古村治彦です。

 

 アメリカでは共和党提出の税制改革法案が可決し、トランプ大統領が署名して法律となります。企業に対する大幅減税となり、トランプ大統領の、減税によって国内投資や雇用を増やして経済を成長させる、という公約実現へ一歩進んだ形になります。国債発行高は増えてしまうということもありますが、経済が伸びれば税収も上がるのでそれで賄えるということになります。そこまでうまくいくかは分かりませんが。

 

 共和党の税制改革が実現したことで、2018年の中間選挙はどうなるのかということも注目されますが、現在のところ、共和党の指示は伸びておらず、もし近々で中間選挙があれば、民主党が勝利するであろうという予測が出ています。北朝鮮情勢の推移、具体的には、米軍の攻撃があるかどうかで中間選挙の予測は変わってきますので、目が離せないところです。

 

 アメリカの税制改革の影響を受けそうだと判断した中国政府は、外国企業に対する優遇税制を発表したそうです。中国国内であげた収益に税金をかけない、その代わり、その収益は中国国内に投資せよ、というものです。これは中国への海外投資が減り、アメリカへの投資が増えることを見越しての対抗措置ということになります。外国企業の収益に税金をかけることで逃げられてしまうよりも、その収益を全部中国に置いていけ、という見方によってはより厳しいやり方ということも言えます。

 

 多国籍企業が稼ぎ出すお金を税金でとるか、投資を誘引してとるか、ということになりますが、どちらがより互恵的なのかということになると、投資を誘引させる方がより賢いということになるでしょう。投資によって生み出された雇用と消費によって税収は増えるのですから。しかし、このような思い切った方策は中国以外では難しいでしょう。アメリカはトランプ大統領の政策への期待から株高が続き、これを目当ての資金も還流しているでしょうから、中国政府の誘引もどれほどの効果があるか、ということになります。

 

 こうして見ると、経済面では今年もまた中国が伸び、アメリカがイラつきながら株高で対抗という感じになるでしょうか。日本もマイナス金利とGPIFの株式投資で、なんだか奇妙な経済成長をしているのに、皆が心に中で「2020年まで、オリンピックまで」と心の中で唱えながら、その時に貧乏くじを引きたくないと考えて、景気が実感できないというなんだか変なパラレルワールドで生活するという感じになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

共和党の税制改革法案の可決の後に中国が外国企業にたいする優遇税制を発表(China to offer tax breaks to foreign companies after GOP tax bill

 

ジャクリーン・トムセン筆

2017年12月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/international/china/366752-china-to-offer-tax-breaks-to-foreign-companies-after-gop-tax-bill

 

中国は外国企業に対して優遇税制措置を行うと発表した。これは、共和党の税制改革計画によってアメリカ国内により投資をし、ビジネスを展開する誘因が出てくる中で、外国企業日して中国にとどまるように求めるものである。

 

『ニューヨーク・タイムズ』紙は、中国政府は一時的に外国企業が中国で出した収益に対する税金を支払わないことを許可するだろうと報じた。

 

中国財務省は木曜日に発表した声明の中で、優遇税制によって、「外国からの投資の増加を促進し、外国からの投資の質を上げ、海外の投資家たちからの中国への投資をこれからも拡大を奨励する」ことになるだろうと述べた。

 

しかし、外国企業は最先端技術や鉱山といった中国政府が投資を促している分野に収益を投資しなければならない。優遇税制は2017年1月1日に訴求して適用される。

 

今回の中国政府の発表は、トランプ大統領が共和党提出の税制改革計画に署名をして法律化するとなって数日後に行われた。共和党の計画では、製造業者をアメリカに惹きつけるための法人税のより低い税率も含まれている。

 

今回の発表はまた、中国の高い税率とビジネスに対する制限に関して外国企業が懸念を持っている中で行われた。欧米の各企業は複雑な法律と中国の消費者へのアクセスが制限されている中では、中国国内でビジネスを行うことは難しいと主張している、とニューヨーク・タイムズ紙は報じている。

 

トランプ大統領は、中国について、貿易の面でアメリカはより競争力を持つ必要がある国だと強調している。

 

トランプは11月の訪中において、中国の貿易慣習の使用について次のように述べた。「私は中国を非難しているのではない。だいたい、自国民のために他国を利用する国を責めることを誰ができようか。私は中国を大いに称賛する」。

 

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●「ゴールドマン利益5600億円減…米税制改正で」

 

読売新聞 20171230 2214

http://sp.yomiuri.co.jp/economy/20171230-OYT1T50071.html

 

 【ニューヨーク=有光裕】米金融大手ゴールドマン・サックスは29日、米国の税制改正法の成立で、2017年10~12月期の利益が約50億ドル(約5600億円)減少する見通しとなったと発表した。

 

 米国外で保有している利益を米国に還流する際にかかる税金が、約3分の2を占めるという。米国のトランプ政権は、自国内での設備投資や研究開発などを拡大し、経済成長につなげるため、海外に滞留する米企業の利益を国内に還流させる際の税率を引き下げた。

 

 市場では、ゴールドマンが還流させた資金を自社株買いや株主配当の増加にあてるとの見方が出ている。

 

 残りの約3分の1については、連邦法人税率の引き下げで繰り延べ税金資産を取り崩すことなどを理由に挙げた。従来の想定よりも将来払う税金が減ることから、損失として計上する。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)