古村治彦です。
ジョージ・W・ブッシュ前大統領時代の副大統領で、実質的には「大統領」であった、ネオコンの重鎮、ディック・チェイニーが「イラク侵攻は正しかった」と発言しました。「イラク侵攻の目的はサダム・フセインの排除であって、それが達成されたので世界はより平和になった」と述べました。
アメリカは国連がイラクを査察しても大量破壊兵器が出こなかったにもかかわらず、「いーや、隠している」「製造する気だ」と難癖をつけて強引にイラク侵攻を行いました。そもそもの目的は大量破壊兵器を見つけるためにイラクまで攻め入ったのですが、全く見つかりませんでした。
そして、イラクは混乱に陥り、アメリカ軍が撤退した後、イスラム国が台頭し、中東の騒乱は終わっていません。これで「世界はより良い場所になった」とチェイニーは言っています。彼らの考える「素晴らしい世界」は、現実としては血なまぐさい世界なのです。
そして、安倍晋三首相はこうしたネオコンの考える「素晴らしい世界」の実現に貢献するために、安保法制を通そうとしています。こうして日本を「美しい国」にしようとしています、血塗られた世界の実現に貢献する国として。
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チェイニー:「イラクについて私は正しかった」(Cheney: 'I was
right about Iraq')
ジェシー・ブライネス筆
2015年9月2日
『ザ・ヒル』誌
http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/252612-cheney-i-was-right-about-iraq
ディック・チェイニー前米副大統領は、ジョージ・W・ブッシュ前大統領時代に行われたイラク侵攻を支持したことは正しかったと述べた。
ディック・チェイニー
フォックス・テレビのコメンテーターで、本誌のコラムニストであるジュアン・ウィリアムズは水曜日、フォックス・ニュースの「ザ・ファイヴ」に出演した時、チェイニーに「人々は、ディック・チェイニーはイラクに関して間違いを犯したと言っている。それなのに人々はイランに関してあなたに話を聞こうとする。その理由は何だと思いますか?」と質問した。
チェイニーは「それはイラクに関して私が正しかったからですよ」と答えた。
彼は続けて次のように語った。「私たちの目的はサダム・フセインを排除することでした。そして私たちはそれに成功しました。彼がいなくなったことで、世界はより良い場所になったんですよ」
チェイニーはまた、アメリカがイラクに侵攻したことで、リビアの指導者であったムアンマール・カダフィは2003年に武器開発プログラムを放棄し、遠心分離器を廃棄し、ウランの貯蔵を止め、核兵器開発を止めたことを指摘した。また、アメリカはパキスタンの核開発プログラムの主要人物であったアブドル・カディール・カーンを逮捕したことも指摘した。
チェイニーは「ですから、私たちはイラクに侵攻した時、多くのことを成し遂げたのです。多くの人々はこうしたことを話したがりませんが、私たちは正しいことをやったんです。私は絶対に正しいことをやったと確信しています」と述べた。
チェイニーと娘のリズ・チェイニーは国家安全保障に関して書いた新刊の宣伝をしており、オバマ大統領が進めたイランとの核開発を巡る合意を批判している。
イラク戦争は、2016年の米大統領選挙に出馬しているジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事にとって大きな問題になっている。
ジェブ・ブッシュは最初、兄であるジョージ・W・ブッシュ前大統領を支持しようとしながらも、彼は自分独自の外交政策を推進すると主張した。
左から:ジョージ・W・ブッシュ前大統領、
ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領、
ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事
今年の5月、ジェブ・ブッシュは「現在分かっていることが当時も分かっていたなら、私だったらイラクに関与しなかっただろうし、イラクに侵攻することもしなかっただろう」と発言したが、同時にフセインを排除したことで、世界はより安全になったとも述べた。
今週初め、チェイニーはイラク侵攻に関して「謝罪しない」と述べた。そして、水曜日の夜、過去を振り返ってもイラク侵攻は正しい決断であったと再び述べた。
(終わり)
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