2015年6月26日に開催された、自民党の文化芸術懇話会の初会合において、長尾敬代議士(比例近畿、大阪14区、元民主党所属代議士)が以下の新聞記事にある発言を行ったと認めました。会合に講演者として招かれていたベストセラー作家・放送作家の百田尚樹氏が「沖縄の2つの新聞は潰さねば」と発言したのは、この長尾代議士が「沖縄のメディアについてどう思うか」という質問に対して応えたものです。
長尾敬代議士
さて、長尾代議士が認めた発言内容は、
“沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは戦後保守の堕落だった。左翼勢力に完全に乗っ取られている”
であり、その発言で言いたかったこと(趣旨)は、
“反社会的な行動をする人がいる実態がある。報道すべきことを報道してほしいということだ”
ということです。
長尾代議士が言いたかったことは、「反社会的な行動をする左翼勢力が沖縄のメディアを完全に乗っ取っている。これは戦後保守の失敗であった」ということになるようです。
ここで問題になるのは、反社会的なという言葉です。普通、反社会的という言葉で思い出すのは、暴力団(所謂やくざ)や、テロ行為や暴力行為を行う左翼、右翼の過激派です。しかし、長尾代議士は今回の場合、暴力団や過激派集団を指して使ってはいないようです。
長尾代議士は左翼勢力=反社会的として使っています。左翼は反社会的だと言っています。そして、そうした左翼勢力が乗っ取っている(これには不当に占拠しているという意味合いがあります)メディアが「報道すべきことを報道していない」としています。
ここで長尾議員が言う「報道すべきこと」とは何でしょうか?安倍政権の政策に完全に賛成するような内容の記事、自民党の素晴らしさを称揚するテレビ番組なのでしょう。沖縄の基地負担(例えば米兵による凶悪な犯罪、夜間離着陸の実態、騒音、普天間基地の危険性など)についての報道は、長尾代議士が考える報道「すべき」ことに入っているでしょうか?
このようなことを報道する「反日的」な、「日本を貶める」ことに加担しているメディアは「潰さねばならない」というのが、百田尚樹氏と長尾敬議員との間の出来の悪い「漫才」的やり取りで言いたかったことでしょう。
この程度の人物が国会議員となる国、何とも不幸なことですが、こんな人物たちを国会議員にしてしまった私たちもよくよく考えねばならない、反省しなければならないと思います。
(新聞記事転載貼り付けはじめ)
●「自民長尾氏、発言認める 「沖縄メディアは特殊」」
沖縄タイムス 2015年6月27日 13:36
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=121742&f=t
自民党若手国会議員らの会合で報道機関に圧力をかけて言論を封じようとする議論が出た問題で、出席していた自民党の長尾敬衆院議員(比例近畿)は27日、会合での発言の一部を自身のものと認めた。
認めたのは「沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは戦後保守の堕落だった。左翼勢力に完全に乗っ取られている」との発言。
大阪市内で地元市議らとの会合後、共同通信の取材に答えた。
長尾氏は発言の趣旨について「反社会的な行動をする人がいる実態がある。報道すべきことを報道してほしいということだ」と説明した。(共同通信)
(新聞記事転載貼り付け終わり)
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