古村治彦です。

 

 今回は、『タイム』誌が発表する今年の100人(小池百合子都知事も選ばれました)の中に選ばれたトランプ政権関係者6名についての分を抜粋してお伝えします。イヴァンカ・トランプ、ジャレッド・クシュナー上級顧問、ドナルド・トランプ大統領、レインス・プリーバス大統領首席補佐官、スティーヴン・バノン首席ストラティジスト、レベカ・マーサーです。面白いのは、それぞれの紹介文を書いているのが大物であり、味方、敵(元敵)である点です。

 

 興味深いには、ジャレッド・クシュナーを紹介しているのが、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官です。キッシンジャーは、共和党から民主党、民主党から共和党、とホワイトハウスの主が変わるときの大変さを指摘し、クシュナーは大統領の補佐役としてうまくやっていくだろうと書いています。昨年のトランプとキッシンジャーの会談をセットしたのがジャレッド・クシュナーですが、クシュナーとキッシンジャーが初めて会ったのが2015年であるとも書かれています。キッシンジャーはクシュナーがハーヴァード大学出身であることも書いており、そこにも信頼を置いているという感じです。

 

 トランプ政権内部で内部闘争が起きており、一方の旗頭がスティーヴン・バノンで、もう一方の旗頭がジャレッド・クシュナーと言われています。そして、バノンとクシュナーが激しく衝突したという報道もなされています。この2人を仲裁したのが、プリーバスです。この3人について紹介されています。

 

 レベカ・マーサーは共和党への大口献金者として知られている人物ですが、トランプ勝利のために、資金を提供し、バノンをトランプ選対に送り込んだ人物です。この人物についてはあまり知られていないと思われますので、この紹介記事は重要であると思います。

 

 5月28日に副島隆彦の学問道場主催の定例会で、同僚の中田安彦研究員がトランプ政権について講演を行いますが、それとも関連する記事ですので、出席される方は是非お読みください。

 

(貼り付けはじめ)

 

『タイム(TIME)』誌 2017年4月20日

 

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イヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump

 

ウェンディ・マードック筆

http://time.com/collection/2017-time-100/4742699/ivanka-trump/

 

 

世界はイヴァンカ・トランプをアメリカのファースト・ドーター、実業家、家族を大事にする妻であり母であることを知りつつある。私は彼女を親しい友人と呼べることを誇るに思っている。私と彼女が友人関係になって12年が経つ。私はニューヨークに住む隣人同士として知り合った。そしてすぐに親しくなっていった。お互い現代的な働く母親として、私たちは多くの挑戦と喜びを共有してきた。イヴァンカは私の人生において助言を与えてくれる信頼できる相談者である。

 

私はイヴァンカを尊敬し、賞賛の気持ちを持っている。それは、彼女が新しい役割の持つ影響力を如何に使うかを分かっているからだ。彼女は長年にわたり女性と少女の地位向上を訴えてきた。また、現在は教育の改善を訴え、人身売買のごく滅のために活動している。彼女は人身売買の悲惨さを知り、平穏な生活を捨てて、幼い家族とともにワシントンに移り、世界に良い変化をもたらそうとしている。

 

私の娘たちはイヴァンカに憧れつづけている。世界中の女性と少女たちもまた彼女に憧れを抱くことができると私は考えている。

 

※マードックは、映画プロデューサー、実業家、「アーツィー」社の共同創設者である。(訳者註:ルパート・マードックの元妻。中国系。気が強いことでも有名)

 

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ジャレッド・クシュナー(Jared Kushner

 

ヘンリー・キッシンジャー筆

http://time.com/collection/2017-time-100/4742700/jared-kushner/

 

アメリカ大統領が1つの政党からもう1つの政党へ交代することは、アメリカ政治におけるもっとも複雑な出来事の1つだ。このような変化が起きると、ワシントンを動かしている目に見えないメカニズムの中に大きな変化と不安定が生まれる。 新しくワシントンにやってくる大統領は既存の型式の構造について無知であり、その無知の程度が大きいほど、それを埋めることを期待されているアドヴァイザーたちの責任は重くなっていく

 

ここ4カ月、新大統領とワシントンのメカニズムの間をうまくつないでいるのがジャレッド・クシュナーだ。私がクシュナーと初めて会ったのは18カ月前のことであった。私が外交政策について講演を行ったその後に、彼は私に自己紹介をした。それが最初の出会いであった。私たちはそれ以降、率直に意見交換するようになった。トランプの親族の一員の中で、ジャレッドはトランプ大統領が何を考えているかも分かる人物だ。ジャレッドはハーヴァード大学とニューヨーク大学の卒業生であり、幅広い教育を受けている。実業家して、組織の運営についてもよく知っている。こうした長所によって、彼は太陽の近くを飛び回るという危険な任務を成功させることができるだろう。

 

※キッシンジャーは米国務長官を務めた

 

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ドナルド・トランプ(Donald Trump

 

ポール・ライアン筆

http://time.com/collection/2017-time-100/4736323/donald-trump/

 

彼は常に物事を達成するための方法を見つける。私を含む多くの人々が、彼はどうやって成功できるんだろうかと首をひねっていたが、ドナルド・トランプは歴史的な勝利を収めたのだ。トランプは第45代アメリカ合衆国大統領に就任し、政治のルールを書き換え、アメリカの方向性を設定し直した。実業家とは常に常識や現状に挑戦したいと考えているものだ。トランプはワシントンに激震をもたらし、これまでにない政策目標を掲げている。彼は決して戦いを恐れない。彼は自分など忘れ去られた存在だと感じている人々のために戦うことを自分に課している。他の人々が態度を変えるような場所でも、彼は自分が何者であるかという点を明らかにして態度を変えることはない。他の人なら退くところで、彼は一歩前に踏み出す。私は、トランプがアメリカをがらりと変えてしまうかもしれない、私たちを導く力を持つ指導者であると認識している。トランプは再び困難を乗り越え、目的を達成する方法を見つけるだろうと私は確信している。

 

※ライアンはアメリカ連邦下院議長を務めている。

 

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レインス・プリーバス(Reince Priebus

 

ラーム・エマニュエル筆

http://time.com/collection/2017-time-100/4736339/reince-priebus/

 

レインス・プリーバスと私の共通点は、中西部の生まれである点と変わった名前である点、そして政治を愛している点くらいだ。しかし、私たちは大統領首席補佐官として大統領の要望に応えてきた数少ない人物たちの仲間である。 私たちは、激しい選挙戦と一つの党から別の党への政権交代の後の新政権発足で、大統領首席補佐官を務めることになったという共通点がある。私たちは傷だらけの状態から仕事を始めた。

 

首席補佐官はホワイトハウスの職務の中で2つのタイトルを示している。首席とスタッフだ。首席が意味するのは、構造と説明責任だ。補佐官が意味するのは、大統領はアメリカ国民の投票で選ばれた人物だということを肝に銘じ、大統領執務室のドアを開ける前に自分のエゴが出ないようにチェックし、自分は大統領のために働くためにそこにいるということを理解し、彼の考えを実現するのだということを確かめるということだ。

 

私は大統領首席補佐官だったとき、金曜日のたびに次のようなジョークを言っていた。「やれやれ、月曜日まであと2日間だけ働けばいいんだ」。大統領首席補佐官は消耗するし、感謝されない仕事だ。1日の始まりから終わりまで、様々なことが起き、経験する。それがどんなに朝早く、夜遅く起きるにしても、私たちは神経を張りつめておかねばならない。 過ぎていく1日は、私たちが挑戦を始める1日となる。

 

※エマニュエルは、バラクオバマ大統領の大東翔首席補佐官を務めた。現在はシカゴ市長を務めている。

 

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スティーヴン・バノン(Stephen Bannon

 

マイケル・ダフィー筆

http://time.com/collection/2017-time-100/4736342/stephen-bannon/

 

スティーヴン・バノンは第45代大統領の大統領首席ストラティジストとして機能しないかもしれない。しかし、バノンほど、ドナルド・トランプの大統領選挙と就任後2カ月で影響力を発揮してきた人物は存在しない。アメリカ海軍とゴールドマンサックスに勤務した経験を持つ。彼は現在、トランプ政権の方向性を決める最高幹部となっている。彼は、既存の民主、共和両党に対して、怒りに満ちた、ナショナリスティックな、アメリカ第一主義の炎を向けている。バノンは政府機関、ビジネス界、マスコミのエリートを攻撃してきた。そして、トランプを支持した高齢の白人で、現状に不満を持つ人々を徹底して喜ばせてきた。バノンの語る内容は、これまでブライトバート社の会長として主張してきたもので、これは、トランプ政権発足後の75日間の明確な目標となった。しかし、これに対して激しい反対も引き起こした。しかし、トランプ自身は、バノンが連邦議会に対しての勝利を収めることよりも、トランプ支持者たちを離れさせるようなことをしていると認識している。トランプにとって、これは大変に危険で、彼を破滅させることになると考えている。

 

ダフィーは、『タイム』誌の副編集長である。

 

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レベカ・マーサー(Rebekah Mercer

 

テッド・クルーズ筆

http://time.com/collection/2017-time-100/4742759/rebekah-mercer/

 

レベカ・マーサーは戦士であり愛国者だ。彼女は卓越した数学者で、大成功を収めた投資家の娘として生まれた。レベカは素晴らしい知識と直観力に恵まれている。彼女はそのまま恵まれた、安楽な暮らしをすることは簡単なはずだった。しかし、レベカは自由とわが国について深く考える人間だ。

 

レベカと彼女の父ボブは、これまで政治革命を推進するために莫大な資金を投じてきた。2人のアプローチは複合的だ。シンクタンク、公共政策研究組織、インターネット・メディア、データ分析会社への援助を通じて、レベカは政治の世界に変革をもたらしてきた。彼女は、ワシントンにおける民主、共和両党の腐敗に対する人々の不満を理解している。彼女は汚れた沼の水を抜くことを強力に主張している。

 

レベカは、新人や勝利の可能性が低い候補者たちの資金や選挙運動を支援してきた。その中には私の上院議員選挙や大党選挙が含まれる。ドナルド・トランプが共和党の大統領選挙候補者に指名された時、レベカは、トランプの選挙対策ティームに人員を集め、11月に世界に衝撃を与えた戦略を採用する際に重要な役割を果たした。

 

※クルズは、テキサス州選出のアメリカ連邦上院議員である。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22