古村治彦です。

 

 今回の大統領選挙では、現在のところ、ヒラリーが圧倒的に有利です。前回も書きましたが、「8対2」でヒラリーが勝利するというところまできています。

 

 トランプが2005年に話した卑猥な内容の発言を録音したテープが公開されたことで、共和党の連邦議員たちが一斉に掌返しで、民主党と一緒になって、トランプ包囲網を形成しました。自分たちの選挙が重要だということもありますが、トランプ支持者たちはエスタブリッシュメントの応援などしないということが分かって、「トランプを応援して、無党派や女性が逃げてしまっては意味がない」ということになりました。

 

 しかし、自分の党が党大会を開いて決定した、予備選挙を勝ち抜いた候補者を引きずりおろすということは異常なことです。これで、共和党は大きく傷つくことになるでしょう。支持者も分裂して、トランプを支持している人々は、民主党に対してよりも、共和党に対して敵意を募らせるでしょう。民主党は支持できないが、共和党はもっと恨みに思うということになるでしょう。そうなれば、新たな政治勢力ということになるでしょう。それが順調に成長することは難しいでしょうが、共和党を分裂させることにはなるでしょう。しかし、これまでに何度かポピュリズムが辿ったように結局敗北していくでしょう。共和党にまた吸収されるでしょう。そして、定期的に暴れ出すということになるでしょう。

 

 共和党は民主党のようなややリベラルな国内政策と強硬な外交政策を行うようになるのではないかと思います。トランプ支持者を切り捨てて、都市部のややリベラルな無党派を惹きつけるという方向にも進むでしょう。トランプを支持したパレオコンサヴァティヴ、パレオリバータリアン、オルト・ライト、リベラルに親近感を持つ人々、伝統的な保守派との間にある分裂が激しくなって、共和党は団結がしにくい党となり、アメリカの二大政党制を支える大政党と言えなくなるかもしれません。

 

 これを大きな目で見れば、「アメリカの制度が疲労し、アメリカは衰退の道を歩んでいる」ことの証拠ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ケーシック:共和党は進化しなければならない、さもなければ死んでしまうだろう(Kasich: GOP must evolve or it will die

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年10月15日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/301174-kasich-gop-must-evolve-or-it-will-die

 

オハイオ州知事ジョン・ケーシックは共和党に対して重大な警告を発した。

 

ケーシックは、土曜日に『ビジネス・インサイダー』誌に掲載されたインタヴューの中で「共和党が進化しなければ、共和党は死んでしまうだろう」と発言した。

 

「共和党は貿易に反対し、移民に反対する政党ではいけない。人々の政治を実行しないせいとうではいけない。薬物中毒や精神的失陥、処方薬の値段、健康保険、学生の奨学金負債といった諸問題は現在、人々にとって大変に身近なものだ」とケーシンクは語った。

 

「だから、私は共和党が進化する必要があるが、進化がなければ私は共和党の一員ではいられないだろう」とも語った。

 

ケーシックは共和党の予備選挙で激しく争った共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに対して批判的だ。

 

先週、ケーシックは、トランプの卑猥な発言を非難していない共和党員を激しく非難した。そして、彼らに対して「人々の模範となる」ように求めた。

 

ケーシックは「私はこれ以上話す言葉を持たない」と述べた。

 

「私は自分の適切な行動で手本を示せるように努力している。そして人々に逆襲をすることはない。私は幸せだからだ。私は自分の講堂以上のことを発言する必要はないと考えている」。

 

この発言は2005年に録音されたトランプの発言が収められたテープが公開された後になされたものだ。この録音テープの中で、トランプは、自分が有名人であるので、女性の同意などなくても、彼女たちを触り、キスできると語っていた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)