古村治彦です。
トランプ政権内部の権力闘争についての報道がアメリカのマスコミで多くなされています。大統領首席ストラティジストのスティーヴン・バノンを旗頭とする強硬派と、大統領上級顧問で義理の息子であるジャレッド・クシュナーの穏健派が政策を巡り争っているというものです。
バノンとクシュナーの争いを緩和、もしくは解消するために、大統領首席補佐官のレインス・プリーバスが仲介をして会談を行わせたそうです。どんな政治集団も一枚岩ということはありません。人間がやることですから、政策に対する考え方の違いから、単純に「あの人はなにか嫌いだ、受け付けない」ということまで、グループ分けなり、衝突が起きたりします。
それをまとめて、同じ目標に向かうように操縦することが重要ですが、トランプという人は、2つの全く違う考え方、水と油のような人たちを並べて、競わせて、自分が選択する方を選ぶというやり方をする人です。ですが、衝突や分裂を放置していると、政権運営がうまくいかない場合が出てきます。そこで、プリーバスが仲介役で出てきているようです。
トランプ政権発足時、私はプリーバスとバノンに注目して、「両雄並び立たず」になると思っていましたが、現在の状況は、クシュナーも入って、クシュナー、バノン。プリーバスの鼎立関係になっており、プリーバスが政権運営のために仲介役をやっているようです。
これはトランプ政権をうまく運営したいという目的もあるでしょうが、その他に次の次、狙い、マイク・ペンス副大統領を次の大統領にして、自分は次の次位を狙うという目的もあるのだろうと思います。
(貼り付けはじめ)
ホワイトハウス:バノン対クシュナーの争いは「大袈裟」(White House:
Bannon-Kushner fighting 'overblown')
ジョーダン・ファビアン筆
2017年4月10日
『ザ・ヒル』誌
http://thehill.com/homenews/administration/328135-white-house-bannon-kushner-fighting-overblown
ホワイトハウスのシーン・スパイサー報道官は月曜日、大統領側近のスティーヴン・バノンとジャレッド・クシュナー同士の争いに関する報道を否定した。定例記者会見の中で、スパイサーは一連の報道を「大袈裟」だと述べた。
スパイサーは記者たちに対して、「政権内の争いについてメディアで多く報道されて、実際よりもセンセーショナルに、面白おかしい話にされているが、大袈裟な内容が多い」と述べた。
同時に、スパイサー報道官は、トランプ大統領が、側近たちに対して、メディア上ではなく、見えない場所で政策と性格の違いを解消すべきだと考えているとも述べた。
スパイサーは、「私たちの中での戦いと政策の違いはドアの後ろになければなりません。私たちは大統領の掲げる政策に集中し、全てをささげて実行する責任があります」と述べた。
大統領首席補佐官レインス・プリーバスは、スティーヴン・バノンとジャレッド・クシュナーとの間の話し合いを取り持ち、争いを止めようとしたと報道されている。ここ数週間、バノンとクシュナーとの間の争いがトランプ政権に打撃を与えているとも報道されている。スパイサー報道官の一連のコメントはこうした報道を受けて行われた。
しかし、スパイサーは先週の成果についてトランプ大統領は「大変喜んでいる」と述べた。先週はシリアに対する軍事攻撃、ニール・ゴーサックの最高裁判事の承認、習近平中国国家主席との首脳会談などがあった。
スパイサーは大統領について次のように語った。「大統領は、政策の相違と議論についてマスコミに話が流れていることは認識しています。大統領はこうした争いが政策実行に集中するべきだと確信しています」。
バノンとクシュナーの会談は、ホワイトハンスの内外で、2人をリーダーとするグループ同士が衝突しているという詳しい報道がなれるようになり、それを受けて、トランプ所有のフロリダ州パームビーチのマーアラゴ・リゾートで行われた。
2つのグループの緊張と緊張のために、更なるスタッフの交代が行われるのではないかという憶測が流れている。ホワイトハウス内の権力闘争のために、最初の100日で実行すると約束している政策をトランプが実行できなくなるのではないかという懸念も出ている。
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