古村治彦です。
アメリカ大統領選挙の投開票日(11月8日、日本時間では11月9日)が近づいてきました。もう2週間を切るところまで来ました。昨年から始まった選挙も、マラソンで言えば残り100メートルといったところでしょうか。
現在のところ、民主党のヒラリー・クリントンが共和党のドナルド・トランプに差をつけている、優位に立っている状況です。私の見るところ、現在の状況は9対1でヒラリー・クリントン有利というところでしょう。各州がこのままの状況でいけば、ヒラリーが選挙人を325名前後獲得して勝利、トランプは200名は超える可能性は高いが270名には届かずに敗北ということになると思います。
ただ、最近の世論調査の数字ではトランプが追い上げています。フロリダ州は配分されている選挙人の数も多く、フロリダ州でトランプが勝利を収めることが出来れば、他の激戦州でもトランプが勝利できる可能性が出てくるので、接戦に持ち込むことが可能となります。
アメリカ国民もなかなかよく分かっていて、ヒラリーを対照させると色々と危ないということで、バランス感覚が働いて、トランプを支持すると答える人たちも多くなっているとも考えられます。
残り2週間を切りましたが、選挙は最後の最後までわからないということは洋の東西を問わずに言われていることです。これからも注目し続けねばなりません。
(貼り付けはじめ)
トランプとクリントン双方にとって、世論調査の数字において差が縮まっている(Polls
tighten for Trump, Clinton)
ニオール・ストレンジ筆
2016年10月26日
『ザ・ヒル』誌
http://thehill.com/homenews/campaign/302956-polls-tighten-for-trump-clinton
選挙の投開票日まで2週間を切った大統領選挙は、世論調査の数字では接戦となっている。
新たに発表された、いくつかの世論調査の数字では、民主党のヒラリー・クリントンが保っている差が縮まり、共和党のドナルド・トランプは激戦州であるフロリダ州でより力強いパフォーマンスを見せている。
それでもトランプが勝利するには厳しい坂を登らねばならない状況に変わりがないし、選挙人の獲得予想地図では、彼の勝利は厳しい状況になっている。しかし、世論調査の数字に変化が見えていることで、トランプ選対は、恐らく最悪の時期を脱したので、希望があると考えるようになっている。
水曜日にブルームバーグが発表したフロリダ州での世論調査では、トランプが2ポイントの差でリードしていた。フロリダ州のリアルクリアポリティックスの平均では、10月21日の段階でヒラリーのリードは4ポイント差であったが、現在は1.6ポントまで縮まっている。
リアルクリアポリティックスの全国規模の平均では、10月17日の段階では7.1ポイントだったが、現在は5.1ポイントまで下がっている。
世論調査の結果がこのまま変わらなければ、ヒラリーはホワイトハウスを圧勝で勝ち取ることになるだろう。しかし、現在のようなトランプ上げ潮の流れについて、民主党の中には自己満足を戒める声が出ている。
匿名を条件に取材に応じ真意を話してくれたある民主党のストラティジストは「これから1週間後に数字がどうなっているかを慎重に待って見なくてはいけません。選挙は13日を残して終わるのではありません。選挙戦は投開票日まで続くのです。油断は禁物です」と語った。
ヒラリー陣営では表向きは自信を見せているが、ある選対幹部は選挙戦が接戦になっていることは驚くに値しないと述べた。
この選対幹部は次のように述べた。「今回の選挙のように有権者が極端な政治的な姿勢を取るようになっている状況では、選挙は接戦になるだろうということを私たちは一貫して言ってきました。ですから、私たちは草の根の選挙運動を展開して、関心が薄い人々にも投票に行ってもらうことに注力してきました」
ヒラリー側では勝利に必要な270名の選挙人獲得のシナリオがいくつも描けるという有利な立場にあるが、トランプ側はそのような状況にない。
ヒラリー線たちの幹部たちは、フロリダ州をはじめとする激戦州の期日前投票の数字に歓喜している。ヒスパニック系の有権者の期日前投票とアフリカ系アメリカ人の有権者の不在者投票の数字は2012年に比べて大きく伸びている。
トランプの選対幹部と共和党の幹部たちは世論調査の数字から楽観できる材料を見つけている。
水曜日に共和党全国委員会が発表したメモには、いくつかの重要な州における期日前投票で、民主党のリードを縮めていると書かれている。
世論調査の数字についても疑念が出ている。トランプ陣営の上級顧問ピーター・ナヴァロは、世論調査の数字がほとんど変化していないのはどうしてかと質問され、「そのおかしさを指摘しようとすれば枚挙にいとまがない!」と答えた。
ナヴァロは続けて、世論調査は総じて不正確であり、選挙の投開票日にどの有権者が投票に行くかのモデルを作る際に誤ってしまうために、ヒラリーに有利な数字が出るようになっているのだと語った。
ナヴァロは更に、いくつかの要素によって選挙戦の流れは大きく変わるとも主張した。
ナヴァロは、ヒラリーの選対本部長ジョン・ポデスタの私的なアカウントからハッキングされたEメールをウィキリークスが公表したことで、前国務長官ヒラリーに対して有権者は否定的な認識をするようになっていると主張した。
ナヴァロは、「自分は一匹狼で機能不全に陥っている現在の機構をひっくり返したいと考えている」というトランプの中核的な主張は11月8日が近づくにつれて、再び人々の間で語られるようになるとも述べた。
ナヴァロは、「変化をもたらす候補者だというメッセージに対する共感はその範囲を広げている。沼に水がどんどん注ぎこみ、大きくなっていくようなものだ。その勢いは選挙の投開票日までに最高潮に達するだろう」と語った。
ナヴァロはトランプの勢いに加えて、オバマケアの掛け金についての議論の存在も指摘した。今週になって、連邦政府が運営するプログラムの掛け金がいくつかの州で平均25%も上昇した。これはオバマ大統領にとってと同様、ヒラリーにとっても大きな政治の面での頭痛の種となっている。
選挙戦の動向に変化が起きているのはフロリダや全国規模のことだけではない。リアルクリアポリティックスの世論調査の数字の平均を見てみると、ペンシルヴァニア州では2週間前にはヒラリーが8.7ポイント差でリードしていたのが、現在は4.4ポイントまで縮まっている。水曜日に発表されたマンモス大学がニューハンプシャー州で実施した世論調査の結果では、前国務長官のヒラリーが4ポイント差でリードであった。しかし、先月の調査では、9ポイントの差であった。
しかしながら、こうした数字の変動があっても、両方の州でヒラリーの勝利は動かしがたいという事実は変わらない。11月8日の投開票日で接戦となるためには、トランプの追い上げの動きが続くか、世論調査の誤差の範囲内で起きることが実際に起きるか、ということが必要になる。
前述の民主党のストラティジストは次のように述べた。「差が縮まってきているのは明らかです。ヒラリーが激戦各州で優位を保っていますが、選挙の投開票日当日、ヒラリー陣営は、人々が思っているよりも気を張っておく時間が長くなることでしょう」。
(貼り付け終わり)
(終わり)
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