古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

2019年05月

 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙は状況がだいぶ落ち着いてきました。ジョー・バイデン前副大統領が大量リード、続くバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が何とか頑張って、3位以下はだいぶ引き離されて置いていかれている、という展開です。20名以上が立候補していますが、その多くが支持率1%、もしくは0%表示となっています。


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 2019年6月末から月1回のペースで実施されるテレビ中継が入っての公開討論会も候補者が多いために2夜連続となります。20名以上が同じ壇上に上がって1時間で討論するということは無理ですから、支持率上位と下位で登壇者を分けて討論会を実施することになるでしょう。選挙戦が進む中で撤退する候補者たちも出てくるでしょうから、来年には討論会に参加する候補者たちもだいぶ絞られていくと思います。


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 バイデンが優位のままで選挙戦は展開していくと思いますが、サンダースとサンダースを熱烈に支持する若い人たちからのバイデンに対する攻撃が激化するでしょう。2016年の大統領選挙ではヒラリー・クリントンがそのために最終的に本選挙で敗北するということが起きましたが、サンダースが2016年同様に「妨害者(spoiler)」となると、ドナルド・トランプ大統領が再選となる可能性が高まります。

 

 民主党としてはロシア疑惑でトランプ大統領を弾劾するという選択肢を持っていますが、連邦上院で共和党が過半数を握っており、アメリカ世論も大統領弾劾には否定的となっていますので、無理な弾劾手続きは弾劾の失敗だけでなく、民主党への逆風ともなります。ナンシー・ペロシ連邦下院議長(カリフォルニア州選出、民主党)は弾劾を口に出していますが、本気で考えているとは思えません。

 

 バイデンにとっては良い日々が続いていますが、これからどんどん厳しくなっていくでしょう。

 

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世論調査:民主党予備選挙でバイデンが18ポイントのリード、サンダースだけがもう一人の支持率2桁台の候補者(Poll: Biden has 18-point lead on Democratic field, Sanders only other contender in double digits

 

タル・アクセルロッド筆

2019年5月29日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/445896-poll-biden-has-18-point-lead-on-democratic-field-sanders-only-other

 

ジョー・バイデン前副大統領は最新の世論調査で2位に18ポイントの差をつけてリードを保っている。火曜日に発表された最新の世論調査の結果、多くの人物が立候補している米大統領民主党予備選挙における先頭走者の地位をさらに固めるものとなっている。
 

モーニング・コンサルト社の世論調査の結果では、バイデンは民主党の予備選挙に参加予定の有権者の38%の支持を獲得し、2位のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に大差をつけている。サンダースは20%の支持を集めている。


2019presidentialelectiondemoraticcanidates190526001


バイデンとサンダースだけが2桁の支持率を獲得している候補者だ。2人に続くのは、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)で支持率は9%、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ(民主党)とカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)はそれぞれ支持率が7%で、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の支持率は4%であった。

 

バイデン前副大統領の支持率は、モーニング・コンサルト社が早期に予備選挙が実施される州としているアイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州での世論調査の結果では42%にまで上昇している。一方、サンダースのこれらの各州での支持率は20%のままである。


2019presidentialelectiondemocraticcandidates190526002

 

バイデンとサンダースが多くの人々が立候補している民主党予備選挙においてトップ2の候補者たちとなっている。彼らの争いは、民主党内で長く続いている中道派と進歩主義派との争いが予備選挙でも続くことを示している。しかしながら、調査対象となった有権者たちに自分が一番に支持している候補者が党の候補者指名を得ることに失敗したら、2番目に支持する人は誰かという質問をしたところ、バイデンの支持者たちはサンダースを選び、サンダースの支持者たちはバイデンを選んだ。

 

バイデンとサンダースは、それぞれサンダース支持者とバイデン支持者の間で最も高い好感度を得ている。バイデンのサンダース支持者内での好感度は76%であり、サンダースのバイデン支持者内での好感度は74%であった。

 

今年4月に大統領選挙への正式な出馬表明を行ってから、バイデンの支持率は急上昇している。出馬表明以降の全ての世論調査で支持率トップを記録している。これはサンダースの支持率を奪ってのことだと見られている。

 

モーニング・コンサルト社の世論調査は在住している各州の民主党予備選挙や党員集会に参加予定の16368名の登録済の有権者を対象に2019年5月20日から26日にかけて実施された。誤差は1ポイントである。同時期にアイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州に住む626名の有権者に面接調査を実施した。この調査の誤差は4ポイントである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2019年6月30日に「副島隆彦の学問道場」主催の定例会(講演会)が開催されます。今回、私も第一部でお話をさせていただく機会をいただきました。アメリカ政治、特に2020年米大統領選挙民主党予備選挙と台頭しつつあるミレニアル世代の若い政治家たちのお話、民主党内部の争いなどについてお話をする予定です。

 

 急なご案内になって申し訳ございませんが、ご検討をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

 

*****

 

6/30(日)「学問道場」定例会

『「絶望の金融市場」

及び「国家分裂するアメリカ政治」発刊記念講演会』

 

講師:副島隆彦、

古村治彦、中田安彦

開催日時:2019630()

1215

会場:JR「田町」駅 建築会館ホール

 

・上記定例会のお申し込みは、コチラ↓

http://snsi-j.jp/kouen/kouen.html

 

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「1828」 2019年6月30日(日)開催の定例会のお知らせ。「全ての経済学を貫く「Y=M」の衝撃()『絶望の金融市場』及び『国家分裂するアメリカ政治』発刊記念講演会」2019年5月21日


副島隆彦の学問道場の須藤と申します。今日は2019521日です。

 

講演会のお知らせです。開催日は2019630日(日)になります。

皆様どうぞふるってご参加下さい。

 

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41回副島隆彦の学問道場定例会

「全ての経済学を貫く「Y=M」の衝撃()『絶望の金融市場』及び『国家分裂するアメリカ政治』発刊記念講演会」

 

・講師:副島隆彦先生、古村治彦研究員、中田安彦研究員

・開催日時:2019630日(日)1215分開場、13時開演

・会場:JR「田町」駅 日本建築学会 建築会館ホール

・会場住所:東京都港区芝5丁目26番20号

TEL03-3456-2051 FAX03-3456-2058

・地図:

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・会場までのアクセス:

JR「田町」駅,都営地下鉄「三田」駅(浅草線・三田線)

 

・当日の予定:

 

開場  12:15

開演  13:00

終了  17:00(予定)

 

※定例会出席のお申し込みはコチラ↓

http://snsi-j.jp/kouen/kouen.html

 

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副島隆彦先生の講演では、今回は最新刊『絶望の金融市場』で書かれた諸経済学を貫く根源的な発見「Y=M」という式、思想について。

 

この式がいかに重要か、これを理解すれば経済学の歴史の全体像を掴むうえでどれほど有用か、本では伝えきれなかった諸要素もあわせて、お話しされる予定です。どうぞご期待下さい。

 

また新刊『国家分裂するアメリカ政治 七転八倒』の分析を元にアメリカ政治とトランプ政治、また現在の米中貿易戦争の見通し等の最新情勢についてもお話します。

 

 

第一部の、古村治彦研究員と中田安彦研究員の講演では「今までの常識が通用しない、アメリカ政治と、注目すべき政治家たち」と題しまして、前半30分に古村研究員が単独で。後半30分程度に古村研究員と中田研究員の二人が講師をつとめます。

 

2020年アメリカ大統領選挙がすでに始まっています。多くの候補者が出ています。主に民主党予備選の有力候補者達について解説する予定です。日本の政治風土に慣れ親しんでいると想像もできないアメリカ政治の展開の激しさや明快さ、面白さについて、お伝えします。今話題のMMT(現代貨幣理論)についても、中田安彦研究員が解説します。

 

 

※定例会出席のお申し込みはコチラ↓

http://snsi-j.jp/kouen/kouen.html

 

須藤よしなお拝

 

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 古村治彦です。

 

 ジョー・バイデン前副大統領がアメリカ大統領選挙民主党予備選挙で独走状態と言えるほど、大きなリードをしています。現在の状況では2020年の米大統領選挙本選挙で民主党の候補者となる可能性が高まっています。病気やスキャンダルが明らかになればこの状況も変わってくるでしょうが、これは中々予測できません。

 

 バイデンは自分自身の出身州であるペンシルヴァニア州フィラデルフィアに大統領選挙対策本部を設置しました。そして、5月19日にフィラデルフィアで初めての大規模選挙集会を開催しました。翌日20日にはドナルド・トランプ大統領がペンシルヴァニア州を訪問し、選挙集会を開催しました。

 

 ペンシルヴァニア州が2020年の大統領選挙で重要な激戦州だとバイデン前副大統領とトランプ大統領共に考えていることが分かります。

 

アメリカ大統領選挙の本選挙は各州に配分された選挙人を取り合う仕組みです。例外もありますが一票でも上回った候補者が選挙人を総取りすることになります。選挙人の総数は538人ですから過半数は270人となります。2016年の大統領選挙では、トランプ大統領が304人、ヒラリー・クリントンが227人(残り7人は別の人)を獲得しました。

 

2016年の本選挙ではヒラリー優勢という予想が多く出ましたが、それは民主党優勢州と見られていたペンシルヴァニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州でヒラリーが何とか勝つだろうと見られていたからでした。しかし、結果は以下にある通り、得票率1ポイント差以内の激戦で、トランプがことごとく勝利したことで、304の選挙人を獲得し当選しました。この3つの州の選挙人数は合計で46人ですから、選挙人の合計の約8.5%を占めますので重要です。

 

■2016年の大統領選挙の結果の抜粋

 

●ペンシルヴァニア州(0.72%差):20人

・ドナルド・トランプ:2,970,733票(48.18%)

・ヒラリー・クリントン:2,926,441票(47.46%)

 

●ミシガン州(0.23%差):16人

・ドナルド・トランプ:2,279,543票(47.50%)

・ヒラリー・クリントン:2,268,839票(47.27%)

 

●ウィスコンシン州(0.77%差):10人

・ドナルド・トランプ:1,405,284(47.22)

・ヒラリー・クリントン:1,382,536(46.45)

 

 バイデンがフィラデルフィアに選挙本部を置いたのは、アメリカ建国時の首都であり、アメリカでは「古都」として位置づけられる場所で、「アメリカの価値」を前面に押し出して、対立と分裂を招いているトランプと対峙しようという姿勢を見せようという目的があるからです。そして、「打倒トランプ(beat Trumpnever Trump)」を旗印に選挙戦を展開しようとしています。

 

 これについては、「それでは2016年のヒラリー・クリントンの時と一緒だ」という批判が出ています。中西部のラストベルトの白人労働者の人々は、「民主党に投票してきた。彼らは良いことをたくさん言ってきたが、自分たちの生活は悪くなるばかりだ」と考え、トランプ大統領に投票したのです。アメリカの価値も重要かもしれないが、それよりも生活、経済のことが重要だと考えました。ですから、ヒラリー・クリントンに投票せず、トランプに投票しました。

 

 現在、ジョー・バイデンが支持率でトップを独走状態なのは、民主党支持者が、「彼はトランプを倒せる唯一の人物だ」「彼には本選挙で当選可能性(electability)がある(他の候補者には当選可能性はない)」と考えているからです。本選挙は共和党支持者や無党派の有権者にもアピールしなければなりません。ですから、「過激な社会主義者のサンダース、真面目なだけのエリザベス・ウォーレン、若造のブティジエッジでは、共和党支持や無党派の有権者にアピールできないのでトランプに勝てないので、やはり安定感と知名度があって民主党支持者以外にもアピールできるバイデンだ」ということになります。

 

 ですが、バイデンがヒラリーと変わらないことばかりを言い続けても、それでは2016年の時と変わりません。それでは何か経済で新奇なことをということになっても、公共投資や保護貿易といった民主党お得意の経済政策は既にトランプ大統領に取られてしまっています。その規模を云々するくらいしかできないとなると、「アメリカの価値」を訴えるということになります。その点で、民主党側はジレンマに陥っている、と言えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「バイデン候補が大統領選キャンペーンスタート 「結束」訴え」

 

By Osamu Fukuzaki

2019-05-19

Mashup New York

https://www.mashupreporter.com/biden-first-campaign-philadelphia/

 

2020年大統領選で民主党の指名獲得を目指すジョー・バイデン前副大統領は18日、フィラデルフィアで選挙集会をスタートした。

 

バイデン氏は冒頭、フィラデルフィアを最初の地に選んだことについて「我々の民主主義の誕生の地だからだ」と支持者に語りかけた。平等、生命、自由、幸福の追求の権利を「自明のこととする」と謳った独立宣言を引用し、これらがアメリカの平等や公正、公平の基礎となったと語った。

 

「結束」が中心テーマ

 

現在の政治状況を、党派的で、非生産的であると述べ、「判断について議論せずに、動機を問題にし、耳を傾けるかわりに、叫んでいる。解決を探さず、得点ばかりをもとめている。」と語った。

 

続けて「しかし、これでおしまいだ。この政治は我々を分断するからだ。…政治家は分断を売り物にしている。そして、我々の大統領は分断の最高指導者だ」と述べた。

 

また「民主党では”結束”について聞きたくないという声がある。彼らは、怒りが大きい候補者ほど指名を獲得できるといっている」と左傾化が進む党内の声について語り、「私はそれを信じていない。民主党はこの国を一つにしたいと思っている」と、党派を超えてコンセンサスを重視するスタイルを強調した。

 

先週ロイター通信は、バイデン氏が気候変動対策について、トランプ氏支持者と環境保護推進者の両方にアピールする「中道」政策を検討していると報じた。これに対し、バーニー・サンダース上院議員やワシントン州のジェイ・インスレー知事などの候補者や、オカジオ・コルテス下院議員から、気候変動に中道はありえないといった批判の声が上がっていた。

 

「アメリカ市民が大統領に、分断を増やし、拳を握って冷酷に国を導き、相手を悪者扱いしてヘイトを撒き散らすことを求めるならば、私は必要ない。」と語り、「私は、民主党と共和党、無所属を含む、この国に違った道筋を開くために出馬する」と述べた。

 

最重要政策は打倒トランプ

 

演説では、気候変動対策、投票権や女性の権利の保護、医療保障の拡大といった民主党の優先課題を共有している姿勢を示し、「政府をどのように機能させるか知っている。なぜなら成し遂げてきたからだ」と、上院議員と副大統領としての経験を強調した。一方、「私の気候変動対策で、第一に重要な政策を申し上げるならば、トランプを打ち負かすことだ」と語った。

 

17日にFOXニュースが発表した調査結果では、民主党支持者が候補者選びで最も重視する点として、トランプ大統領を倒せるかどうかが第一位となった。さらにすべての有権者を対象にした調査では、バイデン氏とトランプ大統領の戦いとなった場合、49%がバイデン氏(トランプ氏38%)を支持する結果となった。

 

演説では、オバマ前大統領についても度々触れた。トランプ大統領の最大のアピールポイントの一つである好調な経済環境について、前政権の成果を受け継いだと述べた。「トランプ大統領は、彼が人生で受け継いだものと同様に、オバマ-バイデン政権から経済を受け継いだ」と語ると、会場は大きな歓声に包まれた。

 

ニューヨークタイムズは昨年10月、トランプ氏が父親から、長年にわたって少なくとも4億ドル(440億円)を相続していたことを報じた。さらに同紙は今月、1985年から1994年の間、トランプ氏がビジネスで、1,000億ドル(11兆円)以上の損失をしていたと報じている。

 

=====

 

バイデンが2020年大統領選挙の選挙対策本部をフィラデルフィアに設置(Biden to base 2020 campaign in Philadelphia

 

タル・アクセルロッド筆

2019年5月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/443980-biden-to-base-2020-campaign-in-philadelphia

 

ジョー・バイデン前副大統領はフィラデルフィアに自身の選挙対策本部を設置することを決めた。フィラデルフィアはラストベルトの重要な州ペンシルヴァニア州内最大の都市である。ペンシルヴァニア州は本選挙当選に向けて重要である。

 

バイデンの選対責任者グレッグ・シュルツは声明の中で、「アメリカの民主政治体制の誕生の地に私たちの選対の本部を置くことを誇りに思っている」と述べている。

 

シュルツは「フィラデルフィアは繁栄し続けている都市であり、アメリカ精神を具現化している場所である。フィラデルフィアの一般市民の創意工夫と不屈の精神によってフィラデルフィアは建設された。フィラデルフィアの積み重ねられてきた歴史と多様性によって、ティーム・バイデンは鼓舞されることになるだろう。この国の魂のために戦い続けるためのまさに理想的な場所である。」

 

バイデンは土曜日に「同胞愛(brotherly love)」という名前の付いたフィラデルフィアで選挙集会を開催することになっている。

 

ペンシルヴァニア州はミシガン州とウィスコンシン州と同じく、2020年の大統領選挙で最も激しい戦いが展開される州となるだろう。これらの各州は長年にわたる民主党勝利の歴史を止め、2016年の選挙で勝利を収めた。

 

トランプ選対の上級顧問たちはペンシルヴァニア州でのトランプ大統領の再選の可能性について危惧を抱いているという報道が出た。2016年の選挙ではトランプ大統領は得票率で1ポイント以下の差で勝利を収めた。

 

バイデンは「要石の州(Keystone State、訳者註:ペンシルヴァニア州の別名)」の出身である。バイデンは白人の労働者階級の有権者たちの支持を取り戻そうとアピールに躍起になっている。白人の労働者階級の有権者たちは伝統的に民主党に投票してきたが、2016年の大統領選挙では民主党の候補者ヒラリー・クリントンではなくトランプ大統領を支持した。バイデンは今回の大統領選挙で自分がペンシルヴァニア州スクラントン出身であることをアピールし、アメリカのブルーカラーの労働者たちの苦境について理解があることを示そうとしている。

 

バイデン前副大統領は多くの候補者が立候補している予備選挙で先頭を走っている。先月に正式な出馬表明を行って以降、全国規模の世論調査で全て支持率トップを記録している。また、数百万ドル規模で選挙資金の寄付を受けている。

 

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2020年の大統領選挙での警報が鳴り、トランプ選対幹部がペンシルヴァニアを訪問(Trump camp descends on Pennsylvania as alarms grow over 2020

―トランプ選対はペンシルヴァニア州共和党の

The president’s team is set to meet with a state Republican Party riven by dissension.

 

アレックス・アイゼンスタッド、ホーリー・オッターバイン筆

2019年4月24日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/story/2019/04/24/trump-pennsylvania-2020-1288797

 

2020年の米大統領選挙のトランプ陣営の上級アドヴァイザーたちは水曜日、ペンシルヴァニア州共和党の幹部たちと会談を持つためにハリスバーグに向かう。彼らは大統領選挙の結果を左右する激戦州でのトランプ大統領の勝利の見込みについて懸念を募らせながら当地に向かう。

 

トランプ選対は、2018年の中間選挙で共和党が大敗を喫したペンシルヴァニア州で挽回しようとして動いている。ペンシルヴァニア州共和党内部は対立や内部闘争などで分裂状態になっている。

 

6名の共和党幹部が会談実施は事実だと認めた。この会談はペンシルヴァニア州が大統領にとって重要な州であることを強調するためのものだ。2016年の大統領選挙で、トランプ大統領はペンシルヴァニア州において得票率1ポイント差以下で辛勝した。選対の幹部たちはペンシルヴァニア州に配分されている20名の選挙人が再選にとって極めて重要であると考えている。ペンシルヴァニア州は象徴的な面でも重要性を持っている。2016年、トランプ大統領はペンシルヴァニア州のブルーカラー労働者たちに向けた選挙運動を積極的に展開した。彼らの多くは伝統的に民主党に投票してきた人々だった。

 

ペンシルヴァニア州を訪問するトランプ選対の幹部には、選対の全国各地の人員の配置や資金の投入を決める部門の責任者クリス・カー、共和党予備選挙の代議員と各州の党組織との連絡と協力を担当するビル・ステピエンとジャスティン・クラークが含まれると見られている。共和党全国委員会の幹部たちも同行すると見られている。

 

今回の訪問は、各激戦州訪問の第一弾となる。最初の訪問地がペンシルヴァニア州になったことについて、選対幹部たちは、この州の重要性があることと再選の可能性について懸念が高いことを理由として挙げている。

 

ペンシルヴァニア州共和党委員長を務めたロブ・グリーソンは「党の現状は素晴らしいものではありません。このことは誰の目にも明らかなことです」と述べている。

 

会談では、人員や資金の投入、有権者に関するデータ、ペンシルヴァニア州共和党と全国委員会と選対の協力が中心議題になると見られている。

 

ペンシルヴァニア州共和党側から出席するのは、党委員長のヴァル・ディジオルジョと共和党全国委員会員ボブ・アッシャーと見られている。2016年にペンシルヴァニア州でのトランプ勝利に貢献したテッド・クリスティアンとデイヴィッド・アーバンも出席すると見られている。また、2018年の中間選挙で連邦上院議員選挙に敗北した、トランプ大統領の盟友ルー・バーレッタもと連邦下院議員も出席すると見られている。

 

大統領選挙トランプ選対の報道担当ティム・マーターは会談についてのコメントを拒絶したが、トランプ大統領がペンシルヴァニア州で勝利する見通しに自信を示した。

 

マーターは「2016年の大統領選挙でペンシルヴァニア州の有権者の皆さんはトランプ大統領につきました。2020年でも再び大統領の側に立つでしょう」と述べた。

 

トランプ選対はここ数か月ペンシルヴァニア州に力を注いできた。2019年1月、ディジオルジョはワシントンを訪問し、トランプ選対の幹部たちと再選について非公式に話し合った。ディジオルジョはその場で2020年の本選挙に関する見通しと計画を発表した。ヴォランティアの募集、2018年に共和党から離れた有権者たちへの広報活動、現在低調な資金集めを転換することについて詳細を報告した。

 

ディジオルジョは、ペンシルヴァニア州共和党はトランプ選対と緊密に協力し、それによって来年の選挙で「もう一回勝利」ができるであろうと述べたと言われている。

 

ペンシルヴァニア州共和党にとって悪いニュースが数か月続いた。その後に水曜の会談が開催された。2018年3月、保守的な土地柄で知られるペンシルヴァニア州南西部地区で実施された補欠選挙で共和党の候補者が落選した。2018年11月の中間選挙では、連邦上院議員選挙、州知事選挙において得票率で2桁の差をつけられて惨敗となった。また、連邦下院議員選挙でも3つの選挙区で敗北を喫した。これは選挙区が民主党に有利なように改正されたことが一因であった。

 

それ以降もマイナスな出来事が続いた。2019年4月に実施された州上院議員の補欠選挙で2016年にトランプ大統領が勝利した選挙区で民主党が勝利を収めた。全国レヴェルで、2019年に入って民主党が共和党から議席を奪還したのはこれが初めてのこととなった。共和党員の中からペンシルヴァニア州共和党は有権者にアピールし投票してもらうために十分な資金と人的資源を投入していないという不満の声が上がるようになっている。

 

ペンシルヴァニア州共和党内部の権力闘争によって執行部は大きなダメージを受けた。共和党員の中には委員長のディジオルジョには資金集めの能力がなく、2017年に実施された州共和党委員長選挙で分裂した党をうまくまとめることが出来なかったと批判している人々もいる。

 

その他にも失敗があった。先週、フォックスニュースのタウンホールミーティング形式に番組に民主党の候補者バーニー・サンダースが出席した。この番組はペンシルヴァニア州ノーザンプトンで収録され生中継された。この町は伝統的に民主党優勢の土地柄であったが2016年の選挙ではトランプ大統領が勝利した。ゴールデンタイムに放送されたこの番組は、トランプ王国で人々から喝さいを浴びるサンダース、という構図を視聴者に見せることになった。共和党支持の視聴者たちは、共和党の活動家たちがトランプ大統領の支持者をこのイヴェントに出席させてサンダースにブーイングをさせることを怠ったのではないかと疑念を持つほどであった。

 

しかし、ペンシルヴァニア州共和党の状況が安定し始めていることを示す兆候も出てきている。今年の冬の総会でディジオルジョ委員長に対する不信任決議がなされるという噂が数カ月に渡り流れたが、実際には決議はなかった。

 

ペンシルヴァニア州西部を代表している州共和党委員会委員ブルース・ホットルは総会前には州共和党執行部については「よく検討される」べきという立場を取っていた。しかし、現在までに彼は考えを変えている。

 

ブルースは「州共和党執行部は昨年秋の選挙で何がうまくいかず、何がうまくいったかについて検討を行い、改善すべき点を何とかしようと努力しています。ですから、私たちは同じ罠に再びはまってしまうことはないでしょう」と述べた。

 

州共和党の関係者の中にはペンシルヴァニア州で党が直面している問題は自分たちで何とか出来るレヴェルを越えていると見ている人たちもいる。フランクリン・アンド・マーシャル大学が先月発表したペンシルヴェニア州で実施した世論調査の結果では、登録済有権者の中でトランプ大統領の仕事ぶりを肯定的に評価する人たちは34%に留まった。これは現職大統領としては危険な水準である。

 

2020年の大統領選挙でペンシルヴァニア州において再び勝利するために、共和党幹部たちはトランプ大統領に対して、2016年の大統領選挙の際のパフォーマンスを再現する必要があると助言した。伝統的に民主党が優勢な州で2012年の選挙でもオバマ大統領(当時)が勝利した州で再び勝つためには2016年を再現しなければならない。To win

 

ペンシルヴァニア州共和党の幹部を長年務め、資金集め担当者であるアッシャーはトランプの再選に向けた選挙運動について手放しの賛辞を送っている。彼は水曜日の会談の際に「選対はペンシルヴァニア州の隅々に至る全ての人々、共和党関係者全てに参加してもらえている」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 以前、このブログでもご紹介しましたが、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、大統領選挙民主党予備選挙で支持率トップを快調に走っているジョー・バイデン前副大統領について「ワクワク感がない」と切って捨てる発言をしたことをご紹介しました。

 

 今回は、AOCがサンダース支持、バイデン批判を行ったという記事をご紹介します。AOCが連邦議会にエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)と共同でグリーン・ニューディール法案を提出し、連邦下院では可決されましたが、連邦上院では討論に付される前に採決が行われ、否決されました。グリーン・ニューディールは、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換、炭素排出量をゼロにする、そのために政府主導の大型インフラ整備を行う、その中で雇用保障プログラムを組み込むというものです。日本でも2009年頃に環境省で、「日本版グリーンニューディール」として議論が行われたということです。

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 このグリーン・ニューディールを推進しようという集会がワシントンにあるハワード大学で開催され、AOCとバーニー・サンダースが別々に登壇しました。AOCは演説を行い、その中で、「これまで何もしてこなかった政治家たちに期待できない、そんな人が中道的な、中途半端な政策を主張しながら帰ってこようとしている、」という発言を行いました。

 
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 これは名指しはしていませんが、バイデンを標的としたものです。これに対して、バイデンは自分のこれまでの行動をよく見て欲しいと反応しました。

 

 バイデンは連邦上院議員を長く務めましたが、批判を受けそうな行動としては、イラク戦争開戦に賛成したというものがあります。サンダースやAOCはこれからその点を批判するでしょう。

 

 しかし、バイデンの支持率は堅調で、平均で40%に迫る勢いで、二番手のサンダースは20%を維持するのが精一杯、その他の候補者たちは二桁の支持率にと届かないという状況です。3番手にはエリザベス・ウォーレンが上がってきています。ウォーレンは政策提言のペーパーをどんどん発表し、ペーパーの質と量では一番だという評価を受けていますが(ハーヴァード大学法科大学院教授でしたからペーパーは得意でしょう)、他のパフォーマンスが良くないという状況です。

 

 カマラ・ハリスは私の見るところ、バイデンとの関係を深め、副大統領両候補狙いではないかと思います。ハリスはメリーランド州ボルティモア(ワシントンから拘束を使って車で1時間くらい)に選対本部を置いています。アムトラックというアメリカの鉄道を使って移動しているのですが、連邦上院議員時代にアムトラックで通勤したバイデンとアムトラックで遭遇して仲良く話すという様子を以前に撮影されて(させて)いました。バイデンとしても女性を副大統領候補として戦うのは悪くない選択肢になると思いますし、ハリスがリベラル派であるので、そこにもウイングを広げることが出来ると考えているでしょう。しかし、今のところはバイデンもハリスも有力候補なのですから、ハリスが下りるということはないでしょう。

 

 ブティジェッジは頭打ちという状況です。非白人への浸透がうまくいっていないことと知名度の低さという弱点が見えてきました。しかし、そこまで悲観的ではないでしょう。今回、全国規模の政治にうまくデビューでき、将来もある身ですから、まずは選挙を頑張って、どの方向に進むかを決め、そして最終的にアメリカ大統領の座を狙うということになるでしょう。若さは特権であると改めて思います。

 

 サンダースは頼みの若い有権者層での支持率が下がっていることがあきらかになりました。下がっているといっても、バイデンにはまだ一定のリードを保っていますが。サンダース躍進のエンジンとなったのは若い人たちですから、この人たちのあ台での支持率が下がるということは勢いを失うということになります。


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 AOCはまだ正式にサンダースへの支援を表明していません。サンダースとウォーレンを支持するという発言はしています。サンダースにしてみれば、AOCの支援はとっておきの最終兵器で、これを早めに使うと残りの切り札が亡くなってしまうことになるので使いたくないでしょう。何とか自分の力で勢いを取り戻したいところでしょうが、実態は既にAOCがバイデンを攻撃していることで、AOCの支援を受けているということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

バイデンとの戦いで、サンダースはオカシオ=コルテスの支援を受けている(Sanders gets assist from Ocasio-Cortez against Biden

 

エイミー・パーネス筆

2019年5月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/443717-sanders-gets-assist-from-ocasio-cortez-against-biden

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は、アメリカ大統領選挙民主党予備選挙において、ジョー・バイデン前副大統領に対抗するための「新兵器」としてアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(ニューヨーク州選出、民主党)を利用している。

 

月曜日夜、サンダースはオカシオ=コルテスと一緒にワシントンにあるハワード大学を訪問した。オカシオ=コルテスが2018年の民主党予備選挙で当時の現職連邦下院議員ジョセフ・クローリーに挑戦する際に、勢いをつけたのがサンダースであった。

 

オカシオ=コルテスは正式にはサンダース支援を表明していない。しかし、オカシオ=コルテスは民主党予備選挙で支持率トップを続けているバイデンを攻撃することで、サンダースの恩に報いている。バイデンは3週間前に正式に大統領選挙に出馬して以降、各世論調査での支持率の数字を上げている。サンダースにとって新たな高い壁となっている。

 

月曜日夜、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは気候変動に関する「中道的な(middle-of-the-road)」計画を批判したが、これはバイデンを標的にした攻撃であることは明白であった。バイデンの中道主義をサンダースのよりリベラルな政策と比べて際立たせようというものであった。

 

オカシオ=コルテスはハワード大学で開催されたグリーン・ニューディール計画の実施を訴える集会に出席し演説を行った。彼女は次のように演説を始めた。「私は驚いた。数十年にわたり行動することを拒絶してきた政治家が今になって帰ってこようとしている。そして、私たちの命を守るために中道的なアプローチを採用しなくてはならないなどと述べている」。

 

火曜日、バイデンは反撃を行い、オカシオ=コルテスに対して、「私のこれまでの行動に関する記録を見ろ」と述べた。

 

ニューハンプシャー州で選挙運動を行っている途中、バイデンは記者団に対して次のように語った。「私が中道的なことを述べたことなど聞いたことはないはずだ。環境問題について中道的な態度を取ったことはない。彼女に私の発言をチェックし、私の行動記録を見るように伝えて欲しい」。

 

オカシオ=コルテスは、正式な支援を表明している訳ではないが、77歳になるサンダースの有力な代理人となっている。

 

サンダースとアレクサンドリア・オカシオ=コルテスは共に民主社会主義者であり、若い有権者たちの間で人気が高い。若い有権者層の支持ではサンダースはバイデンを凌駕している。

 

オカシオ=コルテスは若い有権者の間でのサンダースの支持を高める力を持っている。そして、バイデンに追いつくために他の候補者たちと戦っているサンダースに人々とメディアの関心を集めさせることもできる。

 

サンダースの側近のある人物は「アレクサンドリアはより多くの支持者に主張を届けるための手助けとなる。彼女が話せば、皆が耳を傾ける」と述べた。

 

オカシオ=コルテスがサンダースを支援するかどうかは明確ではない。彼女はエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)に好意を持っていることを示唆している。

 

先月、オカシオ=コルテスはポッドキャストで「ヤフー」の取材に対して次のように述べた。「私はバーニーを心から支持している。また、エリザベス・ウォーレンが提案している内容を見てとても印象深いとも思う」。

 

民主党系のストラティジストたちは、オカシオ=コルテスの支持がどの候補者にとっても助けになると述べている。

 

民主党系のストラティジストであるアダム・パークホメンコは次のように語っている。「選挙に出ている人なら誰でも彼女の支持を欲しいはずだ。彼女は民主党のリーダーの一人であり、闘士でもある。彼女の支援を受けられることになれば、多くの候補者にとって、ゲームの状況を一変させることになる」。

 

最近になって、サンダースはバイデンに対してかけるプレッシャーを高めている。サンダースはバイデンが進歩主義的ではないことをハッキリさせようとして政策面でバイデンを批判している。

 

サンダースの側近は「バイデンは進歩主義的ではない、という点を明確にすることがバー

 

この人物は続けて次のように述べた。「バーニーは、バイデンが自身でそう主張しているように進歩主義的ではないということを明らかにし続けることに賭けている。バーニーもバイデンも長年にわたり連邦議会議員を務め、その時の記録が残っている。両社の採決の投票行動の結果は対照的な違いがある」。

 

バイデンが支持率を上げている中で、オカシオ=コルテスと一緒にイヴェントに出席することで勢いをつけようと考えている。

 

民主党系のストラティジストであるジム・マンリーは「サンダースは、オカシオ=コルテスがもたらしている政治状況を何とか利用しようとしている」と述べた。

 

月曜日、CNNの記者がオカシオ=コルテスの発言が民主党予備選挙にいかに重要であるかという質問をサンダースに対して行った。サンダースは「彼女は新しいグリーン・ニューディールに関わる気候変動の問題について大変に活発に活動しています」と答えた。

 

しかし、記者がサンダースに対してオカシオ=コルテスの支援を求める考えはあるかと質問した時に、インタヴューを打ち切ってしまった。

 

サンダースは記者に対して、「私たちは地球を救うことについて話しているのに、あなたは政治の話をしようとしていますね」と述べてインタヴューを打ち切った。

 

=====

 

世論調査:若い有権者の間でのサンダース支持が急激に下がっている(Poll: Sanders support among young voters drops sharply

 

ジョナサン・イーズリー筆

2019年5月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/443547-poll-sanders-support-among-young-voters-drops-sharply

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の若い有権者の間での支持率が急落していることが最新の世論調査の結果で明らかとなった。若い有権者の支持によってサンダースは民主党内で台頭してきたという背景がある。


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モーニング・コンサルト社の世論調査の結果によると、18歳から29歳までの有権者の間でのサンダースの支持率が3月には45%だったものが5月には33%に下落していることが分かった。

 

2016年、サンダースは最も若い年齢層からの支持を受け、民主党予備選挙でヒラリー・クリントンに挑戦した。しかし、今年2月の支持率46%を記録して以降、数字は下がり続けている。

 

ジョー・バイデン前副大統領は民主党予備選挙において他の候補者たちに大きなリードを保っている。バイデンの支持率は39%で、それに続くのがサンダースの19%、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出)とカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出)の8%、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジの6%、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)となっている。

 

若い有権者たちの間でのバイデンの支持率は、先月の調査では20%だったが、最新の世論調査では24%に上がっている。ウォーレンの支持率も上昇傾向にあり、こうしたことがサンダースの支持率の下落に結びついた。

 

バイデンは若者層以外の全ての年齢別グループにおいて支持率でトップを記録している。年齢層が高くなるほど、バイデンと他の候補者たちとの差は大きくなっている。

 

30歳から44歳のグループにおいては、バイデンはサンダースに7ポイントの差をつけている。45歳から54歳のグループでは23ポイント、55歳から64歳のグループでは31ポイント、65歳以上のグループでは54ポイントの差をつけている。

 

モーニング・コンサルト社のインターネットを利用した世論調査は2019年5月6日から12日まで民主党予備選挙に参加予定の15342名の有権者を対象に実施された。誤差は1ポイントである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジの台頭も頭打ちという状況になってきました。ジョー・バイデン前副大統領の正式立候補表明以降、数字が下降気味になっています。ジョー・バイデンが2位のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に大差をつけて独走状態になっています。

 

 ブティジェッジの弱点は知名度の低さと非白人、特にアフリカ系アメリカ人層の支持が壊滅的に低いことです。全国レヴェルの政治で活躍するためには、この部分を改善しなければなりません。そのためにアル・シャープトン師を訪問し、辞を低くして教えを乞うというパフォーマンスを行いましたが、一朝一夕にはうまくいかないでしょう。


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 ブティジェッジはアフリカ系アメリカ人の組織「ブラック・ライヴス・マター」にかけて、「オール・ライヴス・マター」という言葉を使いました。「全ての生命が重要なんだ」という意味ですが、この言葉はドナルド・トランプ大統領が使ったことで、評判が良くありません。それを使ってしまったことで、ブティジェッジのアフリカ系アメリカの間での評判は芳しくないものとなりました。

 

 また、ブティジェッジが市長を務めるサウスベンド市で史上初めて任命されたアフリカ系アメリカ人の警察本部長の解任も問題になっています。この本部長が警察署内に盗聴器を仕掛け、白人などの警察官たちがこの本部長に対する人種差別的な発言を録音しました。この件について、ブティジェッジはこの警察本部長を連邦盗聴法違反で解任しました。そして、録音データの公開を拒否しました。

 

 ブティジェッジの言い分は、警察本部長が法的な手続きを踏まずに録音をしたことは連邦盗聴法に違反する行為であり、その録音データは違法に録音されたもので公開はできないというものです。彼の決定に対しては反対派が裁判を起こし、現在も継続中です。

 

 またアフリカ系アメリカ人共同体には同性愛嫌悪が強く(このことはアル・シャープトン師もブティジェッジとの会見の中で認めています)、そのことがアフリカ系アメリカ人の間でブティジェッジ支持が拡大しない一つの理由となっています。

 

 早期に予備選挙が実施される州の中で、サウスカロライナ州はアメリカ南部に属し、アフリカ系アメリカ人の有権者が過半数を占める州です。予備選挙を戦い続ける上で、初期段階での手痛い敗退は致命傷ともなりかねません。ですから、ブティジェッジとしてはサウスカロライナ州で勝てないにしても無様な結果にならないようにしなければならないということになります。

 

 ブティジェッジには将来もありますが、この致命的な弱点を克服しなければならないでしょう。そのためには、アフリカ系アメリカ人からは絶大な支持を受けているバラク・オバマ前大統領とジョー・バイデン前副大統領の後継者であるというイメージ作りが必要ではないかと思います。今回の選挙ではバイデンと戦っている訳ですが、本気でやり合うのではなく、次を見越しておくということが必要だと思います。

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(貼り付けはじめ)

 

世論調査:サウスカロライナ州のアフリカ系アメリカ人有権者の間でブティジェッジの支持率はゼロ%(Poll: Buttigieg has 0 percent support among South Carolina black voters

 

ザック・バドリック筆

2019年5月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/443435-poll-buttigieg-has-zero-percent-support-among-south-carolina-black-voters

 

サウスカロライナ州の最新の世論調査の結果、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ(民主党)は予備選挙に参加予定のアフリカ系アメリカ人有権者の支持率がゼロ%だったことが分かった。早期に予備選挙が実施されるサウスカロライナ州において、アフリカ系アメリカ人有権者は民主党にとって重要なグループである。


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『ワシントン・ポスト』紙と『クーリエ』誌の共同世論調査では、ジョー・バイデン前副大統領はアフリカ系アメリカ人有権者の間で、58%の支持を集め圧倒的なリードを保っている。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属は)15%、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は12%の支持率であった。前回のジョージア州知事選挙に出馬したステイシー・エイブラムスはアフリカ系アメリカ人有権者の間で2%の支持率を獲得し、ブティジェッジを上回った。エイブラムスは大統領選挙に出馬していない。アフリカ系アメリカ人有権者はサウスカロライナ州全体の民主党支持の有権者の61%を構成する。


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ブティジェッジは多くが立候補している民主党予備選挙で急速に支持率を上げている。しかし、最近になって、サウスベンド市警察本部のアフリカ系アメリカ人の本部長解任や「オール・ライヴス・マター」という言葉を使ったことが掘り返されている。活動家たちは、ブティジェッジの使った言葉はアフリカ系アメリカ人たちが直面してきた困難を最小化するものだと批判している。

 

ブティジェッジはサウスカロライナ州の白人有権者の間では一定の支持率を獲得している。白人有権者の間ではブティジェッジの支持率は18%でバイデンの支持率は38%となっている。有権者全体での支持率では、ブティジェッジは8%で第4位となっている。バイデンはサウスカロライナ州で大差をつけてリードしている。バイデンの支持率は46%、サンダースの支持率は15%、ハリスの支持率は10%となっている。バイデンは多くの世論調査でトップの支持率を獲得してきているが、2019年4月25日の正式な出馬表明以降、支持率を上昇させている。ワシントン・ポスト紙によると、世論調査専門家たちは、正式出馬表明を行って以降の支持率の伸び率ではサウスカロライナ州が最も大きいと指摘している、ということだ。

 

ワシントン・ポスト紙とクーリエ誌の取材に対して、サウスカロライナ州オレンジバーグ郡民主党委員長ケネス・グローヴァーは、「バイデンはサウスカロライナ州では常に人気が高く、人々との関係も良好だ。従って、彼が正式に出馬表明をしたことで、人々は喜んでいる」と述べた。

 

今回の世論調査は2019年5月6日から9日にかけて民主党予備選挙参加予定の595名を対象に実施された。誤差は4ポイントだ。

 

=====

 

世論調査:2020年大統領選挙民主党予備選挙においてサウスカロライナ州でバイデンが31ポイントの差をつけてリード(Poll: Biden leads 2020 Democratic field by 31 points in South Carolina

 

ジャスティン・ワイズ筆

2019年5月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/443290-biden-leads-2020-democratic-field-by-31-points-in-south-carolina

 

『ワシントン・ポスト』紙・『クーリエ』誌・チェンジ研究所の共同世論調査によると、ジョー・バイデン前副大統領は、予備選挙において重要な州において他の候補者たちに対して大きなリードをつけている。

 

日曜日に発表された世論調査の結果では、サウスカロライナ州の民主党支持の有権者の46%がバイデンを支持すると答えた。サウスカロライナ州は全米で3番目に早く予備選挙が実施される。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は引き離されており、15%の支持率で会った。

 

サウスカロライナ州の予備選挙への参加予定の有権者の10%はカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)を支持すると答えた。

 

ワシントン・ポスト紙・クーリエ誌共同世論調査では、2月以降、サウスカロライナ州においてハリスとサンダースの支持率は一定している。一方、バイデンは4月末に正式な出馬表明を行って以降、支持率を急上昇させている。

 

ワシントン・ポスト紙とクーリエ誌の取材に対して、サウスカロライナ州オレンジバーグ郡民主党委員長ケネス・グローヴァーは、「バイデンはサウスカロライナ州では常に人気が高く、人々との関係も良好だ。従って、彼が正式に出馬表明をしたことで、人々は喜んでいる」と述べた。

 

インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジとエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)はそれぞれ8%の支持率を得た。コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)の支持率は4%、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の支持率は2%だった。

 

ワシントン・ポスト紙は、オロークへの支持率が先月に比べて7ポイント下落していると報じた。

 

各種世論調査は、2020年米大統領選挙民主党予備選挙に出馬している候補者たちの中で、バイデンとサンダースが支持を集めている。そして、最近の各種世論調査の結果では、バイデンがサンダースを大差でリードしている。

 

先週発表されたモーニング・コンサルト社の世論調査の結果では、バイデンは全国規模で21ポイントの差をつけてサンダースをリードしている。

 

ワシントン・ポスト紙・クーリエ誌・チェンジ研究所の共同世論調査は2019年5月6日から9日にかけて、サウスカロライナ州在住の民主党予備選挙参加予定の有権者595名を対象に実施された。誤差は4ポイントだ。

 

=====

 

世論調査:地元州でブティジェッジが3位につける(Poll: Buttigieg in third place in his home state

 

オウェン・ドアティ筆

2019年5月9日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/442941-poll-buttigieg-in-third-place-in-his-home-state

 

最新の世論調査の結果、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ(民主党)は自身の地元州で他の2人の大統領選挙民主党予備選挙候補者を激しく追っていることが明らかになった。


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「ウィ・アスク・アメリカ」がインターネットを通じてインディアナ州の民主党支持の有権者を対象に実施した世論調査の結果によると、ジョー・バイデン前副大統領が支持率33%でトップとなった。バイデンに続くのがバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)で支持率23%、ブティジェッジは支持率20%となった。


presidentialelectioncandidates20190509002

 

その他の候補者たちはかなり離されており、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)の支持率は3%だった。

presidentialelectioncandidates20190509003

 

最近になって国政レヴェルに出現したスター、ブティジェッジの好感度は調査対象の有権者の中では35%で、40%は何の意見もないと答えた。

presidentialelectioncandidates20190509004

 

37歳の同性愛を公表しているブティジェッジは最近の全国レヴェルと各州での各種世論調査で支持率を上げてきている。『タイム』誌の表紙を配偶者のチャステン・ブティジェッジと共に飾った。

 

ウィ・アスク・アメリカのインターネット世論調査は2019年4月29日から5月5日にかけてインディアナ州在住の登録済有権者800名を対象に実施された。誤差は3.5ポイントだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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