古村治彦です。

 

 昨年の米大統領選挙民主党予備選挙でヒラリー・クリントンを追い詰めた連邦上院議員バーニー・サンダースがトランプの支持者について、「人種差別主義者、性差別主義者、同性愛憎悪者ではない」と発言しました。

 






 トランプを支持した人々は、民主党の支持者だと考えられる人たちでした。南部の白人で、学歴が低く、所得が低いがトランプを大統領に押し上げたということは日本のマスコミでよく語られたことです。本来であればこうした人々の支持を民主党は取り込めたはずですし(オバマ大統領は成功しました)、取り込まなければなりませんでした。

 

 しかし、民主党が労働者の党ではなく、リベラルな理想ばかりを語るエリートたちの党になっていたために、民主党は敗れたのだということをサンダースは、民主党支持者たちの前で言いました。

 

 サンダースはトランプに対して、是々非々の態度で臨むと主張してきました。サンダースにとって民主党主流派は、トランプよりも遠い存在であり、敵なのだという認識だと思われます。共和党主流派に嫌われたトランプ、民主党主流派に嫌われたサンダース、この共通点のために親近感を感じているのだろうと思います。また、インフラ整備などの点では、連携できると思われます。

 

 共和党内部に大きな敵を抱えているトランプにとっては、皮肉なことに、サンダースはまだ味方になってくれる、もしくは最低限邪魔はしないそんざいになるのかもしれません。

 

 

(貼り付けはじめ)

 

サンダースがトランプに投票した有権者を擁護:「私は彼らが人種差別主義者、性差別主義者、同性愛嫌悪者だとは思わない」

 

ブルック・シーペル筆

2017年3月31日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/326820-sanders-defends-trump-voters-i-dont-think-theyre-racists

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は金曜日、ドナルド・トランプを支持した有権者たちを擁護した。サンダースは、大統領選挙では民主党は負けるべくして負けたのであり、民主党は、トランプや他の共和党の連邦議員たちを支持した労働者階級の有権者たちをより良く代表できる政党になる必要があると発言した。

 

サンダースは、同僚のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)と出席した、ボストンで開催された「アウワ・レヴォリューション」というイヴェントで次のように発言した。「トランプ大統領に投票した人々は人種差別主義者、性差別主義者、同性愛憎悪者、嘆かわしい人々だと考える人たちがいる。私はそうした考えに同意しない。なぜなら私はトランプ大統領に投票した人々と一緒にいたからだ。皆さん方は同意できないであろうことを言わせてもらう。昨年の大統領選挙ではドナルド・トランプが勝ったのではない。民主党が負けたのだ」。

 

サンダースは「将来の選挙に勝つために民主党の根本的な再編が必要だ。現在の民主党の構成が問題なのは、そのために昨年の選挙で人々が民主党ではなく、トランプを支持したというところにある。民主党の選挙での主張が問題だったのではない」と語った。

 

サンダースは「リベラルなエリートの党ではなく、この国の労働者階級の党としての民主党を私たちは必要としている。富豪や力を持つ人々からの資金を集めるために時間を使うのではなく、労働者たちと話をすることに時間を使う候補者たちが集う、草の根の政党としての民主党が必要だ。私たちがこのような変革をすれば、民主党の変革をすれば、アメリカは変わる」と述べた。

 

サンダースは、有権者のほとんどは、右翼的な主張ではなく、進歩的な主張を持っているのだと語った。

 

演説の冒頭、サンダースはウォーレンに対する賛辞を送った。サンダースは、「あなたは自身が敵とする人を通じて、自身の素晴らしさを語らせている。エリザベス・ウォーレンの素晴らしさは、彼女の敵の素晴らしさが教えてくれる」と述べた。

 

サンダースは、ウォーレンの敵にはウォール街、製薬業界、化石燃料業界がいると語り、有権者たちに対して、ウォーレンを上院議員に当選させて、進歩的な主張のために戦えるようにして欲しいと訴えた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)