古村治彦です。

 

 今回は、トランプについての記事をご紹介します。トランプはメキシコ系アメリカ人の連邦判事についての差別的な発言で激しい批判に晒されています。また、エリザベス・ウォーレンを「ポカホンタス」と呼び、こちらも批判されています。

 

 トランプは、民主党からの攻撃に対して、自分を押し上げたポピュリズムに固執しようとしています。彼は有名になった「Make America Great Again」に「for everyone」を加えるとしています。これは、ポピュリズムの政治家ヒューイ・ロングの「Every Man a King」につながるものです。この点はとても重要です。

 

 日本ではこの点をあまり報道されませんが、ポピュリストであるトランプの側面をもっと知るべきです。

 


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トランプがスローガンの対象を拡大:「“全ての人のために、全ての人にとって”アメリカを偉大に」(Trump expands slogan: Make America great 'for everyone'

 

エヴェリン・ルパート(Evelyn Rupert)筆

2016年6月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/283122-trump-expands-slogan-make-america-great-for-everyone

 

 ドナルド・トランプは、メキシコ系アメリカ人の判事についての発言に関してダメージコントロールをしなくてはいけない状況に追い込まれている。そうした状況の中、トランプは、彼の「アメリカを再び偉大に」というスローガンに新たな言葉を付け加えた。

 

 トランプは、金曜日の夜、ヴァ―モント州リッチモンドで次のように語った。「皆さんご存知のように、私のテーマは“アメリカを再び偉大に(make America great again)”ですが、これにいくつかの点を加えたいと思います。私は“アメリカを再び偉大に”に、“全ての人のために、全ての人にとって”を加えたいと思います。なぜなら、このテーマは、結局のところ全ての人のためにあるからです。一部の人々のためではありません。全ての人のためなのです。これは嘘ではありません」。

 

 民主党の大統領選挙候補者バーニー・サンダースのお株を奪うかのように、トランプは、アフリカ系とヒスパニック系の若者の失業率の高さに言及した。

 

 トランプは、「アメリカを全ての人のために、全ての人にとって偉大な国にしましょう」と述べた。

 

 トランプは現在、メキシコ系アメリカ人の連邦判事に対してのコメントで批判を受けている。彼のコメントを多くの人々は人種差別的だと考えている。トランプは、トランプ大学における詐欺行為で訴えられているが、その裁判の判事がメキシコ系であるために、その判事は片寄っているとトランプは述べた。

 

 トランプは金曜日、ワシントン・ポスト紙に対して行った発言を繰り返し、次のよう述べた。「私は人種差別から最も遠い人間です。皆さんがこれまでに会った人間の中で最も人種差別的ではない人間です。私が人種差別的だなんて、全く持って冗談ではありません。私は皆さんが会った中で最も人種差別的じゃないんです。信じて下さい」。

 

 トランプは、ゴンザロ・クリエル判事についての発言について謝罪も撤回もしていない。それでも、彼自身は、彼の発言が悪影響を与えていることを認識している。

 

 トランプは、金曜日に開催された福音派の指導者会議に出席し、原稿を用意した演説の中で次のように述べた。「あらゆる形での自由の意味するところは、人間の人種や肌の色で判断されないということです」。

 

しかし、トランプは連邦上院議員エリザベス・ウォーレンを攻撃し続け、彼女を「ポカホンタス」と呼んだ。これは、彼女の先祖にネイティヴ・アメリカンがいることを指している。ウォーレンをポカホンタスと呼ぶことは人種差別的だと非難する人々もいる。

 

 トランプはリッチモンドで次のように語った。「ポカホンタスは幸せではないのです。不幸なんですよ。最悪です。私はポカホンタスを酷い目に合わせてやりますよ。本物のポカホンタスにそんなことをしたら大変です。それは間違っています。しかし、私が言っているのは、エリザベス・ウォーレンです。私はエリザベス・ウォーレンを間抜けと呼びます。彼女はアメリカ連邦上院全体で最悪の議員です」。

 

(終わり)