古村治彦です。

 

 先週金曜日にFBIのジェイムズ・コミー長官が連邦議会の委員会に出した書簡が民主党とヒラリー選対を揺り動かしています。

 

 この件について、競争相手であるドナルド・トランプは、「FBIは間違いを正す勇気を持っている、それに敬意を表する」と発言しています。ヒラリーのEメール問題によって、アメリカ大統領選挙の最終盤は混沌とした状況になっています。

 

 コミーの書簡送付について、司法省のロレッタ・リンチ長官は政治的な影響を考えて、送付を控えるようにと助言したということです。そもそも、ヒラリーのEメール問題の刑事訴追に関しては、2016年7月にコミーFBI長官が、刑事訴追に足る証拠が見つからなかったとして刑事訴追しないように司法省のリンチ長官に勧告したことでいったん終息することになりました。

 

 FBIと司法省の関係ですが、FBIは捜査を行う部門で、司法省の司法長官は英語では、Attorney Generalで、これは「検事総長」とでも訳すべきものです。そもそも政権内の他の閣僚たち、たとえば国務長官や国防長官は、Secretary of StateSecretary of Defenseと、Secretaryですから、司法長官は職分や立場は違います。

 

 ヒラリーのEメール問題が刑事訴追されるかどうかの時期に、リンチ長官はアリゾナ州の空港で、「ばったりと」ビル・クリントン元大統領に会って、噺をしています。「家族の話をしていた」などと呑気なことを言っていますが、ビル・クリントンのお蔭で出世ができたロレッタ・リンチが微妙な時期に彼に会って、刑事訴追見送りということになる、これはアメリカの司法制度や統治制度がフ反していることを示しています。

 

 これについて、トランプは「アメリカ国民こそがこの腐敗したシステムの被害者なのだ」と発言しました。まさにその通り、であるとしか言えません。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ:ヒラリーは被害者ではない(Trump: Clinton is not the victim

 

ベン・カミサール筆

2016年10月31日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/303619-trump-clinton-is-not-the-victim

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは月曜日、ミシガン州の選挙集会において、「ヒラリー・クリントンに“法的なトラブルが頻発している”のは、誰のせいでもない、自分のせいなのだ」と語った。

 

アンソニー・ウェイナー元連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)のコンピューターから押収された新たなEメールを調査するというFBIの決定を受けて、トランプは大統領選挙のライヴァルであるヒラリーを攻撃した。

 

トランプは、「ヒラリーは自分の周囲で法的なトラブルが頻発していることについて、自分以外の全ての人を非難したいと思っているだろうが、こうしたトラブルは彼女自身がもたらしたものだ」と語った。

 

トランプはミシガン州グランド・ラピッズでの選挙集会で続けて次のように語った。「ヒラリーは自分の犯罪行為を隠すために私的なEメールサーヴァーを利用したのだ。ヒラリーは国務省で、堕落した地位を利用して私腹を肥やすあっせん利得、賄賂の受け取りをやってのけた人間なのだ」。

 

トランプは次のように語った。「ヒラリーは犠牲者ではありません。アメリカ国民こそがこの腐敗したシステムの犠牲者なのです。11月8日こそは皆さんにとってこのシステムを変える唯一のチャンスになります」。

 

ジェイムズ・コミーFBI長官は金曜日、FBIがヒラリーEメール問題について新たなEメールを調査していると発表した。これが最終盤を向けている選挙戦に影響を与えている。ヒラリーのEメール問題(国務長官在任時に私的なEメールサーヴァーを利用した)が再び注目を浴びるようになっている。

 

今年の夏、コミーは、ヒラリーが機密情報を意図的にやり取りしていたことを示す証拠が発見できなかったと発表した。先週金曜日、コミーは、ヒラリーのEメール問題の捜査に関連することが明らかな新たなEメールが発見されたと発表した。

 

民主党側は、コミーFBI長官が選挙に介入しようとしている非難している。そして、コミーの連邦議会委員会への書簡には詳細が書かれていないと批判している。

 

共和党側はコミーを擁護している。コミーの発見は、ヒラリーが国務長官在任時に機密情報を如何に誤って取り扱っていたかを示していると主張している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)