ダニエル・シュルマン
講談社
2015-09-09



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 安倍安保マフィアの中心人物である礒崎陽輔参議院議員(自民党)兼首相補佐官はツイッターで積極的に発言し、世論をリードしようとして、時々「立憲主義という言葉は聞いたことがない(最高学府である東京大学法学部を卒業しているのに)」と書いたり、女子高生にたしなめられて逃げ出してしまったりするような、安倍氏周辺に多い、おっちょこちょいな人物です。

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 昨日、礒崎陽輔参議院議員は地元の大分で国政報告会を行ったそうで、この会での発言の要旨が朝日新聞に掲載されていました。礒崎議員は東大法学部では立憲主義は習わなかったようですが、どんなことでも正当化できる、白を黒と言いくるめる魔法の話術である東大話法(安富歩東京大学教授の言葉)と、何を言っているのか一般人には理解できないが、それで一般人を「統治してあげる」ための「霞が関文学」については第一人者のようです。簡単に言うと、詭弁を弄して自分を正当化することに長けているのです。

 
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 礒崎議員の論旨は「憲法9条では必要最小限度の自衛権は認められている。時代が変わったから集団的自衛権でも日本を守るために良いものだ。日本を守ることに良いことを日本国憲法がダメと言っている訳がない」というものです。彼が言う時代が変わっているというのは具体的には中国を想定しています。先日の安倍首相のテレビ出演でも説明の地図で、中国の地図の上にはドクロをあしらった海賊の旗が付けられていました。中国が攻めてくるというのなら、領土領海領空の範囲内で専守防衛の自衛権を発揮すれば済むことです。アメリカ軍も日本に基地を置いている(これだけでアメリカの世界戦略に資している訳ですから片務的ではない)のですから、アメリカ軍も作戦行動を取るでしょう。中国にも日本と同じくらいにアホがいて、「日本をやっつけたい、アメリカと戦いたい」と病的に思っているでしょうが、そんなのが力を持たないようにしているでしょう(日本ではどうもそうではないですが)。

 

 集団的自衛権となれば、どうしても自衛隊の海外派兵ということになります。その際には「安全な」後方勤務、具体的には物資輸送や傷病兵の看護などになるでしょうが、テロ組織とテロ攻撃の遍在性(どこにでもいることができる)を考えると、派兵となり、相手側から見て「敵」「侵略者」と見なされた時点で、「安全な後方」などと言うものは存在しません。ですから、集団的自衛権が「日本を守るために良いもの」とはなりません。

 

 日本国憲法を読めば確かにどこにも「日本国の領土領海領空を越えて軍隊を出してはならない」と書いていませんが、その前提となる軍隊を持たないと書いている訳ですから、存在しない軍隊は外に出すことはできません。存在しないんですから。ただ、芦田均、吉田茂と金森徳次郎の一種の姦計で、自衛のための必要最小限度の戦力は持つことが出来るという解釈も成り立つようになり、それで自衛隊が置かれているのですが、政府はこれをずっと「軍隊ではない」と言ってきました。

 

 日本が攻撃されていないのに同盟関係にある国が攻撃されて、日本が攻撃されたと見なして自衛隊が海外に出てその国のために戦うというのは、日本の役割ではありません。帝国の存立を守るための自衛権の行使という名目の下でなぜか南太平洋、インド洋、北太平洋、中国にまで堂々とかつ姑息に攻め入った過去を持つ日本が行う役割ではありません。「良い・悪い」の問題に礒崎議員はしていますが、これは、最後は個人の判断になりますので、私は「悪い」と判断します。そして、礒崎議員は「日本にとって良いことを日本国憲法がダメというはずはない」と言って、憲法にその責を負わせようとしていることに憤りを覚えます。憲法を大切にしているように見えて実はそうではない、これが東大話法+霞が関文学の真骨頂です。その証拠に彼は憲法改正についても言及しています。

 更には「法的安定性は関係ない」という発言もしています。現実の前には憲法など蔑ろにされても良いということですが、これは太平洋戦争中に総理大臣・陸軍大臣・参謀総長を兼ねた東条英機と同じ心性です。憲法上問題があっても、現実はひっ迫しており、憲法を蔑ろにする方策を実行するとということです。このように書くと、「憲法を守って国が亡んでもよいのか」という極論を言う人が出てきますが、現在の日本国憲法で十分に対処できることに対して、脅威の過度な強調(exaggeration of threat)を行い、憲法を骨抜きにする一種の「クーデター」の方がよほど亡国の行為といえます。 

 

 礒崎議員は来年の参議院議員選挙で勝利し、自民党だけで参議院の過半数を握り、憲法改正を進めたいとしています。いよいよ憲法を改正して、よりアメリカの属国化とアメリカの肩代わり(アメリカ陸軍は4万人削減し、米軍全体の予算も削減されます)を進めようとしています。来年改選を迎える自民党議員は49名(選挙区12名、比例:37名)ですが、この数を57名にすると自民党の単独過半数となります。私は自民党の単独過半数、そして、自公での過半数は憲法改正の一里塚になりと思いますので、それは何とか潰えて欲しいと考えています。「何か危険だな」「自民党感じ悪いよね」「公明党は何をやっているのか」と思われる皆さんには是非投票を、出来たら自公と維新や次世代以外に投票して下さることを願っております。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「憲法解釈変更「法的安定性は無関係」 礒崎首相補佐官」

 

朝日新聞電子版 20157261904

http://www.asahi.com/articles/ASH7V5T5MH7VULFA004.html

 

■礒崎陽輔・首相補佐官

 

 憲法9条全体の解釈から、我が国の自衛権は必要最小限度でなければならない。必要最小限度という憲法解釈は変えていない。

 

 政府はずっと、必要最小限度という基準で自衛権を見てきた。時代が変わったから、集団的自衛権でも我が国を守るためのものだったら良いんじゃないかと(政府は)提案している。考えないといけないのは、我が国を守るために必要な措置かどうかで、法的安定性は関係ない。我が国を守るために必要なことを、日本国憲法がダメだと言うことはありえない。

 

 本当にいま我々が議論しなければならないのは、我々が提案した限定容認論のもとの集団的自衛権は我が国の存立を全うするために必要な措置であるかどうかだ。「憲法解釈を変えるのはおかしい」と言われるが、政府の解釈だから、時代が変わったら必要に応じて変わる。その必要があるかどうかという議論はあってもいい。

 

 来年の参院選は、憲法改正が絡む話でしっかりと勝たなければならない。参院もできれば、自民党で単独過半数を取りたい。その中で憲法改正を有利に進めたい。(大分市での国政報告会で)

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)