古村治彦です。

 

 バラク・オバマ大統領の下で副大統領を務めたジョー・バイデンに対する待望論がアメリカ国内で大きくなっています。2016年の大統領選挙で敗北を喫した民主党は内部分裂を修復できないままできました。2018年の中間選挙では党勢の回復が見込まれていますが、2020年の大統領選挙に内部分裂が修復されないままで突入すると、また敗北するという危機感が民主党内にあります。

 

 そうなると出てくるのが、「昔はよかった」という感情です。そして、バラク・オバマ大統領の二度の大統領選挙での勝利です。この時は民主党内がまとまり勝利することが出来た、という懐かしむ感情が民主党関係者や支持者の中に出てきています。そして、オバマ政権の副大統領であったジョー・バイデンの待望論が出てきています。

 

 2016年の大統領選挙でもバイデン待望論がありました。しかし、バイデンは最終的に出馬を見送りました。期待の息子であったボウ・バイデンが脳腫瘍で亡くなってしまったことが大きな痛手となりました。

 

 バイデンは最新刊『約束してよ、父さん』の中で、息子ボウが元気で生きていれば、2020年の大統領選挙の民主党の候補者となって当選していただろうと書いているそうです。ボウは、自分を超える能力と人気を備えていたと書いています。

 

 バイデンの言葉は、父親としての愛情あふれた言葉であり、実際にそうだったのかもしれません。しかし、ボウを生き返らせることはできません。2020年にジョー・バイデンが出馬するのかどうか、ということが焦点となります。バイデンは既に70代ですから、2020年から二期務めれば80代ということになります。健康状態は個人差がありますが、大統領の激務を務め切ることが出来るのかどうか、どうしても不安が出てきます。

 

 2016年の時に出馬していれば、と思うと、返す返すも惜しいことであったと思います。しかし、それこそが「死んだ子の年を数える」ことになってしまったということなのかもしれません。

 

(貼り付けはじめ)

 

バイデンは息子に大統領選挙出馬の可能性があったと言及:彼は自分の2.0ヴァージョンだった(Biden reflects on son’s potential to run for president: He was me 2.0

 

ジョシュ・デレク筆

2017年11月11日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/359951-biden-reflects-on-sons-potential-to-run-for-president-he-was-me-but?rnd=1510440750

 

ジョー・バイデン前副大統領は最新刊の中で、亡くなった息子が「ジョー・バイデン2.0」で、大統領になれる可能性があったと書いている。

 

ジョー・バイデンの最新刊『約束してよ、父さん:希望、苦難、目的のための一年(Promise Me, Dad: A Year of Hope, Hardship and Purpose)』には次のような一節がある。「デラウェア州の人々はボウの中に私のやってきたことを見つけていた。45歳のボウ・バイデンはジョー・バイデン2.0だった」。

 

ボウ・バイデンは、父ジョーが副大統領の2期目を務めている途中の2015年に脳腫瘍のために亡くなった。バイデンの回顧録のタイトル「約束してよ、父さん』は、父ジョーと亡くなった息子ボウとの会話の中から採られたものだ。回顧録の中で、バイデンは息子ボウの人生と家族に与えた影響について書いている。

 

デラウェア州の歴史の中でもっと長期間にわたって連邦上院議員を務めたジョー・バイデンは息子ボウについて次のように書いている。「ボウはデラウェア州で最も人気の高い政治家だったと今でも考えられている。父親よりも人気が高かった。彼は私の長所を全て持っていた。そして私の短所全てを持っていなかった」。

 

ボウは2007年からデラウェア州司法長官を務め、2期目の途中で亡くなった。

 

バイデンは、ボウが2016年のデラウェア州知事選挙出馬を計画していたことに言及し、「ボウは多くの政治的な可能性を持っていたと今でも確信している」と述べた。バイデンは次のように述べた。「ボウがいつの日か大統領選挙に出馬するだろう、そして、兄弟たちの助けを受けて、当選できただろうとも考えている」。

 

バイデンの最新刊は今週発売予定となっている。バイデン前副大統領は2020年の大統領選挙の出馬の可能性を完全に排除してはいない。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)