アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





 古村治彦です。

 

 昨日、2014年5月3日、東京六大学野球2014年春季リーグ戦の早稲田大学対東京大学第1回戦を観戦してきました。東大は2010年秋に早稲田大学戦に勝って以来、2つの引き分けを含み、70連敗を記録しています。5月3日の試合に負けると、新記録の71連敗となります。

 

東京六大学野球リーグの記録によると、1925年秋季から2013年秋季までの東京大学の勝敗記録は、244勝1540敗55引き分けの勝率1割3分2厘です。10試合やって1試合は勝てるという程度です。対早稲田大学の記録は34勝316敗17引き分けの勝率1割3分9厘です。私は大学入学直後の1994年春のシーズンで早稲田が0対1で、2010年秋に2対4で東大に負けた試合を観戦しておりまして、89年の歴史の中で34回しか起きなった早稲田の対東大戦の敗北を2回撃する僥倖(?)に恵まれました。2010年秋の敗戦で、早稲田は慶應との優勝決定戦までもつれ込んだのですが、東大に負けるということは東京六大学野球リーグにおいては重要な意味を持つこともあります。

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 本日の試合は早稲田大学が11対0で東京大学を破りました。東大は71連敗(2引き分けを含む)という連敗記録を更新することになってしまいました。早稲田大学はエースで、この秋のプロ野球のドラフトでもドラフト1位で競合指名が有力視されている、有原航平投手(広陵高校)が先発しました。150キロを超える速球が自慢の好投手です。有原投手は6回まで投げ、3安打されましたが7奪三振、その後、吉野和也投手(日本文理高校)が2回を無安打1奪三振2四死球、9回を黄本創星投手(木更津総合高校)が無安打2奪三振2四死球で完封しました。東大は3安打に4四死球と塁に走者を出したのですが、残塁6で得点に結びつけることができませんでした。初回、2回の攻撃で共に2アウトランナー3塁まで進んだのですが、得点できませんでした。東大の3安打のうち、2安打は初馬眞人選手(桐朋高校)が放ちました。初馬投手は高校時代にチームを西東京地区(日大三高や早稲田実業が所属)でベスト16に導いた会ワン投手として注目されましたが、今は外野手登録です。野球センスの良さを東大では一番に感じる選手です。打撃に関しては通算43打数12安打打率2割7分9厘と他大学でもベンチ入りできるくらいの力を持っています。

 

 一方、早稲田の攻撃陣は本塁打2本、三塁打2本、二塁打4本、単打6本、四死球5、相手のエラー3、相手のバッテリーエラー2で11得点を挙げました。東大の登板した投手は辰亥正嗣(高松)、毛利拓樹(横浜翠嵐)、関正嗣(半田高校)でしたが、どの投手もスピードが遅く、打ちごろのストレート、そしてストレートと緩急の差がつかない変化球を投げていました。たまにコーナーに決まると早稲田の打線も打てないのですが、それが長く続かないためにつるべ打ちにあってしまうということになってしまいました。

 

 現在、東大は71連敗です。先のことは誰にも分かりませんが、私が観戦した限り、この春のシーズンで残り試合において急に力を伸ばして、勝利を収めることは考えにくいです。このままでいくと100連敗ということもあり得ます。そうなると、東京六大学野球リーグに東大が加盟している意味ということも問題になってくると思います。

 

 東大の選手たちで甲子園大会に出場した選手というのはいません。過去には何人かいました。一方、他の5大学はドラフト会議前に候補として名前が挙がったような選手たちを推薦入試で入学させています。これでは最初から勝負になりません。以前は勝負になっていたと思いますが、現在のように他の5大学がプロも注目するような才能あふれる選手たちを入学させている状況では、いくら努力しても厳しい状況にあります。東大の選手たちは、本当はしなくても良い苦労をしているのかもしれません。しかし、東京六大学という一つのステータスを守るために、野球の技量ではなく、偏差値のために東京六大学野球に存在していると言って良いと思います。

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 このまま連敗が続けば100という数字になることは十分にあり得ます。そうなったときにこの90年近い歴史を誇る東京六大学野球リーグがどのような議論を行うのか、注目したいと思います。しかし、それまでに東京大学野球部が1勝を挙げることを、それも早稲田大学野球部以外の相手から挙げることを祈りたいと思います。

 

(終わり)