古村治彦です。

 

 ヒラリーのEメール問題が大きくなりつつあります。

 

 ヒラリーのEメール問題とは、2012年9月11日に発生したベンガジ事件(リビア・ベンガジのアメリカ大使館が襲撃され、クリス・スティーヴンス大使と3名のアメリカ人が殺害された)の調査過程で、「ヒラリー・クリントンが、国務長の強い要請があったにもかかわらず、ハッキングなどをされやすい私的なEメールアカウントとEメールサーヴァーを使用していた」ということです。私的Eメールアカウント使用はハッキングに弱いということもありますが、業務に関わるものは全て記録として残しておくという公務の規定にも抵触する可能性がありました。

 

 2016年7月、FBIのジェイムズ・コミー長官は、ヒラリーと彼女の側近たちの国務省在職中のEメール使用について、「私的なEメールアカウントで機密情報をやり取りしていた。これは大変軽率な行動であったが、訴追するには至らない」と発表し、司法省のロレッタ・リンチ長官に報告し、私的なEメール使用での訴追はなくなりました。

 

 ヒラリーは、2014年12月に国務省に、自宅にあるEメールサーヴァーに残っていたEメールのうち、業務に関するもの3万通を提出しました。これらは、国務省の分析も済み、公開されています。業務に関するか、プライヴェート化の分類はヒラリーが雇った弁護士が行いました。そして、このEメールサーヴァーから消去されたEメールが3万通あり、これをFBIが復元し、これらもまた国務省に提出されました。これらの中には数千通の業務に関するEメールが含まれていました(ヒラリーと弁護士たちは、プライヴェートなものとして提出しなかったものの中に業務内容が含まれていたことになります)。この復元された3万通は現在国務省が調査と分類を行っています。

 

 これらのEメールについて、情報公開法に基づいて、いくつも訴訟が起こされています。そして、8月22日の月曜日に、連邦裁判所は、国務書に対して、現在国務省が調査分析中の復元された3万通のうちの約1万5000通を開示するように命じました。ただ、国務省がいつどのようにして開示するかを検討中なので、選挙の投開票日である11月8日までに間に合うかどうかは分かりません。

 

 ここでEメール問題は、①業務とは関係ないとして消去されたEメール3万通の中に、業務内容を含むものがあったので、ヒラリーの主張の信頼性が損なわれる、②これらのEメールの内容とヒラリーが連邦下院ベンガジ特別委員会で宣誓証言を行った内容との間に齟齬があった場合の偽証罪、③Eメールの内容で、ヒラリーが国務長官の権限を利用して、私腹を肥やす、もしくはクリントン財団に有利な取り扱いをして利益を得た、あっせん利得、口利きといった行為があったかどうか、ということになります。

 

 連邦下院共和党は②の偽証罪でヒラリーを告発し、FBIが捜査し、司法省が起訴するように働きかけています。マスコミは③のヒラリーが国務長官時代の国務省とクリントン財団との不適切な関係を攻めるということになっています。

 また、ヒラリーが国務長官時代に私的Eメール使用に関して、「元国務長官のコリン・パウエルからの助言を受けてそのようにした」とFBIの聴取に対して答えていたことで、失点しました。コリン・パウエルは共和党ですが、2008年、2012年の大統領選挙で民主党のバラク・オバマを支持しました。今回の大統領選挙ではパウエルは誰も支持していませんが、これでヒラリーを支持する可能性は亡くなりました。大きな魚を逃したことになります。 

 

 トランプの態度変更に合わせて、ヒラリーのEメール問題に対する追及も激しくなってきました。これからどうなるか注目です。

 

 

(貼りつけはじめ)

 

Eメール:クリントンの側近が財団の寄付者との会談を調整(Emails: Clinton aide arranged meeting with foundation donor

 

ケイティ・ボー・ウィリアムズ筆

2016年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/292250-emails-clinton-aide-arranged-meeting-with-foundation-donor

 

保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチは月曜日、ヒラリー・クリントンがやり取りしたEメールを公表した。ジュディシャル・ウォッチは、この中に、クリントン財団の大口献金者たちが当時国務長官だったヒラリー・クリントンへの特別なチャンネルが与えられていたことを示すものがあると主張している。

 

2009年、ヒラリーの首席補佐官だったフーマ・アベディンは、クリントン財団幹部ダグ・バンドと協力して、ヒラリーとバーレーンのサルマン皇太子との会談を調整した。この会談は皇太子側から求められたものだった。

 

2009年6月23日(火曜日)、バンドはアベディンに対してEメールで次のように送った。「バーレーンの皇太子が明日から金曜日まで滞在。ヒラリー・クリントンとの面会を希望。私たちにとっての良き友」。

 

アベディンはそれから数時間後に返信し、サルマン皇太子は「通常のチャンネル」を通じて、会談の日程を調整しようとしたが、火曜日から金曜日までは、彼女が良く知る人物以外には会談を持ちたくないと言っていると返事をした。

 

2日後、アベディンはバンドにEメールを送った。その内容は以下の通りだ。「バーレーンの皇太子側には明日の午前10時にヒラリー・クリントンと会談するということでどうかと提案。もし皇太子自身に会う場合には、そのことを伝えてほしい。私たちは公式のチャンネルで連絡している」。

 

サルマン皇太子は2005年にクリントン・グローバル・イニシアティヴのために奨学金プログラムを創設した。そして、クリントン財団のウェブサイトによると、2010年までに3200万ドルを提供したということだ。

 

このやり取りは2016年8月22日にジュディシャル・ウォッチが発表した725ページにわたる国務省の文書に中に含まれており、このうちの20ページ分は、2014年12月にヒラリーが国務省に提出したEメールの中には含まれていなかったとジュディシャル・ウォッチは主張している。

 

別のやり取りでは、バンドは、ヒラリーに対して、イギリスのサッカーティームのウォルヴァ―ハンプトン・ワンダラーズ・フットボール・クラブのあるメンバーのヴィザ交付プロセスをスムースにしてくれるように依頼するものだった。このメンバーは「犯罪歴」があったために、ヴィザ交付で苦労していた。この依頼は、ケイシー・ワッサーマンからのものだった。ケイシー・ワッサーマンは、ワッサーマン財団の会長で、この財団はクリントン財団に500万ドルから1000万ドルを献金していた。

 

しかし、ヒラリーのオフィスではこの依頼を実行しなかった。アベディンは「この依頼に関しては神経質にならざるを得ない。頼むことは不可能ではないが」と答えている。

 

バンドは「それなら実行しなくてよい」と答えた。ワッサーマンの報道担当は、この依頼は実行されなかったと本誌の取材に答えている。

 

新たなEメールの公開によってクリントン財団を巡る論争が継続することになった。共和党はこれまでも長年にわたり、ヒラリーを非難してきた。民主党の大統領選挙候補となった現在、ヒラリーに対しては、国務長官在任時に「口利き、あっせん行為」に関与したと非難している。

 

ジュディシャル・ウォッチ会長のトム・フィットンは声明を発表し、その中で次のように述べている。「これらの新たに公表されたEメールによって明らかにされたのは、ヒラリー・クリントンが、クリントン財団の大口献金者たちに対して便宜を図ることで、公的地位を不当に利用したということだ。ヒラリー・クリントンとその他の人物たちが法律を破ったのかどうかを決定するために、真剣なそして政府の影響から独立した捜査が必要だ」。

 

クリントン選対はこうした批判に対して反論を行った。

 

クリントン選対の報道担当ジョー・シュワーリンは次のように語った。「繰り返しになりますが、この右翼団体は1990年代からクリントン一家を追いかけまわしてきました。この団体は間違った攻撃を行うために事実を捻じ曲げてきました。どれほどこの団体がこれらの文書を悪意をもって解釈しようとも、ヒラリー・クリントンはクリントン財団への献金のために、国務長官として活動したことはないというのが事実です」。

 

月曜日、ビル・クリントン元大統領は、「11月にヒラリー・クリントンが大統領に選ばれたら、クリントン財団は外国の企業や団体からの献金受け入れを停止する」と発表した。

 

ヒラリー・クリントンは現在、クリントン財団に関与していない。一方、ビル・クリントンと娘チェルシー・クリントンは財団のイヴェントに姿を見せている。クリントン元大統領は、ヒラリーが大統領に当選したら、財団の理事の座から退き、資金集めも行わないと述べた。

 

公開書簡の中で、ビル・クリントンは、こうした変化について、「利益の衝突(相反)の可能性に関する正当な懸念」を払拭したいと述べた。しかし、ビル・クリントンは、クリントン財団の環境保護、教育、公衆衛生に関する活動について擁護した。

 

2016年8月22日、ジュディシャル・ウォッチによってEメールが公表される前に、共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプはクリントン財団の解散を求め、「クリントン財団は政治史上最も腐敗した組織だ」と批判した。

 

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これはEメールに関するコリン・パウエルとヒラリー・クリントンの闘いだ(It’s Colin Powell vs. Hillary Clinton on email

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/292266-its-colin-powell-vs-hillary-clinton-on-email

 

共和党は、ヒラリー・クリントンとコリン・パウエルとの間に起きた衝突を利用して、「民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは、国務長官時代の機密情報の取り扱いについて、FBIに対して虚偽を述べた」という彼らの主張を拡散しようとしている。

 

今週末、パウエルは、ヒラリーがFBIに対して「国務省でのEメールアカウント利用設定についてパウエルから助言を受けそれに従った」というコメントをしたと報じられたことについて、非難した。

 

ジョージ・W・ブッシュ政権下で国務長官を務めたコリン・パウエルは、今週末にハンプトンズで開催されたイヴェントに出席し、次のように述べた。「ヒラリー・クリントンの周辺の人々は私に責任を覆いかぶせようとしています。彼女がEメール設定を行ったのは、私が自分が国務長官時代にどのようにしていたかをメモに書いて送った1年も前なのです。これが真実です」。

 

共和党全国委員会委員長レインス・プリーバスは月曜日に声明を発表し、その中で、「このエピソードは、ヒラリー・クリントンがFBIに対して虚偽を述べたのかどうかという深刻な疑問を生じさせるものだ」と述べた。

 

声明の中では次のように続けて述べている。「ヒラリー・クリントンの一連の不誠実な態度は国家最高の地位を目指す候補者としては全く持って受け入れがたいものだ。彼女は真実を語ることを拒絶しており、彼女の判断力の乏しさと併せて、もし彼女が大統領に当選した場合に、どのように振る舞うことになるかを示す格好の材料となっている」。

 

ニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、ヒラリーはFBIに対して、彼自身も国務長官在任中に私的なEメールアカウントを使っていたパウエルが、彼女がオバマ政権の国務長官就任直後に、同じようにしたら良いと助言をした、と述べた、ということだ。この説明は、先週、連邦議会に提出されたFBIによるヒラリーに対する3時間半にわたった聴取の記録の要約の中に含まれていた。ヒラリー周辺の人々は、共和党がこの要約から詳細が選択的にリークして、ヒラリーを悪く描くことを恐れている。

 

作家ジョー・コナソンは最新刊の中で、2009年6月にもう一人の国務長官経験者マデリン・オルブライトのワシントンにある邸宅で行われた夕食会にパウエルとヒラリーが招待され、その席上、パウエルがヒラリーに助言を行った、と書かれている。

 

パウエルの事務所は後に、パウエルはこの夕食会のことを記憶していないが、彼に近い人々は、パウエルが彼自身のEメールシステムが国務省の通信を改善したとするメモを送ったことは認めている。

 

先月、FBI長官ジェイムズ・コミーは議会で証言を個なった。その中で、「FBIの捜査官たちはヒラリー・クリントンがFBIに対して虚偽を述べたと結論付ける証拠を持っていない」と述べた。

 

FBIの報道官は月曜日、ヒラリーのEメールに関する捜査についてコメントすることを拒否した。

 

クリントン選対にEメールでコメントを求めたが反応はなかった。

 

これまで、ヒラリーに近い人々は、ヒラリーがニューヨークにある自宅にある私的なEメールサーヴァーを使っていたことについて、それはパウエルの前例があったからだとする説明をしてきた。しかし、ヒラリー自身も彼女の選対もEメールアカウントの設定についてパウエルから助言を受けたことを正式に認めたことはなかった。

 

しかし、パウエルとの齟齬が公になることで、ヒラリーの選挙運動はダメージを受けることになるだろう。

 

パウエルは2016年の大統領選挙ではこれまで誰に対しても支持を表明してこなかった。しかし、元国務副長官リチャード・アーミテージをはじめとするパウエルに近い人々は、ヒラリー支持を表明している。

 

パウエルは共和党員として選挙名簿には登録しており、これまでも何度か大統領選挙候補者として名前が挙がった。記憶に新しいところでは、2008年と2012年の大統領選挙ではオバマを支持した。また、ヒラリーの夫ビル・クリントンが大統領就任直後には、米軍の統合参謀本部議長を務めていた。

 

パウエルは、国家安全保障関係の大物の中で、今年の大統領選挙で誰を支持するかを明らかにしてこなかった数少ない人物の一人だ。そして、これまでヒラリーを支持してこなかった。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは今回のニュースを受けて、ヒラリーを攻撃した。トランプは今回のニュースを取り上げて、有権者は彼女を信頼できないだろうと述べた。

 

トランプはフォックスの「フォックス・アンド・フレンズ」に出演して、「そうですね、よく見て下さいよ。彼女はうそつきです」と述べた。

 

トランプは続けて、「彼女はEメールに関して嘘を言いました。彼女はコリン・パウエルについて嘘を言いました。私はパウエルが怒っているのを見ました」と述べた。

 

トランプは更に「全てが嘘であり、詐欺なんです。いかさま師がやるような詐欺行為なんですよ」と述べた。

 

一連の攻撃は、よく知られたヒラリーの弱点に対するものだ。彼女の弱点は、彼女は正直ではなく、信頼できないというものだ。私的なEメールに関して何度も関心が集まることで、ヒラリーはうそつきだという主張が真実味を帯び、そのためにヒラリーはダメージを受けている。

 

月曜日には、FBIが発見した、ヒラリーが国務長官時代にやり取りをした未公開のEメール約15000通の公開が求められた。このためにヒラリーの弱点であるEメール問題はまだ続くことになる。これらのEメールと付属文書は今秋には公開されると思われるが、大統領選挙の投開票日前にどれだけのEメールが公開されるかははっきりしない。

 

加えて保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチが公表したEメールには、クリントン財団に関係する人々との連絡を確保するために私的なEメールアカウントが使われたことを示すものが含まれている。

 

パウエルとヒラリーは2人とも国務長官在任中に私的なEメールアカウントを使用していた。このために、今年初めには国務省の監察官による厳しい懲戒を受けた。

 

ジュディシャル・ウォッチは、5月に発表した報告書の中で、「パウエルとヒラリーは、適切な記録保存を行わずに公務を私的なEメールアカウントで行った。これは、政府職務規定に違反している」と結論付けている。

 

しかし、ヒラリーとパウエルの間には大きな違いが存在する、と事実関係に詳しい人々は声を揃える。

 

パウエルは国務長官在任中、個人のAOLEメールアカウントを使用し、補佐官や世界各地の外交官たちの連絡は個人のラップトップコンピュータで行っていた。

 

ヒラリーは、自宅の地下室にいくつもサーヴァーを設置し、個人で作ったclintoemail.comEメールシステムを使用していた。

 

パウエルとヒラリーの在任期間の間には4年という期間が存在した。

 

この期間で、国務省は職員たちに対してEメールのやり取りを記録することの必要性について警告を発していた。

 

またこの期間に、政府が認めたEメールアカウントを使用しないことで起きるサイバーセキュリティのリスクについての注意と関心が広がった。ジュディシャル・ウォッチは5月に発表した報告書の中で次のように書いている。「パウエルが国務長官だった期間、テクノロジーとディジタルの安全対策については流動的であった。その当時、国務省は情報技術に関連しての安全上の危険性について、その深刻さを認識していなかった」と書いている。

 

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FBIはヒラリー・クリントンが提出しなかった15000通のEメールを発見、あーあ(The FBI found 15,000 emails Hillary Clinton didn’t turn over. Uh oh.

 

クリス・シリーザ筆

2016年8月22日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/22/the-fbi-found-15000-emails-hillary-clinton-didnt-turn-over-uh-oh/

 

ヒラリー・クリントンが私的なEメール使用を決定したことで生み出された、スピン(政治の場面で行われる偏向した描き方)や政治的立ち位置を全て取り去ってみると、次の3つの事実が残る。

 

(1)ヒラリー・クリントンは私的なEメールアカウントを公務に使った最初の国務長官だ。

 

(2)彼女はまた、私的なEメールサーヴァーを自宅に置いていた最初の国務長官でもある。

 

(3)国務省からEメールの提出を求められたとき、ヒラリーは複数の弁護士を雇い、彼らに個人的なEメールと職務に関係するEメールを分類してもらった。そして、個人的なEメールはサーヴァーから永久に消去されてしまった。職務に関係したEメールは国務省に提出された。提出されたEメールは次のように分類される。

 

2016uspresidentialelectionwashingtonpost20160822001

 

ヒラリーが消去したEメールの数は、国務省に提出したものよりも多い。彼女が雇った弁護士たちは、実際には全てのEメールを読んだわけではなかった。彼らは、キーワードを検索にかけてEメールを分類した。この過程を監視したのはヒラリーの周辺人物たちで、第三者はいなかった。このEメールの分類過程に関するヒラリーの主張の重要な点は、「私を信頼せよ」だ。詳しく見ると、私が雇った弁護士たちは、国務長官としての日常業務にまで関連するEメールをすべて発見し分類し、そして国務長に提出したと彼女は主張している。

 

本日(2016年8月22日)付のワシントン・ポスト紙に、スペンサー・シュー記者が記事(タイトル:「FBIがヒラリー・クリントンのEメール問題で15000通以上のEメールを発見した」)を掲載した。これはヒラリーにとっては痛手となるであろう。

 

FBIは、ヒラリー・クリントンの私的なEメールサーヴァーに関する1年に及ぶ捜査を行い、ヒラリーの国務長官在任期間中にやり取りされ、ヒラリーが雇った弁護士たちが公表しなかったEメール1万5000通を発見した。国務省は、月曜日の朝に連邦裁判所で、いつどのようにこれらのEメールを公表するかを議論することになるだろう」

 

「先週、国務省が保守系監視団体ジュディシャル・ウォッチに対して引き渡すと述べ、司法省もそれを承認したEメールが全て公開された。これから公開されるものも足した数は、ヒラリー・クリントンが雇った弁護士たちが業務関連だと判定し、2014年12月に国務省に提出した30000通以上のEメールの約50%にあたる」。

 

うむ、なるほど。

 

従って、FBIは、ヒラリーがやりとした約15000通の文書やEメールを発見したが、これらはヒラリーが2014年12月に国務省に提出したEメールには含まれていない。もちろん、これらのEメールや文書のうちのどれも、もしくは全部が業務関連なのかどうかもはっきりしない。これらのEメール全てが、ヒラリーと弁護士たちが消去した30000通以上のEメールの一部である可能性もある。

 

 

しかし、ジェイムズ・B・コミーFBI長官は、FBIEメール問題について捜査したところ、ヒラリーが国務省に提出しなかったEメールの中に数千通の業務関連のEメールが含まれていたことを発見したと発表したことは、私たちは既に知っている。これら15000通のEメールは、コミー長官が言及したEメールの一部であることは少なくともそうだと言えるが、国務省に2014年12月に提出されたEメールと、FBIが復元して提出したEメールとの間でどれだけ重なりがあるのかは分かっていない。

 

ヒラリー選対から出された声明の内容も、これらのEメールの内容について分かっていないことを示すものだった。

 

2016uspresidentialelectionwashingtonpost20160822002

 

明白な事。ヒラリー・クリントンは私的Eメール使用問題については、FBIのコミー長官によって潔白だとされている。コミー長官とFBIは新たに公開されたEメールについては、彼らが発見したのだから、当然知っている。その上で、ヒラリーに対する起訴が適当ではないという判断を下したのだ。

 

しかし、事態はヒラリーにとって日に日に厳しくなっている。彼女は業務関連とプライヴェートなEメールの分類は適切に行われたと主張しているが、その主張は受け入れられなくなりつつある。そして、ヒラリーは、分離作業を行わないで、多くのEメールを消去したという可能性が出てきて、彼女の透明性に関して疑義も高まってくる。これは、次期大統領に向けて他をリードしている人物にとっては、悪い印象を与えるものとなる。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)