古村治彦です。

 

 ヒラリーのEメール問題が急展開し、選挙戦が混戦になりつつあります。ヒラリーは支持率を落とし、トランプが支持率を上昇させている展開です。

 

 民主党側では、FBIに対して、「そのようにもったいぶらないで、問題のEメールを公開してすべきだ」と主張しています。これは、ヒラリーのEメールではなく、フーマ・アベディンのEメールが問題なのであり、ヒラリーは無関係、逮捕されるとすれば、アベディンだという恐るべき「トカゲの尻尾切り」ということになります。

 

 そうした中で、冷静なのはジョー・バイデン副大統領です。バイデンは、昨年後半、民主党予備選挙に出馬するかどうかを検討し、結局取り止めましたが、もし出ていれば、ヒラリーの予備選挙の勝利はなかったでしょう。私もバイデンが出ればよいのにと思っていました。バイデンが出ていれば、トランプを応援することもありませんでした。

 

 バイデンはさすがに向きになって慌てるそぶりも見せずに、冷静に対応しています。それどころか、ヒラリーとヒラリー陣営を突き離している感じさえします。コミーFBI長官は誠実な人物(共和党だけど、だからと言って仕事をするのに党派の影響はない)だとし、ウェイナーについては否定的な見解を述べ、更に、Eメールの公開もできるだけ早くやるように求めるという感じです。

 

 ヒラリー陣営は、大統領当選の暁には、バイデンを国務長官に起用しようと考えているようですが、バイデンはそれを望まないと発言しました。バイデンとヒラリーでは外交に関する考えが全く違うのですから、取り込まれて国務長官になってしまえば、苦しい立場に追い込まれてしまい、自分の考えを捨てねばならないことにもなりかねません。

 

 下の記事を見ていると、バイデンはヒラリーを突き離している、そのように感じられます。

 

(貼り付けはじめ)

 

バイデン:私はアンソニー・ウェイナーを「大好きという訳ではない」(Biden: I'm 'not a big fan' of Anthony Weiner

 

ポウリナ・フィロジ筆

2016年10月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/303419-joe-biden-im-not-a-big-fan-of-anthony-weiner

 

ジョー・バイデン副大統領は、民主党所属の元連邦下院議員アンソニー・ウェイナーについて、「私は彼が大好きという訳ではない」と述べた。

 

土曜日にCNNで放映されたインタヴューの中で、バイデンは、ヒラリー・クリントンの私的Eメールサーヴァーの捜査に影響を与える可能性があるFBIが発表した新たに発見されたEメールについて質問された。

 

バイデンは、「私はそれらのEメールがどこから見つかったのか分からないのです」と答えた。

 

「アンソニー・ウェイナーからであることは明白です」とCNNのマイケル・スマーコニッシュと語った。

 

バイデンは、「おや、アンソニー・ウェイナーですか。私はアンソニー・ウェイナーについてコメントしません。私は彼が大好きという訳ではありません。彼がトラブルを起こす前、彼について知りませんでした。だから、私はアンソニー・ウェイナーについてコメントしません」と述べた。

 

金曜日にヒラリーに対する捜査が新たに始まるというニュースが出た後、『ニューヨーク・タイムズ』紙がウェイナーの性的なメッセージに関するスキャンダルについての全く別の捜査を通じて、ヒラリーのEメール捜査に関連するEメールを発見したと報じた。

 

ウェイナーは2011年に不名誉な行いで連邦下院議員を辞職した。彼は、ソーシャルメディアを通じて複数の女性に性器が写った写真を送った。

 

ウェイナーは最近になって、ヒラリーの側近中の側近である妻フーマ・アベディンと別居した。彼が別の性的な写真を送ったというスキャンダルが起きた後、2人は別居を決めた。

 

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バイデン:コミーは「厳しいが誠実な人物」(Biden: Comey is ‘tough’ but ‘straight’

 

マローリー・シェルボウナー筆

2016年10月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/303425-biden-comey-is-tough-but-straight

 

土曜日、ジョー・バイデン副大統領は、FBI長官のジェイムズ・コミーは、ヒラリー・クリントンに対して公正な怠惰を態度であろうと確信していると述べた。バイデンは、コミーを「厳しいが誠実な人物」と語った。

 

金曜日、コミーは連邦議会に書簡を送り、FBIがヒラリーの私的なEメールサーヴァー使用の捜査に関連する新たなEメールを発見したと報告した。

 

バイデンは、CNNのマイケル・スマーコニッシュに対して、コミーが不公正なことをすることはないと語り、その点は全く心配していないと述べた。

 

バイデンは「私は彼が誠実な人物であることをよく知っています。彼は共和党員ですが、職務に対しては常に誠実で党派に左右されることはありません。私は彼の誠実さで状況が良くなるであろうと確信しています」と述べた。

 

バイデンは、コミーFBI長官に対して、Eメールを公開するように促した。

 

バイデンは「FBIEメールを公開して人々がそれを見るのが早ければ早いほど、上京はより良くなると思います」と語った。

 

ヒラリーとヒラリー選対は、コミーに対して、有権者に対して新しい捜査について完全な透明性を確保するように求めている。

 

バイデンは、コミーの書簡が存在するとあらかじめ知らなかったのだと語った。

 

バイデンは「私はコメントすることを許されていません。私はコミーの書簡について何も知らないのです。今日になって初めて知ったんですから」と語った。

 

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バイデンがクリントン政権に参加することに関心を持っていないと語る(Biden says he's not interested in serving in Clinton administration

 

2016年10月28日

ロイター通信

http://www.reuters.com/article/us-election-biden-idUSKCN12S2MS

 

ジョー・バイデン副大統領は金曜日、ヒラリー・クリントンが大統領に選ばれた場合に、彼女の政権に参加することについて関心を持っていないと語った。

 

バイデンはミネソタ州デュラスで、NBC系列のテレビ局のインタヴューに答え、その中で「ヒラリーが大統領に選ばれた場合に、彼女を手助けするために私は何でもするつもりですが、政権内に留まることは望みません」と語った。

 

木曜日、『ポリティコ』誌は、ヒラリー選対が11月8日の選挙で勝利した場合に、バイデンを国務長官に起用することを検討していると報じた。

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ヒラリー・クリントンの国務著刊候補のトップにバイデンの名前(Report: Biden on top of Clinton's short list for secretary of State

 

ハーパー・ニーディグ筆

2016年10月27日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/hillary-clinton-joe-biden-secretary-of-state

 

ヒラリー・クリントンは選挙に当選した場合に、ジョー・バイデン副大統領を国務長官に指名することを考慮している、と『ポリティコ』誌が報じた。

 

ヒラリーの政権移行ティームの近いある人物は、ポリティコ誌に対して「バイデンは素晴らしい候補になりますね。彼らは選挙に通った場合に、彼を説得するための最高の方法を考えるために時間をかけていますね」と語った。

 

この人物は、バイデンにはまだこの話は知らされていないと語った。

 

2009年に副大統領に就任する前、バイデンは36年にわたり連邦議員を務め、連邦議員の任期が終わるまで、複数回にわたり、連邦上院外交委員会の委員長を務めた。

 

バイデンとヒラリーは、ヒラリーの国務長官在任中に外交政策に絡んで衝突したと報じられた。ヒラリーは介入主義的な方策を主張し、一方バイデンは国際問題に関して、現実主義的な、アメリカが介入しない方策を主張した。

 

昨年、バイデンは民主党の大統領選挙予備選挙への出馬を考慮したことがあった。この時、ヒラリーの私的なEメールサーヴァー使用に関しての騒ぎは既に起きていた。しかし、結局、バイデンは出馬しないという決定を下した。

 

その他に名前が挙がっているのは次のような人々であった。元国務次官ウェンデイ・シャーマン、元国務副長官ビリー・バーンズ、ジョージ・W・ブッシュ政権の国務次官であったニック・バーンズ、クリントン政権の国務副長官カート・キャンベル、ヒラリーが副大統領候補として考えたと報道された元海軍提督のジェイムズ・スタヴリディアスといった人々の名前が挙がっている。

  

(貼り付け終わり)

 


(終わり)