アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


 古村治彦です。

 

 共和党のある連邦下院議員(軍の出身者です)が不法移民の子供でアメリカで生まれずに出生国から子供の時に親に連れられアメリカに来て、不法移民となっている若者たちに軍務に就いてそれを終了すればアメリカ国籍を与えるという内容の法案を提出しているそうです。

 

 現在、世界最強のアメリカ軍は、実は志願者の一定数を不合格にしているのですが、それは志願者たちが貧困のためにジャンクフードしか食べられず、健康診断をすると肥満であるのに栄養不足であるために兵士として適さないためであると在米の映画評論家・町山智浩氏が述べていました。貧しく、技術もない若者たちが向かう先は軍隊である場合が多いのですが、軍隊にすら入れない若者たちが出ているということなのです。彼らが行きつく先は刑務所というのが悲しい現実です。

 

 米軍とこの議員は不足する志願者を増やすために、不法移民の子供たちに「国籍」をちらつかせて、軍隊へ入るように誘導しようとしています。そして、その表向きの理由を「愛国心」「祖国に奉仕する」ということにしています。まさに美名によって薄汚い意図を糊塗しているのです。

 

 ニューヨークにある自由の女神の像には「疲れて傷ついた人間を私の許に送りなさい」と書いてあるのだと習いました。アメリカは移民の国であり、アメリカの理想を表す1つの表現だとも習いました。しかし、現実はとても悲しいものです。

 

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共和党提出の法案は軍務と引き換えに移民に国籍を保証することになる(GOP bill would grant immigrants citizenship for military service

 

クリスティナ・マルコス筆

2015年4月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/floor-action/house/239926-gop-lawmaker-pushes-offering-citizenship-to-immigrants-in-military

 

 ジェフ・デナム(Jeff Denham、1967年―)連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)は木曜日、不法移民が軍務を終了すればアメリカ国民になれるとする法案を再提出した。


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ジェフ・デナム

 デナムは「エンリスト法」と呼ばれる法案を提出した。ここ2年目で2回目の提出となった。それぞれ別の法案として提出している。そして、国防予算の承認の修正案としても提出したこともあった。

 

 提出法案は2013年の国防予算の承認の修正として提出されたが、議員たちは、これは独立した法案として議論すべきだと主張したのでデナムは取り下げた。共和党の連邦下院幹部たちは2014年にデナム提出の法案の採決をさせなかった。

 

 デナムはヒスパニック系の住民が多く住む選挙区から当選してきている。そして、オバマ大統領が提案している包括的な移民制度改革を支持している数少ない共和党所属の連邦議員である。デナムは、アメリカで育った正式の種類を持たない移民たちには軍務を通じて、彼らの育った国アメリカに奉仕する機会を与えるべきだと主張した。

 

デナムは議場で次のように語った。「エンリスト法案は、自分たちの意志ではなくこの国に連れてこられ、高校を卒業し、身上調査を通過し、英語を話すことができ、若者たちに機会を与えることになるのです。そして、彼らがよく知り、愛する国アメリカを守ることを軍には求められているのです」

 

デナムは次のように結論付けた。「これは愛国主義に基づいた行動です。これはより良い国防を生み出す機会となりますし、この偉大な国家に対して忠誠を誓い、愛国者となっている若者たちにとっても素晴らしい機会となるのです。彼らにはアメリカ以外に祖国はないのです」。

 

 連邦下院軍事委員会は水曜日に国防予算について承認を与えることになっている。そして、デナム提出の法案の本会議での審議は5月に行われる予定となっている。

 

(終わり)