古村治彦です。
昨年、国会がIR法案を可決し、日本国内でのカジノ開業解禁に動き出しました。日本でカジノが作られる場所として、東京のお台場、横浜、大阪が候補となっています。下に貼り付けた記事では、2つの場所(人口が密集している地域と書いてありますから、東京と大阪のことでしょう)に開業すれば100億ドル(約1兆1300億円)、全国展開すれば250億ドル(約2兆8000億円)の収入につながると言われています。この250億ドルという数字は、2015年のラスヴェガスの総収入の4倍と書いてあります。2カ所に開業しての100億ドルでもラスヴェガスの1.25倍程度の数字ということになります。
ラスヴェガスの収入が年間で1兆円に届かないということに驚きましたが、日本でカジノを開業すれば、ラスヴェガスを超える収入を得られるということになれば、当然、加地の推進の人々は力が入ります。また、この収入に税金をかければ税収増が見込める訳ですから、財務省も賛成するでしょう。しかし、この収入が日本人、日本の会社に主に入るのかどうか、外国からの参入には優遇措置を行うのかどうか、これらは変わってきます。
カジノ産業にとって、潜在力を持つ魅力的なフロンティアである日本で、カジノを解禁するとなれば、「是非参入したい」という運営会社は数多くあるでしょう。日本側は選ぶ立場、こちら側に有利な条件を提示できる立場にあります。最初にやり過ぎかなという位の条件を提示してから交渉をするということだってできるでしょう。
日本でも見かけるハード・ロック・カフェですが、ハード・ロック・カフェもまた家事を運営しているそうで、日本参入を目指して動いているようです。ハード・ロック・カフェで日本進出の準備に携わるのは、トランプ・オーガナイゼーションにいたジェームズ・アレン、エドワード・トレーシーという人たちだそうです。この2人はトランプ大統領とも関係が深いでしょうから、それをアピールポイントにして、日本側に食い込もうということでしょう。
ここで問題は、このような海外からの進出企業に対して、日本はどれだけ利益を守ることができるか、ということになります。ビジネスをしてもらうのは良いですが、利益についてきちんと納税し、かつ日本人もきちんとした待遇で雇用してもらわねばなりません。しかし、相手は海千山千でもありますし、交渉で自分たちに有利な状況を生み出そうとしてくるでしょう。そうした状況になった時に、今の日本、特に貢物が大好きな安倍氏率いる政権と自民党が日本人のために戦ってくれるのだろうか、しかも相手がアメリカとなったら、ということが今から心配です。というよりも、おそらく、自分たちがキックバックをもらうなどして、相手の言うことを聞くんだろうという諦めの気持ちになっています。
(貼り付けはじめ)
Business | 2017年 02月 22日 09:47 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース
●「ハード・ロック・カフェ、日本のカジノ運営で40─60%出資視野」
ロイター通信
http://jp.reuters.com/article/hardrock-cafe-ir-japan-idJPKBN161033?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29
[東京 22日 ロイター] - ハード・ロック・カフェ・インターナショナル(本社米フロリダ州)の最高経営責任者(CEO)、ジェームズ・アレン氏は21日、日本でカジノを含む統合型リゾート(IR)を運営する場合、運営会社の株式の40─60%保有を視野に入れていることを明らかにした。
ロイターとのインタビューで述べた。
ハード・ロック・カフェ・インターナショナルは、米国、カナダ、ドミニカ共和国でカジノやホテルを運営している。日本でのカジノを解禁するIR実施法案の成立のほか、立地や運営会社などの選定が始まるのに備え、ハード・ロックは日本の代表として、ラスベガス・サンズ(LVS.N)の子会社サンズ・チャイナの社長を務めたエドワード・トレーシー氏を日本支社のCEOに起用したばかり。
アレン氏とトレーシー氏は、1980年代後半から90年代初めにかけて、ドナルド・トランプ米大統領のホテル、不動産、ゴルフなどを営むトランプ・オーガナイゼーションで共にキャリアを積んだ。トレーシー氏はいったん現役を退いていたが、ハード・ロックの日本拠点の設立のため現場復帰した。
IR実施法案では、運営会社に課せられる税率なども決まる見通し。アレン氏は、ハード・ロックの出資比率やその規模は、そうした法案の詳細によるとしたうえで、「レンジとして40─60%の出資比率を考えている。協業することになるパートナーも、投資家としてお金を出すというだけでなく、互いに関係を築き、(事業に)参画・運営することが大事だと考えている」と語った。
協業し得る企業について、アレン氏は「われわれは約20─30社を抽出し、中には面談した会社もあれば、今回(の日本訪問を機に)会うところもある。現在、関係を構築している」と述べた。
国内でカジノ運営が解禁される場所は、まだ決まっていない。アレン氏も同社がIR設立を希望するロケーションについては明言しなかった。
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カジノ解禁で海外運営会社が日本に熱視線-ラスベガスの4倍の収入も
Bruce Einhorn、黄恂恂、Daniela Wei
ブルームバーグ日本版 2016年12月27日 08:10 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-26/OIKETJ6K50YD01
10年余りにわたり世界のカジノ業界の中心はマカオだったが、中国政府の反腐敗運動で同地へのVIP客は大きく減少した。この穴を埋める次の目玉として業界が期待しているのは、日本のカジノだ。何年も遅れたが、日本の国会で15日、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法がとうとう成立した。
日本のカジノは単独という形にはならず、シンガポールで米ラスベガス・サンズやマレーシアのカジノ大手ゲンティンが運営しているような大型リゾート施設の一部となる見通しだ。この2つのIRは、シンガポールをマカオとラスベガスに次ぐ世界3位のカジノ市場に押し上げた。
ただ、ユニオン・ゲーミング・グループのアナリスト、グラント・ガバートセン氏は、日本はアジアの他のどのカジノ市場とも異なる市場になるだろうと予想。日本は人口が多く、国民1人当たりの所得が高いため、中国など外国からの顧客に頼る必要がないからだという。投資銀行CLSAの推定によると、日本の年間カジノ収入はいずれ250億ドル(約3兆円)超に達する可能性がある。これはラスベガスの昨年のカジノ収入の4倍近くに相当する。ガバートセン氏は、カジノ運営会社にとって「日本は開発すれば、近い将来に最大の収入とキャッシュフローを生み出してくれる未開拓の機会だ」と述べた。
これは、日本でのカジノ解禁に向け活発にロビー活動を繰り広げてきたラスベガス・サンズやMGMリゾーツ・インターナショナルなど、グローバル展開するカジノ運営会社にとって歓迎すべきニュースだ。
ハード・ロック・カフェ・インターナショナルのアジア事業開発担当シニアバイスプレジデント、ダニエル・チェン氏は「日本は超大型版シンガポールとなり、マカオを抜く可能性さえある」と指摘した。
MGMはすでに東京に開発チームを設置し、知名度を上げるために歌舞伎の後援も行っている。マカオで2つのカジノ施設を運営するウィン・リゾーツも、日本進出に熱意を示している。スティーブ・ウィン最高経営責任者(CEO)は発表文で、「完全に日本でのチャンスであり、100%興味をそそられる」とコメントした。
国会は1年以内にIR運営上の規制方法など詳細を詰める必要があり、その後に事業者が認可を申請できるようになる。CLSAのリポートによれば、人口が集中する場所に2つのIRを開業すれば、100億ドルの収入につながる可能性があり、これが全国展開で250億ドルに膨らむ公算もある。ただ、建設時間も必要なため、カジノ開業まであと10年近くかかる可能性がある。
ここで参考にするため、注目されるのがシンガポールだ。安倍晋三首相は2014年、シンガポールのIR2施設を視察。両施設はカジノやホテル、会議場、ショッピング施設や劇場に加え、テーマパークや水族館まで備えている。シンガポールの昨年のカジノ収入は48億ドル。
CLSAのアナリスト、ジェイ・デフィバウ氏は、IRという形を取ることで日本のカジノ施設は急速にスケールを拡大できるだろうと指摘。会議場からだけでも「一度に数万人の訪問客」が見込めると述べた。
日本ではカジノ解禁となったものの、国民の支持は低い。NHKの最近の調査によると、カジノ解禁に「賛成」は12%、「反対」が44%、「どちらとも言えない」が34%だった。それでも、雇用と税収の増加が期待できるとして政界の支持を得た。コナミの坂本哲専務は電子メールで、日本のIRにとって大切なのは「雇用、経済効果、そして税収を確保すること」だと指摘した。
シンガポールでは国民のギャンブル依存を予防する意図もあり、国民は100シンガポール・ドル(約8100円)のカジノ入場税支払いを求められる。人口のもっと多い日本で同様の規制をすべきかは決まっていない。
大阪商業大学総合経営学部の美原融教授は取材に対し、「日本は他国に影響されない戦略を取るだろうと思う」とコメント。「キャッシュフローをまず日本人で固めて、それにプラスアルファで外国人。特に中国のVIPにあまりこだわる必要はない」と述べた。
(貼り付け終わり)
(終わり)
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