古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

2016年08月

 古村治彦です。

 

 このブログでも以前ご紹介したヒラリーの側近、「2人目の娘」とも呼ばれ、一部には「同性愛の恋人」とも噂されているフーマ・アベディンが離婚を発表しました。

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 夫アンソニー・ウェイナーはニューヨーク州選出の民主党所属連邦下院議員だった2011年に、自分の性器を写した写真をツイッターを使ってある女性に送ろうとして誤って掲載してしまい、議員辞職してキャリアを棒に振った人です。2011年のスキャンダルをすっぱ抜いたのは、ブライトバート・ニュースで、ここの元会長スティーヴ・バノンがトランプ選対の運営責任者となっています。

 

 議員辞職後はニューヨーク市長選挙に出馬して落選、その後はロビー活動やコンサルタントをしていたようですが、主には2010年に結婚したフーマ・アベディンの活躍を支える主夫をしていたようです。2011年に生まれた息子の世話を家族と協力しながらやっていたということです。

 

 ウェイナーはヒラリーのライヴァルだったバーニー・サンダースやドナルド・トランプを批判する発言をしていましたが、私はそれらを読んで、どうも頓珍漢なことを言う人だなと感じていました。批判の矛先がずれているというか、ただのいちゃもんだろうという感じがしていました。下の記事にあるように、トランプに対する発言は、「お前は何を言っているんだ?」というレヴェルです。

 

 ヒラリーの「娘」と呼ばれるフーマ・アベディンですが、「母」であるヒラリーも夫ビル・クリントン元大統領の不倫スキャンダルに何度も見舞われました。モニカ・ルインスキーという名前を覚えている人も多いと思います。この血のつながりがない「母娘」は、配偶者で苦労するという点でよく似ています。

 

(貼り付けはじめ)

 

フーマ・アベディンが、新たなセクスティング・スキャンダル発覚で夫と別離(Huma Abedin separates from Anthony Weiner after latest sexting scandal

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/huma-abedin-anthony-weiner-separation-separating-sexting-scandal-hillary-clinton

 

ヒラリー・クリントンの長年の最側近フーマ・アベディンは月曜日、夫アンソニー・ウェイナーとの別離を発表した。元連邦下院議員で何かとお騒がせのウェイナーに、性的な写真やメッセージを携帯電話やインターネットを通じて送る行為に関する新たな疑惑(sexting[セクスティング]sextextingの合成語)が浮上したばかりだった。

 

アベディンは声明の中で、「長い時間を掛けた苦痛を伴う結婚に関する熟慮の末、私は夫と別離する決心をしました」と述べた。

 

アベディンは続けて、「アンソニーと私は息子にとって最良のことを行うために全力を尽くすという点では変わりません。息子は私たちの人生にとって光です。この困難な時期、私は皆さんに私たちのプライヴァシーを尊重してくださるように希望します」。

 

アベディンの声明が出される前日の日曜日、ウェイナーがよちよち歩きの息子がうしろにいる自身の股間を写した写真をある女性に送っていたという報道が出た。

 

ウェイナーは2011年に同様の行為で自身のキャリアを棒に振ってしまった。『ニューヨーク・ポスト』紙の報道は次の通りだ。ウェイナーは2015年7月31日に、ある女性とメッセージを交換していた。その中で、ウェイナーは露骨な話題に移り、「誰かさんが僕のベッドに上ってきた」と書いた。

 

彼は毛布にくるまっている息子と一緒に自分の股間を写した写真をメッセージに添付して女性に送った。

 

ニューヨーク・ポスト紙の報道によると、この女性は「あなた、この写真の中にちっちゃなウェイナーちゃんが写っているのに気付いてる?」と返事をしたということだ。

 

今回の報道がなされた後の月曜日、ウェイナーはツイッターアカウントを削除した。

 

ウェイナーがツイッターアカウントの使用を通じて恥をかくのは今回が初めてではない。It

 

ウェイナーは、以前にも別の女性に自身の裸の写真を送っていたことが発覚し、2011年に連邦下院議員を辞職した。ウェイナーは私的に表に出ない形で送っていたつもりが公の場で送ってしまっていた。

 

ウェイナーは最初はツイッターに写真を掲載したことを否定したが、後にニューヨークで開いた記者会見で、性的なメッセージのやり取りをしたことを認めた。

 

議員辞職をする際、ウェイナーは公式に謝罪し、自身の行動を改めると述べた。

 

アベディンはこの騒動の後もウェイナーを支えた。そして、ウェイナーは2013年のニューヨーク市長選に立候補した。

 

ウェイナーは、最初のスキャンダルが公になった後も、性的なメッセージを送り続けていることが明らかになるというスキャンダルにも見舞われた。

 

2016年、ドキュメンタリー映画「ウェイナー」がサンダンス映画祭でプレミア上映された。この映画は、2013年の市長選を中心にしてアベディンとウェイナーを追いかけたもので、市長選がアベディンに与えた影響を描き出している。

 

アベディンは今年の初め、「コール・ユア・ガールフレンド」のポッドキャストに出演して、インタヴューに応じ、苦境について語った。

 

アベディンは、「結婚とは、パートナーがパートナーを支えることで、どんな状況でも続けられるものです。これは政治の世界にいる、いないは関係ありません」と語った。

 

アベディンは続けて次のように語った。「政治の世界にいると、結婚というものに少し、ほんの少し困難が伴いますね。それは、私生活が、みんなが自分の私生活をのぞき見しようとするからです。カップルの1人が一般人で、もう1人が政治の世界にいるといううちと同じパターンの場合、私生活が自分ではどう対処しようもない形で世界中に見られてしまうことになります」。

 

「しかし、お互いが支え合えば、結婚はうまくいきます」。

 

ポッドキャスト出演中、アベディンは多くの時間を割いてヒラリーの選挙運動のために働いており、それは夫が息子の面倒を見てくれているからだと述べた。

 

アベディンは次のように語った。「私には4歳になる息子がいます。もし配偶者の助けがなければ、私は今やっているような仕事をすることはできなかったでしょう。配偶者は進んで家にいて火事や息子の世話をしています。だから私は外に出て働けるのです」。

 

アベディンは更に次のように語った。「私は息子がいつもどうしているかなと気になっています。しかし、心配はしていません。なぜなら、アンソニーとアンソニーの親族、そして私の母と親族が小さな村を形成して、息子を見ていてくれるからです。母は素晴らしい女性で、私たちを助けてくれています。ですから私は外に出て、私は仕事を持つ女性として最高にパフォーマンスを発揮しようと努力できるのです。それは、このような助けがあるからです」。

 

ウェイナーは今年7月に『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタヴューに応じた。その中で、彼をトラブルに引きずり込んだ行為を今でも行っているのかと質問され、「私はお話しのようなことを行うことはありません」と答えていた。

 

そして、ウェイナーは次のように語った。「しかし、私は次のことは申し上げたいと思います。トランプ氏のこれまでの行為を見聞きした多くの人々が私にこういうのは間違いないでしょう。“おい、ロシア人に誰かのEメールをハッキングするように頼むことに比べたら、お前がやったことはまぁ大したことじゃないな”、とね」。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは、月曜日に声明を発表し、その中で夫との別離を決断したアベディンを、皮肉を込めて褒めた。

 

トランプは、「フーマは賢い決心をした。私はアンソニー・ウェイナーをよく知っている。フーマは彼がいない方がもっとうまくやれるだろう」と述べた。

 

トランプは更に次のように述べている。「私はアメリカにとって心配に感じているだけだ。それは、ヒラリー・クリントンは高度に機密性の高い情報を扱う側近の中にウェイナーを加えていたことだ。これは彼女の注意力不足と怠慢の証拠だ。ウェイナーが機密情報に接し、それを誰かに話した可能性があるではないか?これはヒラリー・クリントンの間違った判断のもう一つの証拠だ。我が国と我が国の安全保障がこれで大きく損なわれた可能性はある」。

 

トランプは今月に入ってウェイナーのことを「間違いだらけのイカサマ野郎」とこき下ろしていた。

 

ウェイナーの今回のスキャンダルは彼の結婚生活以外にもダメージを与えそうだ。W

 

『ニューヨーク・デイリー・ニューズ』紙の論説担当編集のジョシュ・グリーンバーグは、『デイリービースト』誌の取材に対して、これまでウェイナーに論説の執筆を担当してもらっていたが、今後は依頼を行わないと述べた。

 

(貼り付け終わり)

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 古村治彦です。

 

 「オルト・ライト」という言葉がアメリカ大統領選挙のキーワードになってきました。

 

 「オルト・ライト(alt-right)」は、「オルタナティヴ・ライト(alternative right)」の略語です。これは、「主流派とは別の、もう一つのライト(右翼、右派)」という意味になります。アメリカ文化評論家・映画評論家である町山智浩氏は「オルタナ右翼」と訳しておられます。音楽の分野でオルタナティヴ・ロック(オルタナ・ロック)というものがありますが、オルト・ライトというと良く分かりませんが、オルタナ右翼というとイメージしやすい人たちもいると思います。

 

オルト・ライトにはこれといってひとつの思想はありません。アメリカの右派の特徴である多文化主義と移民に対する反対を標榜していますが、同時に、白人優越ナショナリズム、白人優越主義、人種差別主義、女性蔑視、反ユダヤ主義がそれぞれの場面で出てきます。このアルト・ライトの高まりがドナルド・トランプの台頭を支えたのか、トランプの台頭がアルト・ライトの高まりを支えたのか、どちらが正しいということはありませんが、どちらも正しいということは言えます。

 

 このオルト・ライトの高まりを支えているのが、インターネット上の日本の巨大掲示板「2ちゃんねる」をモデルにした「4chan」(所有者は2チャンネルの創設者である西村博之氏)やブログなど、オルト・メディア(オルタナティヴ・メディア)で特有の言葉遣いで、上記のような反主流の考え方を語り合っている人々だということです。日本で言えば、ネット右翼(ネトウヨ)と呼ばれる人たちに似ていると思います。

 

 オルト・メディアの代表格なのが、トランプ選対の運営責任者となったスティーヴ・バノンが会長をしていたブライトバート・ニュース社です。過激な見出しと差別的な言辞を多用した記事で人気を集めるニュースサイトとなっています。

 

 先週の木曜日、ヒラリー・クリントンは、オルト・ライトの高まりとトランプを結び付け、トランプが人種差別主義者であり、反ユダヤ主義を標榜する団体にも近いという内容の演説を行いました。その根拠として、ブライトバート社の元会長で、現在のブライトバートの路線を作り上げたスティーヴ・バノンを取り上げました。

 

 そして、同じタイミングで、スティーヴ・バノン個人が、妻に家庭内暴力をふるい(女性蔑視)、反ユダヤ主義的な考えを持っているという個人攻撃がメディアで流れました。このタイミングの良さは、メディア側との協力関係がなければできないことです。トランプ側が、メディアはヒラリーを贔屓していると批判していますが、これはあながち間違ってはいないように思われます。

 

 ヒラリー側は、トランプが黒人有権者やヒスパニック有権者に宥和的な態度へと変更し、幅広い有権者層へアピールする戦術に出たことに対して、「トランプとオルト・ライトはつながっている、危険だ」という攻撃に出ました。確かに、これまでのトランプの発言やプライトバート社の記事などはそのような要素が入っていましたから、そのような攻撃をされると弱いということはあります。

 

 ヒラリーのこの攻撃に対して、トランプ側がどのような反撃をしてくるか、注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ選対の運営責任者は空き家に有権者登録をしている(Report: Trump campaign chief registered to vote at empty house

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年8月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293414-trumps-campaign-chief-registered-to-vote-in-state-he

 

イギリスの「ザ・ガーディアン」紙が金曜日に報じたところによると、ドナルド・トランプが新たに起用した選対運営責任者が空き家に有権者登録をしており、これは明らかな選挙関連法違反である、ということだ。

 

トランプ選対の運営責任者スティーヴン・バノンは、フロリダ州のマイアミ・デード郡にあるある家に有権者登録をしているが、この家は現在空き家で取り壊しが予定されている、と疑いがかけられている。

 

バノンは元妻のためにこの家を借りたが、彼自身はこの家に住んだことはなかった。元妻は今年初めにこの家から転居した。

 

この家の所有者ルイス・ゲヴァラはガーディアン紙の取材に対して次のように答えた。「この物件は現在空き家です。誰も住んでいません。取り壊しする予定もあるんです」。

 

バノンの有権者登録についてトランプ選対にコメントを求めたが拒絶された。

 

フロリダ州法では、有権者であるためにはフロリダ州の合法的な住民である必要がある。

 

ガーディアン紙によると、フロリダ州の有権者登録に際して誤った情報を提出することは、第三級の重罪となり、最大で懲役5年の刑が科せられる。

 

ヒラリー・クリントン陣営は、バノンがブライトバート・ニュース社と「オルト・ライト」の高まりに関係していると批判をした。バノンが批判されている中で、このニュースが出た。

 

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取らん選対運営責任者はかつてドメスティック・ヴァイオレンスで逮捕された経歴あり(Trump campaign CEO once charged with domestic violence: reports

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年8月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293409-trumps-campaign-ceo-once-charged-with-domestic-violence

 

ポリティコ誌が木曜日に次のように報じた。ドナルド・トランプが新たに選対運営責任者に起用したスティーヴ・バノンは1990年代に犯罪容疑で逮捕されたことがある。犯罪容疑は、妻と口論になってそれが暴力事件にまで発展したというものだ。これらの事件の裁判は不成立となった。

 

 

1996年1月、バノンの妻(当時)はカリフォルニア州サンタ二カ警察に「夫が自分の首と手首に手をかけて引っ張り回した」と通報した。駆けつけた警察官は報告書の中で、「彼女の首と手首は赤く腫れ上がっており、彼女の説明と一致する」と書いた。この報告書の中には、「バノンは妻が911(日本の110番)に電話しようとすると電話を取り上げて、叩き壊した」とも書かれている。

 

バノンは、家庭内暴力、殴打、証拠隠滅の容疑で逮捕された。

 

バノンは、報道担当を通じてポリティコ誌に、「私は警察から事情聴取されなかった。また、こうした容疑に関しては無罪だ」と述べた。

 

数カ月後に開かれた裁判に元妻は出廷しなかったために、裁判は不成立となった。

 

ニューヨーク・ポスト紙は、元妻は離婚合意書の中で、裁判を成立させないためにサンタモニカから転居するようにとバノンに説得されたと書いている、と報じた。

 

元妻は、裁判を成立させるならば、お金は一銭も持たせずに、双子の幼い娘たちの養育費も支払わないとバノンに脅されたと主張した。

 

ニューヨーク・ポスト紙は、「バノンはまた、裁判所に出廷したら、彼と彼の弁護士が私も」“He also told me that if I went to court he and his attorney would make sure that I would be the one who was guilty. I was told that I could go anywhere in the world," she claimed in the papers, according to The Post.

 

元妻は更に「私が裁判に出席しなかったので、裁判は不成立となった」と書いている。

 

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バノンの元妻:「彼は娘たちがユダヤ人の同級生のいる学校に行かせたがらなかった」(Bannon's ex-wife: 'He didn’t want the girls going to school with Jews'

 

エヴェレン・ルパート筆

2016年8月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293532-bannons-ex-wife-he-didnt-want-the-girls-going-to-school

 

ドナルド・トランプの選対運営責任者スティーヴ・バノンの元妻が、離婚手続きの過程の中で、バノンが娘たちに「たくさんのユダヤ人がいる」ので、通学していたロサンゼルスにある学校に行かせたくないに行かせたくないと言っていたと語った。

 

ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙は次のように報じた。ブライトバート・ニュース社元会長スティーヴ・バノンの元妻は、2007年に裁判調停の過程である文書に署名して裁判所に提出した。その中で、バノンは双子の娘たちが在学していたアーチャー・スクール・フォ・ガールズにユダヤ人の生徒たちがいることを懸念していたと書いている。

 

2007年6月に元妻が出した裁判所に提出した文書の中には、「アーチャー校の最大の問題は在学しているユダヤ人の生徒の数だ」と書かれている。

 

この文書の中には「バノンは、学校の教育方針が気に入らず、生徒たちを“口うるさい金髪バカ女”にしようとしていると言っていた。そして、ユダヤ人がいる学校には行かせたくないとも言っていた」という記述もある。

 

元妻は、バノンが別の私立学校のユダヤ人生徒の数をその学校に尋ねたとも述べている。

 

バズフィード・ニュースに対する声明の中で、バノンの報道担当アレクサンドラ・プリーテは、バノンがそのようなツ言をしたこと自体を否定し、娘たちは学校に在学し続けたと述べた。

 

プリーテは、「バノン氏はそのような発言をしたことはなく、アーチャー校の中等教育に関して不満はなく、娘たちが在学していたことを誇りに思っている」と述べている。

 

新たに発見された法廷文書は、バノンにとっては今週に入って2発目の攻撃となった。離婚合意文書と警察の報告書からの抜粋が木曜日に報じられたが、これらを総合して、バノンは家庭内暴力をふるっていたという疑いが浮上している。

 

1996年に起きた口論で、バノンは当時の妻の首と腕を強くつかんだという疑いが浮上している。バノンは家庭内暴力、殴打、証拠隠滅の容疑で逮捕されたが、元妻が裁判所に出廷しなかったために裁判は不成立となった。

 

バノンは先週、トランプ選対の運営責任者に就任した。同時に、ケリアン・コンウェイが選対委員長に就任した。

 

民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは木曜日に行った演説で、バノンとブライトバート・ニュースを攻撃した。この演説で、ヒラリーは、トランプと「オルト・ライト」の高まりを結び付け、トランプを人種差別主義と反ユダヤ主義の諸グループと親和性があると訴えた。

 

民主党は今週、トランプ批判のヴィデオを後悔した。それは、ブライトバートが掲載した、多くの批判を受けた見出しを集めたものだ。その中には、「ネヴァー・トランプ」運動を主導している、『ウィークリー・スタンダード』誌編集人のビル・クリストルについてのものも含まれている。ブライトバートは、見出しで、クリストルを「共和党をダメにする人物、裏切り者のユダヤ人」と呼んだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 

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 古村治彦です。

 

 情報暴露サイトであるウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジが民主党とヒラリー・クリントンに対するリーク、しかもかなり重要な内容を含むリークを行うと予告しました。選挙戦まで約75日を残す段階で、ヒラリー側には厳しい宣告がなされました。

 

 今回のアサンジの宣言について、大したことはできないのではないか、ハッタリで本当は何もないのではないかという声が出ているようです。しかし、2016年7月に民主党全国委員会のスタッフのEメールを公表し、民主党内部でバーニー・サンダース連邦上院議員を予備選で勝たせないという話があったということが暴露され、民主党全国委員長のデビー・ワッサーマン=シュルツ連邦下院議員(フロリダ州選出)が委員長を辞任する騒ぎがありました。

 

 このように一度目の威力を十分に見せつけていますから、民主党側やヒラリー側にとっては十分に脅威となります。恐怖や懸念で神経が消耗するでしょうし、民主党内部や選対内部で、「あいつは裏切り者ではないか」という疑心暗鬼が広がります。

 

 それだけでもこのアサンジの宣言は大きな効果を持ちます。ウィキリークスのリークがオクトーバー・サプライズになるかどうか、注目です。

 

 

(貼りつけはじめ)

 

アサンジ:「予期しない」クリントン選挙運動関連のリークを明言(Assange: 'Unexpected' Clinton campaign leaks coming

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/293290-assange-unexpected-clinton-campaign-leaks-coming

 

ウィキリークスが、大統領選挙投開票日の前に、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンの選対に関する「予期できない角度」の情報をリークすることになる、とウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジが水曜日に述べた。

 

アサンジはフォックス・ニュースの番組に出演し、「これはとても大変なことになると思いますよ。人々とメディアがどれだけ食いつくか次第ですがね」。

 

アサンジはまた次のように語った。「ここで秘密を漏らす訳にはいきませんが、選対に関連するいくつかの組織や機関からの多様な文書であるとだけ言っておきます。それらの中には、全く予期しなかった角度の内容も含まれます。また興味深いもの、楽しいものも含まれます」。

 

2016年7月、ウィキリークスは民主党全国委員会の職員たちの約2万通にも及ぶEメールを公表した。その中には、予備選挙の候補者バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州、無所属)の選挙運動を妨害する計画に関する内容が含まれていた。

 

今月初め、ウィキリークスの創始者アサンジは、ウィキリークスは共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに関する内部情報の入手に関心を持っていると語った。

 

アサンジは水曜日のNPRのラジオ番組「モーニング・エディション」で流されたインタヴューの中で、「トランプ選対の情報を持っている人がいましたら、その情報が本物で、それを見たという類ではなくて本物の内部文書を持っている人がいましたら、私たちはその情報を受け取って、公表したいと思います」と語った。

 

アサンジは番組の中で、今回の大統領選挙には、「大変に悪口を言われる2人の候補者が出ている」と述べた。

 

アサンジは更に次のように述べた。「その結果として、選対の内外の様々な人たちがウィキリークスとマスコミに情報提供をしたいという気持ちを持つようになっているのです」。

 

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アサンジがヒラリー・クリントンと民主党についてさらにリークをすると約束(Assange promises to leak more on Clinton, Dems

 

クリスティアーノ・リマ筆

2016年8月24日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/story/2016/08/julian-assange-clinton-leak-227389

 

ウィキリークスの編集責任者ジュリアン・アサンジは水曜日の夜、ヒラリー・クリントン、民主党全国委員会、ヒラリー選対に関連する「数千ページ」にもなる文書をリークすると約束した。

 

フォックス・ニュースのミーガン・ケリーに対して、神秘性をたたえたアサンジは、これから行われるリークは、今年の大統領選挙に「大変重要な」影響を与えることになると請け合った。

 

以下がその時の内容だ。

 

ロンドンにあるエクアドル大使館に亡命中であるウィキリークス創設者のアサンジは次のように語った。「私たちは多くの材料を、数千ページにもなる具体的な材料を持っています。選対に関連するいくつかの組織や機構からの様々な文書があります。いくつかは全く予期でない角度の内容で、いくつかは興味深く、また楽しいものもあります」。

 

今年の7月に民主党全国委員会のスタッフのEメールがリークされた。そして、今回、民主党全国委員会と民主党議会選挙対策委員会に関する2回目のリークが予告され、民主党関係者たちは、2回目のリークによってまた大きなダメージを受けるかもしれないという恐怖を感じている。彼らはオクトーバー・サプライズが起きてヒラリー選対にダメージを与えることを憂慮している。

 

アサンジはリークの日時について明らかにすることを拒否したが、リークする文書によって、ヒラリー・クリントンはダメージを受けることは間違いないと述べた。

 

アサンジは「これはとても大変なことになると思いますよ。人々とメディアがどれだけ食いつくか次第ですがね」と語った。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)





 

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 古村治彦です。

 

 少し古い記事になりますが、以下に、民主党のヒラリー・クリントンが共和党支持者の獲得を目指しているという記事を掲載します。

 

 今週になって、トランプがこれまでのやり方を変えた(pivot)したことで、トランプの支持率が少し持ち直すと思われますが、共和党全国大会以降、失言が続いて支持率が下がり、激戦州でも軒並みヒラリーが優位となった上に、2000年以降、常に共和党が勝ってきたレッド・ステイト(共和党が優位な州)の中でも、アリゾナ州とジョージア州でヒラリーがリードするという展開になっていきました。

 

 ヒラリー陣営は、レッド・ステイトへも積極的に浸透を図っているようです。ここまでされてしまうと、選対内部で内紛があり、選挙運動がめちゃくちゃだったトランプ陣営は押されてしまうのは当然です。しかし、ケリアン・コンウェイを登用して、トランプ選対は体制を立て直しつつあります。

 

 ここまでのところ、選挙資金、人員、選挙運動の熱心さではヒラリーが圧倒しています。しかし、彼女が投入しているリソースから考えて、支持率は低いと言わざるを得ません。コストパフォーマンスが悪いのです。ヒラリーを民主党史上最弱の候補者と言う人たちが民主党支持者の中にもいるので、このコストパフォーマンスの悪さは当然なのかもしれません。

 

 トランプは十分に巻き返す余地がありますが、まずは足場を固め、ヒラリーの共和党支持層への浸透を防ぐことが必要になります。そして、討論会が始まる9月には反転攻勢を始めることが出来るかがポイントになると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

クリントン選対が共和党員に対する勧誘の動きを公に(Clinton Campaign Makes Republican Recruiting Effort Official

 

モリー・オトゥール筆

2016年8月10日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/08/10/clinton-campaign-makes-republican-recruiting-effort-official/?utm_content=buffer06f25&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

ヒラリー・クリントン選対は水曜日(2016年8月10日)、共和党員で共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに反対し、民主党の候補者ヒラリーを支持する人たちが出続けていることを受けて、彼らへの働きかけを公に強め始めた。

 

「トゥゲザー・フォ・アメリカ」というスローガンを使い始めたことは、ヒラリー・クリントン前国務長官の自信を示すものである。この動きは、共和党と無党派に向けて非公然に支持を訴えてきたことを正式に訴え始めたのだ。

 

ヒラリーは、水曜日の午後、アイオワでの集会で演説し、その中で「これは通常の選挙ではない」と語った。そして、共和党からの離脱者や「我が国を第一に考えたいと思う人なら誰でも」歓迎するとした。

 

ヒラリーは「ドナルド・トランプは共和党の価値観を代表していないだけでなく、私たちアメリカ人の価値観を代表していない」と述べた。

 

ヒラリー選対が発表した文書によると、共和党の大物50名がヒラリー支持を表明している。その中には3名の元閣僚、20名の現職・元職の連邦議会議員、元大使、元米軍幹部、共和党が政権を握っていた当時の政府高官、実業界のリーダーたちが含まれている。

 

共和党や無所属の中の大物には、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ、ジョージ・W・ブッシュ大統領の大統領国家安全処方問題担当補佐官を務めたブレント・スコウクロフトがヒラリーを支持していることは既に知られている。水曜日になって、国家情報局長官だったジョン・ネグロポンテ、元商務長官でケロッグ社の会長兼最高経営責任者カルロス・ガティレス、ヒューレット・パッカード社の会長兼最高経営責任者メグ・ウィットマンといった人々もクリントン支持を表明したことが明らかになった。

 

彼らは、メイン州選出の連邦上院議員スーザン・コリンズとイリノイ州選出の連邦下院議員アダム・キンジンガーのような、最近になってトランプに激しく反発している共和党の指導者たちの隊列に参加している。水曜日、民主党の副大統領候補で現在は無所属となっているジョー・リーバーマン前連邦上院議員がヒラリー支持を表明した。

 

共和党予備選挙中や、トランプが予想外に共和党候補者になった後に起きた様々な「ネヴァー・トランプ」活動は収まらなかった。それは、トランプが自分たちの選択肢になるとは考えられなかったからだ。

 

しかし、トランプの過激な言葉遣いや突飛な政策志向についての懸念が高まっている。反対に、ヒラリーに対する信頼やトランプに対する選択肢はヒラリーしかないという考えが広がっている。そうした中で、 トランプではなくヒラリーを公然と支持する共和党員が増え続けている。

 

ヒラリー陣営は、トランプはアメリカを分裂させ、危険なので、アメリカ大統領にふさわしくないと強調している。月曜日、50名の共和党系の国家安全保障・外交政策の専門家たちが、トランプには投票しないとする公開書簡を発表した。この動きをヒラリー陣営は把握していたが、協働してはいない。

 

「トランプはアメリカの国家安全保障と福利を危機に晒すだろう」と書いている。しかし、彼らはヒラリーに投票すると公然とは言っていない。

 

ヒラリー陣営による「トゥゲザー・フォ・アメリカ」のスタートは、タイミングよく出された強烈なパンチとなった。共和党大統領選挙候補者トランプは、先月の共和党全国大会以降、世論調査の数字を落とし続けている。主要な激戦州の共和党支持の有権者たちの支持を落とし、全国規模の世論調査でもヒラリーにリードを許している。

 

共和党内の最重要人物であるコンドリーザ・ライス、コリン・パウエル両元国務長官は、これまで大統領選挙について何も言及していない。

 

どれだけの共和党員が反対党の候補者に投票するかははっきりしない。また、ヒラリー陣営の試みが、反エスタブリッシュメントで熱心なトランプ支持者たちの考えを変えることが出来るかははっきりしていない。しかし、ヒラリー選対の委員長ジョン・ポデスタは、共和党員の中からヒラリー支持が出ている動きは、無党派や穏健派の有権者たちが「自分たちの代弁者はトランプではなく、ヒラリーだ」と考えていることを示す兆候だと述べている。

 

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クリントンはユタ州の新聞の論説ページでモルモン教徒にアピール(Clinton makes appeal to Mormon voters in Utah paper op-ed

 

リサ・へーゲン筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/290990-clinton-makes-appeal-to-mormon-voters-in-utah-paper-op-ed

 

ヒラリー・クリントンは、教会が所有しているユタ州の新聞の論説ページに自ら文章を投稿し、モルモン教徒の有権者たちにアピールを行っている。

 

『デザート・ニュース』紙の論説ページに掲載した文章の中で、民主党の大統領選挙候補者ヒラリーは、世界における信教の自由のために彼女がこれまでどのような闘いをしてきたかを書いている。

 

ヒラリーは次のように書いている。「私は長年にわたり、信教の自由のために戦い続けてきた。国務長官として、私は世界各地の宗教的少数者たち、エジプトのキリスト教コプト派からチベットの仏教徒まで、彼らを守ることを外交政策の基本とした。」

 

ヒラリーがこのような論稿をユタ州の新聞に掲載したのは、民主党側がユタ州のような伝統的に共和党が強い「レッド・ステイト」での情勢を楽観視していることを示している。各種世論調査の結果によると、ヒラリーとドナルド・トランプが接戦を展開していること、共和党が強い州ではあるが、トランプの人気は低いままであることが明らかになっている。

 

ヒラリーは論説の中で、モルモン教徒でユタ出身の政府関係者たちと仕事をしてきたと強調した。

 

ヒラリーは、論説の中で、「私は、元ユタ州知事で駐中国大使を務めたジョン・ハンツマンと一緒になって、政府からの弾圧を受けている中国のキリスト教徒たちと連帯した」と書いている。

 

ヒラリーはまた、2012年の共和党大統領選挙候補者でモルモン教徒のミット・ロムニーがトランプのイスラム教徒の入国禁止について懸念を持っていることを強調し、ユタ州知事ケーリー・ハーバートが「宗教弾圧とテロリズムから逃れてきたシリア難民たちに対して温かい歓迎」をしたことを称賛した。

 

ヒラリーは、モルモン教会の指導者であり、シスターのローズマリー・M・ウィクソンの言葉「個人として私たちは強い。神と一緒ならば、私たちを止めることなどできない」を引用している。

 

この論説について最初に報道したのは『バズフィード』だった。

 

ヒラリーの論説が発表されたのは、夫ビル・クリントン元大統領が資金集めのためにユタ州のパーク・シティを訪れる1日前であった。ビル・クリントンがユタ州で人々の前に姿を現すかどうかははっきりしない。

 

トランプは、モルモン教徒初の主要政党の大統領選挙候補者となったロムニーを激しく批判してきた。ユタ州の総人口のうち、末日聖徒イエス・キリスト教会の信者が占める割合は60%だ。彼らの圧倒的多数が共和党に投票してきた。ユタ州の共和党予備選挙では、トランプは3位に終わり、得票率は14%に留まった。

 

52年間も民主党が勝ったことがないユタ州でヒラリーが勝利を得るには長い道のりが待っている。しかし、ユタ州の政治関係者たちは、今年の大統領選挙は前例のないものであるので、接戦となるだろうと予測している。

 

新聞の編集兼発行人のポール・エドワーズは、バズフィードの取材に対して、「クリントン、トランプ両陣営に連絡を取って、今年の選挙にあたってユタ州の有権者たちに訴える機会を提供しますと伝えました」と答えた。エドワーズによれば、彼はトランプ陣営に数回連絡を取ったのだが、何も返答がないということだ。

 

=====

 

「クリントン・リパブリカン」は2016年の流行語(Clinton Republicans a 2016 trend

 

エイミー・パーネス筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/290923-clinton-republicans-are-2016-trend

 

 

「クリントン・リパブリカンズ(ヒラリーを支持する共和党員)」に会ってみよう。

 

30年前にレーガン・デモクラッツ(レーガンを支持する民主党員)が出現し、ロナルド・レーガンのホワイトハウスへの道をきれいに舗装したように、今回の大統領選挙では、支持する政党とは反対の候補者を応援する人々が出現している。

 

彼らは民主党の候補者ヒラリー・クリントンを助けている。

 

共和党からヒラリー支持を表明する人々が次々と出てきている状況は、ヒラリー陣営を勢いづけ、共和党内部の分裂の深刻さに人々の関心を集めている。

 

スーパーPAC「レディ・フォ・ヒラリー」の創設者アダム・パークホメンコは先週末、ツイッターに次のように投稿した。「“レーガン・デモクラット”という言葉を覚えている?最近になって“クリントン・リパブリカン”について多く聞くようになった」。

 

ヒラリーを支持する共和党員たちには、共和党の大口献金者であり、IT企業の最高幹部であったメグ・ホイットマン、元ミシガン州知事ウィリアム・ミリケン、MGM社の最高経営責任者で共和党の大口献金者であったハリー・スローン、引退を表明している連邦下院議員リチャード・ハンナ(ニューヨーク州選出、共和党)が含まれている。

 

あるヒラリーの側近は、共和党員が次々とヒラリー支持を表明することで、ドミノ効果が起き、更なる幹部クラスの共和党員のヒラリー支持表明を行いやすくし、それに拍車をかけることになると述べている。

 

ヒラリーに近いある人物によると、共和党員でヒラリーを支持する人たち(「避難民たち」)は、ヒラリーに対する好意でそうしていると言うよりも、トランプに対する嫌悪感によってヒラリー支持に回っている、ということだ。

 

この人物は、「私たちは何もする必要がない。ドナルド・トランプが私たちのために働いてくれているのだから」と語っている。

 

ヒラリーはこの状況をうまく利用しようとしている。

 

民主党全国大会において、ヒラリーは共和党のテーマや価値観を強調した。

 

ヒラリーは次のように語っている。「私たちは世界で最強の軍隊を持っている。最も革新的な企業家、自由と平等、正義と機会といった最も永続的な価値観も持っている。私たちはこのような言葉を口にできることを誇りに思うべきだ。こうした言葉を聞いているとき、その人はアメリカについて聞いているのだ」。

 

クリントン陣営は、共和党政権時代に閣僚を務めた大物たちと保守派の論客たちによるトランプの批判の言説を集めたコマーシャルを放送している。これは、共和党支持の有権者の支持を得ようとする試みだ。

 

最近のある演説の中で、ヒラリーは、トランプが大統領に「不適格」で、核兵器のボタンを預けられるほどの信頼は出来ないと述べた。

 

共和党ストラティジストであるロン・ボンジェーンはトランプ支持を表明していないが、熱烈な共和党支持者たちがヒラリーの支持をするようなことはないだろうと語った。しかし、ボンジェーンは、トランプの出現で共和党が狂わされてしまったとも語っている。

 

ボンジェーンは「トランプは大統領になってしっかりと仕事をするということを人々に信じさせることが出来ていない」と語った。

 

しかし、ボンジェーンをはじめとする共和党員たちは、トランプがヒラリー支持を表明する共和党員の出現と流出を止めることが出来るとも考えている。

 

ボンジェーンは次のように語っている。「トランプが方針を正しい方向に向け直し、共和党内部の内輪もめやゴールド・スターを授与された戦死した兵士の家族に対する批判ではなく、ヒラリーに対する批判に集中したら、共和党員の中で、トランプを支持しようという人たちも出てくるだろう」。

 

過去にも、共和党員が民主党の大統領選挙候補者に投票したことがあった。

 

コリン・パウエル元国務長官は2008年の大統領選挙で、共和党の候補者であったジョン・マケイン連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)ではなく、民主党の候補者バラク・オバマを支持した。

 

また、元マサチューセッツ州知事ウィリアム・ウェルドは、今回の大統領選挙では、リバータリアン党の副大統領候補となっている。

 

ヒラリーは今回の民主党予備選挙で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)からの挑戦を受けたので、ヒラリーは左旋回した。しかし、彼女は中道派であるという評価を受け、連邦議会で共和党所属の議員たちと協力してきた歴史を持つ。

 

外交政策と国家安全保障に関する諸問題について、ヒラリーはタカ派と目されている。彼女はイラク戦争を支持した。ヒラリーは、オバマ政権内で、リビアとシリアに対して軍事行動をとるように訴え続けた。

 

ヒラリーのこのような姿勢は共和党支持の有権者にとって魅力的なものとなる可能性がある。トランプはこれまで、ジョージ・W・ブッシュ前大統領を含む共和党の外交政策に関する指導者たちに対して批判を展開してきたが、それを気に入らない有権者たちもいる。

 

しかしながら、歴史家たちは、どれだけの共和と員が船から逃げ出すか、そして、ヒラリーがどれだけの期間彼らの支持を維持できるのかはっきりしないと述べている。

 

ヒラリーを支持する共和党員の多くは、民主党が好きだからではなく、トランプが嫌いだからヒラリー支持になっているという事実がある。

 

プリストン大学教授で、歴史学と公共問題を専門とするジュリアン・ジージラーは「私たちは大きな転換が起きるのを見ることだろう」と語っている。

 

オハイオ大学の歴史学教授キャサリン・ジェリソンは、共和党員によるヒラリーへの支持は長く続かないだろうと予測している。

 

ジェリソンは次のように語っている。「今回の選挙ではそのような動きを見ることが出来るが、それが繰り返されることはないだろう。それは、共和党員のヒラリー支持は、ドナルド・トランプに反対する動きであるからだ」。

 

ボンジェーンはそもそも「クリントン・リパブリカン」という動きなど見ていないと述べている。

 

ボンジェーンは次のように語っている。「共和党員は、ヒラリーが素晴らしい大統領になるなどとは考えていないと思う。トランプから離れる共和党員たちは、自分が知らない悪魔よりも自分が知っている悪魔を選択するというだけのことだ」。

 

共和党政権で政府高官となった人々が次々とヒラリー支持を表明しているが、そうした人々に更に共和党の最高幹部クラスが続くのかどうかは明確ではない。特に元国務長官のコリン・パウエルやコンドリーザ・ライス、その他トランプ支持を表明していないビッグネームがどうするかははっきりしていない。

 

ジージラーは次のように語っている。「共和党の幹部クラスでヒラリーに投票すると表明する人々が続出しているが、党派性が強まっている現状で、どれほどの共和党員が民主党に投票するかははっきりしない。1980年代に比べて、有権者たちは姿勢を変えたがらない。従って、棄権するのではなくヒラリーに投票する共和党員がどれほど出るかははっきりしない」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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 古村治彦です。

 

 「不適切な関係(inappropriate relationship)」という言葉を覚えたのは、当時のビル・クリントン大統領がホワイトハウスのインターンだったモニカ・ルインスキーと不倫関係にあったことを認める声明の中で使われていたのを読んだときでした。

 

 今回、ヒラリーのEメール問題では、ヒラリーが国務長官在任中の国務省と、クリントン家が運営しているクリントン財団との間の「不適切な関係」に焦点になっています。これまで出てきたところでは、クリントン財団の幹部が国務省に長官のスタッフとして入ったヒラリーの側近(こちらも元はクリントン財団の幹部)に便宜を図ってくれるように頼む内容のEメールが見つかりました。

 

 そして、AP通信が、「ヒラリーが国務長官在任中に面談、もしくは電話で会談したアメリカ政府外の人物たち154名の内、85名がクリントン財団の大口献金者であった」と

報じました。

 

 クリントン財団の大口献金者だから便宜を図ってもらえたのかどうかがここでの焦点となります。ヒラリーが直接お金をもらって会談したり、電話で話したりということはさすがにないと思いますが、「この人はクリントン財団に多額の寄付をしているの、それなら会いましょう、話しましょう」ということになれば、倫理上まずいことになります。

 

 また、このような倫理上のことは大統領選挙に出ればつつかれることくらいは、政治の世界で生きてきた人なら思いつくと思いますが、それに対する対応策が出来ていないとなると、「ヒラリーと側近たちでアメリカ政府を動かして果たして大丈夫なのか」という声が上がるのは当然です。ヒラリーは脇が甘い、そんなことで、生き馬の目を抜く国際政治の世界で、アメリカの国益を守れるのかという声が上がります。

 

 法律を破った行為であると証明することは難しいでしょうが、印象は悪くなります。こうしたことも含めて、9月上旬に出される世論調査の結果が気になるところです。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヒラリーはクリントン財団問題に再び直面する(Now Hillary has a big Clinton Foundation problem, too

 

クリス・シリーザ筆

2016年8月23日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/23/now-hillary-has-a-big-clinton-foundation-problem-too/

 

政治の世界では「ある印象の知覚はほぼ常に真実と同等となる」ということをヒラリー・クリントンは理解してこなかった。今回、AP通信が報じたこのストーリーについて見ていこう。

 

ヒラリーが国務長官在任中に政府外の人々と会った中の半数が、クリントン財団に個人的に、もしくは企業や団体を通じて、資金を提供した人々であった。ヒラリーが大統領に当選した場合のヒラリーの倫理観に対する挑戦ともなるほどの大きな割合である。

 

国務省がAP通信に提供した国務省の業務日誌によると、ヒラリーが国務長官在任中にアメリカ政府外の人で彼女に会った、もしくは電話で話した人は154名いる。その中の少なくとも85名がクリントン家の運営している慈善財団やその国際プログラムに資金を提供した人々であった。この85名の大口擬献金者の献金額は合計で1億5600万ドル(約156億円)となり、少なくとも40名は1人10万ドル(約1000万円)以上、20名は1人100万ドル(約1億円)を提供していた。

 

なるほど。

 

先に進む前に2つの点を確認しておこう。

 

(1)相関関係は因果関係ではない。

 

(2)何かの行為の見返りとして褒章を受けたということを証明することは極めて困難だ。

 

しかし、そんなことは分かっている。これら2つの段落を読んで、眉一つ動かさないなんてことは全くもって不可能だ。ヒラリーが国務長官在任中の4年間に直接会った、もしくは電話で話をしたアメリカ政府外の人の半数がクリントン財団の大口献金者だったのだ!半分がですよ。

 

そして、85名の人々が1億5600万ドルを寄付していた。私の計算では、一人平均で180万ドルになる。もちろん、全員が同じ金額を寄付した訳ではない。

 

これは単純に良くないことだ。本当に良くない。

 

クリントン財団が世界中で大変に素晴らしいことをやった、もしくは現在もやっていることについて疑義を持っている人は誰もいない。これは間違いない。ツイッター上のヒラリー嫌いの人たちに言っておきますが、私はこの点は認めています。しかし、クリントン財団が献金された資金でやっていることがポイントではない。問題は、国務超過在任中のヒラリーの責務とクリントン財団になされた献金との間のあまりにもいい加減な線引きなのだ。AP通信の記事の内容は、悪い行いの証明ではなく、悪い判断の証明なのである。

 

大統領ではなくても、選挙を経て就任することが出来る公職を目指す政治家にとって、次の文が有利に働くような場所は存在しない。「ヒラリー・クリントンが国務長官在任中に面談した政府外の人物の半数以上が、個人で、もしくは企業や組織を通じて、クリントン財団に献金をしていた」。

 

私が驚いたのは、ヒラリーも、彼女の側近中の側近フーマ・アベディンも、そしてビル・クリントンも、クリントン財団の誰も、このようなことは、利益の衝突(相反)になる可能性が起きるとは考えなかったということだ。国務長官に就任する時点で、ヒラリー・クリントンの大統領への野心は消え去っていなかった。彼女が再び大統領選挙に出馬する可能性は常に存在した。そして、今実際に出馬している。

 

ヒラリー選対とヒラリーの熱心な支持者たちのAP通信の記事に対する反論は次のようなものだ。「ヒラリーがこうした人々と面談したのは彼らにそれだけの正当な理由があったからだ。彼らがクリントン財団に献金をしていたかどうかは、ヒラリーが彼らに会うかもしくは電話で話すかを決定する上で影響を与えていない。彼らが献金していたというのは純粋に偶然の出来事である」。

 

反論をまとめると次のようになる。「私たちを信頼せよ。クリントン財団への献金は、ヒラリーの国務省での責務とは完全に別個野茂だということを信頼して欲しい。これを証明することは不可能だ。しかし、私たちを信頼せよ」。

 

ヒラリーが雇った弁護士たちが、これらは完全にプライヴェートだして私的なEメールサーヴァーから消去した3万通以上のEメールが出てきたときに、ヒラリー側は上記のような主張をしたのだ。ヒラリーが雇った弁護士たちはこれらのEメール全てを丹念に読んだわけでもなく、ジェイムズ・コミーFBI長官が消去されたEメールを復元したところ、業務関係のEメールが数千通出てきたと発表した。それでも私たちは、全ては正しく行われたというヒラリーの主張を信頼しなくてはいけないのだ。

 

(図1前の奴)

 

明白なこと。ヒラリー・クリントンが法律を破った、もしくは意図的に後ろ暗いことをやったということを示す証拠を私は持っていない。何一つ持っていない。しかし、読者の皆さん、ヒラリー選対が、クリントン財団と国務省は全く関係のない、別個の存在だと印象付けようとする試みに今回のAP通信の記事は暗い影を落とすことになる。

 

もし読者であるあなたがドナルド・トランプ、もしくは共和党幹部だったとして、ヒラリー・クリントンは常に「あっせん利得」モデルで物語をやってきているという考えを拡散しようとしているとすると、今回のAP通信の記事は望む物以上の素晴らしいプレゼントということになるだろう。トランプはこれまでにプレゼントに文句をつけ、うまく利用してこなかった。彼はまたプレゼントを無駄にするのだろうか?

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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