アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 アメリカ外交こぼれ話を皆様にご紹介します。USAIDについては、拙著『アメリカ政治の秘密』(PHP研究所、2012年)、2つ目の記事に出てくるヴィクトリア・ヌーランドについては副島先生の『日本に恐ろしい大きな戦争が迫り来る』(講談社、2015年)をお読みください。

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オバマは側近ゲイル・スミスを
USAIDの運営のために送る(Obama Taps Insider Gayle Smith to Lead USAID

 

デイヴィッド・フランシス筆

2015年4月30日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2015/04/30/obama-taps-insider-gayle-smith-to-lead-usaid/?utm_content=buffer5a164&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

 バラク・オバマ大統領はヴェテランのアフリカ専門家で、側近でもある人物に米国国際開発庁(USAID)の運営を任せると発表した。この動きは、スキャンダルにまみれた支援専門の政府機関をホワイトハウスに近づけようとするものだ。

 

 ゲイル・スミスは現在、国家安全保障会議(NSC)開発問題担当上級部長であり、長年にわたり大統領国家安全保障問題担当補佐官スーザン・ライスと一緒に仕事をしてきた。元ジャーナリストのスミスはビル・クリントン元大統領とも深い関係があり、クリントン政権では国家安全保障会議のアフリカ担当上級部長とUSAID顧問を務めた。

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ゲイル・スミス

 

 連邦上院の承認を受けた後、スミスは、ここ数年スキャンダルが頻発している、予算総額220億ドルの巨大政府機関を運営することになる。また、USAIDは世界規模の災害に対してうまく対応できなくなっている。

 

 昨年、USAIDは、ソーシャル・メディアのアカウントを使ってキューバの若者たちに向かってカストロ政権を転覆するように訴えたと批判されている。同時期、オバマ政権はキューバとの外交関係を再構築しようとしていた。その数カ月後、USAIDのラジヴ・シャー長官はアメリカとキューバとの間の歴史的な展開が発表される数時間前に辞任した。この際、辞任理由は発表されなかった。シャーは5年にわたりUSAID長官を務めた。

 

 2013年、複数の捜査の結果、2006年から2012年までの間にUSAIDによってアフリカに送られたマラリア薬の20%(6000万ドル分)が裏市場に流れたことが明らかになった。

 

 しかし、医者でもあるシャーは実績も残した。彼は昨年アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱に対する対応に成功した。その際にいくつかの医療上の新展開も起きた。その中には医療従事者向けの新たな防御スーツも含まれている。現在、USAIDは世界中に展開しており、チベットの大地震からシリアの難民問題など様々な危機に対処している。

 

 木曜日に発表された声明の中で、オバマ大統領は、スミスの「エネルギーと情熱はアメリカの国際開発政策を主導する力となってきた」と述べた。ジョン・ケリー国務長官はスミスの「責任感は変革の時期に必要なものであり、変革を起こすために必要なものだ」と述べた。

 

 各支援団体はスミスのUSAID長官の指名を歓迎している。スミスは連邦上院の承認を受けられると確実視されている。USグローバル・リーダーシップ・コアリションのリズ・シュレイヤー会長は、「共同体、アメリカ政府、世界各国と彼女は良好な関係を持ち、尊敬を集めている。それによって、USAID指導部はスムーズに交替し、うまく運営していくことが出来るだろう」と述べた。オックスファム・アメリカ政策とキャンペーン担当副会長ポール・オブライエンもスミスの指名を賞賛した。

 

 スミスはアフリカの専門家であり、彼女の専門性はUSAIDの新たな展開にとって必要なものだ。オバマ政権は二期目のスタート当初、予算70億ドルを割いてパワー・アフリカ・イニシアティヴを始めると発表した。パワー・アフリカ・イニシアティヴはアフリカ大陸全体で電気使用を拡大させようとする計画であるが、完全な成功を収めてはいない。

 

(終わり)

 

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米国務省幹部外交官はトルコの政府官僚たちとの間で「アホなブロンド」事件を起こした(Senior U.S. Diplomat Raises ‘Dumb Blonde’ Incident with Turkish Officials

 

ジョン・ハドソン

2015年5月1日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2015/05/01/victoria-nuland-raises-dumb-blonde-incident-with-turkish-officials/?utm_content=buffer11424&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

トルコの首都アンマンの市長は、警察の暴力について選択的に批判を行った米国務省報道官マリー・ハーフを「馬鹿なブロンド」と呼んだ。これに対して米国務省は非難とユーモアの混ざった対応を行った。

 

 悪役を買って出たのはヨーロッパ・ユーラシア問題担当国務次官補ヴィクトリア・ヌーランドだった。金曜日、ワシントンDCフォギー・ボトムにある米国務省の報道官はヌーランドが「トルコの政府高官たちについて不適切なコメントをした」と述べた。

 

 好漢、より正確には道化役を演じたのが駐トルコ米大使ジョン・バスだ。バスはSNSのインスタグラムに加工した写真を掲載した。その写真はバスが金髪になった写真でその下に「アメリカの外交官:私たちは全員金髪です」とキャプションが付けられていた。

 

 バスの連帯を示すための滑稽な行動に対して、アンカラ市長メリウ・ゴチェックは今週初めにソーシャル・メディアを使って、米国務省に対してボルティモアでの警察の暴力に関する偽善を批判した。

 

ハーフと米国務省の幹部たちは2013年にイスタンブールで起きた抗議活動に対するトルコ政府の厳しい弾圧を批判した。フレディ・グレイの死に対して抗議活動が今週ボルティモアで発生した。これを受けてトルコの与党である「正義と発展」党の幹部であるゴチェックはツィッターで、トルコの政府系新聞が掲載したハーフの写真と記事のタイトルを掲載した。そのタイトルは「トルコの警察が過大な暴力を行使していると述べたアホなブロンド女はどこにいる?」というものであった。

 

ゴチェックは英語で次のようなコメントを付けた。「ブロンド女よ、今すぐ答えろ」。

 

 今回の事件について木曜日に定例記者会見で質問された時に、ハーフは、「私は何か反応を示すことで、彼らの行為を際立たせるようなことはしたくないのです」と述べた。

 

(終わり)