古村治彦です。

 

 北朝鮮の度重なるミサイル発射や核実験のために、東アジア地域は緊張感を増しています。最大の関心事は、アメリカが北朝鮮を攻撃するのかどうか、です。アメリカが北朝鮮を攻撃する場合には、地上軍は出さず、ミサイル攻撃と空爆によって大規模な拠点を叩き、中国人民解放軍が地上軍を投入して、北朝鮮の現在の政府を機能停止させる、その後、自民解放軍は撤退し、韓国軍が管理し、アメリカが保護しているキムハンソル氏が帰国して、中国型の社会主義市場経済の穏健な国として韓国からの援助を受けながら、独立を保ち、国力の増進を図る、ということになるのだろうと思います。

 

 米中関係は緊張を生み出す問題も抱えていますが、二国間できちんと意思疎通ができる状態にあります。ドナルド・トランプ大統領の首席ストラティジストを務めたスティーヴ・バノンが中国を訪問し、習近平国家主席の下放時代からの腹心の友である王岐山と中南海で会談を持ちました。また、国連総会の出席のために訪米した王毅外交部長は、ニューヨーク滞在中にヘンリー・キッシンジャーを訪問しました。

 

 バノンは「米中は経済戦争の状態にある」という発言をし、トランプ大統領も中国に対して激しい言葉遣いをしています。しかし、実際には、中国を敵に回してもいいことはない、ということを良く分かっていて、「はったりをかけて機先を制する」ために激しい言葉遣いをしています。

 

 それをそのままに受け止めて、一緒になって激しい言葉遣いをしたり、攻撃的な態度を取っていると、「二階に上がってはしごを外される」「気づいたら一人ぼっち」ということになります。

 

(貼りつけはじめ)

 

バノンが北京で共産党最高幹部と会談(Bannon met with Communist Party official in Beijing: report

 

ジュリア・マンチェスター筆

2017年9月21日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/351842-bannon-met-with-communist-party-official-in-beijing-report

 

トランプ大統領の首席ストラティジストであったスティーヴン・バノンは先週中国を訪問し、中国共産党で2番目に力を持った人物と会談を持った。『フィナンシャル・タイムズ』紙が報じた。

 

フィナンシャル・タイムズ紙は、バノンは、中国共産党反腐敗運動の責任者王岐山から指導部が集住している中南海へ招待を受けた、と報じた。

 

バノンは中国政府所有の金融仲介企業の一部門から招待を受けて香港でスピーチを行った。そのあとに招待を受け、中南海で90分にわたる会談が行われた。

 

取材に応じた複数の人物は、会談は予定されているトランプの訪中とは関係ないと語った。

 

ホワイトハウスにおいて反エスタブリッシュメント勢力だと考えられていたバノンは、退役海兵隊大将ジョン・ケリーが新たに大統領首席補佐官に任命された後、先月、首席ストラティジストを辞任した。

 

ブライトバード会長バノンは、トランプの経済ポピュリズム的な発言に最も影響力を持った人物であった。トランプは繰り返し、米中間の貿易関係について激しい言葉遣いで語ってきた。

 

先月、辞任する前に、『ジ・アメリカン・プロスペクト』誌上において、バノンは「アメリカは中国と経済戦争の真っただ中にある」と語った。

 

バノンは貿易と北朝鮮をめぐる動きについて次のように語った。「彼らが話している内容が全てだ。彼らは自分たちが行っていることについて躊躇なく話をしている。米中いずかれかがこれから25年から30年の間、世界覇権国となる。現状のままでいけば、覇権国となるのは彼らだ。統一された朝鮮半島は、こうした動きに連動している。朝鮮半島問題は二次的な問題に過ぎない」。

 

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中国外交部長が米中関係に関してキッシンジャーと会談(Chinese FM meets Kissinger over China-US ties

 

新華社通信

2017年9月19日

http://www.chinadailyasia.com/articles/141/187/1/1505816463661.html

 

ニューヨーク発。中国外交部長・王毅は月曜日、ヘンリー・キッシンジャーも特務長官と会談を持ち、米中二国間関係に関して議論を交わした。

 

王毅は、2017年が中華人民共和国とアメリカの国交回復45周年である事実を指摘し、この45年間における米中関係の発展は、協力こそが唯一の正しい選択であったことを示していると述べた。

 

両国の努力のおかげで、米中関係は安定して推移し、今年1月にアメリカで新政権が成立した後もプラスの発展をしていると王部長は述べた。王部長は本年度の国連総会の年次総会に出席するためにニューヨークを訪問した。

 

米中両国は、習近平国家主席とドナルド・トランプ大統領との間に重要なコンセンサスが形成し、戦略的な相互信頼を強化し、協力関係を拡大し、相違点をうまく処理するように真摯に努力すべきだと王部長は述べた。

 

王外交部長は、本年のトランプ大統領訪中の準備の重要性と、米中両国民、その他の国々の人々の利益のために米中関係を緊密化させるために訪中を成功させる必要があると強調した。

 

キッシンジャーは、米中関係は国交回復以来歴史的な発展を遂げ、両国と両国民にとって手にとって分かる利益をもたらしてきた、と述べた。

 

キッシンジャーは、今日、いくつかの分野で相違は存在するが、米中両国は協力することと協力できる分野を拡大することを学ぶことができると述べた。

 

キッシンジャーは、トランプ大統領の中国訪問はいくつかの問題を解決できるだけでなく、米中両国間の中長期的協力のための健全な基盤づくりの助けとなることを希望すると述べた。

 

キッシンジャーと王部長は朝鮮半島の核問題を含む様々な問題について意見を交換した。

 

●中国は、一帯一路イニシアティヴの下で、ウクライナとの関係強化を明言(CHINA, UKRAINE PLEDGE TO BOOST TIES UNDER B&R INITIATIVE

 

中国外交部長はウクライナ外相のパヴロ・クリムキンと会談を持ち、両国の協力を緊密化することで一致した。

 

王部長は、中国は一帯一路イニシアティヴの下で機会をとらえてウクライナとの協力関係を深め、相互尊重、平等、互恵を基礎とした両国間の戦略的なパートナーシップを進めたいと考えていると述べた。

 

王部長は、両国間の外交関係が樹立されて25周年であり、両国関係は堅固だと述べた。

 

中国はミンスク合意に基づいて対話と交渉を通じてウクライナ危機の政治的な解決を支持する、と王部長は述べた。

 

クリムキン外相は、ウクライナは一帯一路イニシアティヴを全面的に支援し、この枠組みで中国との協力関係を深化させ、両国関係をより堅固にしたいと述べた。

 

クリムキン外相は、ウクライナは国際問題、地域問題について中国が中立的な立場を採っていることを評価し、ウクライナ危機の解決のためにより大きな役割を果たすことを望むと述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12