古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

2020年12月

 古村治彦です。

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馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。

 藤森かよこ氏の最新刊『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』が発売になりました。前作『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』は重版を重ねるベストセラーです。最新刊は新型コロナウイルスバカ騒ぎの中で書かれたものです。以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

やはり長いまえがき

●本書はコロナ危機に対する著者の不安と恐怖解消活動の副産物

 こんなことを書くのは実に不謹慎なのだが、二〇二〇年二月から三月にかけて、私は生まれて初めて経験するパンデミックにわくわくしてしまった。三月の初めの頃に東京に行ったら、名古屋駅も東京駅も新幹線のホームに人がいなかった。なんという新鮮な清々(すがすが)しい風景。

 と同時に、私の心理状態は不安定になった。生まれて初めてのパンデミックは面白いと同時に、やはり不安だった。

 不安なときや、恐怖に駆られたときは、自分が怖いと思っている対象について徹底的にリサーチするに限る。

 私が生まれて初めて痴漢に遭遇(そうぐう)したのは、高校三年生のときだった。国立大学を受験する朝の電車の中であった。ショックだった。

 しかし、私は、その痴漢の気持ちの悪い顔の残像(ざんぞう)から逃げなかった。敢えて何度も何度もその痴漢の気持ちの悪い顔を思い出して記憶に刻み込んだ。折りたたみナイフをポケットに入れ、今度会ったら刺してやると決めた。私に痴漢をした男の顔というものを心の中で何度も凝視(ぎょうし)しているうちに、私の痴漢に対する恐怖はじょじょに薄れていった。なんだ、ただのクズじゃん。

 怖いなら、逃げずにリサーチだ。コロナが怖いなら新聞を読み、関連図書を読み、ネットで調べる。

 新型コロナウイルス感染症拡大危機(以後、コロナ危機と書く)が、その到来を加速させるろくでもない類の近未来が怖いならば、その近未来に起きるであろうこと(大恐慌や監視管理社会の到来や戦争や、ほとんどの人間が無用となるデジタルワールドなど)について調べる。その近未来を迎え撃つための方法を考える。

 本書は、私のコロナとコロナ危機に対する不安と恐怖解消のためにしたリサーチの副産物だ。

●コロナ危機は世界を強引に「ある方向」に進ませる

 リサーチ、リサーチ。まずは、私は購読している新聞(「日本経済新聞」)のコロナ関連記事を切り抜いてクリアファイルに入れるようになった。四〇枚ポケットのクリアファイルはあっという間に増えて、三月から九月の間に二二冊になった。

 こんなことを言うのは、年甲斐もなくナイーヴに過ぎるが、紙媒体の新聞というものは電子新聞より面白い。あらためて丹念に読むと貴重な情報満載だ。

 と同時に、新聞というものは、わりとあからさまに読者を誘導しているということにも今更ながら気がついた。「新聞は日付け以外はみな疑え」と、どこかに書いてあった言葉を思い出した。

 また、コロナ危機に関連して、新聞記事やインターネットに氾濫する記事や動画を漁(あさ)っているうちに、事態は単なる感染症騒ぎではなさそうだと思うようになった。「ある方向」へ世界を引っ張っていく力が働いていると感じるようになった。「シナリオ」があるような気がした。

 シナリオといっても、生身の人間が考えたシナリオだから、そのシナリオどおりに事態は進行しない。想定外のことは起きる。明日、宇宙から超巨大な隕石が海に墜落し、恐竜が滅びたようなプロセスで、世界を支配している人々もろとも人類全体が滅びるかもしれない。またシナリオは事情に応じて何回も書き換えられる。しかし大筋は変わらないだろう。進行方向は同じはずだ。

 その進行方向が見えるような気がした。そうか、世界はそちらに向かうのか。

 ここで私を「陰謀論者」と呼ばないでくださいね。副島隆彦(そえじまたかひこ)が『陰謀論とは何か―権力者共同謀議のすべて』(幻冬舎新書、二〇一二)で提案したように、ちゃんと正確に「権力者共同謀議論者」と呼んでください。

 そういえば、前著『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』に関するアマゾンのレヴューに「陰謀論的考えがよくない」というコメントがいくつかあった(レヴューを書いてくださったみなさま、ありがとうございました!)。

 今どき、「権力者共同謀議」の存在を否定する人間がいることに驚いた。共同謀議は存在するに決まっている。国策でも企業の方針でも、ほんとうのところは五人ぐらいの話し合いで決まる。小学校の学級会じゃあるまいし、多数決の民主主義で決まると思ってんの?

 ただ、コロナ危機までの私は、その「権力者共同謀議」というものを、あくまでも他人事(ひとごと)にしか感じていなかった。庶民の私とは直接には関係のない「社会の裏事情(うらじじょう)」だと思っていた。勝手にやってろ、と思っていた。

 ところが、それまではどうでもいいと思っていた「権力者共同謀議」によって引き起こされ増幅(ぞうふく)されたらしきコロナ危機のせいで、私が『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』において書いたことが通用しない状況になってしまったことに気がついた。

 これが問題。なんという迷惑な。前著を書き直すわけにはいかないので、私は前著の補足版を書くことにした。それが本書です。

●コロナ危機によって「遠い未来」が「近未来」になった

『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』を書いていた二〇一九年においても、今の時代が大きな大きな変化を前にした階段の踊り場ような時期であることは、わかっていた。

 大きな大きな変化とは、どのような変化だろうか。

 内閣府や省庁のウエッブサイトには、数年前から「Society 5.0」だの「スーパーシティ構想」だの「ムーンショット目標」だの、政府が一〇年後二〇年後に実現させるつもりのヴィジョンが開示されていた。それらを読むと、まるでSFだった。「アバター」なんて言葉が普通に出てくるのだ。

 官公庁のウエッブサイトは面白い。あれを丹念に読めば、卒業論文程度ならば、ネタ探しに事欠かない。資料も無料でいくらでも手に入る。

 日本政府が、主体的に「Society 5.0」だの「スーパーシティ構想」だの「ムーンショット目標」だの考えるはずがない。どこからか指令が来ているに決まっている。日本は属国としての歴史が長すぎる。

 指令しているのは(世界を動かす超特権的支配層の走狗(そうく)的機関である)「世界経済フォーラム」(WEF/ The World Economy Forum /ダボス会議)らしい。パソナグループ取締役会長の竹中平蔵がこの組織の評議員を長く務めている。このWEFは「第四次産業革命」をめざしている。AI化ロボット化が普通になる世界が二〇五〇年頃までに実現すると断言している。

 この世界を動かす人々は、人類が抱える諸問題は、SFのように見える手段によって解決すると思っているらしい。

 それも一理ある。人類の精神の進化に期待しても、その歩みは遅々(ちち)としている。遅すぎる。キリスト教諸国も仏教諸国も、キリストや釈迦の教えをいまだに実現できていない。遺伝子の突然変異による人類の精神の進化にも期待できない。突然変異なんて滅多に起きないのだから。したがって、科学技術の発展で人類の限界を広げるしかないというのは、わかる。

 加えて、人類にとっての人跡未踏(じんせきみとう)の希望の地はサイバー空間しかないようだ。それ以外は、もう地球上には残っていない。どこかの惑星に移住して人類社会のやり直しを試みることもできそうにない。巨大な宇宙ステーションを構築して、そこに選ばれた人類のみが住むというプランを持っている人々もいるが、それも、今の人類の身体条件のままでは無理だろう。ほんとうは、人類は月面着陸さえしていないらしいではないか。

 もはや、科学技術の発展を加速化させ、オンライン化AI化ロボット化を進め、人類の限界を突破し、エネルギー問題や少子高齢化問題や階級格差や教育格差を解消するしかないのだ。

 科学技術の発展(正確にいえば軍事技術の民間への放出なのだが)によって、現代世界が抱える問題を解消させる未来を実現させることは、ある種の政治エリートや科学者にとっては最重要課題であった。二一世紀に入ってからは、そのような科学的啓蒙書(けいもうしょ)もいっぱい出版されるようになった。

 しかし、そのようなAI化ロボット化によって、普通の女性どころか普通の男性の仕事も消える。少なくとも、「今ある仕事」のかなりが不要になる。雇用が消えたら収入も消える。

 いくらAI化ロボット化によって商品やサービスの生産性が高まっても、商品やサービスを買うことができる人間がいなくては意味がない。だから、国民が消費力、購買力を持てるようにユニバーサル・ベイシック・インカムが導入されるべきだと論じる本の出版も、二〇一〇年代になってから目立つようになってきた。

 しかし、AI化ロボット化によって雇用が消え、ベイシック・インカムの導入が本格的に論議されるのは、まだまだ先のことだと私は思っていた。

 大企業はいざ知らず、日本の企業の九割以上を占める零細中小企業は、コスト面でAI化ロボット化する余裕がない。AIもロボットもメインテナンスには費用がかかる。ならば機械ができることでも人間にさせておくほうが低コストだから、あと三〇年は現状維持に近いだろうと私は甘く見積もっていた。

 特に、日本の役所や企業や学校は、変化に対してシレっと抵抗し、素知らぬ顔して旧態依然(きゅうたいいぜん)を反復する傾向が大きい。だから普通の女性の雇用についても、何とかなるだろうと私は思っていた。

 ところが、コロナ危機のために、「普通のそのへんの女性(と男性)の雇用が消える未来」が近くなってしまった。

 普通のそのへんの女性が多く雇用されている職場は、正規雇用にせよ非正規雇用にせよ、対面型接触型サービス業が多い。観光業や宿泊業の従業員に、小売店の店員や飲食店のホールスタッフに、航空会社のフライトアテンダントに、セックスワーカーを含む歓楽系接待業が多い。

 コロナ感染拡大を防ぐには、人間と人間が接する機会を減らすしかないのだから、緊

急事態宣言発出(はっしゅつ)以後の外出自粛期間には、これらの職に従事する女性たちは休業や自宅待機を強いられた。

 二ケ月近い休業要請による経済活動の強制停止により、多くの零細中小企業は苦しい経営を強いられ倒産も増えた。エリートではない普通の女性を雇用している職場は、日本の企業の九割以上を占める零細中小企業が多いので、女性の雇用がさらに収縮する。

 コロナの襲来は第二波も第三波もあるらしい。今回のウイルス騒ぎが収束するのは二〇二二年になるという予測もある。つまり、コロナ危機による休業要請などは今後も繰り返される可能性が高い。となると倒産閉店はこれからも増え、失業者は増加する。

 大企業勤務の女性も安穏(あんのん)とはしていられない。リストラも多くなる。在宅勤務のリモートワークやオンライン化が、ウイルス感染拡大を招く三密状態を回避するために急いで導入されたので、そのために雇用形態の変化も起きる。

 経営者は、「職務定義書(しょくむていぎしょ)」(job description)を明確にすれば、社員が在宅勤務でも同じような成果が出せるとわかった。週五日出勤体制は無用だとわかった。高い賃料を払って都心のオフィスを確保しなくてもいいとわかった。社員食堂も用意しなくていいとわかった。

 ついでに、「職務定義書」が明確であれば外注できるから、正社員を雇用しなくてもいいということもわかってしまった。

 ひいては、企業に必要なのは、株主と経営者と具体的な実働(じつどう)要員(タスク・フォース)に明確な課題や指示を出すことができるだけの管理職がいればいいとわかった。鳥のような俯瞰(ふかん)的視野と虫のように細部を見る目を持った優秀な管理職さえいれば、他の社員は全員派遣でもいいとわかってしまった。この管理職でさえ、「ビッグデータを随時更新して自己学習する人工知能」ができれば無用になるかもしれない。

 この動きは止まらない。世の中というのは変わるときにはサッと変わる。

 人間が余る。人間の在庫が多くなる。

 人間の在庫が多くなる近未来を、馬鹿ブス貧乏な女性は生き抜けるのか? ただでさえ、私を含む馬鹿ブス貧乏な女性にとっては、生き難い世界なのに。

●ほとんどの人間が「無用者階級」になる近未来

 私たちが生きている資本主義社会というのは、資本家がコスト削減し、利潤拡大し、蓄積された利潤を増大(ぞうだい)させるために投資を繰り返す運動だ。一番のコストは人件費だ。労働者に支払う賃金だ。資本家にとって賃金を支払わずに済む労働力が理想だ。だから、可能ならばAI化ロボット化に移行するのは当たり前だ。資本主義は不可避にその方向に行く。

 コロナ危機は、その動きを加速させた。コロナ危機は、今までの世界のビジネスのあり方や仕事のあり方を激変させたというよりも、前々から予測されていたことの実現を速めることになった。そういう時代は、それに応じて人間の生き方も変わることになる。

 だから、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari,1976-)は、『ホモ・デウス―テクノロジーとサピエンスの未来』(柴田裕之訳、河出書房新社、二〇一八)の下巻一四七頁の「無用者階級」というセクションにおいて問題提起したのだ。

「二一世紀の経済にとって最も重要な疑問はおそらく、厖大な数の余剰人員をいったいどうするか、だろう。ほとんど何でも人間よりも上手にこなす、知能が高くて意識を持たないアルゴリズムが登場したら、意識のある人間たちはどうすればいいのか?」(『ホモ・デウス』下巻一四七頁)と。

「アルゴリズム」というのは、問題を解くための数学的計算手順のことだ。プログラミング言語を使って、問題の解決手順を記述したものをコンピューターのプログラムと呼び、それを実行すると、有限時間内に解が得られるものが正しいアルゴリズムである(二〇〇七年版『知恵蔵』筑波大学名誉教授星野力の解説より)。

 ほとんどの人間は、今まではプロレタリアート(Proletariat)、「無産階級」であることで苦しんできた。とはいえ、「無産」でも労働すれば賃金を得ることができた。しかし「無用者階級」になったら、どうすればいいのか。無用者階級でも死ぬまでは生きている。死ぬまでの時間を合理的に(=自己に真に利益があるように)使わねばならない。

 賃金労働は最も合理的な暇潰(ひまつぶ)しであった。賃金労働は最も効果的な学習機会であった。賃金労働が消えたら、人類は、どうやって暇潰しをするのだろう。

 これは人類史始まって以来の大衝撃で大変化だ。人類に突き付けられた大挑戦である。うまくいけば、全人類が賃金労働から解放され、真に自分のしたいことができる時代が来るのかもしれない。そのときには労働すら余暇活動になるのかもしれない。

 ただし、そういうチャンスに満ちた未来の到来の前に「過渡期(かとき)」というものがある。

この過渡期は二〇年間くらいだろう。長くて三〇年。つまり、二〇四〇年までか五〇年までは過渡期だろう。あなたが生きる時代は、もろこの過渡期にはまる。

 この過渡期は、ほぼ混乱状態でろくでもないだろう。おそらく、未来の「全人類が労働から解放され、真に自分のしたいことができる時代」の到来の前には、人口削減(さくげん)時代があるに違いない。

 人口削減は戦争によるのか、より平和的に非暴力的にパンデミック襲来の反復によるのか、あるいは死という副作用のある類のワクチンによって実現させるのか、福祉政策を捨てるのか、人工気象装置で大地震でも起こすのか、それはわからない。

 なぜ人口削減されることになるのか。よりマシな時代にするには人類が多すぎるから。人間の在庫が多すぎるから。ここらあたりの事情は、副島隆彦の『余剰の時代』(KKベストセラーズ、二〇一五)を読んでください。

 ほんとうは、人間は余っているのです。その証拠に、少子化対策など日本政府は本気でしていないでしょう? 反対に、結婚も出産も育児もしにくい社会を放置しているでしょう? ほんとは、少子化でいいのです。

 ともかく、普通の庶民は、この過渡期にさんざん翻弄(ほんろう)され、「無用者階級」確定だ。難儀(なんぎ)なことだ。

 二〇四〇年に生きていれば、私は八七歳。その頃には、日本でも生と死に関する哲学

も進化して、「安楽死」が合法(ごうほう)になっていればいいのだが。しかし、まだまだ日本人はその段階には達していないかもしれない。

 二〇四〇年では、庶民が身体を機械化して老いの不快さや不便さを解消できるサイボーグになれる状態を享受(きょうじゅ)できるほどには、科学技術が安価に利用できる段階にも至っていないだろう。そうなると、八七歳の私は三〇〇%「無用者階級」だ。

 ハラリのような高名な学者が、私のような余った人間を「無用者階級」と呼ぶことについては、どうでもいい。問題は、私にとっては、私自身は無用じゃないということだ。どんな時代になろうと、人間は自分自身の尊厳を否定できない。

「こんな人生なんて、こんな私なんて」と思っても、人間は自分自身のことを唯一の宝物(たからもの)だと思っている。その宝物が傷つくし苦しむから辛い。人間は、他人から「無用者階級」に分類されても、「無用者階級」ではいられない。無用者階級になってたまるか! 世界が私を必要としなくても、私自身は世界に居座る。

 本書の目的は、来(きた)るべきろくでもない近未来と、もうちょっと先の面白い(かもしれない)未来において、「無用者階級」と処理される「馬鹿ブス貧乏な普通のそのへんの女性」が、自分で自分を無用者階級にしないための対策を考えることにある。

 ここで、あらためて私が意味するところの「馬鹿ブス貧乏」の定義を、もっと露骨に明確にする。

「全人口のうち上位三%の知力の持ち主でなければ馬鹿」です。「知力」の定義が難しいですが、まあここは適当に考えて下さい。一九四六年にイギリスで創設されたメンサ(MENSA)の条件は、全人口のうち上位二%の知能指数の持ち主が会員の条件だそうだから、メンサよりは条件が緩いかもしれません。

「美貌やプロポーションの良さだけで高収入を得ることができないならブス」です。

「どんな政治的社会的変動があっても、生活が安泰な超富裕層以外は貧乏」です。

 つまり、普通のそのへんの人間は、全人口の九七%くらいの人間は、みな「馬鹿ブス

貧乏」です。不愉快でも受け容れてください。

●本書の構成

 本書は、一五の章に分かれている。本書に収録された文章のほとんどは、KKベストセラーズ社のウエッブマガジンBEST T!MESに、二〇二〇年三月から一〇月の間に発表したコロナ危機関連の文章に加筆したものだ。

 インターネットでは長い文章は、あまり読まれない。タブレットやスマホの画面で読める文章の字数には限りがある。だから、BEST T!MESに掲載された記事の文字数は長くても六〇〇〇字が限度だった。ほんとうは二〇〇〇字くらいが妥当らしい。

 だから、書いても割愛(かつあい)せざるを得なかった部分が多かった。私が考えていることは、世間(せけん)一般からすると不快で危ないことが多いので、そのあたり最少にするためにも割愛した部分が多かった。本書に収録するにあたって、それら割愛した文章を思いっきり復元させた。まったくの書(か)き下(お)ろしは、最終章の第一五章だけである。

 各章の記述には繰り返しがちょっと散見される。その点は、反復されることによって理解が深まると前向きに解釈していただければ、ありがたいです。

 また、各章の最初に、その日付の累積コロナ感染者数と累積死亡者数が記されている。その数字は、厚生労働省が毎日正午に発表したものだ。

 日本におけるコロナ危機の最初の段階では、外国人観光客の感染者が多かったので、累積コロナ感染者数のうちの日本国籍者数を厚生労働省は発表していた。四月に入ったあたりから、累積コロナ感染者数のうちの日本国籍者数は発表されなくなった。だから、本書でも、途中から累積コロナ感染者数のうちの日本国籍者数を記入していない。

 さて、どこからでも、ご興味のおありになるところから、読んでやってください。てっとり早く結論を知りたいと思う方は、最終章からお読み下さい。できれば順番に読んでいただきたいです。今回のコロナ危機が、自然発生的なものではなく、世界をある方向に引っ張っていくための操作だと私が思うことに、あなたも共感してくださると思うからです。そして未来がどういう世界になるのか、イメージが明確になると思うからです。

 これから、大変な時代が来ます。しかし、あなたの生き方によっては、退屈しない面白い時代が来ます。その時代を迎え撃つための準備として、本書が少しでもあなたのお役に立つのならば嬉しいです。

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やはり長いまえがき …………18

本書はコロナ危機に対する著者の不安と恐怖解消活動の副産物 …………18

コロナ危機は世界を強引に「ある方向」に進ませる …………20

コロナ危機によって「遠い未来」が「近未来」になった …………22

ほとんどの人間が「無用者階級」になる未来 …………28

本書の構成 …………33

 

1 コロナ危機があらわにした日本の家族の問題 …………37

11 前代未聞(ぜんだいみもん)! 学校が一斉休校になった! …………38

12 現代日本の学校は学校以上「デイケアセンター」 …………39

13 ほんとうは日本人は子どもが嫌い? …………41

14 育児に要求されることが多い現代 …………45

15 中産階級が生まれた近代から子育ての苦労は生まれた …………46

16 古代から親の三〇%(?)は毒親 …………49

17 一九九〇年代から可視化された毒親問題 …………51

18 悪魔のような親は存在する …………53

19 残虐(ざんぎゃく)な事件の実態は報道されない ………… 54

110 古代からあった家族内性的虐待 …………57

111 毒親もいれば「毒子」もいる …………61

112 あらためて認識された学校給食の決死的重要性 …………66

113 日本の家族の機能不全を受容するしかない …………68

2 コロナをめぐる権力者共同謀議論を漁(あ)さる …………71

21 ウイルス発生源をめぐるネット界の噂 …………72

22 ウイルスが中国製だろうがアメリカ製だろうが …………74

23 ウイルスワクチン販売促進のための都市封鎖? …………77

24 グローバリズムはパンデミックを不可避に生む …………80

25 経済危機の犯人をコロナのせいにするための都市封鎖? …………83

26 混沌とした世界を理解する一助としての権力者共同謀議論 …………84

3 アフターコロナには監視管理社会になるらしい …………87

31 国際的知識人の見解にご用心 …………88

32 ユヴァル・ノア・ハラリは監視管理国家を予測する …………90

33 コロナ危機で強化される国民監視体制を暗に支持? …………91

34 自由より安全を選べば監視管理社会になる …………94

35 未来予測なのかシナリオなのか? …………96

4 剰余価値も生み出せない生産性のない労働者だった自分に気がつく …………97

41 コロナ危機での各国政府の巨額財政負担は大丈夫なのか? …………98

42 前例(ぜんれい)のない大盤振舞(おおばんぶるま)いをする各国政府 …………100

43 日本の財政出動もすごい …………102

44 各国の大型財政支援はMMTの正しさの証明か? …………103

45 MMTが官僚支配の社会主義に見えてしまう私 …………106

46 副島隆彦の『経済学という人類を不幸にした学問』の衝撃 …………109

47 どんな経済政策でも失敗すると想定しておく …………115

48 経済学的には「無用者階級」である自分にあらためて気がつく …………118

5 高等教育のオンライン化は教育格差解消に貢献できる …………121

51 コロナ危機前から大学はすでにオンライン化が進行していた …………122

52 アメリカには完全オンラインで学位取得できる大学は四〇〇以上 …………123

53 日本の完全オンライン大学は二〇二〇年現在二大学のみ …………126

54 オンライン大学講座ならば日本でも盛んである …………128

55 高等教育のオンライン化が進むべき理由 …………129

56 現代大学生のお金事情―奨学金という借金 …………132

57 オンライン化の問題もある …………137

6 章官公庁のサイトには公開されているけれど国民の多くが知らない国策 …………141

61 小中高のオンライン化はコロナ危機前からの国策 …………142

62 補正予算二三一八億円規模の「GIGAスクール構想」 …………144

63 Society 5.0時代に適応できる国民を育成すること …………146

64 Society 5.0時代の暮らしを想像する …………148

65 Society 5.0は国民のデータを集める監視管理社会でもある …………150

66 あまりにタイムリーなコロナ危機 …………152

7 コロナ危機は「第四次産業革命」実現のための布石(ふせき)…………155

71 田中宇(たなかさかい)の「新型コロナウイルスの脅威を誇張する戦略」説 …………156

72 WEFの第四次産業革命 …………157

73 日本政府の未来目標は第四次産業革命の焼き直し …………160

74 「ムーンショット目標」の驚愕(きょうがく)する中身 …………161

75 石黒浩の『アンドロイドは人間になれるか』を読むべし! …………164

76 人類に残されたフロンティアはサイバー空間だけ …………168

77 二〇二一年のWEFのテーマは「グレート・リセット」! …………170

8 世界支配層御用達(ごようたし)機関と御用学者が奇妙に道徳的になっている …………173

81世界支配層の代理人たちが道徳を唱え始めたほど世界は危機に瀕している …………174

82 「資本主義ではなく才能主義へ」と言うWEF会長 …………175

83 クラウス・シュワブとジャック・アタリの奇妙さ …………176

84 『2030年ジャック・アタリの未来予測』は利他主義を説く …………179

85 国連は一七の持続開発目標SDGsを掲げる …………183

86 未来世界の企業はCSRの実践があたりまえ? …………186

9 アフターコロナの雇用収縮は女性にとってこそ大問題 …………191

91 コロナ危機は「女性の最後の職業」をも脅かす …………192

92 対面型接触型サービス業で食べていくのは無理かもしれない …………194

93 コロナ危機により促進される在宅勤務と雇用形態の変化 …………196

94 メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ …………198

95 限りなく派遣に近いタスク型雇用 …………202

96 Society 5.0における働き方 …………205

97 有史以来の女性の危機はチャンスでもある …………207

10 不穏な盛夏にアフターコロナ対策本出版ラッシュ …………213

101 不穏さを秘めた盛夏 …………214

102 アフターコロナ対策本出版ラッシュ …………216

103 タフなフリーランスが期待される被雇用者 …………217

104 幅広く深い教養を持つことが期待される被雇用者 …………218

105 リベラルアーツとAIリテラシーを身に付けるのが期待される被雇用者 …………220

106 雇用消滅後の人生にこそリベラルアーツ …………222

11 章近未来は最悪を予想しておくぐらいが丁度よい …………225

111 近未来予測動画が伝えるのは大恐慌と預金封鎖と監視管理国家の完成 …………226

112 某有料会員制セミナーの未来予測は人口削減で「新世界秩序」完成 …………229

113 来るべき食糧危機に備えよ …………230

114 地球の支配者は宇宙人だという説もある …………231

115 「ディープ・ステイト」の現在 …………235

116 米中戦争は二〇三〇年? …………237

117 未来は独居高齢者見守りロボットで孤独死問題は消える …………238

118 近未来の庶民の暮らしはどん底 …………241

12 消える仕事ではなく「今ない仕事」を考える …………243

121 「今ない仕事」を想像する楽しさ…………244

122 二〇三〇年には、あなたはアバターを駆使できる…………246

123 職種は永遠ではない…………247

124 人間至上主義(西洋近代啓蒙思想)は失敗したのか?…………249

125 人間の社会性と創造性を全開させるのはこれから…………251

126 私が欲しい「今ない仕事」…………254

127 私が欲しい今ない仕事「サイコパス出生防止技師」を弁明する―中絶合法化がアメリカの犯罪者を減らした …………256

13 デジタル化の必要性を真に日本人が認識していないのが問題だ …………261

131 菅政権「デジタル庁」創設…………262

132 デジタル化が必要な真の理由はコロナ危機でも資本主義のコスト削減でもない…………265

133 デジタル化してこそ人類に未来がある …………268

134 機械が人類を滅ぼすより、人類が人類を滅ぼす可能性のほうが高い …………271

135 身体の機械化への抵抗が小さくなりつつある現代 …………272

136 肉体にうんざりしつつある人類 …………275

137 テレワークに向いた回避型人類 …………276

138 霊肉分離の兆候 …………279

139 女性こそICTスキルを学ぼう …………282

14 コロナ危機のために女性の自殺者が増えている! …………285

141 七月からずっと女性自殺者数が増加している …………286

142カネも気晴らしもない鬱屈と未来への不安と孤独感は特に女性を蝕(むしば)む …………287

143 反出生主義者で「地球は地獄だ」と思う私 …………290

144 私が自殺しなかった理由 …………292

145 ダメもとで他人に助けを求める …………298

15 無用者階級になってたまるか! …………301

151 ICTスキル学習 …………302

152 困窮したら公的支援について調べ利用する …………302

153 平々凡々な日常生活を楽しむ達人になる…………306

154 食糧難に備えて小食を習慣にし、自分で食料生産してみる …………309

155 信頼できる人を気長に見定め確保する …………312

156 学び続けていれば怖くない …………315

157 「ほんとうに好きなこと」を見つける …………316

158 魂の不滅を信じる蛮勇を持つ …………319

159 無用者階級に甘んじたくないなら読むべき二冊 …………323

あとがき …………326

文献リスト(紹介順) …………328

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あとがき

 本書は、私のコロナとコロナ危機に対する不安と恐怖を敢えて追いかけた記録でもあるし、コロナ危機によって状況が変わり、前著『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』で書いたことが通用しなくなったので、前著の補足版でもあることは、すでに書いた。

 しかし、この出版不況の時代に、そんなものを書籍にする意味はあるのだろうか? 売れるとも思えない。コロナの襲来が反復されれば、書店はまた休業してしまうのに。

 しかし、KKベストセラーズの編集者である鈴木康成氏は蛮勇を振るって、「出しましょう!」と言ってくださった。ありがとうございました! またも大変にお世話になりました。

 KKベストセラーズのWEBマガジンBEST T!MESの担当編集者の山﨑実氏にも、お世話になりました。ありがとうございました! ネットコラム記事にしては長い原稿ばかりを送りつけて申し訳ありませんでした。

 前著と同じく、本書の素敵な装丁を担当してくださった大谷昌稔(おおたにまさとし)氏に感謝いたします。ありがとうございました!

 前著と同じく、本書の不思議な気の明るさのあるカバーイラストを担当してくださった伊藤ハムスター氏に感謝いたします。ありがとうございました!

 そして、私の第二作である本書を読んでくださったみなさまに、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!

 正直言って、二〇二〇年はくたびれた。

 さてさて近未来は、さらにくたびれるのだろう。それでも、迎え撃つしかない。退屈しなくていい。

二〇二〇年秋
(貼り付け終わり)
(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙は選挙人団(Electoral College)による投票が終了した。残るは連邦議会におけるこの投票結果に対する承認である。連邦議会で承認されて結果が確定する。

 現在、20名ほどの共和党所属の連邦下院議員たちが選挙人団による投票結果の承認に反対する動きを見せている。連邦上院では共和党側幹部のミッチ・マコーネルが反対の動きに同調しないように呼び掛けているが、今回の連邦上院議員選挙でジョージア州において当選した、トミー・トゥーバーヴィルが同調することを示唆している。

 大統領選挙でトランプ大統領が勝利を収めた南部や地方の州選出の連邦議員たちは、自分たちの選挙のことを考えても、反対の動きに同調しなければならない。彼らに投票した有権者たちはトランプ大統領に投票したということが考えられ(共和党の下院議員に投票しながらバイデンに投票したという人はほとんどいないだろう)、そうした有権者たちは、連邦議員たちがどのように動くかを注意深く見ており、次の選挙での参考にするだろう。

 大統領選挙に対する動きは越年する。そして、アメリカの分断はどんどん深刻化していく。

(貼り付けはじめ)

共和党所属の連邦議員たちで選挙人団の投票結果に挑戦する人たちの数が増えている(Growing number of GOP lawmakers back Electoral College challenge

ジョーダン・ウィリアムズ筆

2020年12月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/531315-number-of-house-republicans-back-effort-to-object-to-election-certification

共和党所属の連邦下院議員たちの中で、2021年1月6日に連邦議員が選挙人団(Electoral College)の投票結果を承認するために連邦議会に集結する際、2020年大統領選挙の結果に挑戦することになるだろうと述べる議員たちの数は増え続けている。

最近になって挑戦することになるだろうと述べたのは、連邦下院議員選挙当選者マディソン・コウソーン(Madison Cawthorn、ノースカロライナ州選出)である。コウソンは1月初旬に議会が招集されて初めて連邦議員となる。

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マディソン・コウソーン(1995年-)

ヴィデオメッセージの中で、コウソンは、他の共和党所属の政治家たちに挑戦するように呼び掛けた。

コウソンは次のように述べた。「私は全国の共和党所属の政治家の皆さんに対してメッセージを送ります。もし皆さんが公正で、自由で、正義の選挙を、今そして未来に、求めなければ、私は皆さんの選挙区に行き、皆さんに対抗する予備選挙の候補者を見つける活動をします」。

2020年の選挙では、勝利者のジョー・バイデンがトランプ大統領に対して、選挙人数で70名以上、得票数で700万票以上の差をつけて勝利をしたという結果が不公正なものであることを示す証拠は存在しない。そして、トランプ大統領と協力者たちが選挙結果を覆す試みは法廷では成功しなかった。

連邦下院での試みは失敗する運命にある。連邦下院では民主党が過半数を握っている中で、トランプ支持者たちが過半数の投票を確保することは不可能である。共和党所属の連邦下院議員たちの多くが参加する選挙結果に反対する試みを最初に始めたのはモー・ブルックス連邦下院議員(アラバマ州選出)である。

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モー・ブルックス(1954年-)とトランプ大統領

しかし、トランプ大統領は挑戦の試みを促している。そして、連邦下院議員の多くはブルックスの試みに参加すると述べている。こうした議員たちは全米でも屈指の強力な共和党員たちからの注目を集めている。

ブルックスが率いている20名近くの連邦下院議員たちは月曜日、トランプ大統領と快打を持ち、バイデンの勝利を承認することに反対することについて議論した。

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ジョディ・ハイス(1960年-)

この議員たちの中には、ジョディ・ハイス(Jody Hice、ジョージア州選出)はツイッター上に、ジョージア州の選挙人たちへの反対を主導するだろうと投稿した。

ブライアン・バビン(Brian Babin、テキサス州選出)は月曜日、連邦議会が2021年1月6日までに不正選挙について調査をしないのならば、選挙結果に対して自分は反対すると述べた。そして、連邦下院共和党指導部に対して書簡を送り、行動を起こすように促した。

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ブライアン・バビン(1948年-)

約20名の共和党所属の政治家たちがバビンの書簡に署名した。

一方、テッド・バッド連邦下院議員(ノースカロライナ州選出)は火曜日、“#WethePeople will keep fighting for @realDonaldTrump.”#WethePeople@realDonaldTrumpのために戦い続ける)と述べ、選挙結果に反対する計画を持っているとツイートした。

連邦上院多数党(共和党)院内総務ミッチ・マコーネル(Mitch McConnell、ケンタッキー州選出)は連邦上院議員たちに対して、ブルックスの試みに参加しないように求めている。連邦上院多数党(共和党)幹事ジョン・スーン(サウスダコタ州選出)は月曜日、「選挙結果に反対する試みはうち棄てられた犬のように惨めな結果に終わる」だろうと述べた。

ブルックスの動きに参加する連邦上院議員が出てこなければ、連邦上下両院で採決も議論も行われないことになる。しかし、ブルックスは彼自身の試みを支持してくれる連邦上院議員1人を確保できるかどうかは明確になっている。

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トミー・トゥーバーヴィル(1954年-)

(全米屈指の強豪オーバーン大学フットボールティームのヘッドコーチ時代)

連邦上院選挙当選者トミー・トゥーバーヴィル(Tommy Tuberville、アラバマ州選出)は、選挙結果反対を支持するだろうと示唆している。

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馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 新型コロナウイルス感染拡大によってもたらされるもの、それは国家の力の増大であり、おそらく私権の制限であろう。既にそのような恐ろしい状況に向かって進んでいる。しかもそれを進めているのは、リベラルと呼ばれる人々だ。リベラル(liberal)とは、「自由な」という意味の英単語であったはずだが、それと逆行する動きを進めようとしている。

 世界経済フォーラム(World Economic ForumWEF)が言い始めた「グレイト・リセット」。新型コロナウイルス感染拡大という事態を受け、これまでのやり方を「リセット」するということらしい。「国家の力を劇的に強める」ということのようだ。国家の力を劇的に強めて、諸問題を一気に解決するということになると、これは大変に危険なことだ。
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ジョーバイデンとジョン・ケリーの耄碌し尽くした老醜コンビ
 そして、大統領選挙に当選したというジョー・バイデンはこのグレイト・リセットに酷くご執心だということを、バイデンが気候変動対策の大統領特使に任命すると見られる、ジョン・ケリー元国務長官(連邦上院議員時代はバイデンと同僚)が暴露したのだ。
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グレート・リセット ダボス会議で語られるアフターコロナの世界

 世界の諸問題を一気に解決するために、国家の力を劇的に強める。そのようなことになれば、個人の抑圧、私権の制限といったことがどうしても起きてくる。新型コロナウイルス感染拡大を契機に、これを利用して、このような危険なことをやろうというのは、まさに「ショック・ドクトリン」だ。また、デモクラシーの濫用だ。「俺が選挙で勝ったんだ、だから俺の言うことを聞け」「反対する奴は非民主的だ」ということになる。

 私が恐れているのは、ジョー・バイデンが大統領に就任したということになって、「戒厳令を布告して、マスク着用を全国民に強制して、反対する人間やマスクをしない人間を“人民の敵”認定して逮捕・投獄する」ということが起きるのではないかということだ。

 このグレイト・リセットという、およそアメリカの憲法の精神に全くそぐわない考え方にバイデンやバイデンの側近たちが熱心だということは、それだけで恐ろしいことであるし、アメリカがアメリカではなくなる、アメリカを破壊する行為であると私は考える。

(貼り付けはじめ)

ジョン・ケリーがジョー・バイデンの急進的「グレイト・リセット・ムーヴメント」への傾倒を明らかにした(John Kerry reveals Biden's devotion to radical 'Great Reset' movement

ジャスティン・ハスキンス筆

2020年12月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/energy-environment/528482-john-kerry-reveals-bidens-devotion-to-radical-great-reset-movement

今年6月、世界経済フォーラム(World Economic ForumWEF)と国際連合(United NationsUN)のような重要な国際機関に属するエリートたちは、世界経済を「リセットする」ための遠大な計画とキャンペーンを始めた。

この計画には、グリーン・ニューディールのような新しい社会的プログラムの拡大、左派が主張している諸テーマを支援することを各企業に強制する巨大な規制と政府のプログラムを通じて、政府の力を劇的に増大させることが含まれている。

この計画の正当化には2つのポイントがある。支持者たちによって「グレイト・リセット(Great Reset)」と名付けた計画を正当化する理由として、新型コロナウイルス感染拡大(短期的な正当化の理由)と世界規模の温暖化による、いわゆる「気候変動危機」(長期的な正当化の理由)が存在する。

「グレイト・リセット」の支持者たちが主張しているところでは、この計画によって、社会の大きな部分が根本的に形を変えることになるだろうということだ。世界経済フォーラムの代表クラウス・シュワブは6月、次のように書いている。「世界は社会と経済の全ての側面を刷新するために一致団結してかつ陣族に行動しなければならない。それらは例えば、教育、社会契約、労働環境といった側面である。アメリカや中国をはじめとする全ての国家が参加しなければならない。そして、石油産業から天然ガス産業からハイテク産業など全ての産業が変化しなければならない。簡潔に述べると、私たちには資本主義の“グレイト・リセット”が必要なのだ」。

国際的に見て、「グレイト・リセット」は既に影響力を持つ指導者たち、活動家たち、学者たち、そして諸機関に支持されている。世界経済フォーラムと国連に加えて、グレイト・リセット・ムーヴメントは、国際通貨基金(International Monetary Fund)、国家元首たち、グリーンピース、マイクロソフトやマスターカードのような大企業や金融機関のCEOと会長たちの間でも支持を得ている。

しかし、アメリカにおいては、大統領選挙当選者ジョー・バイデンを含むほとんどの省察立案者や決定者たちが、グレイト・リセットについて比較的沈黙を待っている。多くの人々は、バイデン政権が、この急進的な計画であるグレイト・リセットに支持を表明するのか、反対するのか、知りたいと考え、そのヒントだけでも手に入れようとしている。

バイデンと彼の側近たちがグレイト・リセットを支持し、アメリカにそれを導入しようとするだろうことを示す証拠がいくつも存在する。しかし、バイデンと側近たちは、今のところ、アメリカにグレイト・リセットを導入するということを明確には述べていない。

11月中旬に世界経済フォーラムが主催した、グレイト・リセットに関するパネルディスカッションにおいて、バイデン政権で気候変動問題担当大統領特使を務めるであろうジョン・ケリー元国務長官は、バイデン政権がグレイト・リセットを支持し、「グレイト・リセットは、多くの人々が想像しているよりも、より急速にかつより大きな強度を持ってアメリカで実現されるだろう」と力強く宣言した。

パネルとして出席したボルゲ・ブレンデは、「世界経済フォーラムとその他のグレイト・リセットの支持者たちは、新しい大統領に期待するのが大き過ぎるし、急ぎ過ぎているのでしょうか?それとも新大統領は就任第一日目からグレイト・リセットを実行するのでしょうか?」とケリーに質問した。ケリーは「あなたのご質問に対する答えは、“いいえ、あなたは期待し過ぎてなどいなません”というものです」と答えた。

ケリーは続けて次のように語った。「そして確かに、グレイト・リセットは実現するでしょう。グレイト・リセットは、多くの人々が想像するよりも、急速にかつ強力に起きることでしょう。実際には、アメリカ市民はグレイト・リセットを遂行しつつあります。私たちはグレイト・リセットを実行しています。それは記録的な投票率のことを指します」。

ケリーは更に、「気候変動危機」のスピードを遅らせるためにグレイト・リセットが必要だと述べた。そして、「ジョー・バイデンは、アメリカにとってパリ(気候協定)に復帰することは十分ではないと考えていると私は知っています。パリ(気候協定)が必要としている最低限のことを行うだけでは十分ではないのです」と語った。

ケリーはまた、グレイト・リセット・ムーヴメントのために、「私たちはとても興奮する時代の幕開けに立ち会っている」と考えており、「気候変動危機に対処するために、社会的、そして経済的な諸問題を明確にするための最大の機会を手にしている」と述べた。

世界経済フォーラムのイヴェントでのケリーのこれらの発言は、世界経済フォーラムや国連など気候変動についてグレイト・リセットを支持ししている国際機関や組織とケリーがバイデン政権に参加して協同することになるという事実によって、より重要性を増す。

ケリーがグレイト・リセットを支持することを表明したのは今回が初めてではない。6月に世界経済フォーラムが開いたヴァーチャルのイヴェントで、ケリーは、新型コロナウイルス感染拡大は、グレイト・リセットにドアを開く「大きな瞬間」だと述べた。更に、「世界経済フォーラムは世界のCEO的な役割を果たせる能力を持っています。そして、気候変動と経済格差に対処するためにグレイト・リセットを洗練させるための最前線のそして中心的な役割を果たすことになるでしょう。これらの問題は新型コロナウイルス感染拡大によって露わにされたのです」。

バイデンとグレイト・リセットとのつながりには明確な証拠があることは明らかだ。ジョー・バイデン、ジョン・ケリーとバイデン政権の高官たちはアメリカにグレイト・リセットを導入することを計画している。もし彼らのその試みが成功すれば、アメリカは以前とは同じ国ではなくなるだろう。

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 古村治彦です。

 2021年1月17日(日)に副島隆彦を囲む会主催定例会が開催されます。以下に詳細を貼り付けます。

(貼り付けはじめ)

42回副島隆彦を囲む会主催定例会

「悪辣(あくらつ)なディープ・ステイトと闘(たたか)い続けるトランプとアメリカ国民」

・講師:副島隆彦先生、六城雅敦(ろくじょうつねあつ)研究員

・開催日時:2021年1月17日(日)12時15分開場、13時開演

・会場:JR「御茶ノ水」駅 全電通労働会館ホール

・会場住所:〒101-0062  東京都千代田区神田駿河台3丁目6

TEL03-3219-2211 FAX03-3219-2219

・地図:
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・会場までのアクセス:

JR中央・総武線 御茶ノ水駅

(聖橋口出口 徒歩5)

東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅

(B3出口 徒歩5)

東京メトロ丸ノ内線 淡路町駅

(A5出口 徒歩5)

都営地下鉄新宿線 小川町駅

(A7出口 徒歩5)

・当日の予定:

開場  12:00

開演  12:45

終了  17:00(予定)

【新型コロナウイルス感染拡大防止のお願い】

・発熱だと体調が悪い場合には参加をお見合わせ下さい。

・マスクを着用してご参加ください。

・手洗いと手指の消毒をお願いいたします。

・ロビーやお手洗いなどでは密にならないよう、ご協力をお願いいたします。

※定例会出席のお申し込みはコチラ↓

https://www.kokuchpro.com/event/b78799f854b8e28c5cf94a58bd0874ca/

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 古村治彦です。

 副島隆彦・佐藤優著『』(日本文芸社)が発売になりました。以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。是非手に取ってお読みください。
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ウイルスが変えた世界の構造

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「まえがき」

 バイデン政権下、米中緊張が一層強まる

                 佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

 副島隆彦氏との共著は、これで6冊目になる。

 2020年は、歴史に残る年だった。この節目の年に副島氏と日本と世界の現状と近未来予測について、徹底的に議論することができた。

 政治情勢や国際関係の評価について、2人の評価が異なる部分があるが、その人の持つ情報、人生経験によって、同じ出来事が異なって見えることがあるので、この点については知的異種格闘技として楽しんでいただきたい。

 本書を読むにあたって押さえておいていただきたいのが時間概念だ。物事を観察し、理解する上で時間概念が死活的に重要である。副島氏も私も欧米的な時間概念で物事を見ている。なぜならそれがグローバル・スタンダード(世界基準)だからだ。

 ギリシア語では、2つの時間概念が存在する。第1は、流れる時間を表すクロノスだ。英語のタイムになる。第2は、ある出来事が起きる前と後では、歴史に断絶が生じるという意味の時間を示すカイロスだ。英語だとタイミングに相当する。

 日本にとって、2020年は3つの意味でカイロスだった。

 第1はコロナ禍だ。コロナ禍により、グローバリゼーションに歯止めがかかり、国家の壁が再び大きな意味を持つようになった。ステイホームで、経済が停滞した。リモートワークが導入されたが、その結果、成果主義が強まった。

 また、リモートワークができない職種に従事する人々の負担も増加した。教育でも一斉休校やリモート化によって、学校間の格差が拡大した。

 コロナ禍によって、国家間、地域間、階層間、ジェンダー間の格差が拡大した。この傾向は今後も続く。特に構造的に弱い立場に置かれた人が、社会的底辺に追いやられ、這い上がれなくなった。

 第2は、アメリカ大統領選挙で民主党のバイデン候補が当選したことだ。

 この対談は1年以上準備して行なったものだ。当初、われわれはトランプ氏が大統領に再選されるものと考えていた。しかし、コロナ禍によって状況が変わった。

 開票が終了し、バイデン氏が当選したとの公式結果が出てもトランプ大統領が不正が行なわれたと主張し、任期が終了した2021年1月20日以降もホワイトハウスに籠城するという見方をする人がいるが、その可能性は極めて低い。

 大統領任期を過ぎればトランプ氏はただの人になる。トランプ氏が権力の座に居続けようとすると、ホワイトハウスを、同氏を支持する人々と反対する人々が取り囲み、流血の危険が生じる。大統領警護部隊(シークレットサービス)や大統領の指揮命令下にあるコロンビア特別州の州兵が、違法行為となるリスクを冒してトランプ氏を防衛することは考えられない。

 トランプ氏は頭が良いので、そのような事態になる前にホワイトハウスから出て行く。米国の政府機構は権力の移行を淡々と行なうことになると思う。

 バイデン氏が大統領に就任しても米国内政の混乱は収まらない。トランプ氏を熱烈に支持した人々はバイデン大統領の正統性を認めない。さらに民主党支持者に関してもトランプ氏という共通の敵を失った後、団結が難しくなる。

 なぜなら民主党がアイデンティティーの政治を追求しているからだ。黒人、ヒスパニック、ジェンダー、エスニック・グループなど、自らが帰属する集団のアイデンティティーを最優先する人々が団結するのは至難の業だ。米国の社会的分断はさらに加速すると思う。外交に関して、米国と中国、北朝鮮との関係は、現在よりも緊張するであろう。民主党は、自由や民主主義という、人権といった価値観を軸に外交を展開する。

 トランプ大統領の場合、価値観よりも、自らの権力基盤を強化するための取引(ディール)を重視する。この例が、トランプ氏と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との3度の首脳会談だ。その結果、朝鮮半島での武力衝突を回避することはできたが、北朝鮮の核保有を米国が事実上、容認することになった。また、米国は北朝鮮の新型弾道ミサイル開発を阻止することもできなかった。

 バイデン氏は、トランプ政権よりも強硬な態度を北朝鮮に対して取ることは間違いない。北朝鮮も対米対決姿勢を強めるであろう。

 トランプ政権時代の対中国経済制裁は、バイデン政権になっても継続される。さらに中国におけるウイグル人への人権抑圧、非公認のキリスト教会に対する弾圧について、人権を重視する立場から、米国は中国に対する批判を一層強めるであろう。

 7月24日に在ヒューストン中国総領事館が閉鎖された際の米高級紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』の社説が情勢分析の上で参考になる。

 〈1つ懸念されるのは、中国政府が米国の新たな姿勢をトランプ大統領による選挙戦略の1つだ として切り捨てる恐れがあることだ。/それは過ちになるだろう。例えば、民主党は米国の対イラン措置を厳しく批判しているものの、トランプ政権が中国政府を攻撃しても、それを支持したり、黙認したりする姿勢を示している。

 この新たな姿勢は、ブルーカラーの有権者から産業界および安全保障分野のエリートに至るまでの層の間で、中国があまりにも長い間、罪を逃れ過ぎているとのコンセンサスが生まれつつあることを反映している。

 ジョー・バイデン氏が次の大統領になったとしても、その政権は、西太平洋の緊張した状況と、米国内における中国の影響力を標的として進められている多数のスパイ防止活動や刑事捜査を受け継ぐことになる〉

        (7月27日付『ウォール・ストリート・ジャーナル』日本語版)

 新型コロナウイルスによる感染症が中国の武漢から拡大していたことによって、米国の一般国民の対中感情が悪化した。それが政治問題と結びつき、中国を懲罰するタイミングに至ったとのコンセンサスが米社会で形成されている。バイデン政権下、米中緊張が一層強まる。日本との同盟関係を重視するという米国の基本的姿勢に変化はない。ただし、慰安婦問題や徴用工問題に関して、韓国のロビー活動に対する米政府の姿勢に変化が生じる可能性がある。

 ロシアとの関係についても、バイデン政権がウクライナ問題やベラルーシ問題を巡ってプーチン政権と緊張を高めるであろう。その結果、北方領土交渉の環境が悪化する可能性がある。もっとも米国は、トランプ大統領により生じたコロナ対策の混乱を収拾するのに今後2年間は集中し、日ロ関係に介入する余裕はないと思う。

 この時間を最大限に活用して、菅義偉首相がロシアのプーチン大統領と鋭意交渉を進めれば、北方領土問題解決の突破口が開けるかもしれないと私は考えている。

 第3は、8月末に安倍晋三首相が健康上の理由で突然辞意を表明し、菅義偉官房長官が首相に就任したことだ。菅氏は、安倍氏と比較すると、イデオロギー色が稀薄だ。プラグマティックな観点から生産性向上を志向することになろう。

 新自由主義的な規制緩和政策を菅政権が採択し、格差が拡大し、社会の分断が高まる可能性がある。さらに司法権、立法権に対する行政権の優位性が高まり、民主主義が機能不全に陥る可能性がある。

 以上の3点が現下日本の大きな問題であるという点については、副島氏も同じ認識と思う。ただし、個別の出来事に関する分析と未来予測はかなり異なる。読者にはこの差異を楽しんで欲しい。

 本書では、イエス・キリストの神性を認めないユニテリアンという教派について多くの頁が割かれている。ユニテリアンを理解することが国際政治の本質を掴む上で重要だという点で、副島氏と私の認識は完全に一致している。

 本書を上梓するに日本文芸社の水波康副編集長とグラマラス・ヒッピーズの山根裕之氏にたいへんにお世話になりました。

 白熱し、時には極論の応酬になった対談を見事に書籍にまとめあげることは、至難の業だったと思います。腹を割って話すだけでなく、腹の底にある宗教や信念体系にまで踏み込んだ議論をしてくださった副島氏にも敬意を表します。どうもありがとうございます。また、このチームで仕事をしたいです。

     2020年11月16日、曙橋(東京都新宿区)の書庫にて    佐藤優

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ウイルスが変えた世界の構造 もくじ

 まえがき バイデン政権下、米中緊張が一層強まる 佐藤優  1

 

1部 パンデミックで変わった世界 近代500年の終わりと内向の時代

アメリカに勝利した中国の全体主義 16

「アメリカの世紀の終わり」を発信した中国官営メディア 16

「自粛」という形で大政翼賛運動をやった日本 21

ショック・ドクトリンで脅された世界の民衆 27

カミュの小説『ペスト』から「神義論」を考える 32

ウイルスはどこからやってきたのか34

石正麗亡命説の真実 34

新型コロナウイルスの人工、人造説 40

余裕がなかったヨーロッパの対応 44

アフターコロナで世界はどう変わるか 49

コロナ後の金融危機と日本の政局55

菅義偉内閣はどうなるか 55

河井夫妻逮捕の裏側 62

日本共産党は赤旗を捨てよ 76

裏金作りの温床となる怪しい国際機関 81

北朝鮮情勢とアメリカのディープ・ステイト88

『愛の不時着』で描かれた『三丁目の夕日』の世界 88

北朝鮮と統一教会の濃厚な関係 95

チュチェ思想における初期マルクスの影響 99

ボルトンが暴いたトランプ政権の内幕 103

アンティファを操るのは誰か 114

アメリカ大統領選とアメリカ政治の行方125

アメリカ没落後の基軸通貨はどうなるか 125

飽きられ始めたトランプの「下品力」 137

トランプを支えるサザンバプテストたち 143

ヒラリー派は現在のリンカーンナイト 150

2部 アメリカの「国教」 ユニテリアンとは何か 世界帝国を支えた宗教思想の秘密

アメリカを作ったユニテリアンたち154

CIA職員に多いユニテリアン 154

ユニテリアンは教派横断的に存在する 164

長老派と会衆派から成る合同改革教会 169

アメリカ独立戦争に金を出したカルヴァン派 175

世界宗教というのは全て体制側にある 180

イギリスが日本の天皇を「神」にさせた 184

クエーカーは良心的兵役義務拒否の思想の原型 188

クエーカーから人類の最先端のテーマが現れた 191

自己防衛も否定するメノナイト 197

非暴力、不服従の思想の凄さ 202

〝坊主〟を作らなかったアナバプテストとクエーカー 206

現代のあらゆる思想の源流となったユニテリアン212

牧師から演説家となったエマーソン 212

マルクス主義もユニテリアンから生まれた 220

福澤諭吉もユニテリアンだった 226

フリーメイソンとユニテリアン 230

ユニテリアンの発想で世界を理解する237

内村鑑三の無教会主義の問題点 237

内村鑑三の背後にはアメリカ帝国がいた 241

社会主義と分裂した内村鑑三 246

AIにもつながるユニテリアンの発想 254

コロナ禍の時代には神学的な思考実験が重要になる 261

あとがき 悪による支配こそ人類の原理 副島隆彦 264

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あとがき    副島隆彦

 「 悪による支配こそ人類の原理、ではない 」       

 この対談本で6冊目になる。本書の第2部の、私と佐藤優氏の宗教についての部分をこそ先に読んでほしい。

 佐藤優氏は、2020年9月16日の菅義偉政権誕生で、自民党と公明党(創価学会)をつなぐ最高顧問のような立場に登った。宗教家(信仰を持つ人)として今や高い境地に達している佐藤優氏こそは、創価学会の次の教主になるべき人だ、と私は本書で彼に説いた。仏教とキリスト教では宗派がちがう、は理由にならない。本書を真剣に読めばその理由が分かる。

 宗教(信仰)とは、人間の魂を救済(サルヴェイション)することである。生きることの苦しみを真剣に受け止めて今の自分の生を肯定することである。そのための道をしっかりと指し示すことができる人が指導者である。

 それに対して私は、ますます偉人、西郷隆盛に似てきた小沢一郎を支持し続け、言論人としては冷や飯喰いのままだ。アメリカ帝国の支配から出来る限り脱出して、日本国の独立自尊(これも偉人 福澤諭吉先生のコトバ)を意地でも追求する立場だ。

 生き方上手は私が取る道ではない。竹中平蔵のような浅ましい策士が、時の顕職に登ることが何ほどのことだろう。あと10年ぐらいで私たちの生も終わる。

 歴史に例を捜すと。五代将軍綱吉の側用人として権勢を振るった柳沢吉保に、見出されて悪知恵の儒官となった荻生徂徠だ。徂徠は、政治学者の丸山眞男が書いた『日本政治思想史研究』(東京大学出版会、1952年刊)によって、日本のマキアヴェッリだと評価された。

 マキアヴェッリは、その『君主論』“Il Principe, 1513”(刊行は1532年)によって、冷酷な現実主義を政治思想に持ち込んだことで、〝近代政治学の祖〟と呼ばれる。君主(統治者)は、民衆に愛されるよりも、恐れられる方がいい。即ち政治は、悪が支配してこそ自然である、という思想の元祖である。

 今では、ちょっと知能の有る人ならこのことを知っている。「支配権(権力者)は民衆に愛されるよりも恐れられる方がいい」と。

 この世を実際に支配するのは悪であって善ではないという思想だ。民衆に嫌われる悪人政治家ほど実力を持つ、という近代政治学の原理がこのとき出現した(1513年)。佐藤優は、本書P32で、このことをキリスト教神学の「神義論」でそれとなく教える。神がこの世界の全てを作ったはずなのに、悪魔の発生には関わらない。無関係であるという詭弁、に読み代えた。キリスト教神学とはこういう議論をすることらしい。

 マキアヴェッリは、若くして天才の頭脳をしていたので、フィレンツェ国の高官を務めた。ところが、共和政が倒れた(1512年)。このあと、失職したマキアヴェッリが、何故、「悪こそが人民統治(ガヴァメント)の技術である」と、『君主論』で書いたか。

 共和国フィレンツェは当時世界一の繁栄した大都市だった。パリもロンドンもウィーンもまだ田舎都市だった。共和政とは、君主(国王)の存在を許さない国家体制のことだ。共和政から、のちに民主政も派生した。

 マキアヴェッリは、支配権を取り戻したメディチ家にすり寄って、何とか顕職に有りつこうと猟官運動をした。

 フィレンツェは共和国からトスカーナ公国という小さな大公国に転落した。それでもメディチ家の大公(国王)は、同時代のガリレオが火刑(焚刑)にカトリック教会から処せられそうになったのを、なんとか救い出して守ったから偉いことは偉い。

 卑屈で卑しくなったマキアヴェッリが、己の就職活動用に書いたのが『君主論』である。

 このことは今のヨーロッパ知識人によく知られている。日本にこの事実を伝えたのは、ガリガリの現実保守の歴史学者である塩野七生女史だ。彼女が、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』(新潮社、1970年刊)を書いて教えてくれた。「残虐な支配者であることこそが、有るべき人民統治者だ」をチェーザレ・ボルジアの元をマキアヴェッリ自らが訪ねて目撃した。

 チェーザレ(小カエサルの意味)の実の父親は、(叔父ということにしていた)教皇グレゴリウス7世だ。この頃もローマ教皇たちは腐敗していて隠し子を作った(重大な戒律違反)。この極悪人の父教皇の威を借りて、一時期(しかしたったの10年)、北イタリアで次々と都市領主たちを殺害して覇を唱えたのがチェーザレ・ボルジアだ。

 為政者(権力者、大企業経営者も含む)は、国民と従業員に酷薄であればあるほど権力を維持できる、という考えをチェーザレ・ボルジアが体現した。

「菅首相に、入れ知恵しているのは竹中平蔵である」とすぐにメディアで報じられた。

 表に出る悪の権化の竹中平蔵(荻生徂徠)と、それとは異なり身を隠す善の姿の佐藤優の二重重ねで、今の日本の政治は動く。国民にはいよいよ厳しい。

 ただし。チェーザレ・ボルジアは、父教皇が死んだら、後ろ盾を失い憎しみを買って、スペインの山中(ナヴァラ国)まで追いかけられて殺された(31歳)。このマキアヴェッリの、「悪こそ人類の原理である」を、己の金科玉条にすることに、人生経験の中でたどり着いた者たちは、ここまで知った上で、悪の技術を実践するがいい。

 マキアヴェッリより少し前の〝壮麗なるロレンツォ〟(ロレンツォ・イル・マニフィコ。1449─1492)のとき、共和国フィレンツェは、都市自治の人類の理想の頂点を築いた。ロレンツォ・デ・メディチは、民衆に真に愛された。このロレンツォがミケランジェロの育ての親である。ミケランジェロは、復活した共和政のソデリーニ政権でフィレンツェの城壁の防衛責任者となった(1527年)。そして教皇軍・神聖ローマ皇帝国と戦って敗北してローマに逃げのびた(1530年)。

 このことを私たち日本の知識人層に真に教えてくれたのは、碩学・羽仁五郎である。彼の『ミケルアンヂェロ』(岩波新書、1939年刊)と『都市の論理』(勁草書房、1968年刊)である。今なお人類最高の芸術家はミケランジェロである。

 羽仁五郎と比べたら、日本のマキアヴェッリである、荻生徂徠を持ち上げた丸山眞男と、その先生の南原繁は、ワル(悪)の碩学である。丸山は戦後岩波左翼の主座の地位に登って私たちの世代までも幻惑し欺いた。事実は、南原繁(戦後は東大総長という顕職)は、内務省警保局特高警察の系統である。この事実が最近ようやく露呈しつつある。羽仁五郎は、講座派歴史学の志を貫いて『ミケルアンヂェロ』を出版して、北京まで逃げたが特高警察に捕まった。

 私は今これらのことを大きく理解し描くことが出来る。真実を大きく見抜く。

 これが出来ないなら、外務の行政官(官僚)として、民衆への悪を、若くして手づかみで実践して来た佐藤優氏と、渡り合うことはできない。私は、悪の側に身を売らない。私は、変人、狂人、世捨て人となってひとり山に籠る方を選ぶ。時代の顕職など何するものぞ。

 どうせわずか10年、20年のことではないか。牛と豚と羊はメーメー鳴きながら、愚かにも全員マスクをしたまま屠殺場(今は食肉加工場)に送られる。そして、また戦争に連れてゆかれる。この哀れなる国民を茫然と眺めて、隠遁者を気取るしか他にすることがない。人助けと、民衆救済はどうせ出来ない。それよりは、己れひとりを助けて山中(ただし崖下に海が広がる)に閑居する。海から朝日が出る。私は太陽神を崇拝する。

 再び日本文芸社 水波康副編集長と、グラマラス・ヒッピーズの山根裕之君の手をわずらわせた。記して感謝します。本書の書名は、「佐藤優と副島隆彦の宗教問答(あるいは対話)にしなさい。その方が超然として、本が売れますよ」と、私は執拗に粘ったが、ダメでした。勝手にしなさい。

                 2020年10月    副島隆彦

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(終わり)
bakabusubingounawatashitachiwomatsufujimori001
馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。

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