古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

2019年08月

 古村治彦です。

 

 先日、バイデンの支持率が急落という記事をご紹介しました。しかし、別の世論調査では支持率を微増させてトップを独走という結果が出ました。今回のモーニング・コンサルト社の世論調査は、前回のマンモス大学の世論調査とは異なり、サンプル数17300名以上、誤差1%ということで信頼性の高いものです。

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 今回の世論調査の結果では、ジョー・バイデンの支持率が33%、バーニー・サンダースの支持率が20%、エリザベス・ウォーレンの支持率が15%という結果でした。4位のカマラ・ハリスが8%、5位のピート・ブティジェッジが5%でこの両者は支持率をじりじりと下げています。


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 トップ5を見てみると、ウォーレン以外の4名は支持率を下げています。ウォーレンは一時期支持率を下げていましたが、ここ最近の支持率上昇は堅調です。バイデンは今年5月には支持率40%を記録しましたが、現在は30%ぎりぎりというところです。サンダースも20%台後半を記録したこともありましたが、現在は20%ぎりぎりといったところです。

 

 9月から予備選挙が本格化していき、支持率が低い候補者たちは振り落とされ、撤退していくことになります。9月12日と13日に実施される討論会は参加条件が一気に厳しくなるので、参加者は減ります。(1)6月28日から8月28日までの全国規模の世論調査で、2%以上の支持率を4度以上記録する、そして(2)13万人以上、もしくは全米20州以上で各州400名以上の政治献金者を記録する、この(1)(2)両方の条件を満たすことが出来ているのは10名です。

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討論会に参加できなければ、「この人には先がない」と見られて、支持も政治献金も集まりません。支持が集まらなければ選対の士気は上がりませんし、お金が集まらなければ選挙運動をすることもできません。8月28日にはカーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)が選挙からの撤退を表明しました。最新の世論調査について見てみましたが、討論会参加資格ぎりぎりの候補者たちは参加資格を得られなかったようです。

 

 前回、バイデンに対する批判が高まっているという記事をご紹介しましたが、これから予備選挙が本格化していく中で、バイデンに対する集中砲火がますます激しくなるでしょう。バイデンがそれに耐えながら、支持率トップをキープできるのかどうか、注目されます。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:バイデンは2020年の大統領選挙民主党予備選挙で支持率を伸ばしてトップを維持(Biden edges higher atop field of 2020 Democrats: poll

 

ジェシカ・キャンピシ筆

2019年8月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/458919-biden-edges-higher-atop-field-of-2020-democrats-poll

 

最新の世論調査の結果、ジョー・バイデン前副大統領は大統領選挙民主党予備選挙でトップを確保し、前回に比べて支持率を2ポイント上昇させた。

 

モーニング・コンサルト社の最新の世論調査の結果によると、全米の民主党予備選挙参加予定の有権者の間でのバイデンの支持率は33%でトップとなり、2位の候補バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に13ポイント差をつけている。

 

トップ5に入っているのは、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)で支持率15%、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)で8%、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジで5%であった。

 

アイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州の4つの早期に予備選挙が実施される州に住む有権者に限っても、バイデンはサンダースに16ポイント差をつけてトップにつけている。サンダースに続くのは、ウォーレン、ハリス、そして、大富豪のトム・スティヤーとなっている。

 

月曜日にマンモス大学の世論調査の結果が発表され、バイデンの支持率が20%にまで下落していたことから、「バイデンには当選可能性がある」という主張に陰りが見え始めているという声が上がっていた。マンモス大学の世論調査では、6月に比べてバイデンの支持率が二桁の下落を記録し、サンダースとウォーレンと共に三つ巴の接戦になっているという結果が出た。そうした中で、今回のモーニング・コンサルト社による世論調査の結果が発表された。

 

民主党の中には、マンモス大学の世論調査の結果を受けて、バイデンは民主党の指名候補にはふさわしくない、そして、2020年の本選挙でトランプを倒すための最善の候補者ではないという声が上がっている。「トランプ大統領を倒せるかどうか」が指名候補を選ぶ際の最重要のポイントである。

 

モーニング・コンサルト社による世論調査は2019年8月19日から25日にかけて17300名以上の有権者を対象に実施された。誤差は1ポイントである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 最新の世論調査でジョー・バイデンの支持率が急落していることが明らかになったそうです。マンモス大学が定期的に実施している世論調査で、6月の32%に比べて2桁の下落で、19%にまでなったということです。バーニー・サンダースとエリザベス・ウォーレンの支持率は20%ということでそれぞれ支持率を増加させて、三つ巴の戦いということになっているということです。


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上段左から:バイデン、サンダース、ハリス
下段左から:ウォーレン、ブティジェッジ、ブッカー

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 マンモス大学の世論調査についてですが、全米規模の世論調査なのですが、調査対象者数が298名ということで、これはサンプル数としては少なすぎます。その結果として、誤差がプラスマイナス5ポイントということで、信ぴょう性の高い世論調査ではありません。


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 昔、フジテレビで放送されていた「トリビアの泉」という番組がありました。何か調査をする際に、統計の専門家として大阪商業大学の谷岡一郎学長が出演していましたが、決まって、「日本全体での調査を行う場合には2000名に調査すると良いでしょう」と発言していました。日本の3倍以上の人口がいるアメリカに当てはめると、6000名以上のサンプル数が必要ということになります。

 

バイデン陣営は今回の世論調査の結果は「例外的な外れ値」と批判しています。また、サンプル数が少なすぎるとも主張しています。私もバイデン陣営の主張が正しいと思います。

 

 しかし、今回のマンモス大学の最新の世論調査の結果を受けて、バイデンの「当選可能性(electability)」に陰りが出ているという記事が出ました。民主党予備選挙では、これまでバイデンが他の候補者たちを大きく引き離してトップを保ってきました。それは知名度に加えて、「リベラルすぎる他の候補者たちに比べて中道であり、共和党支持者の一部や無党派層の支持を得やすいので、トランプ大統領を倒して当選できるだろう」という考えがあり、それで民主党支持者の間で支持率が高い、ということになっていました。

 

 しかし、その理由だけではダメだ、他にバイデンに支持が集まるための理由が必要だ、という主張が出て来ています。バイデン自身はこれまでの2度の討論会では良いところを見せられていませんし、いくつか失言があり、支持率が上がる状況ではありません。これからますます批判にさらされることになると、厳しい状態が続くことになることは事実です。

 

 しかし、バイデンの支持率が10ポイント以上も下がるということもまた考えづらいことです。そこまでの致命的なミスをしている訳ではないからです。しかし、バイデン陣営にとって、今回の世論調査の結果は目覚ましの一発にはなったことでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

最新の世論調査でバイデンの支持率が急落、民主党予備選挙で三つ巴の戦いに(New poll shows Biden falling badly, three-way tie for Democratic lead

 

マックス・グリーンウッド筆

2019年8月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/458833-new-poll-shows-biden-falling-badly-three-way-tie-for-democratic-lead

 

アメリカ大統領選挙民主党予備選挙におけるジョー・バイデンの支持率が急落していることが、マンモス大学による最新の世論調査の結果明らかになった。バイデンの支持率は20%を切ってしまった。

 

世論調査の結果によると、全国規模の民主党支持、民主党寄りの有権者のうち、バイデン支持派19%であった。マンモス大学の6月の世論調査の時、バイデンの支持率は32%だったので、二桁の下落ということになった。

 

マンモス大学の世論調査の結果は予備選挙の構図が変化しつつあることを示している。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)とエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の2人の進歩主義的な候補者たちの支持率は共に20%を記録した。2人は統計上バイデンと並んだことになり、三つ巴の接戦を展開している。

 

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は遠く引き離された4位で、支持率は8%だった。彼女の支持率は6月の調査の時と変わらなかった。

 

インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジはここ数か月支持率でトップ集団に入ってきているが、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)と並んで支持率4%となった。

 

その他4名の候補者たち、IT企業経営者アンドリュー・ヤン、前住宅・都市開発長官フリアン・カストロ、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、ベストセラー作家のマリアンヌ・ウィリアムソンが2%の支持率を集めた。

 

マンモス大学世論調査研究所のパトリック・マレー部長は、最新の世論調査の結果は、民主党予備選挙は新しい段階に入ったことを示していると述べている。

 

マレーは次のように述べている。「今回の世論調査の結果から得られるポイントは、民主党の予備選挙は不安定になっているということだ。リベラルな有権者たちは自分たちと考えが同じ候補者を支持し始めている。選挙戦にそこまで関心を持っていない穏健な有権者たちはバイデンに対する疑念を持っているように見える」。

 

穏健な有権者たちは知名度が低いがより中道派の候補者ではなく、「知名度の高いより左派的な候補者を支持するようになっている」。

 

実際、バイデンは自身を穏健もしくは保守的と考える民主党支持者からの支持を減らしている。今年6月、そうした有権者の約40%がバイデンを支持すると答えた。それ以降、今月までにその数字は22%にまで下落した。

 

穏健もしくは保守的な民主党支持者たちがサンダースとウォーレンを支持し始めていることを示す兆候がいくつか存在する。穏健もしくは保守的な有権者の間でのサンダースに対する支持率は6月の段階では10%だったが、それが20%に上昇した。一方、ウォーレンへの支持率も6%から16%に上がった。

 

今回の世論調査の結果では、6月以降、サンダースとウォーレンは支持率を上昇させている。サンダースは6ポイント、ウォーレンは5ポイント支持率を上昇させている。

 

同時に、ウォーレンは好感度を上げており、5月の段階では60%だったものが8月には65%になっている。他方、バイデンは好感度を74%から66%に下げている。

 

マンモス大学の世論調査は民主党支持もしくは民主党寄りの有権者298名を対象に、2019年8月16日から20日にかけて実施された。誤差は5.7ポイントである。

 

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バイデンの当選可能性に関する主張に陰り(Biden electability argument takes hit

 

エイミー・パーンズ筆

2019年8月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/458900-biden-electability-argument-takes-hit

 

ジョー・バイデンは「当選可能性(electability)」を持っているという主張が急速に陰りを見せ始めている。

 

月曜日に発表されたマンモス大学の全国規模の世論調査の結果では、バイデンの支持率が13ポイント下落し、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)と三つ巴の戦いとなっている。

 

民主党の関係者たちは口を揃えて、今回の世論調査の結果はバイデンが勝利できないのではないかということを示す証拠だと述べている。バイデンは、本選挙でトランプ大統領を倒すことが出来る最良の候補者だと考えられてきた。

 

民主党の予備選挙参加予定有権者たちは2020年11月の本選挙で勝てる候補者に投票しようと考えている。その結果、これまで各種世論調査で高い知名度を誇るバイデンが高い支持率を獲得してきた。

 

しかし、他の候補者たちは、バイデンではなく、自分こそがトランプを倒す可能性が最も高いと主張している。

 

更に言えば、民主党系のストラティジストたちは、バイデンには有権者が支持するための、知名度などとは別の更なる理由が必要になっていると述べている。

 

ヒラリー・クリントンの2008年の大統領選挙に参加した民主党系のストラティジストであるマイケル・トゥルージロは「もしバイデン自身が基盤としている唯一の主張が崩れると、それが全面崩壊につながることになる」と述べている。

 

トゥルージロはマンモス大学の世論調査の結果について質問され、「これは砂上の楼閣の崩壊の始まりとなるだろうか?この質問の答えは五分五分といったところだ」と答えた。彼は更に、「世論調査の結果が正しいとすると、これはバイデン選対が望む数字ではないし、砂上の楼閣の崩壊も彼らが望むものではない」と述べた。

 

マンモス大学の世論調査の結果はレイバーディ(9月の第一日曜日)の直前に発表された。9月から民主党の選挙運動は活発化し始め、候補者たちは予備選挙に本格的に入っていく。

 

民主党系のストラティジストであるジム・マンリーは「バイデンを支持する人々は、“バイデンには当選可能性がある”と主張だけでは選挙戦を勝ち抜くことはできないということに気づくだけの賢明さを持っていることを願っている。長期間の戦いにおいて、その理由一つだけで戦い抜くことはできないと私は考える」と述べている。

 

マンリーは続けて「全ての候補者があらゆる方向からバイデンにパンチを浴びせかけるのに、当選可能性一本槍で戦うことは難しい。時間が経過すればするほど戦いは困難になる」と述べた。

 

当選可能性は選挙運動において最も重要なポイントとなるが、バイデンはそれだけを主張して選挙戦を戦っている訳ではない。

 

バイデンはアメリカが揺れ動いているこの時期、自分自身を人々をまとめることが出来る存在と印象付けようとしている。

 

バイデンは今週末ニューハンプシャー州のキーン州立大学での集会で次のように発言した。「トランプ大統領は自身の支持基盤となる人々だけの大統領になる決心している。私は全てのアメリカ人の大統領になりたいと考えている。人々はドナルド・トランプがどのような人物かを知っている。私たちに必要なのは、人々に私たちがどのような人間なのかを知ってもらうことだ」。

 

月曜日にマンモス大学の世論調査の結果が発表された後、バイデンの側近たちは、調査対象者数が298名と少なかったことを指摘して、結果について「例外的な外れ値」と断じた。

 

その他の側近たちは、先週発表されたCNNの世論調査の結果ではバイデンが他の候補者たちに2桁の大きなリードを保ってトップであったという点を強調した。CNNの世論調査では、バイデンの支持率は29%で、サンダースとウォーレンの支持率はそれぞれ15%と14%だった。

 

今月初めに発表されたキュニピアック大学の世論調査の結果ではバイデンは支持率32%でトップ、続けてウォーレンが21%、サンダースが14%だった。

 

バイデンの側近の一人はマンモス大学の世論調査について次のように語った。「この世論調査の結果は例外だ。これまでのその他の世論調査の結果では全て私たちがリードしている」。

 

しかし、民主党の中にはバイデンが「当選可能性」に過度に依存しているのは、バイデン自身が失言を続けている状況下では、誤った方法だと述べる人たちが出ている。今週、バイデンはニューハンプシャー州を訪れたのだが、そこで、ヴァーモント州と言い間違えてしまった。

 

民主党系のストラティジストであるブラット・バノンは次のように述べた。「選挙運動の中でバイデン自身が失言をしたことで、“バイデンには当選可能性がある”という主張も損なわれてしまっている。結果として、予備選挙に参加する有権者たちは、失言について見聞きし、記事を読み、来年の本選挙でバイデンがトランプを倒すことが出来るだろうかということについて疑問を持つようになる」。

 

バノンは「バイデンは自ら凡ミスを犯してしまっている。来年、彼が民主党の指名候補になって、トランプ大統領から激しく攻撃されれば、このような凡ミスを更に犯すことになるだろう」と続けて述べた。

 

フォックスニュースの最新世論調査の結果では、その他の候補者たちも架空の一対一の戦いでトランプを倒すという結果が出ている。世論調査の結果では、バイデンはトランプに12ポイントの差をつけて勝利するとなっており、その他にもサンダースが9ポイント、ウォーレンが7ポイント、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が6ポイントの差をつけて勝利するとなった。

 

トゥルージロは次のように述べている。「バイデン以外の候補者たちが知名度を上げていけば、トランプとの一対一の戦いで引き分け、もしくは勝利を収めるようになる。バイデンは自身の立候補の根拠にしている主張が少しずつだが崩れていっている」。

 

しかし、バイデン選対は当選可能性の高さというテーマにこだわっている。先週、元副大統領夫人ジル・バイデンはニューハンプシャー州マンチェスターでの教育者たちの集まりに参加し、バイデンの当選可能性の高さについて語った。

 

ジル・バイデンは次のように語った。「私は皆さんの中に私の夫を支持しておられない方々がいることを知っています。私はその判断を尊重します。しかし、私は皆さんに考えていただきたいと思います。皆さんが支持しておられる候補者の方々の当選可能性はどれほどでしょうか、そして誰がこの選挙戦を勝ち抜くことが出来るでしょうか?私の夫以外の候補者を支持するにしても、誰が選挙に勝つことが出来るかについて私たちは考えねばなりません」。

 

ジルは「選挙に勝てる候補、それは私の夫ジョーなのです」と続けた。

 

マンリーは今回のマンモス大学の世論調査の結果は、バイデンの戦略に変更を迫るための目覚ましの一発となったと語っている。

 

マンリーは「バイデン選対はやることが山ほどある。売り込むべきことがたくさんある」と述べた。

 

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隠された十字架 江戸の数学者たち

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 古村治彦です。

 

 私が翻訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)の主人公コーク兄弟の弟デイヴィッド・コーク(David Koch、1940-2019年)が亡くなりました。79歳でした。兄チャールズ(Charles Koch、1935年―)は83歳で、弟の死去を発表するという不幸に見舞われました。

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アメリカの真の支配者 コーク一族

 

 コーク兄弟は2018年において保有資産608億ドルずつで、世界で第8位の大富豪です。彼らはコーク・インダストリーズという石油精製を中心とした多角経営の大企業を経営しています。コーク・インダストリーズは非上場企業で、非上場企業としては全米第2位の規模を誇ります。2人の資産の多くはコーク・インダストリーズの株式ということになります。コーク・インダストリーズの株式はほぼ親族だけで独占されています。

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デイヴィッド(左)とチャールズ 

 昨年、デイヴィッドが公的な活動からの引退を発表し、アメリカ政治に大きな影響を与えた「コーク兄弟」は解体ということになりました。この時から既に健康を害していたのでしょう。この一年がデイヴィッドにとって家族との穏やかな日々であったのだろうかと考えると感慨深いものがあります。

 

 コーク兄弟は正式には4名いるのですが、長男のフレッデリック(1933年―、86歳)はコーク・インダストリーズの経営に全く関与しておらず、莫大な財産を受け継いで慈善事業家として活動しています。フレデリックだけハーヴァード大学で人文学を専攻し、芸術家肌の人物です。フレデリックは早い段階でコーク・インダストリーズの後継者レースから脱落しました。

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フレデリック

次男チャールズと双子の弟たちデイヴィッドとビル(Bill Koch、1940年―、79歳)は、父フレッドと同じくマサチューセッツ工科大学の工学系を卒業し、コーク・インダストリーズの経営を引き継ぎましたが、ビルは仲違いをし、離れていきました。結局、コーク・インダストリーズの経営はチャールズとデイヴィッドが行うことになりました。


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ビル
 

チャールズとデイヴィッドは「コーク兄弟」とひとくくりに呼ばれました。彼らは、アメリカ政界、特に共和党系、保守系の候補者や運動に多額の資金を提供し、影響力を行使することで知られてきました。2008年のバラク・オバマ大統領誕生後から始まったティーパーティー運動の資金源としても知られています。

 

 コーク兄弟は様々な組織や団体に資金提供を行い、ネットワーク化していきました。このネットワークは、コーク・ネットワークと呼ばれています。また、コーク兄弟は、他の大富豪たちを組織化し、共和党を支持する大富豪グループも形成しました。


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 コーク兄弟が形成した組織や団体のネットワーク、大富豪のネットワーク、政治家たちからドナルド・トランプ政権に入った人たちが多く出ました。下の図にあるように10名上がトランプ政権入りをしています。また、トランプ選対の責任者だったコーリー・ルワドンスキーなど選対にはコーク・ネットワークで活動家だった人々が入っていました。マイク・ペンス副大統領やマイク・ポンぺオ国務長官は政治資金の面でコーク兄弟に大いにお世話になった人々です。

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 コーク兄弟はトランプ大統領を支持していませんが、自分たちが支援してきた人々からトランプ大統領を支える人材が多数出ているというのは何とも皮肉なことです。コーク兄弟はリバータリアニズムという反大きな政府、反税金、反福祉、反規制の考えを拡大させようとして活動してきました。兄弟からしてみれば、トランプ大統領の国境封鎖や関税引き上げのような政策は受け入れられるものではありません。

 

 特に現在の米中貿易戦争のような状態を、自由貿易体制を標榜するコーク兄弟は容認できません。また、伝統的な共和党の政治家たちも自由貿易体制を壊すものとして容認できないものです。自由紡績体制を標榜するはずの共和党から出ている大統領が保護貿易を行うというのはこれまでの考え方らすると大きな矛盾です。このような大きな矛盾が起きているのは、アメリカの力が衰退し、世界帝国の地位を維持できなくなりつつあるからです。

 

 コーク兄弟は2008年からの草の根の保守運動ティーパーティーの資金源であったことをも知られています。現在、ティーパーティー運動は下火になっています。それに代わって、大きな矛盾を抱え込んだトランプ大統領流のポピュリズムがアメリカを席巻しています。

 

 デイヴィッドの死去は、コーク兄弟の力の衰えと共にアメリカ保守運動の衰退、リバータリアニズムへの支持の減退といったことを象徴していると私は考えます。

 

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大富豪にして保守系の慈善事業家デイヴィッド・コークが79歳で死去(Billionaire conservative philanthropist David Koch dies at 79

 

ジョン・ボウデン筆

2019年8月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/finance/458521-billionaire-david-koch-dies-at-79

 

大富豪のデイヴィッド・コークが金曜日午前に79歳で死去した。デイヴィッド・コークは兄と共に長年にわたり、保守系の活動家、献金者として活動したことで知られている。

 

金曜日、チャールズ・コークは声明を発表し、その中で「私の弟であるデイヴィッドの逝去について発表することについて私の気持ちは沈んでいる。デイヴィッドと活動を共にした人は誰でも彼の人格の大きさと人生に対する熱意を感じ取ったはずだ」と述べた。

 

チャールズ・コークは続けて「今日は私たち全員にとって大変悲しい日であるが、私が皆さんに知っていただきたいのは、デイヴィッドがコーク・インダストリーズを現在のような成功に導いて下さった皆さん方を大変誇りに思っていたということだ。彼の逝去をこれからも悲しむことになるだろうが、彼が生きたということを決して忘れはしない」と述べた。

 

デイヴィッド・コークは健康上の理由でちょうど1年前にコーク・インダストリーズの経営陣から退いていた。

 

彼は20年以上前に前立腺がんと診断され、それ以来、数多くのがん研究に関する慈善活動や医療グループに多額の献金を続けた。

 

デイヴィッドがコーク・インダストリーズの経営陣から退いた時、チャールズ・コークは記者団に対して、「様々な問題が解決されておらず、彼の健康状態は悪化し続けている」と述べた。

 

昨年、チャールズ・コークは「その結果としてデイヴィッドは実業の世界や様々な組織的な活動に関与することが出来なくなっている」と述べた。

 

コーク一族は共和党の候補者たちやリバータリアニズムの大義に対する膨大な政治献金を行ってきたことで知られている。

 

チャールズとデイヴィッドは共にティーパーティー運動を資金面から援助したことでも知られている。ティーパーティー運動のおかげで共和党は2010年の中間選挙で連邦下院の過半数を制することが出来た。

 

デイヴィッド・コークは多くの共和党の候補者を支援し、当選させている。しかし、彼は2016年の大統領選挙でトランプ大統領を支持しなかった。彼は共和党の減税計画を声高に支持した。1980年にはリバータリアン党の副大統領候補として選挙に出馬した。

 

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デイヴィッド・コークについて知っておくべき5つのこと(Five things to know about David Koch

 

マリナ・ピトフスキー筆

2019年8月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/458570-5-things-to-know-about-david-koch

 

大富豪の実業家にして保守系政界の大口献金者デイヴィッド・コークが金曜日に79歳で亡くなった。

 

1960年代、デイヴィッドは兄チャールズと共に、父フレッド・コークからコーク・インダストリーズの経営を引き継いだ。コーク・インダストリーズは原油、石油パイプライン、その他数多くの化学や一般消費者向けの製品を取り扱っている。会社は現在、非上場企業の多角経営企業としては全米で2番目の規模を誇るまでになっている。『ニューヨーク・タイムズ』紙の報道によると、年間売り上げは1000億ドル以上を記録している。

 

しかし、コーク兄弟はアメリカ政治に分裂をもたらすほどの影響力を行使してきたことで知られている。数十年にわたり、コーク兄弟は州レヴェルと全国レヴェルにおいて共和党とリバータリアン党の政治運動に資金を提供してきた。兄弟は様々な組織と政治活動委員会をネットワーク化し、アメリカ全土で小さな政府、反規制を促進してきた。

 

2005年にリバータリアン系の雑誌『リーズン』誌の編集長ブライアン・ドアティの取材に応じた。その中でデイヴィッドは次のように語っている。「私が成長する中で繰り返し言い聞かされてきたのは、大きな政府は悪い、私たちの生活や経済活動に政府のコントロールを課すことは良くない、という考えでした」。

 

ここでデイヴィッド・コークについて知っておくべき5つのことを書いていく。

 

●政治に対して数十億ドルを使った

 

デイヴィッドと兄チャールズは数十億ドルもの資金を提供し、アメリカの保守政界に大きな影響を与えてきた。10以上のグループを組織し、それらのグループを使って影響力を行使してきた。コーク兄弟はこれらのグループを創設したり、数百万ドル規模の資金援助をしたりしてきた。これらのグループはコーク・ネットワークとして知られるようになった。

 

2016年の大統領選挙、連邦議員選挙、州知事選挙だけで、コーク・ネットワークは約9億ドルを支出した。『ワシントン・ポスト』紙によると、この額は共和党全体でその年に候補者たちに使った総額とほぼ同じであった。

 

コーク・ネットワークは2018年の中間選挙期間中に最大4億ドルを支出する計画だと発表した。コーク・ネットワークは2020年の選挙に向けて新たに4つの政治活動委員会を発足させた。しかし、コーク・ネットワークのチュ心的存在であるアメリカンズ・フォ・プロスペリティは2020年の大統領選挙に直接関与することはないと発表している。

 

コーク兄弟は政治運動以外にも数百万ドルを支出し、特に民主党や進歩主義派の政策を攻撃させた。例えば、コーク・ネットワークは、2010年から2012年にかけて2億ドルを投じてオバマケア廃止に向けた運動を展開した、とワシントン・ポスト紙は報じた。

 

コーク・ネットワークはワシントン政界で影響力を持つ人々の多くを支援してきた。ジョニ・エルンスト連邦上院議員(アイオワ州選出、共和党)への支援をはじめ、マイク・ペンス副大統領のインディアナ州知事選挙の支援、マイク・ポンぺオ国務長官の連邦下院議員選挙の支援などを行った。ワシントン・ポスト紙は、連邦下院議員時代のポンぺオについて「コークに送り込まれた連邦下院議員」として知られていたと報じている。

 

●トランプとの危険をはらむ関係

 

デイヴィッドとチャールズは、トランプが2016年の大統領選挙期間中に、コーク兄弟からの資金を求めていた他の共和党候補者たちを「操り人形」と攻撃した後、トランプ大統領の選挙に反対し、彼を支持しなかった。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、2016年の大統領選挙後に開催されたトランプの祝勝会にデイヴィッド・コークは出席し、更にトランプ所有のマーラゴ・リゾートで当選者であったトランプと会談を持った、ということだ。しかし、コーク兄弟率いる組織はトランプ政権の各政策に反対した。特に公共支出政策や移民に対する発言に反対した。

 

しかしながら、コーク兄弟は特に貿易問題についてトランプ大統領と異なる考えを持っていた。兄弟は自由貿易を強固に主張していた。そして、チャールズ・コークはトランプの関税支持やその他の保護主義的な政策をアメリカにとって「有害だ」と批判した。

 

コーク・ネットワークに属する各グループ、「フリーダム・パートナーズ」「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」「LIBRE・イニシアティヴ」などが昨年、トランプの関税政策に対して、複数年の数百万ドル規模のプログラムを発足させた。このプログラムでは、連邦議員たちに対するロビー活動、活動家たちの訓練、政策に反対する政治広告が含まれていた。

 

トランプ大統領は昨年ツイッターでコーク兄弟を攻撃した。トランプ大統領は兄弟を「グローバリスト」「真の共和党関係者たちからしてみれば冗談のような存在」とこき下ろした。

 

●デイヴィッドはリバータリアンだったが、主に共和党の主張を支持してきた

 

1980年、デイヴィッド・コークはリバータリアン党の副大統領候補となった。大統領候補は企業弁護士エド・クラークだった。

 

二人の公約は、企業法人税と個人の所得税の全廃、メディケアの廃止、児童労働禁止法の廃止だった。二人はレーガン大統領の当選に対して、1%の得票率しか得られなかった。しかし、選挙戦を戦った経験によってデイヴィッド・コークは、アメリカにとってリバータリアン的政策が重要なのだという信念を固めることが出来た。

 

デイヴィッドは貿易、税制、規制緩和、選挙資金制度改革などの諸問題について共和党を支持していた。しかし、デイヴィッドはABCニュースの取材に対して、自分自身を「社会問題に関してはリベラル」と規定した。

 

デイヴィッドはLGBTQの婚姻、女性たちの中絶を含む生殖に関する諸権利をはじめ、中東からの米軍の撤退や予算を均衡させるための手段としての軍事費の削減のような民主党が主張している諸政策を支持した。

 

しかし、コーク兄弟は、数多くのシンクタンク、ロビー団体、その他のグループに数百万ドルの資金を提供し、気候変動に関する政策や環境に関する研究や法制化を止めようとした。また公共交通プログラムも阻止しようとした。

 

「グリーンピース」はコーク・インダストリーズを「科学的な気候変動研究を否定する中心的存在」と非難した。

 

●ティーパーティー運動の台頭に資金援助

 

デイヴィッドは2008年に始まったティーパーティー運動の台頭に資金援助を行ったことで知られている。ティーパーティー運動はオバマ政権に反対するために始まった。コーク兄弟が率いる「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」は選挙運動への政治献金、論点整理、動員の援助を通じてティーパーティー運動の指導者たちに資金援助を行い、運動の規模拡大を支援した。

 

2010年、『ニューヨーカー』誌はジェイン・メイヤーによるアメリカンズ・フォ・プロスペリティの影響力に関する分析記事「隠された作戦」を掲載した。その中で、アメリカンズ・フォ・プロスペリティは、「ロビイストや利益団体によってかき消されている平均的なアメリカ人の声」を集めるとして、諸団体の幹部を集めた会議を開催したり、多くの人々を集めるイヴェントを組織したりした。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、アメリカンズ・フォ・プロスペリティは少なくとも1億ドルをティーパーティー運動に投じ、アメリカを右傾化させようとしたということだ。

 

それにもかかわらず、デイヴィッドは2010年の『ニューヨーク・マガジン』誌とのインタヴューの中で、ティーパーティー運動から出てきた候補者に資金を提供したことなどないと述べた。

 

デイヴィッドは「私はティーパーティー運動のイヴェントに行ったことなどありません。ティーパーティー運動を代表する人が私に連絡をして来たことすらないんです」と述べた。

 

●民主党にとっての怪物となる

 

「コーク兄弟」という言葉は、多くの民主党員や支持者にとって、極右の政策を主張する存在として捉えられるようになっている。特に選挙資金制度改革とアメリカ政治における大富豪の影響力といった諸問題に関しては、コーク兄弟という言葉が深く結びついている。

 

2012年の大統領選挙期間中、当時のオバマ大統領はコーク兄弟を狙い撃ちにしたテレビコマーシャルを流した。テレビコマーシャルは、ミシガン州、ノースカロライナ州、オハイオ州、ヴァージニア州といった激戦州の有権者たちに対して、流された。コマーシャル内ではコーク兄弟の名前は直接言及されなかったが、「秘密主義の石油産業で財を成した大富豪たちがファクトチェックをするというテレビコマーシャルを使ってオバマ大統領を攻撃しているが、そのテレビコマーシャル自体が事実に基づかないものだ」と主張するものであった。2012年当時、こうした事実をニューヨーク・タイムズ紙は紙面を通じて報じた。

 

デイヴィッド・コークの死去が発表された後、ツイッター上ではデイヴィッドの長年にわたる様々な方法でのアメリカ政治への影響力行使について非難する書き込みが続いた。

 

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(終わり)

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隠された十字架 江戸の数学者たち

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 古村治彦です。

 

 アメリカ政治で動くお金は膨大な額になります。アメリカの政治家たちが集める政治献金額は桁外れです。全米規模の大統領選挙となれば、選挙運動のための移動や事務所設置、更にはテレビコマーシャルのためにお金はいくらあっても足りません。

 

 今回は2019年第二四半期の政治献金額についての記事をご紹介します。注目は2019年4月末に出馬宣言を行ったジョー・バイデン前大統領がどれほどの政治献金を集めるかという点にありました。結果としては二カ月強で2150万ドルを集めたのでさすがということになりますが、期待外れだったという声をもあります。

 

 民主党の候補者の中で最高額を集めたのはインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジで2480万ドルでした。ブティジェッジは2019年3月末からメディアの注目を集め始め、CNNでのタウンホールミーティング形式の番組での当意即妙かつ丁寧なやり取りが評判となり、支持率ゼロの無名候補から一気に支持率上位の有力候補に駆け上がりました。献金額も有力候補にふさわしいものとなりました。


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 バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)とエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は1人からの多額の政治献金や企業などからの献金を断る姿勢を打ち出し、「草の根」レヴェルでの資金集めにこだわっています。それでもそれぞれ1800万ドル、1900万ドルの資金を集めているのはさすがということになります。

 

 カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は1200万ドルの政治献金を集めたということですが、1回目の討論会の後に24時間で200万ドルを集めたということで、討論会での出来不出来が政治献金集めに大いに関係してくるということになります。

 

 アメリカでは政治家が演説や有権者とのやり取り、他の候補者たちの討論でうまくやればお金が集まるという形になっています。アメリカの政治家たちは言葉を武器にして戦っているということが明白に分かります。日本でこれに匹敵するのは山本太郎氏くらいでしょう。後の大政党の政治家たちで言葉を武器にして人々の支持とお金を集めることが出来る人というのは残念ながら日本には見当たりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

政治献金レースでブティジェッジがトップとなっているがウォーレンがレースを激化させている(Warren heats up 2020 money race as Buttigieg tops field

 

マックス・グリーンウッド筆

2019年7月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/452078-warren-heats-up-2020-money-race-as-buttigieg-tops-field

 

インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジと前副大統領ジョー・バイデンが2019年第二四半期の政治献金レースでトップとなることが確実となった。しかし、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は草の根レヴェルでの献金で注目を集めている。その結果、支持率上位の候補者たちの間での政治献金レースが白熱したものとなっている。

 

大統領選挙民主党予備選挙候補者たちは2019年第二四半期の政治献金について2019年7月15日までに連邦選挙管理委員会に報告しなければならない。候補者の中には、報告期限よりも早く政治献金額を発表しようとしている。これは自分の政治献金の基盤を誇示し、今年後半の政治献金集めを拡大しようという狙いがある。

 

ブティジエッジが2019年第二四半期の政治献金レースでトップになると見られている。ブティジエッジの選対は今月(7月)初めに、2019年第二四半期で29万4000名から2480万ドルを集めたと発表した。この額は2019年第一四半期の献金額の3倍以上となった。

 

民主党系のストラティジストで、2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントン元国務長官の側近を務めたアダム・パークホーメンコは、「今年の1月の時点で多くの人々が予想したよりも多くの資金をピート市長は手にしているということは明白だ。彼は選挙戦において自分の立場を確立した」と述べた。

 

一方、バイデン選対は、バイデンが4月末に正式出馬表明をして以降、2150万ドルの献金を集めたと発表した。結果としてバイデンは2019年第二四半期において政治献金の面でトップ2に入ることになった。しかし、献金者の中にはバイデンは2500万ドル弱を集めるだろうと予測していたが、それよりも少ない額となった。

 

しかし、ウォーレンとバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は草の根レヴェルでの政治献金の分野で話題を独占している。

 

先週、サンダース選対は2019年第二四半期で100万名以上の献金者から1800万ドルを集めたと発表した。2019年第一四半期で集めた1820万ドルとほぼ同じ額を集めた。サンダースは他の選挙運動の口座からの600万ドルを加えて2400万ドルを集めたと報告することになると見られている。

 

サンダース陣営の責任者ファイズ・シャキールは先週、サンダース派2019年7月15日の報告期限での報告の際に、手元に3000万ドルを持っていると報告することになると述べた。

 

ウォーレンは政治献金を受け付ける際に最も厳しい制限を設けている。2019年第二四半期の政治献金について最新の報告者となった。月曜日、支持者たちへのEメールの中で、4月以降の政治献金の総額は1900万ドルだと報告することになると述べた。この額は第一四半期の3倍以上となった。

 

支持率トップ5の候補者の最後となっているのが、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)で、金曜日に2019年第二四半期で約1200万ドルを集めたと発表した。

 

ハリスは他の有力候補者たちに後れを取っているが、先月の討論会で好印象となったために2019年第二四半期の最後の方になって政治献金額が急増した。討論会においてハリスは支持率トップのバイデンに対して、1970年代に連邦上院議員時代のスクールバス問題についての姿勢を非難した。

 

ハリス選対は、討論会の後の24時間でインターネットを通じて200万ドルの献金があり、その州の週末には更に120万ドルの献金があったと発表した。

 

政治献金額は民主党の指名候補になるまでの長期の選挙運動に必要不可欠な資金をどの候補者が持っているかについて私たちにヒントを与えることになる点で重要なものである。

 

しかし、政治献金額に関しての戦略はそれぞれで変わってくる。バイデンの場合は、民主党を古くから支援してきた大口献金者たちのネットワークの深いつながりを利用しようとしている。

 

一方、サンダースとウォーレンは政治における大口献金を警戒している。ウォーレンは高額の政治資金集めを行わないと宣言している。サンダースは高額な参加費が必要なイヴェントを開催せず、「草の根資金集め」と呼ばれるイヴェントを開催している。このイヴェントの参加費は低額となっている。サンダース選対は、2019年5月にサンフランシスコで開催したイヴェントでは総額8万ドルを集めたと発表した。

 

他方、ブティジエッジは大口献金者からの献金を求める努力と草の根の献金との間にある分裂をつなげようとしている。ブティジエッジは2019年第二四半期で高額の資金集めイヴェントを約50回開催した。一方で、ブティジェッジは約30万名の献金者から平均47ドル42セントの献金を集めている。

 

少なくとも2つの陣営の幹部たちは高額の献金を求めることにはリスクがあると述べている。個人は予備選挙において1人の候補者につき最大で2800ドルまでの献金をすることが認められている。限度額ぎりぎりの高額献金を行う献金者たちは短期間で金額を増加させるのには役立つが、政治資金の安定したソースとなる訳ではない、と幹部たちは述べている。

 

サンダース陣営の上級顧問ジェフ・ウィーヴァ―は先週次のように語った。「候補者たちの多くは手渡される2800ドルの小切手に過剰に依存している。2800ドルの小切手は一度きりの献金だ。より低額の献金に依存するモデルの場合、長い期間を通じて献金を促すことが出来る」。

 

トランプ大統領の集めた政治献金額に近い額を集めた民主党の候補者は誰もいないと見られている。トランプ選対は先週、大統領の共同資金集め委員会と共に、5400万ドルを集めたと発表した。

 

他の候補者たちの政治献金額はより少なくなるだろうと見られている。

 

モンタナ州知事スティーヴ・バロックは2019年第二四半期200万ドルを集めたが、彼は5月に出馬宣言をしたばかりで、他の有力候補者たちに比べて資金集めのための時間は少なかった。

 

そして、マイケル・ベネット連邦上院議員(コロラド州選出、民主党)は5月2日に出馬宣言をしてから350万ドルを集めた。その中には連邦上院議員選挙で残った70万ドルも含まれている。

 

多くの候補者たちの選対は2019年第二四半期の政治献金総額をまだ発表する必要はない。そして、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)のような、政治献金集めに熟練している候補者が順調に集めているか、それとも後れを取っているのかということがまだ分からない状況であり、こうした候補者たちはまだ支持率上位の候補者についていっている段階なのである。

 

ヒラリーの側近だったパークホーメンコは、他の候補者たちにも討論会でのパフォーマンが受けて政治献金を増やす人たちが出てくるだろう、フリアン・カストロ前住宅・都市開発長官やコーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)などにはその可能性があると述べている。

 

パークホーメンコは次のように述べている。「政治献金に関しては、あまり重要ではない程度の問題だと私は考えている。あまりに早く白熱すべき種類のものではない。多くの人々はレイバーディ(9月第一日曜日)の頃まで政治献金について関心を持つことはないだろう」。

 

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 古村治彦です。

 

 私が翻訳しました『バーナード・マドフ事件』(アダム・レボー著、成甲書房、2010年)の主人公バーナード・マドフ(Bernard Madoff、1938年―、81歳)がドナルド・トランプ大統領に対して、服役期間の短縮を請願しました。

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バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容

 

 マドフは、自身の会社バーナード・L・マドフ投資証券を舞台に、ねずみ講事件を引き起こし、被害額は650億ドル(約6兆円)にまで膨れ上がり、アメリカ史上最大規模の詐欺事件となりました。被害者の中には、映画監督のスティーヴン・スピルバーグや俳優のケヴィン・ベーコンが含まれ、日本の金融機関あおぞら銀行や住友生命保険、三井住友生命なども被害に遭いました。マドフは詐欺を行っている間に株式市場NASDAQの会長を務めており、そのこともアメリカの金融業界に大きな衝撃を与えました。

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逮捕されるマドフ
 

 マドフは2008年12月に逮捕され、2009年に裁判を受け、150年の懲役を宣告されました。2010年には父マドフの仕事を手伝っていた長男マークが首つり自殺をするという事件も起きました。2014年にはこちらも父や屋の仕事を手伝っていた次男アンドリューが悪性リンパ腫で48歳の若さで死亡するという不幸も起きました。

 

 2017年にはマドフ事件がテレビ映画化され、マドフを名優ロバート・デニーロが演じました。

 
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ウィザード・オブ・ライズ (字幕版)


 マドフは2009年から服役を開始しました。現在の人間の平均寿命では、生きて連邦刑務所から出ることはできないですから、実質的に終身刑ということになります。

 

 そのマドフがトランプ大統領に服役期間の短縮を請願したということがニュースになりました。その意図は分かりませんが、服役して10年経過して、新星をしてみようということで行ったのかもしれません。マドフとトランプ大統領は共にニューヨーク生まれニューヨーク育ち、実業の世界で成り上がった成功者ということになりますが、トランプ大統領はマドフの仲間だと見られるのは嫌でしょうから、請願は却下するでしょう。

 

 マドフの名前を久しぶりに聞いて懐かしくなり、また興味深いニュースと思い、ご紹介しました。

 

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バーニー・マドフが服役期間の短縮をトランプに請願(Bernie Madoff asks Trump to reduce his prison sentence

 

タル・アクセルロッド筆

2019年7月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/454565-bernie-madoff-asks-trump-to-reduce-his-prison-sentence

 

アメリカ史上最大のねずみ講事件を引き起こしたバーニー・マドフは司法省に請願書を提出し、トランプ大統領に対して懲役期間の短縮を求めた。

 

現在81歳になるマドフは懲役150年の宣告を受け、現在ノースカロライナ州パンターにある連邦刑務所で服役している。マドフは金融詐欺を計画し、彼自身の起業バーナード・L・マドフ投資証券を通じて投資家たちから650億ドルを集めた。

 

2009年の裁判でマドフは有罪を認めた。彼は恩赦を求めてはいないが、服役期間の短縮を請願している。司法省のウェブサイトはマドフからの請願を「保留中」と表示している。

 

司法省は本誌に対しての西岸のタイミングについてのコメントを拒否した。しかし、今回のニュースを最初に報じたCNBCの取材に対しては、恩赦申請がウェブサイト上に表示されるのは申請から1カ月から3カ月かかると答えた。

 

長年マドフの秘書を務めたアネット・ボンジオーノはねずみ講を組織することをほう助したとして6年間服役している。司法省のウェブサイトによるとボンジオーノもまた服役期間短縮を申請している。彼女は既に4年半の服役を終えている。連邦判事は今年1月に、刑務所ではなく自宅監禁に切り替えて欲しいとする彼女の申請を却下した。

 

トランプ大統領は1期目で10件の恩赦と4件の服役期間の短縮を実施した。

 

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