古村治彦です。

今回の総選挙について、現在の時点での結果予想が出ました。自公が堅調、希望不振、立憲民主に勢いというところです。

 

自公は公示前の勢力が325議席でしたから、300議席をうかがう勢いとなると、290議席台ということになります。減少する議席数は30から35ほどということになります。公明はいつも手堅いので、そんなに大きな増減はないでしょうから、自公枠組みでの結果は、自民党の結果が大きく左右します。

 

先週は、自公連立が過半数割れ、公明党が自民党から離れて希望の党と連立を組むという話も出ていました。そのシナリオを書いているのが、小沢一郎代議士だという話もまことにしやかに話されていました。しかし、小沢氏は希望の党の結党について、話を聞いて、「これなら反安倍の議員を当選させることができる」と思ったが、それ以上はかかわっていないのではないかと私は考えます。前原誠司・民主党代表はもっと深くかかわり、希望の党結党メンバーの元民進党議員たちに騙されてしまったのではないかと考えます。希望の党と民進党の混乱については、選挙後に関係者が虚心坦懐に証言をすることが日本政治のためであると考えます。

 

希望の党は現有勢力からあまり伸びがないという予想結果が出ています。先週の予想結果では100議席という予想が複数のメディアで出ていました。それが60前後ということになるという厳しい結果が出ました。希望の党が立憲民主党と共倒れをするような立候補者の立て方をしたことがやはり大きいと思います。また、比例で希望に入れた場合に、好ましくない人物が議員になってしまうという警戒感も大きいと思います。新党でこれだけ風が吹かない新党も珍しいです。2014年の日本未来の党を思い出します。今の状況では、希望の党は、自民党をアシストするために結成されたということ以上の役割を今回の選挙で果たせないということになります。

 

立憲民主党は倍増ということですが、元が小さい政党ですから、増えても30台ということだと言われています。これからの更なる伸びが期待できると思いますが、30台後半から40に近づけることもできると思います。

 

共産党は野党共闘の枠組みを尊重して、候補者調整に一番貢献があったわけですから、やはり比例でいつもは共産党以外に入れている人たちに向けて、一種の抵抗感、躊躇をなくすようにできれば、これから更なる上積みが期待できると思います。

 

日本維新の会は大阪でもだいぶ苦戦しているようだという話を聞きました。小選挙区で希望の党の立候補者がいないにもかかわらず苦戦となると、現有維持から微増が精いっぱいのところでしょう。関東では好ましくない人物が比例で当選してしまうことのないようにしてもらいたいと願うばかりです。国会にこれ以上、品位を落とす暴言議員は必要ありません。維新は自民や希望との差別化がうまくいっていないのではないかと思います。社民党は小選挙区1、比例1を何とか確保したいところです。

 

希望の党で当選してくる人たちのほとんどは、民進党の前職だった人たちでしょう。彼らについては、やはりこれからも希望の党でやっていくのかどうか、をよく考えてもらいたいと思います。現在、希望の党で出ていることは決してプラス要因ではないのですから、それで小選挙区で勝ち抜いてきた人たちは、希望の党に対していろいろと注文を付けることができるし、場合によっては離党することだって考えられるでしょう。

 

今回、安倍首相に退陣してもらう機会でもあるわけですから、自民党の議席を大幅に減らすことが重要ですが、問題は希望の党がそれを促進しているどころか、邪魔をしているということです。安倍首相に退陣してもらいたい人たちは、それぞれの選挙区の立候補者をよく見て、どのような選択が安倍首相退陣につながるのかということを考えつつ、安倍氏のエピゴーネンになるような人たちは国会に出さないという、アクロバティックな方法を考えねばなりません。しかし、それは意外に難しいことではないと思います。

 

また、選挙は最後の最後まで分からないと言いますし、勝ち馬に乗る「バンドワゴニング」が起きるか、判官びいきの「アンダードッグ」が起きるか、あと10日間で分かりません。

 

これから自民党の議席数を少しでも削り取り、立憲民主党の議席数を増やしてほしいというのが私の希望です。野党の立憲勢力の議席を150議席に近づけてもらいたいと思います。改憲のための大政翼賛会、米政翼賛会の結成を阻止するために。しかし、今回の世論調査の結果ではそれはかなり困難なことだと思われます。アメリカのジャパン・ハンドラーズによる、日本の野党勢力殺し、リベラル殺しのシナリオがうまく働ているという感じです。私がこれまでに書いてきましたように、小池百合子東京都知事はその手駒の一つだと考えねばならないと思います。

 

はっきり申し上げて、小池百合子氏を担ぎ上げた人々の思惑は大きく外れ、逆回転が起きて自分たちが苦しむ結果になっています。そのために日本政治は大きな困難を迎えようとしています。私たちは現在の状況をしっかり目撃し、記憶し、間違いを正していく、という作業をずっと続けていかねばなりません。それこそが日本のデモクラシーを生き延びさせる確実な方法であると考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「衆院選序盤情勢 自公300議席うかがう 立憲民主、倍増も 希望、伸び悩み」

 

産経新聞 10/12() 7:55配信 産経新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171012-00000054-san-pol

 

 産経新聞社は11日、第48回衆院選(22日投開票)について全国の総支局の取材に共同通信社の電話世論調査の結果などを加味し、選挙戦の序盤情勢を探った。自民党は選挙区、比例代表で優位に立ち、連立を組む公明党と合わせ300議席をうかがう勢いだ。過半数(233議席)を超える235人を擁立した小池百合子代表(東京都知事)率いる希望の党は伸び悩み、100議席に届かない公算が大きい。

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 安倍晋三首相(自民党総裁)は自民、公明両党で過半数の獲得を勝敗ラインに掲げている。序盤情勢では自民党は単独で過半数に届き、絶対安定多数(261議席)を上回る勢いだ。絶対安定多数は常任委員長ポストを占め、委員数でも野党を上回る議席を確保し、国会運営が安定する。公明党は公示前勢力を維持する見通しだ。

 

 公示前は57議席だった希望の党は60議席前後にとどまるとみられる。小池氏は政権選択選挙を掲げ、民進党前職を含め多くの候補者を擁立したが、選挙区、比例ともに勢いがみられない。小池氏の不出馬に加え、党として首相候補を示していないことが影響した可能性がある。東京と大阪で希望の党と候補者をすみ分けた日本維新の会は、関西圏を中心に議席を獲得し、公示前の14議席から微増となる見込みだ。

 

 枝野幸男代表が立ち上げた立憲民主党は公示前の16議席から倍増の勢いとなっている。民進党から分裂した立憲民主党は護憲色が強く、安全保障関連法を「違憲」とする共産党が競合する選挙区で候補者を取り下げたことも追い風になっているとみられる。

 

 一方、共産党は公示前の21議席の維持が難しい情勢で、社民党は公示前の2議席を維持する見通しだ。

 

 ただ、共同通信の調査では投票先を「決めていない」との回答が選挙区で54・4%、比例代表で47・2%に上った。無党派層の多くが投票先を決めていないとみられ、投開票日に向けて情勢が変化する余地も残っている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)