない」と説明した。

 

 

●「<橋下新党>11月までに結成 維新から20人弱合流」

 

毎日新聞 830()90分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150830-00000005-mai-pol

 

<橋下新党>11月までに結成 維新から20人弱合流

 

橋下徹・大阪維新の会代表=大阪府枚方市で2015年8月29日、三村政司撮影

 

 維新の党を離党した橋下徹大阪市長は29日、大阪府枚方市で街頭演説し、「1カ月後か2カ月後かわからないが、大阪維新の会という国政政党を誕生させる」と述べ、大阪府知事・市長選のダブル選(11月22日投開票)の前にも、新党を結成する方針を表明した。維新の党所属国会議員51人のうち大阪系議員10人強を含む20人弱が合流する方針で、維新は分裂する見通しになった。

 

 橋下氏は「大阪維新の会のもとに国会議員を従える」と述べ、維新の党の議員を新党に合流させる考えを示した。そのうえで「大阪維新の会の看板で、北海道から九州にまで国会議員を誕生させる」と述べ、全国で候補擁立を目指すとした。

 

 橋下氏は27日に党所属国会議員へのメールで「今、党が割れるようなことはしない」と表明したが、数日のうちに党分裂を前提とした新党結成を目指す方針に転換した。

 

 これに関連し、大阪維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)は29日、府内で記者団に対し、来夏の参院選で候補擁立を目指す考えを明らかにした。橋下氏は29日も「松井氏や大阪維新の会のメンバーにその政党(新党)を引き渡す」と述べ、政界引退は変えないとしているが、松井氏は橋下氏について「国政進出を含め、政界復帰は十分ある」と述べ、強い期待感を示した。

 

 橋下、松井両氏と、馬場伸幸国対委員長ら大阪系議員約10人は大阪府内のホテルで会合を開き、国会閉会(9月27日)後に新党に参加することを確認した。新党には、非大阪系議員数人も参加する意向だ。民主出身の議員の多くは新党に参加しないと見られるが、旧結いの党出身や中間派の議員の動向が焦点となる。民主や無所属の保守系野党議員が今後、新党参加を検討する可能性もある。

 

 一方、維新の党関係者によると、橋下氏は新党へ受け入れる国会議員について、松野頼久代表らを念頭に「衆院選で比例復活した民主党出身議員は認めない」との条件を周辺に示した。対立してきた民主系を排除し、政権寄りの党運営をはかる目的とみられる。

 

 昨年の衆院選で選挙区で敗れ、比例復活した民主党出身議員は松野氏や今井雅人政調会長ら10人。新党では大阪維新の会結成当時の理念を同じくする議員を集め、「純化」を目指す狙いとみられる。【松井聡、福岡静哉】

 

 

●「菅氏と松井知事が会談」

 

産経新聞 2015年8月26日

 

 菅義偉官房長官は25日夜、維新の党顧問の松井一郎大阪府知事と東京都内で会食した。参院で審議中の安全保障関連法案や11月22日投開票の大阪市長、府知事のダブル選などをめぐり意見交換したとみられる。

 

(新聞記事転載貼りつけ終わり)






野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23





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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-07-29



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロ事件について、「なぜ防げなかったのか」「諜報機関であるCIAは何をしていたのか」という疑問と批判はアメリカ国内でもずっと残り、議論されています。オサマ・ビン・ラディンやアルカイーダの存在を認識していたのに、それに対して真剣に対処していなかったということですが、それはやはり、官僚組織の抱える問題が絡んでいるようです。

 

 省庁間の連絡と総合的な対処計画を欠いた結果、このような事態を招いた、そしてその責任は1997年から2004年までCIA長官を務めたジョージ・テネットにあるという報告書が公表されたということで、その短い記事を皆様にご紹介します。

 

 テネットが民主党系の人材で、ビル・クリントン大統領時代にCIA長官に任命されたという点から、民主党に対する攻撃、ヒラリー・クリントンに対する攻撃という面もあるかと思いますが、この記事ではあまり触れられていない官僚組織の欠陥、硬直性にも問題があるということも理解しつつ、この記事をお読みいただければと思います。

 

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CIAが911以前の誤謬を明らかにした秘密報告書を公開(CIA releases secret report identifying errors before 9/11

 

ジュリアン・ハッテム筆

2015年6月12日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/244886-cia-releases-secret-doc-identifying-systemic-problems-pre-9-11

 

 10年間にわたり秘密にされてきたが、CIAは金曜日、約500ページの首席調査官による調査報告書を公表した。この報告書は2001年9月11日のテロ攻撃が起きる前のアメリカのスパイ機関内部に存在した複数の「システム上の諸問題」を概括的にまとめたものだ。

 

 2005年に作成された調査報告書の中で分析官たちは、複数のシステム上の諸問題の結果、アメリカはテロ攻撃について全く考慮しないようになっていたと主張し、911以前の数年間でオサマ・ビン・ラディン(Osama bin Laden、1957―2011年)とアルカイーダの指導者たちに対するアメリカ政府の追及の甘さを糾弾した。

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オサマ・ビン・ラディン 

 

 CIAの幹部職員たちは、CIAの首席補佐官事務局の調査に対して、「アルカイーダの脅威に対する警告や予兆があったにもかかわらず、911以前の“いかなる時点”においても、ビン・ラディンの計画を阻止するための“包括的な戦略計画”など存在しなかった」と語った。金曜日の午後遅く、CIAは報告書を公表した。ここ数年、CIAはこの報告書の一部を機密指定解除にして公開してきた。しかし、今回、情報の自由法によって全面公開されることになった。

 

 CIAをよく知る人々は、ジョージ・テネット(George Tenet、1953年―)を批判してきた。テネットはCIA元長官であり、2001年のテロ攻撃の前後の数年間にわたり、CIAを監督した人物だ。

 
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ジョージ・テネット
 

 テネットは、アルカイーダと戦うための「各政府省庁間計画の必要性を認識」していたが、そのような戦略計画を立案しなかったことについて、責任を免れることはできない、と報告書には記載されている。

 

 CIAは首席調査官報告書と共に、テネットからの手紙2通と911についての2つの別の見方を同時に発表した。これは「911に関する公的な記録を更に確かなものとする」ことを目的とするとCIAは述べた。

 

 CIAは次のような談話を発表した。「911で起きた出来事は全てのアメリカ人たちの記憶に焼きつくものとしてこれからも残っていくであろう。その当時に生きていたアメリカ国民は全て、アメリカの現代史において我が国土が犯されるという最大の悲劇を目撃したのだ。本日公表された報告書は911以前のCIAの業務遂行について約10年前にCIA内部で形成された様々な異なる考え方を反映したものとなっている」。

 

 CIA首席調査官報告書の作成が促されたのは、連邦上下両院情報・諜報委員会合同の報告書が10年以上前に出されたことになる。この報告書が2005年に発表された際、当時のCIA長官ポーター・ゴス(Porter Goss、1938年―)は、報告書が勧告している、個々のCIA職員を評価するための説明責任委員会の創設を拒絶すると述べた。

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ポーター・ゴス

 

 新たに公表された文書で明らかになったのは、席調査官報告書が作成された当時、この報告書についてテネットが声高に非難していたことだ。

 

 2005年6月の書簡の中で、テネットは首席調査官報告書について、「無意味」「誤謬」と断じ、政治家たちからの情報を「敢えて忌避して」おり、重要な諸事実を無視していると批判している。

 

 テネットは書簡の中で次のように書いている。「この報告書は私の行動について公正さにも正確さにも欠けた描写を行っている。また、CIA職員の英雄的な働きについてもそうだ。諸事実を完全に理解することなく、私の働きについて判断を下すというのは公正さに欠ける」。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23







アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。


 2015年5月31日に開催された、第34回副島隆彦を囲む会定例会・講演会の「副島隆彦が、今の大事なことを洗いざらい語ります」のDVDが発売予約開始になりました。お取扱いは、ウェブサイト「副島隆彦の学問道場」(
http://www.snsi.jp/)です。お買いあげのほど、宜しくお願い申しげます。

※ウェブサイトへは、こちらからもどうぞ

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※ウェブサイトへは、こちらからもどうぞ


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 副島隆彦著『「熱狂なき株高」で踊らされる日本』(徳間書店、2015年)発刊記念で、2015年9月6日(日)に「第10回副島隆彦の“予言者”金融セミナー」が開催されます。宜しくお願い申し上げます。

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「第10回副島隆彦の“予言者”金融セミナー」


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※セミナー申込みハガキは書籍の中に挟まれております。

開催日:2015年9月6日(日)

会場:浜離宮朝日ホール

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開演:11時(開場・受付10時)途中、休憩あり

終了:17時

受講料:15,000円

企画・運営:ブレイントラスト企画

主催:(有)アールシステム

お問い合わせ:(有)アールシステム ブレイントラスト企画

101-0051 東京都千代田区神田神保町3-2-1 サンライトビル601

TEL 03-6261-5465(平日10時~18時)

FAX 050-3153-2488

Email bt-soejima@nifty.com

※お申し込みは以下のアドレスからも可能です。↓

http://kokucheese.com/event/index/326711/











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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-09-09



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 前回、ご紹介したように、次期米軍制服組トップの統合参謀本部議長ダンフォード海兵隊大将に続き、副議長となるポール・セルヴァ空軍大将もロシアを「アメリカの存在にとっての脅威」と発言しました。

 

 脅威を殊更に大げさに強調することは軍人の予算獲得や権限獲得の手段ですが、これに危険な考えを持つ文民が一緒になると一気に戦争準備が進んでしまいます。それは日本でもアメリカでも同じですね。

 

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さらに多くの将官が「ロシアがアメリカにとっての“存在を揺るがす脅威”」となるという主張に同調(More Pentagon Generals Line Up to Proclaim Russia’s ‘Existential’ Threat to U.S.

 

ポール・マクリー筆

2015年7月14日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2015/07/14/more-pentagon-generals-line-up-to-proclaim-russia-existential-threat-to-u-s/

 

 さらに多くの米軍の将官たちが、ロシアがアメリカにとっての「存在を揺るがす脅威」であるという主張に参加している。国防総省の最高幹部に指名された2人の将官が「ウラジミール・プーティン大統領率いるロシアは現在アメリカが直面している最大の脅威だ」という主張に同意している。

 

 アメリカ空軍大将ポール・セルヴァはバラク・オバマ大統領から次期米軍統合参謀本部副議長に指名された。セルヴァは火曜日の連邦上院軍事委員会に出席し、「現在のアメリカの脅威は次の順番だと私は考えます。ロシア、中国、イラン、北朝鮮、アルカイーダに代表されるイデオロギーを中心とする全ての組織です」と発言した。先週連邦上院軍事委員会に出席した、オバマ大統領から次期米軍統合参謀本部議長に指名されたジョセフ・ダンフォード海兵隊大将も同じ順番で脅威となる国々を挙げた。

 

 2015年7月9日に行われた連邦上院軍事委員会の人事承認のための公聴会で、ダンフォードは、最近のウクライナと東部ヨーロッパにおけるロシアの行動は「警戒を要するもの」であり、「ロシアはアメリカの国家安全保障にとっての最大の脅威であり、アメリカの存在を揺るがす脅威となり得る」と語った。

 

 ジョン・マケイン連邦上院議員はセルヴァ大将に対して、テロリスト組織を脅威の最後に挙げた理由を鋭く質問した。これに対して、セルヴァは、テロリスト組織はアメリカ国内において脅威ではないからだと答えた。セルヴァは次のように語った。「現在のところ、イスラム国は我が国土と我が国に対して明確な脅威となっておりません」。

 

 一方、ロシアは最大の脅威である。セルヴァはその理由について、「ロシアの軍事力は、彼らがそう望むならば、アメリカの存在を揺るがす脅威となる」からだと語った。

 

 

主要6各国とイランが最低10年間の核開発停止の合意に達したこの日に、セルヴァは、イランに対する経済制裁の解除と1000億ドルを超えるイラン資産の凍結解除によって、「イランがそのように選択するならば」、彼らはヒズボラのようなテロ組織により多くの資金や物資を与えることが出来るようになるとも発言した。

 

 詳細について語ることは拒絶したが、セルヴァは「アメリカは、イランが台頭してくるならばその脅威に対応するためにいくつかの可能な選択肢を用意する必要があります」と語った。

 

 マケインは連邦上院軍事委員会に出席し、発言した。発言の冒頭、マケインはダンフォードとセルヴァが挙げたアメリカにとっての脅威のリストには驚かされたと述べた。マケインは自身が考える脅威のリストは「イスラム国家のテロリスト軍団、イランの核兵器開発、イランが周辺諸国を不安定化させる試み、修正主義ロシアのウクライナ侵攻、中国の軍事力増強と周辺諸国への攻撃的な態度」だと述べた。

 

 米軍輸送指令本部司令官ダレン・マクドュー空軍大将はセルヴァと共に公聴会に出席した。マクドューは脅威のリストの一番上にサイバー攻撃を挙げた。彼はその理由として協調して広範囲に対して行われるサイバー攻撃によって、アメリカ全土の輸送インフラは一斉に停止してしまう危険があると述べた。

 

 マクドューと同じ分析をしているのがジェイムズ・R・クラッパー米国家情報長官だ。2015年2月にクラッパーは議会で証言を行い、その際、アメリカのインフラに対するサイバー攻撃は国にとっての最大の脅威だと述べた。

 

(終わり)

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海兵隊の将官がジョン・マケインのイスラム国に対する怒りのボタンを押した(Marine General Pushes John McCain’s Buttons on Islamic State

 

ポール・マクリー筆

2015年7月23日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2015/07/23/marine-general-john-mccain-islamic-state/

 

 連邦上院議員ジョン・マケインは木曜日の朝、米海兵隊の次期司令官候補に対して激怒した。この人事に関する公聴会の終了間際、マケインはこの将官に対して、「イスラム国に関する貴官の回答の多くに私は失望している」と述べた。

 

 ロバート・ネラー米海兵隊中将は、連邦上院軍事委員会に出席して、海兵隊大将ジョセフ・ダンフォードから交代して海兵隊司令官になるにあたっての質疑応答を行った。ジョセフ・ダンフォードは次期米統合参謀本部議長に内定している。

 

 しかし、ネラーの回答に関して、連邦上院議員リンゼー・グラハムを困惑させ、更に公聴会の委員長を務めていたジョン・マケインを激怒させ、ネラー中将に対して、イスラム国に関する講釈を行う一幕もあった。ネラーは公聴会で、イラク軍と諸国連合の空軍によって「イスラム国は現在のところ頭打ちの状況に陥っている」と述べたが、それにマケインが激怒したのである。

 

 マケインは海兵隊中将ネラーに対して大声で、イスラム国はラマディとファルージャのようなイラク国内の主要な大都市を制圧し、イラクとシリアの大部分を支配しているのだと叱責した。アリゾナ州選出連邦上院マケインは、「私は貴官が今までどこにいたのかは知らないがね、イスラム国は明らかにイラクを制圧しつつあるんだぞ」と批判した。

 

 ネラーは、2005年から2007年にかけて、イラクのアンバール州に派遣された米海兵隊の海外遠征部隊の副司令官を務めた。この部隊はスンニ派が支配する地域に派遣された。

 

 マケインはネラー中将の考えをさらに掘り下げるために、公聴会の後に文書で更なる質問をすると述べた。マケインはネラーに対して次のように述べた。「ファルージャとラマディで私たちは多くの素晴らしい海兵隊員を失ったのだ。グラハム議員と私は、我が国の青年たちが戦っている現場に実際に行ったのだ。私たちは必要なことはなさねばならない。率直に言って、私たちは若者たちが捧げた犠牲に関して感謝を忘れてしまっている」。

 

 次期統合参謀本部議長に内定しているダンフォード海兵隊大将、副議長に内定しているポール・シルヴァ空軍大将、陸軍司令間に内定しているマーク・マイリー陸軍大将は、議会での公聴会で、現在のところ、アメリカにとっての最大の脅威はロシアだと証言した。ネラーは、こうした制服組のトップとはいささか異なる見解を述べた。ネラーは潜在的に敵対勢力になり得る中でロシアが最大の軍事力を有していることは疑う余地はないとしながらも、「アメリカにとっての最大の脅威は急進的な過激主義だ」と述べた。

 

 ネラーは「現在のところ、急進的な過激主義の組織が私たちと戦いたいと望んでいるとは思いません。彼等は私たちを殺したいと望んでいます。彼らの武力はそこまで大きくないですが、彼らの意図は脅威です」と述べた。ダンフォード、セルヴァ、そしてマイリーは全員、ロシアがアメリカの「存在を脅かす」存在であると述べた。

 

(終わり)







野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


メルトダウン 金融溶解
トーマス・ウッズ
成甲書房
2009-07-31








 

ダニエル・シュルマン
講談社
2015-10-28



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 国会が動物園になって大分時間が経ちました。いや、これは動物園に失礼な発言です。

 

 とりあえず、総理大臣が奇声をあげて喜ぶ、そんな場所になり果てました。本日の参院特別委員会で安倍首相が奇声をあげて委員長に注意され、その規制の内容を撤回した(謝罪はなし)ということが起きました。

 

 国会、政治の世界には「ヤジは議場の華」という言葉があるように、ヤジによって議論や雰囲気が高揚するという考え方があります。確かに三木武吉の高橋是清蔵相に対する「達磨は三年」などの名ヤジはありました。また、うまいヤジには当意即妙な返しをすることで盛り上がるということもありました。

 

 しかし、戦後、特に1970年代以降の自民党の歴代のヤジ将軍(松田九郎や浜田幸一)のヤジは聞くに堪えない内容となり、国会論戦において、「ヤジは議場の華」ということはなくなりました。

 

 ヤジは言われた本人も微苦笑し、その内容を認めざるを得ないような本質を突いた言葉であって、しかもそこにはユーモアがなければなりません。ですから、ヤジを言うには相当の素養と頭の回転が必要です。ただ、ワーワーと叫び散らせばよいものではありません。

 

 民主党政権時代、鳩山由紀夫首相が参議院の本会議に出席した際に、自民党所属の丸川珠代議員がアナウンサー仕込みの良く通る美しい声で、「ルーピー」と叫んだことがありました。「ルーピー」とはアメリカの俗語で「バカ」という意味で、アメリカ政府の高官が鳩山首相を評して使ったということが報道され、アメリカ政府が慌てて謝罪してきたいわくつきのものです。丸川議員はこれを使って得意げに「ルーピー」と叫んだのです。私はこの件を報道する新聞記事に「ヤジ」と書いてあったことに違和感を覚えました。あれは、ヤジでもなんでもなくて、ただの奇声である、と。

 

 安倍首相が質問者に対して自分の座っている席からかける言葉もヤジではなく、奇声です。「日教組は、日教組は」とか「早く質問しろよ」「いいじゃん、そんなこと」など、とても品性下劣な、知性のかけらもユーモアも感じない奇声を発して、注意されたら、「そんなことは言っていない」と抗議する始末です。着席のままで発言することは委員会では認められていない訳ですから、それを謝罪すべきなのに、その謝罪もありません。そして、注意されたら、そんなことなど言っていないと言う始末。いわゆる「逆切れ」という奴です。

 「質問者が安倍首相を挑発しているじゃないか」という意見があるかと思いますが、それなら、「挑発に乗せられて、軽率な発言や奇声をしてしまうような首相となれば、大事な外交交渉など心配ですね」と答えたいと思います。大事な場面でこそ冷静にかつ大胆に行動できることが一国の宰相の最低限の資質だと思いますが、安倍首相にはそれが欠けていることは明らかです。最も現在の政治家でこの資質を備えている人は皆無ですが。 

 

 これまで安倍首相の委員会での奇声は問題になっていますが、それぞれ民主党の女性議員に対して発せられたものです。これで女性が活躍する社会をつくる、などと言うのは片腹痛い話ですが、私は、安倍首相が女性に対してある種の恐怖感と優越感を共存させて持っているのではないかと思います。つまり、女性を怖いと思いつつ(その代表例が岸信介の娘で岸にそっくりの母上)、女性を見下すことが男性らしさだという前時代的な思い込みがあるのではないかと思います。だから、女性議員たちに対して、攻撃的になってしまうのではないかと思います。

 

 男の子が気になる女の子を邪険に扱うとか、わざと意地悪をするというのなら、よほど酷いものではない限り、微笑ましいものですが、もういい年をしたおぢさんがこのようなことをやる、しかも国権の最高機関たる国会で首相の座にありながら、奇声を発し続けるのです。この姿はとても異常なものだと私は考えます。安倍晋三さんはだいぶお疲れのようですから、ご自愛なさることを祈念します。そして、最大の「ご自愛」は辞任なさることだと愚考します。第一次安倍政権の時のように。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「「いいじゃん、そんなこと」=安倍首相再びやじ、すぐ撤回―参院特別委」

 

時事通信 821()181分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150821-00000116-jij-pol

 

 安倍晋三首相は21日、参院平和安全法制特別委員会で民主党の蓮舫代表代行の質問中、自席から「まあいいじゃん、そんなこと」とやじを飛ばした。

 

 蓮舫氏の抗議を受け、鴻池祥肇委員長(自民)が「自席での発言は控えてほしい」と注意。首相はすぐに発言を撤回した。

 

 蓮舫氏は、中谷元防衛相の答弁が、武力行使の一体化に関する大森政輔元内閣法制局長官の「大森4原則」と、周辺事態を例示した野呂田芳成元防衛庁長官の「野呂田6類型」を混同していると指摘し、質疑を一時中断。その際に首相にやじられ、「どうでもいいとはどういうことか」と反発した。

 

 首相は「本質とは関わりないと言った。どうでもいいとは言っていない」と反論したが、委員長の注意を受けて発言を取り消した。 

 

 

●「安倍首相やじ「早く質問しろ」=抗議受け陳謝-衆院特別委」

 

時事通信 2015年5月28日

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201505/2015052800531

 

 安倍晋三首相が28日の衆院平和安全法制特別委員会で、民主党の辻元清美氏の質疑中、席に着いたまま「早く質問しろよ」とやじを飛ばし、審議が紛糾する場面があった。民主党の抗議を受け、首相は陳謝した。

 

 28日の審議では辻元氏ら民主党議員が、前日の審議で不適切な答弁があった中谷元防衛相に照準を合わせて追及。この戦法が首相を刺激したとみられる。首相はやじの後、「(辻元氏が)延々と自説を述べ、私に質問をしないというのは答弁をする機会を与えないということから言ったが、言葉が少し強かったとすれば、おわび申し上げたい」と述べた。

 

 この日は、首相が積極的に答弁に立とうとする場面も目立った。首相は、いら立った様子で「(答弁者の)指名権は(質問する)委員にはない。そのことをよく勉強した方がいい。委員長が議事進行を仕切る」とも語った。 

 

 首相のやじについて、民主党の枝野幸男幹事長は国会内で記者団に「首相としてあるまじきことが堂々と全国民注視の下で起きた」と批判。民主党は特別委終了後の理事会で、首相が6月1日の委員会質疑冒頭で正式に謝罪するよう要求した。(2015/05/28-19:03

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)





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