古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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2020年05月

 古村治彦です。

 今年の大統領選挙の民主党の候補者指名を確実にしているジョー・バイデン前副大統領がまた軽口を叩いてしまい、批判を浴びた。

 今回は、アフリカ系アメリカ人有権者に関する発言で、「私とトランプとどちらを支持するか迷っているような人は黒人ではない」というものだった。「アフリカ系アメリカ人だったら私と民主党を支持するのが当然だ」という傲慢な発言である。

 この発言が出たのは、アフリカ系アメリカ人コミュニティで人気の高いラジオ番組「ザ・ブレックファスト・クラブ」という番組でのことだった。歯に衣着せぬ毒舌で人気の司会者チャーラマーニュ・ター・ゴッドとのやりとりの中で出たものだ。チャーラマーニュ・ター・ゴッドが「私はあなたに批判的」という先制パンチを放ってインタヴューが始まって、丁々発止盛り上がった。予定の時間を過ぎてしまい、バイデンのスタッフが「もうそろそろ」と入った。

 バイデンは自宅の書斎からのリモート出演だったのだが、彼の後に妻ジル・バイデンが配信で使うことになっていた。そこで、スタッフが盛り上がっているところに割り込んだ。これに対して、司会者チャーラマーニュが「黒人メディアではそんなことはさせない」と軽口で言い、バイデンが「これは黒人メディアも白人メディアも関係ない、時間のこともあるし、どうしようかな」と応じた。

 そして、司会者チャーラマーニュが「番組のスタジオがあるニューヨークに来たら、必ずスタジオに来てくださいよ」「あなたには更に質問がある」と述べたのに対し、バイデンが上記発言を行ったという流れである。

 この発言に対しては共和党側と民主党の一部から批判が出た。「アフリカ系アメリカ人有権者にどのように投票せよと指示した」「トランプ大統領を支持するアフリカ系アメリカ人有権者の人種に関する純粋性(これはまた危険な考えであるが)に疑義を呈した」「白人エリート主義者の傲慢」といった非難の声が出ている。バイデンも小賢しい真似をしてしまったという後悔の念を表明した。

 一連の流れを見れば、バイデンがつい口を滑らせた、自分が長年良好な関係を築いてきたアフリカ系アメリカ人コミュニティ向け、相手は毒舌の司会者ということで、きわどいことを言ってしまった、ということであろう。アフリカ系アメリカ人コミュニティでは、差別を逆手に取って、差別語や蔑称を使って会話をする、軽口を叩き合うということがある。そして、アフリカ系アメリカ人ではない人を受け入れてそれを許す場合もあるが、このことは大変に微妙な問題であり、通常は気をつけておかねばならないことだ。

 バイデンとしては、予備選挙でサンダースに追いつめられていたところに、2月末のサウスカロライナ州での予備選挙で予想外の大勝利で流れを変え、一気に逆転し、指名獲得を確実にした。これにアフリカ系アメリカ人有権者の力が大きかったのは事実であり、これに対して、サンダース支持が多かったヒスパニック系が焦り、副大統領候補にはヒスパニック系の女性をという声も出ている。

 バイデンや民主党には「非白人、特にアフリカ系アメリカ人有権者は私たちに投票するのが当然だ」という固定観念があるのだろうが、優位と言われていたヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに敗れた、しかも金城湯池のラストベルト、五大湖周辺州で敗れたということをもっと重く受け止めて、2016年からは固定観念は通じない時代になっているのだということを認識しなければ2020年も勝利はおぼつかないだろう。

 バイデンの年齢を重ねた割に、軽率な行動が多いというのは問題である。年齢や健康に加えて彼の行動や発言も不安要素であり、副大統領候補選びはより重要である。もしバイデンが当選すれば、そうした不安要素を抱える彼に何かあった時には大統領にならねばならない人物である。こうした不安が出てくるのはバイデンの不利な点だ。

(貼り付けはじめ)

バイデンはアフリカ系アメリカ人からの支持についての発言を後悔している:「私はあんなにこざかしいことをしなければよかったのだが」(Biden regrets remarks about black support: 'I shouldn't have been such a wise guy'

ジョナサン・イーズリー筆

2020年5月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/499213-biden-regrets-remarks-about-black-support-i-shouldnt-have-been-such-a-wise?utm_source=thehill&utm_medium=widgets&utm_campaign=es_recommended_content

ジョー・バイデン前副大統領は金曜日、金曜日の午前中にラジオ番組司会者チャーラマーニュ・ター・ゴッド(Charlamagne Tha God)に、トランプ大統領を支持するならば、「あなたは黒人ではない」と語ったことについて後悔していると述べた。

アフリカ系アメリカ人の実業家たちとの電話の中で、バイデンは午前中の発言は「思慮のないもの」だったと述べ、アフリカ系アメリカ人有権者の支持を当然のことだとか、アフリカ系アメリカ人有権者に対して誰に投票しなければならないとかを述べるつもりではなかったと釈明した。

バイデンは「私はそんなこざかしいことをしなければよかったのですが。あんな短慮なことをしなければよかったのですが」と述べた。

「私は自分が発言した内容を当然のことなどとはまったくもって考えていません。人種、宗教、背景に基づいて特定の投票にしなければならないなどと考えていません。アフリカ系アメリカ人でトランプ大統領は自分の投票に値する人物だと考えている人はいます。私は投票に値しないと考えますし、彼の記録に対抗して私の記録を出す準備はできています。しかし、それ以上ではありません。しかし、あいにくなことでした。あんな思慮のないことをすべきではありませんでした」。

民主党の大統領選挙候補者に内定しているバイデンは、人気のラジオ番組「ザ・ブレックファスト・クラブ」に出演したが、司会者のチャーラマーニュはアフリカ系アメリカ人コミュニティに影響を与える諸問題について更に議論を続けたいと述べた後に、議論を呼ぶ発言を行った。

バイデンは次のように応じた。「もっとたくさん質問があるって?そうですか、私があなたに言いたいことはね、私を支持するか、トランプを支持するか迷っているのならば、あなたは黒人ではない、ということです」。

共和党側、民主党の一部指導者たちは、バイデンの発言を非難した。バイデンが人々に対してどのように考えるべきかを指示し、アフリカ系アメリカ人の人種的純粋性について疑義を呈したと攻撃した。

バイデンの報道担当シモーネ・サンダースは当初、バイデンの発言を擁護した。バイデンの発言は「冗談としてなされた」ものだと述べ、バイデンにはアフリカ系アメリカ人有権者からの強力な支持があることを指摘した。アフリカ系アメリカ人有権者は、大統領選挙民主党予備選挙においてバイデンに復活の勝利をもたらした。

しかし、バイデンの発言はソーシャル・メディア上で議論を呼び、批判が高まっている中で、バイデンに対して釈明すべきというプレッシャーが大きくなっている。

オバマ政権下のホワイトハウスで副官のトップを務めたパトリック・ガスパードは、バイデンは「誰が十分に黒人であり、誰がそうではないかを決める」ための「位置にはいない」と述べた。

ミュージシャンのディデイはツイッター上でバイデンに対して、バイデンの発言は自分に「黒人の投票は自由ではない(black vote ain’t free)」ことを示したと書いた。

ティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出)や実業家でミシガン州において連邦上ン議員選挙に出馬しているジョン・ジェイムズといった共和党に属するアフリカ系アメリカ人たちはバイデンを非難した。

スコット議員は「民主党はこれまで、アフリカ系アメリカ人コミュニティから支持を得ることは当然だ、自分たちに同意しないアフリカ系アメリカ人は攻撃してよいと考えてきた」と述べた。

ジェイムズは「私は、その中にはアフリカ系アメリカ人木組まれるが、他のすべてのアメリカ国民と同じく、自分自身のために考え、投票する権利を持っている」と述べた。

そして、トランプ選対はバイデンの発言を「人種差別的」で「非人間的」だと述べた。

トランプ選対の上級顧問で、トランプ陣営の「ブラック・ヴォイス」の指導者であるカトリーナ・ピアソンは「リベラル白人のエリート主義者たちは、どのアフリカ系アメリカ人はテーブルにつき発言をすることを許されるかを独占的に決定するという姿勢で首尾一貫している」と発言した。

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バイデンはチャーラマーニュ・ター・ゴッドに語った。:もしあなたが私を支持しないのなら、「あなたは黒人ではない」(Biden tells Charlamagne Tha God: If you don't support me 'then you ain't black'

ジョナサン・イーズリー筆

2020年5月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/499128-biden-tells-charlamagne-tha-god-if-you-dont-support-me-then-you-aint-black

ジョー・バイデン前副大統領は金曜日に人気のラジオショー「ザ・ブレックファスト・クラブ」で司会者のチャーラマーニュ・ター・ゴッドに対して、自分の人種についての記録を擁護した。この時、バイデンはチャーラマーニュに、あなたがトランプ大統領を支持するならば、「あなたは黒人ではない」と述べた。

インタヴューが始まって11分が過ぎて、バイデンのスタッフがインタヴューを終わらせようとした。それは、バイデンが自宅のオフィスからインタヴューに答えていたのだが、妻のジル・バイデンが自身の配信イヴェントのために使うことになっていからだ。しかし、バイデンはインタヴューの延長に同意した。

18分後、スタッフは再びインタヴューに口を挟んできた。チャーラマーニュは冗談交じりに次のように言った。「黒人メディアに対してそんなことはできませんよ」。

バイデンは腕時計を見ながら次のように答えた。「私は白人メディアであろうが黒人メディアであろうがやりますよ。私の妻は6時に行かなくちゃいけないものだから。おやおや、困ったことになったな」。

チャーラマーニュは「いいですか、バイデン副大統領、ニューヨークにいらしたら、私たちの番組に来ていただかなくちゃいけませんよ。11月までは時間がたくさんありますよ。私たちは多くの質問がありますからね」と述べた。

バイデンは次のように答えた。「質問がたくさんあるって?いいですか、私を支持するか、トランプを支持するかを決めるのに迷っているようならば、あなたは黒人じゃありませんよ」。

チャーラマーニュは「トランプ大統領には全く興味がないんですよ、だけど、アフリカ系アメリカ人コミュニティのために何かしたいとは思っていますよ」と述べた。

バイデンは次のように答えた。「私の記録を見て欲しいものですよ。私は25年間にわたり投票権法を拡大してきました。私は他の誰の追随も許さないくらいの記録を残していますよ。全米黒人地位向上協会(NAACP)は私が選挙に出る時はいつも推薦支持を出してくれています。いいですか、私の記録を見て下さい」。

チャーラマーニュのラジオショーは民主党の予備選挙期間中、候補者たちが出演したがる番組だった。しかし、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)をはじめ複数の候補者たちは、人種についての記録についてチャーラマーニュから激しく問い詰められたことでトラブルとなった。

バイデンは番組に初めて出演した。そして、インタヴューは時に激しい論争となり、ぎこちないものとなった。しかし、バイデンとチャーラマーニュは最後には穏やかな雰囲気となった。

チャーラマーニュは番組の初めにバイデンに「私はあなたに対して批判的ですよ」と述べた。

バイデンは「あなたがそうだってことは知っていますよ。私のことを知らないんでしょう」と返した。

チャーラマーニュはバイデンに対して、マリファナ解禁を支持しながら、合法化を支持しないのは何故かと説明して欲しいと述べた。

バイデンは次のように答えた。「科学者たちはマリファナが長期間にわたって脳に与える影響を理解しようとしています。私たちは、研究が終わるまで待つべきでしょう。これは科学の問題です」。

チャーラマーニュは「私たちはこれまで何十年も何十年も吸い続けてきたと思いますけどね」と答えた。

バイデンは笑いながら「いや確かに、私もマリファナを吸っている人をたくさん知っていますよ」と述べた。

チャーラマーニュはバイデンに対して、1980年代と1990年代に犯罪関連法案に賛成したことについて説明するように求めた。批判者たちはこの法案によってアフリカ系アメリカ人の投獄が増えたと訴えている。

チャーラマーニュはヒラリー・クリントン元国務長官が彼の番組に出演して、これらの法案を支持したことについて謝罪したと指摘した。そして、ヒラリーが大統領選挙に出馬した理由の一つはこれらへの償いであったと述べた。

バイデンは次のように語った。「彼女は間違いました。あれは犯罪に関する法案ではなく、麻薬規制と最低限の規制を行う機構に関する法案でした。しかし、私は反対しました」。

バイデンは番組中に繰り返しアフリカ系アメリカ人有権者の間で彼が大きな支持を得ている世論調査の結果に言及し、民主党予備選挙について指摘した。予備選挙では、アフリカ系アメリカ人有権者がバイデンを支持し、その結果として全米各地で大勝利を収め、結果として早い段階で党の指名を確実にした。

バイデンはオバマ前大統領を引き合いに出して、「私はこれまでの誰よりも、アフリカ系アメリカ人有権者の中でのより大きな支持を集めています。バラクよりもね」と述べた。

バイデンは「アフリカ系アメリカ人有権者は、自分たちでも述べているように、友人ですよ。私を躍らせてくれるんです。いいですか、冗談じゃないって話ですよ、まったく」と述べた。

共和党系のスーパーPACである「アメリカ・ライジング」は、バイデンの発言の様子を収めた映像を流し、保守派のソーシャル・メディアで映像のやり取りが激しくなった。

トランプ選対の上級顧問でトランプ支持の「ブラック・ヴォイス」の指導者であるカトリーナ・ピアソンは「リベラル白人のエリート主義者たちは、どのアフリカ系アメリカ人はテーブルにつき発言をすることを許されるかを独占的に決定するという姿勢で首尾一貫している」と述べた。

ピアソンは続けて次のように語った。「これらの人種差別的なそして非人間的な発言を受け、ジョー・バイデンが、アフリカ系アメリカ人男性と女性が独立心を持つことができず、自由に考えることができないと確信しているということがこれまで以上に明らかになった。バイデンは、77歳の白人男性である彼はアフリカ系アメリカ人がどのように行動すべきかを決定すべきだと確信しているのだ。バイデンは人種を使って恩着せがましい行動を続けてきた歴史を持っている。そして、本日、バイデンは再び、多くのアフリカ系アメリカ人有権者と私にとって、ジョー・バイデンが私たちの投票に値しない人物だということを証明したのだ」。

ティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出)は連邦上院で唯一のアフリカ系アメリカ人の連邦上院議員だ。スコット議員もまたバイデンを、アフリカ系アメリカ人にどのように投票すべきかを教え、保守的なアフリカ系アメリカ人有権者の人種的純粋性について疑義を呈したことについて非難した。

バイデン選対のアドヴァイザーであるシモーネ・サンダースはバイデンの発言を擁護した。

サンダースはツイッターで次のように書いた。「副大統領は彼のキャリアを通じてアフリカ系アメリカ人コミュニティと共に、そしてコミュニティのために戦ってきました。副大統領は民主党の指名を勝ち取った。コミュニティの人々の投票全てを獲得し、コミュニティの人々と会いました。これは今年の11月まで副大統領がやりたいことです」。

サンダースは続けて次のように書いた。「“ブレックファスト・クラブ”でのインタヴューの最後に行ったバイデン副大統領の発言の内容は冗談でした。しかし、副大統領が述べた内容を正確に思い出してみましょう。彼がアフリカ系アメリカ人コミュニティと協力してきたこれまでの記録とトランプ大統領の記録を区別しました。以上です」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 新型コロナウイルス感染拡大はアメリカと中国の争いの最前線となっている。アメリカは「中国が初期対応を誤ったために世界中に感染拡大してしまった、責任を取れ」「国際調査団に中国のウイルス学研究所の徹底調査をさせろ」ということを主張している。中国政府は新型コロナウイルスが実験室などで人の手によって造られたものではないと主張し、また、中国が発祥ということはないと反発している。

 「新型コロナウイルスはアメリカが作った、いやいや中国が作った」という討論がずっと続いている。そうした中で、アメリカのドナルド・トランプ大統領とトランプ政権は中国に対して厳しい姿勢を維持している。その急先鋒は、マイク・ポンぺオ国務長官だ。ポンぺオ国務長官は最近になってトーンダウンしたが、「新型コロナウイルス発祥は中国だという証拠はたくさんある」と述べ、世界的な感染拡大の責任は中国にあると述べてきた。

 2020年5月24日の段階で、世界中で約540万の感染者、死者数が34万3000、回復者数が約225万となっている。アメリカは感染者数約167万、死者数が約9万8000、回復者数が約45万となっている。日本は感染者数約1万6500、死者数は808、回復者数は約1万3000となっている。アメリカは感染者数、死者数で世界の約30%を占めている。新型コロナウイルスは今年初めには中国、特に武漢市で猛威を振るったが、今や欧米、特にアメリカで猛威を振るっていると言ことになる。トランプ政権の初期対応の誤りによってアメリカが最大の感染者数年者数を出すということになったという批判もなされている。そうした批判をかわすためにもトランプ政権としては、中国に責任を押しつけたいということになる。

 マイク・ポンぺオという人物が中央政界で知られるようになったのは、2010年の連邦下院議員選挙からだ。2008年にバラク・オバマが大統領選挙で勝利した直後から、アメリカでは保守派の草の根運動としてティーパーティー運動が始まった。小さな政府を標榜し、国民皆保険を目指すオバマケアに反対する、「納税者」の運動を展開した。この運動の資金源は、世界的な大富豪であるコーク兄弟であった。ポンぺオはティーパーティー運動に参加し、2010年の中間選挙で連邦下院議員に当選した。その後、4期連続で当選した。トランプ政権のマイク・ペンス副大統領とポンぺオ国務長官はそれぞれ連邦下院議員の経験があるが、その時のスポンサーだったのはコーク兄弟だった。

 2016年の大統領選挙でドナルド・トランプが勝利を収めると、アメリカの情報・諜報機関CIAの長官に就任した。2018年にレックス・ティラーソンがトランプ大統領のツイッターでの書き込みによって解任された後、ポンぺオが国務長官に就任した。

 マイク・ポンぺオという人物はコーク兄弟の後ろ盾を受けて、中央政界に進出し、CIA長官を務め、現在は最重要閣僚である国務長官を務めている。ポンぺオはコーク兄弟の代理人だ、という記事もあったが、現状を見ればそれはとても甘い見方であったことが分かる。コーク兄弟をはじめとするリバータリアンは対外戦争に反対だ。しかし、ポンぺオの言動や行動はとても危なっかしい。中国やロシアとはいつでもやってやるぞという姿勢だし、トランプ大統領が始めた北朝鮮との直接交渉にしても、北朝鮮側から「ポンぺオ国務長官を外して欲しい」という要請をされてしまうほどだ。

 ポンぺオは複数の勢力とつながり、利用してここまでやってきたと考えることが妥当だろう。それはマイク・ペンス副大統領にも言えることだ。その勢力の中には、アメリカを対外戦争に引きずり込もうという勢力もある。表面ではネオコンや人道的介入派として出ている勢力であるが、その裏がどうなっているのか分からないが、かなり恐ろしい勢力がいるのではないかと私は考えている。トランプ政権は反中央政府、反ワシントン既成政治を旗印に誕生したが、更に一回り大きな勢力に利用されているのではないかと私は危惧を持っている。

(貼り付けはじめ)

●「沈黙のバットウーマン 武漢の研究者、コロナで先駆  米中対立の火種に」

2020/5/20   日経新聞   北京=多部田俊輔、編集委員 滝順一

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59338010Q0A520C2EA1000/

 中国の湖北省武漢市で世界で初めて感染が確認された新型コロナウイルスの発生源を巡って、米中の対立が止まらない。武漢ウイルス研究所が発生源だと主張する米国側に対し、中国側は「捏造(ねつぞう)」だと否定する。真相のカギを握るとみられているのが同研究所の石正麗氏だ。コウモリ由来のウイルス研究者の石氏は「バットウーマン(コウモリ女)」の異名も持つが、このところ動静が途絶えている。

「石氏が家族とともに1千ページに及ぶ秘密文書を持って欧州に逃亡した」。5月はじめ、武漢研究所「発生源」説がくすぶる中、こんな情報が米欧を駆け巡った。すぐに中国メディアは石氏が中国のSNS(交流サイト)に「国を裏切り亡命したとのデマはありえない」と投稿したと報じ、亡命説を否定。しかし石氏は表に出てこない。

「新型コロナウイルスは自然が人類に与えた懲罰であり、自分の命をかけて研究所か

らの流出はない」。石氏は2月初旬に中国のSNSで友人らにこのような趣旨の投稿をしてから、新型コロナの発生源に関して発言を控えている。

石氏は1964年生まれ。大学で遺伝学を学んだ後、政府直属の最高研究機関「中国科学院」傘下の武漢ウイルス研究所に入った。医学などの研究で名門とされる仏モンペリエ大学で2000年にウイルス学の博士号を取得し、武漢に戻った。

石氏が有名になったのは0203年に中国で流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の発生源究明での実績だ。各地の洞窟で野生コウモリを捕まえて体液を分析し、SARSウイルスの起源がコウモリだと証明した。13年に英科学誌ネイチャーで発表し、「バットウーマン」と呼ばれるきっかけにもなった。

15年には今回の新型コロナを予言したともいえる研究成果も、米ノースカロライナ大学のラルフ・バリク教授と共同で公表していた。バリク氏はコロナウイルス研究の第一人者。2人はコウモリのコロナウイルスが変異すると、SARSウイルスの治療薬が効かない新種のウイルスが生まれる恐れがあると、ネイチャー姉妹誌で公表した。

さらに石氏らの研究チームは1月に湖北省政府から新型コロナの研究を命じられると、22月初旬にいち早く、新型コロナもコウモリ由来の可能性が高いと発表していた。

一方、トランプ米大統領やポンペオ米国務長官は武漢ウイルス研究所が新型コロナの発生源だと主張する。最も危険性の高い病原体を扱える「バイオセーフティーレベル(BSL―4」の施設で、最初に感染者が出たとされる野生動物を売買する市場からも約30キロしか離れていない。

米ワシントン・ポストによると、18年に同研究所を視察した米当局者が「コロナウイルスの研究をしているが安全対策が不十分」と警告する公電を米国へ送っていた。ポンペオ氏は研究所の立ち入り検査を求めている。

ただウイルスが意図的に研究所から漏れたとみる専門家は少ない。米メディアによると、カリフォルニア大学の感染症専門家のジョナ・マゼット氏は新型コロナの感染が始まる前に「石氏の研究所には新型コロナウイルスはなかった」と指摘。武漢研究所が発生源だとする米政権の主張に反論する。実情を知る石氏は口を閉ざしたままだ。

大統領選を控えるトランプ政権は「中国たたき」が得票につながるとみて強硬姿勢に傾く。習近平(シー・ジンピン)指導部はポンペオ氏を標的に「人類共通の敵」などと対米批判を繰り返す一方、国内では研究者を含めた情報統制を強める。

「共産党の指導が厳しく愛国的なテーマを掲げないと研究が難しくなっている」。中国の有力大学で教える外国人専門家は漏らす。関係者によると、新型コロナも研究者らが自由に発信することは許されない。コロナ禍の克服には変異を繰り返しながら感染を広げるウイルスの正体を突き止めることが必要だ。中国の情報開示が問われている。

(北京=多部田俊輔、編集委員 滝順一)

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●「ポンペオ氏、新型コロナ発生源は「不明」 武漢研究所説から転換」

2020.05.18 Mon posted at 10:15 JST CNN

https://www.cnn.co.jp/usa/35153896.html

ワシントン(CNN) ポンペオ米国務長官は新型コロナウイルスが中国・武漢のウイルス研究所から発生したとの説から方向転換し、発生源は不明との立場を示した。米ニュースサイト、ブライトバートが16日に配信したインタビューの中で語った。

ポンペオ氏はこの中で、新型ウイルスの発生源を特定するため、支援チームの派遣を繰り返し要請してきたと述べた。

同氏はまた、ワクチン開発に取り組む研究者らにとって、発生源を知ることは重要な「鍵」になると強調。そのうえで中国の対応は透明性を欠くと改めて非難し、米国による制裁の可能性に言及した。

ただし制裁の具体的な手段については、トランプ大統領が十分な説明を受けたうえで決断を下すことを望むと述べた。

ポンペオ氏はこれまで、新型ウイルスが武漢のウイルス研究所から発生したと主張。今月初めのインタビューでは「大量の証拠」があると述べたが、その後「確信はない」と軌道修正していた。

トランプ氏も同様に「証拠を見たことがある」と主張したが、研究者らや国際情報共有網からは「可能性は極めて低い」との見解が出され、米情報機関は両方の可能性を検討中と述べていた。

中国政府は研究所説を、トランプ氏の再選に向けた中傷作戦だと批判している。

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ポンぺオ国務長官が険悪な雰囲気の記者会見の中で武漢の実験室をめぐる主張を擁護した(Pompeo defends Wuhan lab claims in combative press conference

ロウラ・ケリー筆

2020年5月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/496356-pompeo-defends-wuhan-lab-claims-in-combative-press-conference

マイク・ポンぺオ国務長官は水曜日、記者たちと言い争いを行った。中国のある実験室から新型コロナウイルスの感染拡大が始まったのかどうかという疑問についてやり合った。こうした主張は情報諜報機関の幹部や衛生の専門家たちから否定されている。

ポンぺオはBBCの記者バーバラ・プレット・アッシャーからのウイルスの起源に関する諜報について質問に対して次のように答えた。「バーバラ、バーバラ、いったん落ち着きましょう。」

Your efforts to try and find — just to spend your whole life trying to drive a little wedge between senior American officials … it's just false,”

ポンぺオは、中国の武漢ウイルス学研究所でウイルスに接したことで新型コロナウイルスの感染が始まったという理論を主張している。中国の武漢ウイルス学研究所である科学者がウイルスに接触したことが始まりという話だ。こうした主張を基にして、アメリカ政府は感染拡大に関して中国政府が国際的な調査団による中国国内の調査を許可すること、世界規模の拡大に責任を取ることを求めている。

ポンぺオは日曜日に行ったあるインタヴューの中で、「武漢という中国の都市にあるある実験室からウイルスが流出したことを示す“多くの証拠”が存在する」と述べた。しかし、この発言に対しては政府高官と衛生の専門家たちから否定されている。

米統合参謀本部議長であるマーク・ミリー大将は火曜日、ウイルスの発生は自然なものであり、実験室から偶然にもしくは意図的に流出したことを示す「決定的な証拠」は存在しないと述べた。

世界的な科学者たちの合意は、今回の新型コロナウイルスはある動物の中に発生して、人間に感染したというものだ。アメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長でホワイトハウスの対コロナウイルスのタスクフォースの主要メンバーであるアンソニー・ファウチは、ウイルスはある実験室から流出したものという主張を否定し、この疾病は野生から出てきたと述べた。

国務省は「多くの証拠」を肯定する新しい情報を得ているのかと問われ、ポンぺオは、アメリカ政府はウイルスがある実験室から発生したのかどうか、そして証拠があるのかどうかについて関知していないと答えた。

ポンぺオ国務長官は「これらの噺はどちらも全体として首尾一貫しています」と述べた。

ポンぺオは次のように述べた。「あなたが分からないことについて私も確実なことは何も言えないのですよ。新型コロナウイルスがある実験室から発生したという主張には確実性はなく、明らかな証拠もありません。ウイルス発生の起源と証拠についてのアメリカ政府の声明はどちらも正しい可能性があります。渡したこれら2つの主張を行います。政権幹部も同様に2つの主張を行います。これらはすべて真実です」。

先週、アメリカの情報機関の幹部たちは公開声明を発表した。これは極めて珍しいことだ。この声明の中で、幹部たちは今回の新型コロナウイルスはある動物の中で発生したという世界的な科学者たちの合意に同意したが、ある実験室での事故で発生した結果であるのかどうかについて調査を継続しなければならないと主張した。

中国は昨年12月末に世界保健機関(WHO)に対して肺炎の「奇妙な」ケースの発生を報告した。そして同時に、武漢市の海鮮市場での販売員と消費者のクラスターが発生したとも報告した。

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中国との言論戦の中で、ポンぺオが先鋒として登場(Pompeo Emerges as Point Man in War of Words With China

―ポンぺオを批判する人々は、ポンぺオは感染拡大に対する世界規模での対応のために強調するよりも中国攻撃に狂奔していると述べている。ポンぺオを支持する人々は、ポンぺオは中国の責任追及をしているのだと述べている。

ロビー・グラマー筆

2020年5月1日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2020/05/01/coronavirus-trump-pandemic-pompeo-attack-china/

最近の数週間、マイク・ポンぺオ米国務長官は、トランプ政権の強硬な対中国戦略の顔として出てきている。コロナウイルス感染拡大に関して中国非難のメッセージの拡散のために保守系メディアに依存している。多くのフォックスニュースや保守系のラジオのトークショーで中国叩きが行われており、ポンぺオはそれらに依存している。

ポンぺオはダン・“オックス”・オクスナーに対して「私たちの姿勢は明確であり、それは中国共産党は特別の責任を負っているというものだ」と述べた。オクスナーは保守系のラジオのトークショーの司会者であり、ポンぺオは木曜日だけでこうしたラジオのトークショー4番組に出演した。その中にオクスナーの番組も含まれていた。「このウイルスは武漢で発生しました。中国は世界とデータ、情報を共有する特別な責任を持っています。そして、透明性を確保する必要があります」。

外交分野以外の人々と元外交官たちにとっては、ポンぺオ国務長官のメディアを使った大規模な宣伝によって保守派の人気を高めている。これはドナルド・トランプ大統領の支持基盤を活性化するように見える。感染拡大によるロックダウンによって世界経済は減退し、アメリカ国内の失業数は急増している。このような状態の中で、保守派の活性化は2020年の選挙にとって重要である。批判者たちは、ポンぺオ国務長官が感染拡大に対する世界的な反応を協調させることではなく、政権による攻撃の急先鋒になっていると述べている。ポンぺオ国務長官の支持者たちはこうした批判を党派性の強い情報操作(spin)に過ぎないとしている。

中国はポンぺオ国務長官に反撃をしている。先週、中国は国営メディアを使って、通常では考えられない規模で個人攻撃を行った。この時、中国政府は、「中国がウイルスの感染拡大の初期段階で対応を誤り、世界規模で感染が拡大した」というアメリカからの批判をかわそうと躍起になっていた。中国共産党機関紙『人民日報』紙のある論説には次のような一節があった。「ポンぺオのような政治家の頭の中には、偏見、憎悪、個人の利益しか存在しない。ポンぺオの発言や行動は人々を困惑させている。そのようないじめと荒唐無稽な発言で“アメリカを再び偉大にできる”などと彼は考えているのか、と」。

今年の4月だけで、ポンぺオ国務長官は90以上のアメリカ国内と外国の報道機関のインタヴューに応じた。これは感染拡大初期と比べると大きな変化である。4月、ポンぺオ国務長官は米国務省内でほぼ定期的な記者会見も開いていた。様々な報道機関からの記者たちが彼に質問をすることができる機会だ。加えて、国務省は、感染拡大やその他の問題についての国務省の対応について、国務省の幹部職員たちにほぼ毎日電話でのブリーフィングを行ってきた。

外交官出身者の中には、ポンぺオ国務長官が特定の政治的志向を持つ選ばれた国内の聴衆に集中し過ぎていると批判している。ポンぺオ国務長官が一対一のインタヴューやトークショーに出演しているが、その多くは保守系メディアである。国務省は一般の人々にも利用できるように、ポンぺオと報道機関のインタヴューの文字起こしを発表している。複数の元外交官たちは本誌の取材に対して、ポンぺオ国務長官がトランプを擁護しているメディアにこだわっているのは、こうしたメディアにばかり出ることで、厳しい質問を受けることがないからだ。また、外国メディアからのインタヴュー受ける代わりに保守系メディアのインタヴューを受けている。外国メディアの取材に応じることは、アメリカの政策について諸外国の人々により良く説明する機会となるがそれを放棄している。

職業外交官出身で、バラク・オバマ大統領時代のホワイトハウスで国際社会関与担当の部長を務めたブレット。ブラエンは次のように述べた。「ポンぺオ国務長官は、トランプ政権が採用している政策の理由について世界とコミュニケーションするためにほとんど時間を使っていません。彼は、国務長官の役割をより党派性の強いものにしてしまいました。歴史的に見て、国務長官は争いから超然としていようとしてきました。私が現在の政権の政策に同意できないにしても、国務長官の仕事は、世界各国のメディアに対して、アメリカ政府の政策の正当性を説明することであり、そのために最前線に立つことなのです」。

アメリカ国務省は、感染拡大によって民間航空のキャンセルが相次ぎ、渡航禁止などを実施する外国が増えている中で、海外で足止め状態になっている数万単位のアメリカ国民の帰国というこれまでにない仕事を実行しなければならなくなっている。そうした中で、ポンぺオ国務長官は国内のメディアにばかり登場しているのはこれらの仕事の実行に役立たないと指摘している人々もいる。世界各国に置かれているアメリカ大使館と領事館は今年1月以降、これまでに7万人以上のアメリカ国民の帰国を援助している。国務省の幹部たちは、在外公館は民間航空とチャーター機を使ってアメリカ国民を帰国させていると述べている。

ポンぺオ国務長官がメディアに頻繁に登場しているのは、トランプ政権のより大枠の戦略である、中国が感染拡大への対応を誤ったのかどうかについての独立機関による調査を求めることとウイルスの起源について疑問が多く出ている中で国際機関による調査官たちに中国国内のウイルス研究施設の調査を許可するように中国政府に圧力をかけること、この2点に沿った動きなのである。トランプ政権はまた、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)の世界的な感染拡大への対応における役割について非難している。WHOは中国からの圧力に屈ししていると攻撃している。トランプ政権を批判している人々は、政権が感染拡大に対する対応が遅れたことを隠すために批判を行っていると述べている。アメリカ国内では110万以上の感染者数を確認し、死者は約6万5000名に達している。

トランプ政権は、世界保健機関が中国の圧力に屈しているかを調査するために、しばらくの間予算供与を停止すると発表した。

民主党所属の連邦議員たちはこのような手段を批判している。彼らは、確かにWHOは失敗をしたが、アメリカからの支援を必要としている、と発言した。連邦上院少数派(民主党)院内総務チャック・シューマー連邦上院議員、連邦上院外交委員会で民主党側の最上位のメンバーであるボブ・メレンデス連邦上院議員、その他の連邦上院議員たちは4月20日付で書簡をポンぺオ国務長官に送付した。その中で次のように述べている。「感染拡大への対応と封じ込めに関しては複雑さを増している。そうした中で、国際的な対応を強調させるためには更なるアメリカの指導色が必要となる。WHOにおける中国の影響力の増大に対する解決策は、アメリカの指導力と関与であって、アメリカが不在となることではない」。

水曜日の記者会見でポンぺオは次のように述べた。「アメリカは世界保健機関に最大の資金提供を行っています。世界保健機関は目的達成に失敗しました。きちんとした結果を得るためにアメリカの納税者のお金をどのように使うべきかを把握するために調査を行っています。私たちは“健康(保健、health)”を名前につけているある故草木機関が実際に私たちが必要としている結果をもたらしていると言いつくろいながら、ウソをつくようなことをすべきではないのです」。

※ロビー・グラマー:『フォーリン・ポリシー』誌の外交と国家安全保障担当記者

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 古村治彦です。

 アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-CortexAOC、1989年―、30歳)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)はアメリカ政界の新星だ。2018年のニューヨーク州第14選挙区(クイーンズ地区とブロンクス地区)の民主党予備選挙で、10期連続当選をしていた、当時の現職のジョセフ・クローリーを破ったのがAOCだった。クローリーはこの時の選挙に当選していれば、連邦下院議長になれるという話もあったが、その夢は無残に消え去ってしまった。
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 AOCはその後、新人議員として話題を集めたが、民主党主流派に対して批判的ということもあり、批判者も多くいる。連邦下院議員は2年おきに選挙があるが、2018年の当選直後から、AOCには次の選挙で対抗馬が出るという話が出ていた。ジョセフ・クローリーの従妹で市会議員をしていたエリザベス・クローリーが敵討ちで出馬するのではないかという話もあったが、今年に入ってその話は否定された。

 現在、全米で連邦下院議員選挙の民主、共和両党の予備選挙の選挙運動が行われている。人々が集まる訳にはいかないので、討論会もインターネット上で実施されている。ニューヨーク州第14選挙区の民主党予備選挙には現職のAOCを含む4名が立候補している。その中に、ミッシェル・カルーゾ=カブレラ(Michelle Caruso-Cabrera、1967年―、53歳)がいる。
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 カルーゾ=カブレラはCNBCという経済専門のチャンネルのキャスターやコメンテイターを長く務めた有名人だ。「自分はイタリア系移民とキューバ系移民の娘であり、孫娘だ」ということを売りにして、今年の2月に立候補を表明した。AOCの対抗馬である。

 カルーゾ=カブレラはAOCを激しく批判しているが、突っ込みどころ満載である。カルーゾ=カブレラは、「新型コロナウイルス感染拡大に対処するために自分は食料を配るなど行動したが、AOCは1階に高級自然食スーパーであるホール・フーズが入っているワシントンDCのアパートにこもりきりだった」と批判した。このカルーゾ=カブレラという人物は選挙に出るちょっと前まで、ニューヨークにあるトランプタワーに住んでいたような人で、有名人、セレブリティの優雅な生活を楽しんでいた人である。

 また、公共事業についても積極的に公約をしているようだが、元々は新自由主義、財政保守主義を標榜して出てきた人物であり、貧乏な移民の多いニューヨーク州第14選挙区で選挙に通ることは不可能な人物である。選挙出馬はカルーゾ=カブレラの売名行為ということになるだろう。アメリカ政治のちょっと息抜きの話題ということでご容赦願いたい。

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オカシオ=コルテスの予備選挙の対抗馬カルーゾ=カブレラはインターネット上の討論会で激しく攻撃:「AOCはいつも大事なところで行方不明」(Ocasio-Cortez primary opponent Caruso-Cabrera goes on fierce attack in online debate: 'AOC is always MIA'

ケイリーン・ディース筆

2020年5月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/498600-ocasio-cortez-primary-opponent-caruso-cabrera-goes-on-fierce-attack-in-online

CNBCのアンカーを務めたミシェル・カルーゾ=カブレラはアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)連邦下院議員に対抗して予備選挙に立候補している。カルーゾ=カブレラは月曜日、AOCのコロナウイルスへの対応を攻撃し、「AOCはいつも大事なところで行方不明」と述べた。

カルーゾ=カブレラは今年2月に予備選挙に立候補して以降、オカシオ=コルテスを攻撃対象にして激しく攻撃してきた。先月、カルーゾ=カブレラはAOCが4840億ドル規模のコロナウイルス対策刺激策法案に反対投票をしたことについて「現実離れ」をしていると指摘した。

カルーゾ=カブレラは「ブロンクスネット」が主催したインターネット上の討論会で「私の対立候補AOCは彼女自身の優先順位を明らかにしました。私に分からないのは、AOCがいつも大事なところで行方不明になる(MIA)理由です」と述べた。

カルーゾ=カブレラは、危機が最高潮に達した時期、連邦下院の審議が行われていない時期に、AOCはワシントンDCにあるアパートに留まっていたと述べた。このアパートの建物のロビーには高級自然食スーパー「ホール・フーズ」が入っている。

カルーゾ=カブレラは「私は最初の日に食糧を配りました。マスクも配りました。私は選挙で選ばれて公職に就いていないのですが」と述べた。

オカシオ=コルテスはカルーゾ=カブレラの発言に対して、自分がアパートの部屋に留まった理由は、「体調が優れずに、気分が悪かった」からだと述べた。また、選挙区内のコミュニティの食糧庫のために約50万ドルを集める仕事を手伝った、また住民たちに食事を配る仕事も手伝ったとも発言した。

カルーゾ=カブレラは「あなたはいつも有名人(セレブ)の地位を利用して仕事をしていますね。そしていつも民主党に盾突いていますね」と述べた。

オカシオ=コルテスは問題のコロナウイルス対策刺激策法案に反対票を投じたのは、この法案では、移民たちと移民と結婚しているアメリカ市民が排除されているからだと述べた。「移民が住民の50%を占める選挙区」ではそんな法案を支持できないとも指摘した。

オカシオ=コルテスは、同僚の連邦議員たちと「多くの機会で」協力して仕事をしているとも主張した。AOCは民主党、共和党それぞれに所属している連邦議員たちと「一緒になって多くの法案を提出」してきたと述べた。

カルーゾ=カブレラはまた、オカシオ=コルテスが連邦議会に提出しているグリーン・ニューディールも攻撃対象とした。カルーゾ=カブレラは、グリーン・ニューディールは「現実的には何事も達成できない」計画と切って捨てた。一方、自分は選挙区の人々を助けるために「特定の仕事」を実行すると述べた。その具体例として、津波対策のために堤防の建設を進めるとした。

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CNBCのアンカーカルーゾ=カブレラが予備選挙でオカシオ=コルテスに挑戦(CNBC anchor Caruso-Cabrera to challenge Ocasio-Cortez in primary

ジョー・コンチャ筆

2020年2月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/media/482499-cnbc-anchor-caruso-cabrera-to-challenge-ocasio-cortez-in-primary

CNBCでアンカーを務めたミシェル・カルーゾ=カブレラは火曜日、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)の議席を争うために民主党の予備選挙に立候補すると発表した。

カルーゾ=カブレラは声明の中で次のように述べている。「私は、イタリア系移民とキューバ系移民の労働者の娘であり、孫娘です。私はこれまでの素晴らしいキャリアを積むことができてとてもラッキーです。私は全ての皆さんに私がそうであったように、それぞれの人生を成功に導く機会(opportunity)を持ってもらいたいと思います。私が選挙に立候補する理由はこれです」

カルーゾ=カブレラは20年以上にわたりCNBCで仕事をしてきた。CNBCは火曜日、これ以降彼女がコメンテイターとして番組に出演することはないと発表した。

30歳のオカシオ=コルテスは2018年にアメリカ政界を驚かせた。10期連続当選の現職ジョセフ・クローリーをニューヨーク州第14選挙区の民主党予備選挙で破るという大番狂わせを演じた。この選挙区はブロンクスとクイーンズを含んでいる。

AOCは連邦議員の中で最も多いツイッターのフォロワー数を誇っている。その数は630万以上である。連邦議会に33年いる現在の連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、ツイッターのフォロワー数は約390万である。

カルーゾ=カブレラは2010年に『私が正しい(右だって)と分かるよね:更なる繁栄、より小さい政府』を発刊した。この著作の中で、カルーゾ=カブレラは「財政保守主義(fiscal conservatism)、制限された政府、個人の責任」を主張している。

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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙について、「トランプ大統領は延期したり、中止したりするのではないか」「新型コロナウイルス感染拡大という危機的状況を利用して、民主的な手続きを無視するのではないか」という懸念の声がアメリカで出ていた。「トランプは独裁者になるのではないか」という、荒唐無稽な心配の声が上がっていた。

 まず、アメリカ大統領と副大統領の任期は1月20日正午までと決まっており延長はない(アメリカ合衆国憲法修正第20条)。大統領、副大統領が選出されない場合には、連邦下院議長が権限を代行するが、連邦下院議長が選出されていない場合には、連邦上院仮議長が代行する(修正第25条)。アメリカ大統領選挙本選挙の際には、連邦下院議員全議席(435議席)も同時に選挙となるので(連邦下院議員全議席は2年おきに選挙が実施される)、選挙が実施されなければ連邦下院議員がいないということも考えられる。連邦上院(100議席)は2年おきに約3分の1ずつ選挙が実施されるので、常に連邦上院議員は複数名存在することになる。

 アメリカ大統領の任期と本選挙日程(11月の最初の月曜日の次の火曜日)は画集国憲法と連邦法で設定されているので、これらを変更するためには連邦議会で変更された法律を可決しなければならない。そして、これらの基底を無視することは誰もできない。たとえトランプ大統領であってさえもそうだ。

 ここで面白いのは、大統領選挙について各州の権限も大きいということだ。選挙日程や各州の連邦上院の議席数(人口に関係なく各州2議席ずつ)と連邦下院の議席数(人口に比例して配分)を足した数の選挙人(electors)を選出することという大枠は連邦法で決まっている。しかし、選挙の細かい手続きなどは各州で違っていても良いことになっている。

 そこで、今回の新型コロナウイルス感染拡大によって、人々が集まることは良くないということになって、不在者投票の条件緩和(日本では既にそうなっている)や郵便投票、投票日前に選挙管理事務所に投票用紙を出しに行くということが現在できない州でできるようにしようという動きになっている。そのために連邦政府が予算をつけるということにもなっている。

 選挙の延期や中止ということはアメリカではない、あり得ないということになる。デモクラシーの総本家を自認して、世界中にデモクラシーを強制して回ることこそ最上の使命だと考える人も多くいる国であるアメリカにとっては、選挙こそが国の根幹、国柄を形成する制度だ。それをやらないということになれば、アメリカがアメリカではなくなる。戦争があろうが、自然災害があろうが、テロ攻撃があろうが、新型コロナウイルスがあろうが、それは変わらない。

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2020年の大統領選挙は延期できるものだろうか?大変な困難しかない。その理由を挙げる(Could the 2020 Election Be Postponed? Only With Great Difficulty. Here’s Why.

―ルイジアナ州とジョージア州は大統領選挙予備選挙を延期させた。現在の危機的状況の中で各種選挙を実施することについての6つの重要な疑問に対して答えを提示する。そして、大統領は、大統領令を出して選挙を中止することはできない。

11月の大統領選挙の投開票日は連邦法によって定められている。これを変更するためには連邦議会によって改正法を可決し、大統領が可決した法案に署名しなければならず、その正当性について裁判が起こされることになるかもしれない。

アレクサンダー・バーンズ筆

2020年3月14日

『ニューヨーク・タイムズ』紙Alexander Burns

https://www.nytimes.com/2020/03/14/us/politics/election-postponed-canceled.html

コロナウイルスの感染拡大は、2020年の大統領選挙の選挙運動に対して日一日と新たな障害を加えている。しかし、これまでの48時間でルイジアナ州とジョージア州が実施いた予備選挙の日程の再設定に追随した州はほとんどない。

アメリカの選挙の歴史において選挙の延期は、そこまで前代未聞という訳ではないが、極めて稀な事態であった。

それでは、これからの数か月で、どれほどの障害が起きると有権者たちは予期することができるだろうか?地方自治体、州政府、連邦政府が選挙の日程やその他の詳細を変更することができるどれだけの裁量を持っているのだろうか?皆さんが持っておられるであろう疑問のいくつかについて私たちは答えを出してみようと試みてみる。

●ルイジアナ州とジョージア州が予備選挙を延期した理由は何か?

ルイジアナ州州務長官R・カイル・アードインは共和党所属で、民主党所属の州知事ジョン・ベル・エドワーズに対して、コロナウイルス感染拡大に対する懸念から、4月4日に実施予定の予備選挙を約2か月延期するように要請した。

両者にはルイジアナ州法によって予備選挙の延期の実施は認められている。ルイジアナ州では、州知事は、緊急事態に際して選挙の日程の再設定が可能ということになっている。州務長官が緊急事態が続いていると認定している間はそのような決定が可能となっている。

ジョージア州州務長官ブラット・ラッフェンスパーガーは土曜日、3月24日に実施予定の予備選挙を5月に延期すると発表した。ジョージア州民主党はこの決定を支持した。

他の各州はコロナウイルスに対応するために予備選挙の日程を変更させているだろうか?

いや、少なくとも、今のところはない。

今度の火曜日に選挙が予定されている4つの州、フロリダ州、オハイオ州、アリゾナ州、イリノイ州は予備選挙の日程を変更することなしに、投票をより安全に行えるように予防策を施して実施することになる。しかし、予備選挙が遅く実施される各州はルイジアナ州とジョージア州の例に倣うことは可能である。

このような直前になっての変更はかなり異例のことであるが、各州には予備選挙の日程と方法を決定できるかなり広範囲な裁量が認められている。予備選挙の日程を設定するための正確なプロセスは各州によって異なる。そのために、かなり多くの州が2016年から2020年の間に予備選挙や党員集会の日程を変更している。また、いくつかの州の共和党はトランプ大統領のために党内での争いを最小化する目的で予備選挙自体を中止することも可能なのである。

しかし、民主党自体には予備選挙を6月9日までに完了させねばならないという規則が存在する。そして、今年はミルウォーキー市で開催される全国大会に出席する代議員は6月20日までに決定されねばならない。この日程に反するルイジアナ州を含む各州は、代議員数の削減というペナルティを政党から科されることになる。

本選挙の日程は連邦法によって設定されており、1845年以降固定されている。本選挙の日程を動かすためには連邦法の変更をしなければならない。連邦議会によって法改正を可決し、大統領が署名しなければならない。この法改正は裁判で正当性を争うことになるかもしれない。

このような通常とは異なる異常事態を引き起こすことについてはあまり求められていない。

もし上記のような条件が全て実現した場合であっても、別の日程を選ぶための柔軟性はあまり存在していない。アメリカ合衆国憲法は新しい連邦議会は1月3日に召集されねばならないと定めている。そして、新しい大統領の任期は1月20日に始めねばならないとしている。これらの日程の変更は通常の立法行為によっては実行できない。

金曜日にルイジアナ州が予備選挙の延期を発表した後、民主党系の選挙法専門の弁護士として有名なマーク・エリスは、11月の選挙自体も見直すことができるのかどうかについて多くの質問が寄せられ、彼はこれを質問の波と表現しているが、それらについて次のように断言した。

マーク・エリスはツイッター上で次のように書いている。「11月の選挙について多くの質問をもらった。各州は予備選挙の日程を決めることができる。一方、連邦規模の本選挙の日程は連邦法で設定されている。11月の最初の月曜日の次の火曜日と決められている。州政府と大統領はこの日程を変更することはできない」。

「マーク・エリス(@marceelias)」

「11月の選挙について多くの質問をもらった。各州は予備選挙の日程を決めることができる。一方、連邦規模の本選挙の日程は連邦法で設定されている。11月の最初の月曜日の次の火曜日と決められている。州政府と大統領はこの日程を変更することはできない」。

ジェイク・タッパー(@jaketapper

「ルイジアナ州州務長官カイル・アードインは4月4日に実施予定とされているルイジアナ州での予備選挙を、コロナウイルスの感染拡大の懸念のために、そして、“ルイジアナ州の州民と選挙関係者の健康と安全を守る”ために、6月20日まで延期すると発表した」。

●大統領は大統領令で選挙を中止もしくは延期することはできるか?

いいえ。大統領は多くの権力と権限を持っている。しかし、選挙に関して言えば、大統領はルイジアナ州知事よりも制限されている。

.●11月の選挙の投票手続きについてはどうか?

大統領選挙の日程は連邦法によって設定されているが、投票手続きについては多くの場合、州レヴェルで管理されている。

投票に関する規則が複雑なパッチワークのようになっているのはそのためだ。いくつかの州では期日前投票が認められている。郵便投票や選挙当日の有権者登録を認めている州が複数存在する。その他に、有権者の本人確認にいくつかの書類しか認めていないところもある。多くの州ではこれらのうちのほとんど、もしくは全部を認めていない。

従って、公衆衛生上の危機的状況に対応するために、各州は投票手続きを見直すことは、特定の日に人々を一つの場所に集める必要がない郵便投票や期日前投票をより簡単にすることで、可能である。

アメリカ国内でコロナウイルス感染拡大が大きくなっているワシントン州では、長年郵便投票を実施してきている。3月10日の大統領選挙予備選挙は混乱なく実施された。

連邦政府は、大統領選挙の日程変更を行うことなしに、異なった投票手続きを実行する、もしくは促進することも可能だ。カリフォルニア大学アーヴァイン校教授で選挙法の専門家リチャード・L・ハセンは、連邦議会は、各州政府が大統領選挙本選挙で「無条件の不在者投票」が実施できるようにしなくてはならないと提案している。これによって選挙の投開票日に誰でも投票所に行っての投票以外の方法を選ぶことができるようになる。

「リック・ハセン(@rickhasen)」

「連邦議会は11月の選挙で各州政府が不在者投票を実施できるように法律を可決すべきだ。連邦議会は不在者投票に対して資金を提供し、それがすぐに実現するようにする必要がある」。

「アレグザンダー・ヘフナー(@heffnera)」

「全ての州知事と州務長官は期日前投票と郵便投票を実施しなければならない。投票は民主政治体制においては継続されねばならない」。

●過去において緊急事態のためにアメリカの各種選挙の日程が変更されたことはあるか?

はい、州や地方自治体レヴェルではあった。

最も記憶に残っているのは、2001年9月11日だ。このテロリスト攻撃はニューヨーク市長選挙の当日朝に行われた。州議会は緊急州法を可決し、選挙の2週間の延期を決めた。2017年、フロリダ州のいくつかの市長選挙が、ハリケーン・イルマのために短期間ではあるが延期された。

2004年、ブッシュ政権内でテロ攻撃があった場合に連邦規模での選挙を延期する方法が議論されたと報じられた。しかし、この考えはすぐに立ち消えとなった。当時の国家安全保障問題担当大統領補佐官コンドリーザ・ライスは「戦時中であってもアメリカでは選挙が実施されてきた、南北戦争当時でも選挙は実施されたのだ。アメリカは決まった時期に選挙を行うべきなのだ」と発言した。

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いいえ、トランプ大統領はコロナウイルスを理由にして11月の選挙を中止することも延期することもできない(No, Trump can't cancel or postpone the November general election over coronavirus

グレイス・パネッタ筆

2020年3月18日

『ビジネス・インサイダー』誌

https://www.businessinsider.com/trump-cant-cancel-or-postpone-the-november-election-over-coronavirus-2020-3

新型コロナウイルスの感染拡大は2020年の選挙に対して既に悪影響を与えている。最後の最後まで選挙陣営の幹部や選挙に関わる役人たちをまごつかせている。

ドナルド・トランプ大統領に批判的な人々の中には、大統領が今回の危機を利用して、今年の大統領選挙本選挙の延期や中止するのではないかという懸念を持っている。

トランプ大統領は大統領令を発して11月3日の本選挙を中止にすることも延期することもできない。国家非常事態、大災害宣言、もしくは戒厳令の下でもそうしたことができないのである。

新型コロナウイルスの感染拡大は既に2020年の選挙に大いに悪影響を与えている。選挙陣営の幹部や選挙関連の役人たちは状況に合わせることに奔走している。

月曜日にまでに、5つの州と自治領は民主党の大統領選挙予備選挙を延期した。

火曜日早朝、オハイオ州最高裁はオハイオ州衛生部に対する訴えを退けた。訴えでは、オハイオ州内のコロナウイルスをめぐる公衆衛生上の緊急事態を受けて投票所の閉鎖と予備選挙の投票を延期するように求めていた。

前例のない国家規模の混乱、株式市場の急落、ホワイトハウスによる一貫性のない対応の中で、ドナルド・トランプ大統領を批判する人々は、今回の危機を利用して、今年の本選挙を延期、もしくは中止するのではないかと疑念を持っている。

たとえば、フォックス・ニュースの政治アナリストであるファン・ウィリアムズは、『ザ・ヒル』誌に掲載した最新の論説記事の中で、次のように疑問を呈している。「大統領選挙までの8か月の間でさらに政治上の穴を深く掘るような状況の中で、トランプ大統領が次の大統領選挙を延期するもしくは中止するための正当化にコロナウイルスを使用することに躊躇するなどと考える人はいるだろうか?」

ベストセラー作家でツイッターにおいて50万のフォロワーを持つカート・エイチェンウォルドは、ヴァーモント州選出のバーニー・サンダース連邦上院議員に対して民主党の大統領選挙予備選挙から撤退するように求めた。そうすれば、各州で予備選挙を中止することができると主張した。エイチェンウォルトはツイッター上で、「トランプ大統領はこの手続きを使って選挙を中止することができるだろう」と書いた。

しかし、トランプ大統領は大統領令を出して11月3日の大統領選挙を一方的に中止、もしくは延期することができない。国家緊急事態もしくは自然災害の宣言や戒厳令の布告があってもそのようなことはできない。

民主党系の選挙法専門の弁護士マーク・エリスやケンタッキー大学法科大学院の投票・選挙法専門の教授ジョシュ・ダグラスを含む専門家たちは、ツイッター上で、各州が選挙人を任命する日程を変更するためには連邦議会が法律を変えるしかないと書いている。

「ジョシュア・ダグラス(@JoshuaADouglas)」

「多くの人々は“それでもトランプ大統領が戒厳令を布告したらどうなるのか?!”と述べている。1866年のミリガン決定(Ex parte Milligan, 1866)で連邦最高裁判所が決定したように、戒厳令の布告があっても憲法を一時停止をすることはできない

しかし、たとえそのようなことが起きても、戒厳令によってトランプ大統領に選挙を延期する、もしくは2021年1月20日の任期最終日を遅らせる力を与えられることはない」。

「ジョシュア・ダクラス(@JoshuaADouglas)」

「多くの人々が私に質問している。いいえ、国家規模の緊急事態の中でも、トランプ大統領は11月の大統領選挙を延期するために、大統領としての行政上の力を使うことはできない。連邦議会だけが大統領選挙の日程を設定できる」。

「マーク・エリス(@marceelias)」

「11月の選挙について多くの質問をもらった。各州は予備選挙の日程を決めることができる。一方、連邦規模の本選挙の日程は連邦法で設定されている。11月の最初の月曜日の次の火曜日と決められている。州政府と大統領はこの日程を変更することはできない」。

ジェイク・タッパー(@jaketapper

「ルイジアナ州州務長官カイル・アードインは4月4日に実施予定とされているルイジアナ州での予備選挙を、コロナウイルスの感染拡大の懸念のために、そして、“ルイジアナ州の州民と選挙関係者の健康と安全を守る”ために、6月20日まで延期すると発表した」。

結局のところ、アメリカ国民は大統領を直接選んでいるのではない。その代わりに、各州は、アメリカ選挙人団(Electoral College)に集合し、投票するために指名された選挙人たち(designated electors)を送り出す。選挙人たちは12月に召集される。選挙人たちは次の大統領と副大統領(連邦上院の議長)を決めるための投票を行う。

月曜日に本誌で掲載されたインタヴューの中でダグラスが述べているように、連邦議会は1845年に全国規模の大統領選挙の日程を11月の最初の月曜日の次の火曜日と定めた法律を可決し、それ以降、日程は変更されていない。

各州が選挙人を任命する手続きはアメリカ合衆国憲法第二条とアメリカ合衆国法典第3冊第1章の両方で設定されている。合衆国憲法第二条では、各州はそれぞれの州から選出されるアメリカが州国連邦下院議員と連邦上院議員を足した数と同数の選挙人を任命しなければならないとしている。この手続きに関しては連邦議会が決定することができる。合衆国法典では選挙人の任命の日程が設定されている。

選挙の日程を変更するためには、連邦議会は合衆国法典第1章を変更するために投票しなければならないだろう。この第1章では次のように定められている。「大統領と副大統領の選挙は、各州においては、4年おきに11月の最初の月曜日の次の火曜日に定められねばならない」。

連邦法には、各州は連邦法が定めた日に、連邦議会が同意しているいくつかのメカニズムによって、各州から選出されている連邦議員の総数と同数の選挙人を任命することと定められている。しかし、連邦法は、選挙人の配分のために選挙自体を実施する必要は定めていない。

実際、ダグラスは本誌に対して、アメリカの初期の歴史においては、多くの州が、今日私たちが知っている形のような大統領選挙を実施していなかったと述べた。その代わりに、各州の上下両院が選挙人を任命するために投票を行い、選挙人たちに対して、選挙人団の中でどのように投票するかを指示するために投票を行った。これは人々が実際に投票しての結果とは反対の結果となるものだった。

現在、全てのアメリカの州は州内における有権者の投票によって選挙人を分配する。しかし、選挙の結果とは異なる形で選挙人は配分される。

ほとんどの州は勝者総取り(winner-take-all)システムを採用している。このシステムは、ある候補者が総投票数の50%以上を獲得すれば、その候補者がその週の選挙人を総取りするというものだ。

しかし、メイン州とネブラスカ州は、選挙人の内2名は選挙の勝者に配分される。その他は州内の議会選挙区の得票数に基づいて配分される。

2020年の選挙が実施されないというこじつけのシナリオにおいても、トランプ大統領とマイク・ペンス副大統領の任期は自動的に延長されるということはない。

トランプ大統領とペンス副大統領の任期は2021年1月20日正午までとなっている。大統領が不在となれば、機能は連邦下院議長(連邦下院議員選挙が実施されればの話だが)が引き継ぐが、連邦下院議長がいなければ、連邦上院仮議長(president pro tempore)が引き継ぐことになる。

新型コロナウイルスの感染拡大がどれほど続くか、11月の本選挙にどの程度の影響を与えるかは、不透明な状況である。

予備選挙を延期することために、各州の役人たちは、感染拡大中に選挙を行うことはアメリカ疾病予防管理センターの出しているガイドラインに反するものだと主張している。このガイドラインは、10名以上の集まりを行わないようにと助言し、人々はお互いに6フィート(約180センチメートル)離れるように推奨している。これは投票所で行列を作るには難しい距離である。

役人たちは、投票において高齢者たちに危険が及ぶことに特に懸念を持っている。高齢者たちは、投票に向かう人と投票所でヴォランティアとして係員を務める人の割合が高く、また、新型コロナウイルスによる健康リスクも高い。

「チャールズ・スチュワート三世(@cstewartiii)」

「選挙に関わる係員たちに関するCOVID-19の問題は、投票所の係員の中における高齢者の数である。多くの人々が健康リスクのために投票所で働くことに躊躇する。グラフが示しているように、この問題のデータはむらがある」。

ダグラスや他の専門家たちは、各州が大統領選挙予備選挙を可能ならば延期すべきだということだけではなく、各州が期日前投票と郵便投票、無条件の不在者投票の実現に向けて動き出すべきだと主張している。こうした制度は既に34州とワシントンDCには導入済みであるが、11月の選挙のために全面的に導入すべきだ。

各州は選挙実施の方策について様々な選択肢を持っているが、連邦議会は各州が確実な選挙の方法と手段を採用することができるようにするための法律を可決させることができる。

オレゴン州選出のロン・ワイデン連邦上院議員(民主党)は既に法案を提出している。法案は、全ての州で有権者全員が郵便投票もしくは投票所に投票用紙を提出することができるようにするもので、また連邦政府が郵便料金の後納する封筒の提供と11月までに各州が郵便投票のために5億ドル(約535億円)の予算をつけるというものだ。

ダグラスは、11月までは長い時間があるとしながらも、各州の州議会議員たちは、根回しをして、不在者投票の条件緩和と郵便投票を構築することで、有権者と選挙に関わる係員たちの安全を守るべきだと発言している。

ダグラスは次のように述べている。「選挙の運営と実施の困難は増していますが、私たちが即座に行動し、私たちがこれらの施策をすぐに実施し始めるならば、選挙は実施できます。選挙は可能だろうか?大丈夫です。現在行動しなければならないだろうか?そうです。コロナウイルスが施策に影響を与えるまで待ち、システムを実際にどのようにこれまで通りに実施するかを考える期間が長くなればなるほど、選挙の実施の困難が募っていきます」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 今年の大統領選挙で民主党の大統領選挙候補者に事実上決定しているジョー・バイデン前副大統領は、自身の副大統領候補として女性を起用すると公約している。今年の大統領選挙民主党予備選挙には女性候補者たちが数多く出た。その数は史上最高だった。予備選挙で善戦したエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出)、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出)といった人々が副大統領候補の候補者として挙げられている。
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 現在の新型コロナウイルス感染拡大はアメリカ国内で深刻であるが、そうした中で、各州の州知事の中で、感染拡大への対応で評価を上げている人たちがいる。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事やミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事がそうである。ウィットマーも今年の大統領選挙の副大統領候補として名前が挙がっている。しかし、クオモとウィットマーは次の20204年の大統領選挙に温存している方が両人にとっても民主党にとっても良いだろう。

 そうした中で、スーザン・ライスがPBSのインタヴューに答えて、バイデンの副大統領候補に選ばれたら、「謹んで受諾する」と答えた。ライスも副大統領候補の候補者の1人と考えられている。ライスはバラク・オバマ前政権で国連大使や国家安全保障問題担当大統領補佐官を歴任した。ライスはヒラリー・クリントンの後任の国務長官の候補者として考えられていたが、アメリカ公使が殺害されたリビアのベンガジで起きた事件で味噌をつけてしまい国務長官になり損ねた。

トランプ大統領が最初に国家安全保障問題担当大統領補佐官に選んだマイケル・フリンに関して、ロシア大使との事前の電話会談がマスコミにリークされ、不倫はほぼ活動ができないままに辞任を余儀なくされた。このことに関して、オバマ政権末期にバイデンを含む高官たちがフリンの諜報上の情報を得るための申請をしていた。その高官リストにスーザン・ライスも入っていた。この問題はあまり大きいとは言えないが、オバマ政権によるトランプ政権への妨害ということであり、トランプ大統領は「オバマゲート事件」と呼んでいる。

 ライスは人道的介入主義派、ヒラリー派の人物であるが、オバマとの関係も悪くなかった。両者をつなぐことができた人物である。バイデンがもし大統領に当選すれば、スーザン・ライスも政府高官(国務長官クラス)、ホワイトハウスの最側近のスタッフ(国家安全保障問題担当大統領補佐官クラス)として復帰することも考えられる。しかし、副大統領候補となるには少し弱いところがある。ライスが副大統領候補に選ばれることはないだろう。何よりもヒラリー派の復活に対して、進歩主義派が大反対するだろう。そうなれば、バイデン大統領誕生も危うくなる。

 

(貼り付けはじめ)

スーザン・ライスはバイデンの副大統領候補Susan Rice says she would 'certainly say yes' to be Biden's VP

J・エドワード・モレノ筆

2020年5月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/497924-susan-rice-says-she-would-certainly-say-yes-to-be-bidens-vp

オバマ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたスーザン・ライスは、民主党大統領選挙候補者を確実にしているジョー・バイデンがライスに副大統領候補になるように依頼してきたら、「確実にイエスと言う」と発言した。


ライスはPBSとのインタヴューの中で、「私は素晴らしい実績を残した女性の方々の中に入れていただいたことを謹んで受諾します。これは大変に光栄なことです。こうした女性たちは副大統領候補として考えられていると報道されています」と述べた。

ライスはまた、バイデン前副大統領が、ライスが副大統領の最良の候補だと考えているのならば、自分としてはノーということはないだろうとも述べた。

ライスは「私は自分ができる限りの努力をして、彼を次期アメリカ大統領にしたいと願っています」と述べた。

バイデンは女性を副大統領候補に起用すると公約している。そして今月初め、彼の副大統領候補選定委員会は「12名以上の女性」を候補者として挙げているとも述べた。

今月CBSが行った世論調査の結果では、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が、バイデンの副大統領として、民主党員や民主党支持の有権者の中でトップに選ばれた。ライスは、ミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーと並んで6位につけた。

ライスの名前は国家情報局長官代行リチャード・グレネルが発表したオバマ政権の幹部だった人物たちのリストの中にも入っている。グレネルによると、これらの元幹部たちは、トランプ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたマイケル・フリンの「アンマスキング」につながる文書の提出を求めたということだ。マイケル・フリンに関するアンマスキングとは、2016年の大統領選挙からトランプ大統領の就任式までの期間に出された諜報レポートにおけるフリンの記述について提出を求めるものだ。

このリストの発表によって、共和党の連邦議員たちは、オバマ政権の幹部だった人物たちの行動についての調査を開始した。議員たちはライスの国家安全保障問題担当大統領補佐官時代のコミュニケーションに関連する情報の提供を求めている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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