古村治彦です。

 

 月曜日に行われた第1回討論会の結果についての世論調査の結果が出始めています。数字で見ると、50%強の人々がヒラリーが勝ったと答え、20%中盤くらいの人々がトランプが勝ったと答え、残りの人々はどちらが勝ったとも言えないと答えていることが分かります。そして、ヒラリーとトランプの支持率はそこまで大きく変化を見せていません。

 

 この数字は大変興味深いものです。まず、ヒラリーが勝ったとしている人々が50%台前半であるということです。これは逆に言えば、当然のことながら、40数%の人たちはヒラリーが勝ったとは思えなかったということです。第1回目の討論会がこれ以降の流れを決める上で最重要であるということは、アメリカでも言われていることですが、そこで、ヒラリーは、「負けない戦い」をして、自分からトランプをノックアウトしに行かなかったし、トランプからノックアウトパンチを食わないようにしたということになります。恐らく、これはヒラリー陣営の考えたシナリオ通りだと思います。

 

 トランプが勝利したと答えたのは4分の1の有権者です。ボクシングの譬えばかりで恐縮ですが、トランプがヒラリーをノックアウトするのではないかという事前の期待が裏切られたこと、逆にトランプが攻め込まれる場面があったこと、一対一の討論会に不慣れで、2分割された画面でヒラリーの話を聞いている時の態度も映像として流されたことやヒラリーや司会者の発言を遮る場面が多かったことなどが影響したものと思います。

 

興味深いには、数字上ではヒラリーが勝利したと言えますが、引き分けであったと答えた人たちも約4分の1ほどいたということです。これは、「確かに討論会という形では、ヒラリーが勝ったと思う。しかし、トランプも十分に印象に残る話しぶりであった」という人たちが多かったということだと思います。こう答えた人たちは、「トランプが討論会を荒らしまくって討論会自体をダメにするのではないか」と考えていたのではないかと思います。彼らの予想に反してトランプが最後まで討論会を続けたことで、トランプの印象が良くなったが、討論会自体はヒラリーの方がうまくやったと思えるので、それでどちらも勝っていないということになったと思います。

 

 第1回目の討論会ではヒラリーが勝利したということですが、支持率の上昇にはそこまでつながっていないようです。元々下がり続けていたことを止めて、多少でも上がったという意味では良い効果があったと言えますが、トランプを突き離すほどの効果はなかったと言えます。

 

 こうして考えると、「第1回目の討論会ではヒラリーが勝利した」と単純に言い切れないと私は考えます。私は、討論会を見ながら、トランプはうまくやっている、ヒラリーの方が攻勢ではあるが、という印象を持ちましたが、その後のメディアの報道で、ヒラリーが勝ったという論調になっており、「自分の感覚がおかしいのか、日本のことで考えるとまだ交渉をしてくれそうなトランプをひいきしていたのか」とも考えましたが、自分の感覚がおかしくないことを今回の世論調査の結果で確認できました。まぁそんなことはどうでも良いことですが。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:過半数が「ヒラリーが討論会に勝った」と言う(Poll: Most say Clinton won debate

 

ニキータ・ヴラディミロフ筆

2016年9月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/298358-poll-most-say-clinton-won-debate

 

最新のロイター通信・イプソス社の共同世論調査の結果が出て、アメリカ国民の過半数が、月曜日に行われた第1回の大統領選挙討論会ではヒラリーが勝利したと考えていることが分かった。

 

2000人を対象にした世論調査で、56%が討論会で民主党候補のヒラリー・クリントンが討論会に勝利したと考えたと答え、26%が共和党候補のドナルド・トランプが勝利したと考えたと答えた。

 

選挙に行くと答えた有権者のうち、34%は討論会を見て、ヒラリーを積極的に評価するようになったと答えた。トランプをそのように考えると答えた有権者は19%だった。

 

多くが、討論会におけるヒラリーのパフォーマンスを見て、彼女の本選挙での勝つチャンスが広がったと考えるようになった。投票に行くと答えた有権者の約31%は、討論会がヒラリーに良い効果を与えたと答えた。一方、トランプが11月の選挙で勝つチャンスが広がったと答えたのは16%に留まった。

 

こうした数字は出ているが、世論調査の結果で分かったのは、討論会で勝利したと言っても、投票に行くと答えた有権者の間で彼女の支持率は上昇していないということだ。世論調査では、各候補の支持率はヒラリーが42%、トランプが38%だった。

 

ロイター通信とイプソス社の共同調査は、2036名の成人したアメリカ国民を対象に行われた。誤差は4%だ。

 

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世論調査:過半数が「ヒラリーが討論会に勝った」と語った(Poll: Majority says Clinton won debate

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年9月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/298377-poll-over-half-say-clinton-won-debate

 

有権者の過半数が、大統領選挙の第1回討論会でヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに対して勝利を収めたと考えている、と最新の世論調査で分かった。

 

水曜日に行われたNBCニュースとサーヴェィ・モンキーの調査によると、52%がホフストラ大学での討論会でヒラリーが勝利を収めたと答え、21%はトランプが勝利したと答えた。

 

26%はどちらの候補者も勝利を収めなかったと答えた。1%が無回答だった。世論調査の結果、討論会を通じて、トランプよりもヒラリーの方がイメージを改善したということが分かった。

 

26%が討論会でのヒラリーのパフォーマンスを見て、彼女に対する意見を改善させたと答えた。17%が悪化させたと答えた。トランプの場合は、改善させたと答えた有権者は13%であった。

 

 

26%はトランプに対する意見を悪化させた。

 

加えて、有権者は、ヒラリーが大統領にふさわしい人格と資質を備えていると考えている。

 

53%がヒラリーはそうしたものを備えていると答え、46%は備えていないと答え、1%が無回答であった。

 

36%がトランプは大統領にふさわしい性格をし、資質を有していると考えていると答えた。一方、63%はそう考えないと答えた。1%が無回答だった。

 

NBCとサーヴェィ・モンキーの共同世論調査は、2016年9月26日から27日にかけて、7541名を対象にインターネット上の面接を通じて行われた。誤差は1.6%である。

 

月曜日の夜の討論会は、これまでの討論会の視聴者に関する記録を打ち破った。今回の討論会は、8000万人以上が視聴した。

 

今回の討論会は、11月の投開票日までに3回行われる大統領選挙討論会の第1回目であった。

 

ヒラリーとトランプの次の対決は2016年10月9日にミズーリ州セントルイス、その次の対決は10月19日にラスヴェガスで行われる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)