古村治彦です。

 

 JR東海によるリニア中央新幹線計画が進んでいます。早速、「入札談合」事件が起きました。総額9兆円という莫大な資金が動くプロジェクトで、安倍政権も力を入れて、財政投融資として3兆円が貸し付けられるということになっています。そうならば大小さまざまな人や企業が群がってそれを食い物にしようと考えるのは当然のことでしょう。

 

 JR東海、日本政府はともにリニア中央新幹線計画を前倒しで、少しでも早く実現しようと躍起になっています。これは、リニア技術をインフラ輸出の目玉としたいという思惑があるのでしょう。原発輸出は何かと批判が大きいですが、このような交通インフラであればそこまで批判を浴びることはありません。

 

 このようなインフラ技術を輸出するためには、実際に運用してみて(できるだけ条件の厳しい場所や状況で)、それで実績を見せる必要があります。日本のように山がちの複雑な地形で、きちんと運用できれば、それは大きなセールスポイントになります。東京から大阪までつなぐというのは大都市圏と地方、山がちな場所と言った場所での工事のデータや運用データが得られるという点でメリットがあります。

 

 新幹線技術とリニア技術の海外輸出ですが、これはアメリカにマージンが流れる構造になっています。JR東海(英語名はJR Central)とアメリカのUS-Japan High Speed Rail社とUS-Japan Maglev社との間で提携契約を結んでいます。以下のアドレス先をお読みください。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「2010年1月25日 高速鉄道の海外事業展開について」

https://jr-central.co.jp/news/release/nws000450.html

 

●「(別紙)USJHSRおよびUSJMAGLEVについて」

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000007101.pdf

 

(貼り付け終わり)

 

「別紙」の中で、重要な分がありました。それらは以下の通りです。「USJHSRは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」「USJMAGLEVは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」。

 

 JR東海が新幹線技術とリニア技術を輸出する際に販売促進の独占的権利をアメリカの会社が握っているということです。JR東海が輸出する際に、これらの会社にお金が流れることになります。

 

 昨年、私は『ザ・フナイ』誌上で短期連載をさせていただきましたが、このことについて詳しく紹介しました。『ザ・フナイ』2017年7月号(ザ・フナイ 2017年 07 月号)と8月号(ザ・フナイ 2017年 08 月号 [雑誌])をお読みください。


 国策で急いでリニア中央新幹線計画を進めて、運用実績を作って、輸出をしてアメリカを儲けさせる、ということがあり、そのために資金を投入している、というのが属国日本の姿ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

3兆円融資は忖度か リニア「国策化」の怪しいプロセス

 

201817日 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/1

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/2

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/3

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/4

 

 東京地検特捜部が全容解明に向けて捜査を進めている「リニア疑惑」事件が今年、本番を迎える。総工費9兆円の巨大プロジェクトを巡る疑惑には、単なる「入札談合」では片づけられない「闇」が横たわっている。どう考えたって安倍政権のヨコシマな思惑への忖度がはたらいたとしか思えない――。そんな構図が浮かび上がってくるのだ。

 

 そもそもリニア中央新幹線の建設計画は、JR東海が全額自己負担を原則に進めてきた。政府もリニア計画に長年距離を置いてきたが、安倍政権がくちばしを入れ始めたのは、国が着工を許可した2014年のこと。

 

「JR東海が自力で行うとしていることも勘案しつつ、要望を受けて対応を考えていきたい」

 

 当時、世耕弘成官房副長官は、関西経済連合会のリニア新幹線「国家プロジェクト化」と「大阪・名古屋同時開業要望」に対し、そう語っていた。

 

「リニア大阪延伸の前倒しは関西財界の悲願でした。その意向を受けて積極的に“ロビー活動”を進めたのが、松井一郎大阪府知事であり、大阪市長時代の橋下徹氏です。2人は安倍首相と菅官房長官と定期的に会食する仲。その席でもリニア前倒しの話題を何度も伝えていたようです」(関西政界関係者)

 

 リニア大阪延伸の前倒しを決断したのは、ほかならぬ安倍首相だ。16年6月の「骨太の方針」の中で、国が低利で資金を貸し出す「財政投融資」を活用した財政支援を表明。さらに自民党は同年7月の参院選公約に、リニア大阪延伸の前倒しや整備新幹線の建設などのため、官民合わせて「5年で30兆円」の資金を投じることを掲げた。

 

 加えて同年11月には法改正し、リニア建設に財政投融資を活用できるようにした。その結果、すでに約3兆円がJR東海に貸し出され、大阪までの全線開通時期を当初計画の2045年から最短で8年前倒しされることになった。

 

■維新の要望の見返りに……

 

 安倍政権が横から口を挟み、成長戦略に取り入れたことで、リニア計画は文字通り「国家プロジェクト」に格上げされたのだ。政府が静観していたはずの民間の事業が、なぜ「国策」に格上げされ、法をねじ曲げてまで3兆円の国費を投じたのか。ここに、政権の意向をくんだ官邸や国交省などの「忖度」がはたらく余地がありそうなのだ。

 

「安倍政権が巨額の国費を貸し付けてまで、リニア大阪延伸の前倒しにこだわるのは、まず日本維新の会を味方につけたいためでしょう。リニアを含め、『大阪万博誘致』『大阪・夢洲のカジノ計画』という維新が公約に掲げた3点セットを支援する見返りに、政権運営で維新の協力を引き出す思惑です。事実、維新は与野党対立法案に軒並み賛成し、もはや政権の補完勢力です。9条改憲に公明党が難色を示す中、安倍政権と維新の蜜月はますます深まりそうです」(政界関係者)

 

リニア建設は南アルプスの巨大トンネルなど難工事が目白押し。ただでさえ建設業界全体が土木技術者の人手不足に悩まされる中、国がムリを重ねて工期まで縮小すれば、現場は地獄の苦しみである。もはや大手ゼネコンのキャパシティーさえ超え、業界関係者からは「限られた工期、対応できる業者の少なさ、工事の安心・安全などを考えれば、業者間の調整も仕方がない」という開き直った声も聞こえる。安倍首相のヨコシマなリニア国策化が談合の温床を生み出してもいるのだ。

 

 特捜部も野党も大手メディアも、「リニアの闇」に鋭いメスを入れるべきである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)