アメリカでは大学スポーツでもスポーツティームにはニックネームがつけられています。私が在学していた南カルフォルニア大学(USC)は「Trojans」で、「トロイの人々」という意味です。野球もアメリカンフットボールも陸上も全てTrojansです。ライバルであるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)は、クマの一種である「Bruins」です。カリフォルニア州の州旗にはクマが描かれており、州を象徴する動物です。カリフォルニア大学各校のニックネームは熊です。カルフォルニア大学(UC)の本部校であるUCバークレー校のニックネームは「Bears」です。


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 プロスポーツティームの名前はそれぞれ地域の特色を表現するものが多いです。ですが、時々、「どうして?」というものもあります。例えばバスケットボールのユタ・ジャズ(Utah Jazz)ですが、「どうして、ユタなのにジャズなの?」となりますが、もともとニューオーリンズで作られたジャズというティームがユタに移転したのですが、名前は変わりませんでした。それで、ユタ・ジャズとなりました。


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ロサンゼルスの野球ティームロサンゼルス・ドジャース(LA Dodgers)ですが、「どうして、Dodgersなのか?」となります。Dodgersとは「避ける人、よける人」となります。ちなみに徴兵忌避者は「draft dodgers」と言います。野球ティームのDodgersは、ニューヨークのブルックリン地区で創設されたティーム(Brooklyn Dodgers)で、ブルックリンの道路は舗装がきちんとしておらず、水たまりを避けてうまく通る人たちが多く、Dodgersがブルックリン地区の住民たちを指す言葉となりました。Dodgersとなりました。そして、戦後、LAに移ってきたのですが、名前は変わりませんでした。


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 ティームの名前やロゴが変わる時にはそれ相応の理由があります。例えば、バスケットボールのワシントン・ウィザーズ(Washington Wizards)というティームがあります。「魔法使い」という意味です。もともとはワシントン・ブレッツ(Washington Bullets)という名前でした。「弾丸」という意味です。これは、銃犯罪が多発し、銃の所持が議論になっている中で、時代にふさわしくないのではないかというところから、名前が変更になりました。アメリカのスポーツティームの名前を見ていくと、歴史やその土地の特徴などが学ぶことが出来ます。


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 さて、メジャーリーグ・ベースボールのクリーヴランド・インディアンズはユニフォームにつけていたネイティヴ・アメリカンを漫画のキャラクターのようにしたロゴを今後使わないということになりました。インディアンというのはヨーロッパ人に「発見される」前から住んでいたネイティヴ・アメリカンの人々を指す言葉です。コロンブスが「発見」した時は、東インド、つまり、今の東南アジアだと思ったので、そこに住む人々を「インディアン(Indians)」と呼んだのですが、それが長く続きました。今は、ネイティヴ・アメリカンと言います。こちらの方がより実態に即しています。

 

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「チーフ・ワフー」

 

 アメリカのスポーツティームの名前やロゴもそうした動きの中で、変更を迫られるものが多いのです。ネイティヴ・アメリカンを漫画風に描く際には肌を赤く、日焼けしたように描くことが昔は多く、インディアンズのロゴもそれでした。また、アメリカンフットボールのワシントン・レッドスキンズ(Washington Redskins)の「Redskins」もインディアンの赤い色をした(白人から見たらですが)ことを形容して名詞化した言葉です。


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 日本のお笑い番組でエディー・マーフィーの物まねをした際に、顔を黒く塗って、人種差別ではないかという主張が出て、「あれがアメリカや世界的に広く見れば差別的な行為の一つとみなされる」ということが教えられました。

 

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「チーフ・ワフー」のロゴと「インディアンズ」という名前に反対している人が作った写真(ニューヨーク・ジューズ[ニューヨークのユダヤ人たち]、サンフランシスコ・チャイナメン[サンフランシスコの中国人たち]と同じだという主張)

 

 身体的特徴を前面に押し出し、目立たせるという行為は差別的な行為ということになります。日本人やアジア系の人々は目が細くて釣り目だということで、そういうしぐさをすることで問題になった人はたくさんいます。アメリカではこうした人種差別については非常に敏感です。

 

 インディアンズの場合は名前を変更するということはありませんが、レッドスキンズは、身体的特徴を際立たせているということもあり、将来的には変更せざるを得ないのではないかと考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

クリーヴランド・インディアンズがユニフォームから「チーフ・ワフー」のロゴを外す(Cleveland Indians to drop Chief Wahoo logo from uniforms

 

ブレット・サミュエルズ筆

2018年1月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/371224-cleveland-indians-to-drop-chief-wahoo-logo-from-uniforms

 

月曜日、メジャーリーグ・ベースボール機構は、クリーヴランド・インディアンズは2019年シーズンからは「チーフ・ワフー」ロゴをユニフォームにつけない、と発表した。

 

『ニューヨーク・タイムズ』紙が最初にこの決定を報じた。

 

メジャーリーグ・ベースボール機構コミッショナーのロブ・マンフレッドはニューヨーク・タイムズへの声明の中で、「ネイティヴ・アメリカンの漫画風の描写であるロゴは、フィールド上で使用するのはもはや適切ではない」と述べた。

 

チーフ・ワフーは、約70年間にわたり、クリーヴランド・インディアンズのユニフォームに使われてきた。しかし、最近になってファンやネイティヴ・アメリカンの活動家たちの間で論争が起きていた。彼らは「ロゴは人種差別的だ」と主張している。

 

複数のメディアでは、マンフレッドとティームのオーナーであるポール・ドーランは、ここ数年にわたり、「チーフ・ワフー」のロゴを使用することを取りやめることについて議論してきた、と複数のメディアが報じている。

 

ニューヨーク・タイムズ紙への声明の中で、ドーランは、ファンのロゴへの愛着を考慮に入れるとしても、マンフレッドのロゴを外して欲しいという希望を受け入れると述べた。

 

インディアンズは昨シーズン、帽子には「C」という文字、ユニフォームの前面には「クリーヴランド」や「インディアンズ」という文字をつけていた。しかし、「チーフ・ワフー」のロゴは袖についていた。

 

複数の大学のスポーツティームでは、同様の懸念や抗議を受けて、ネイティヴ・アメリカンを使ったマスコットやティームネームを取りやめている。

 

アメリカンフットボールのワシントン・レッドスキンズを含む複数のティームは、ティームの名前を変更することを拒絶しており、これに対して抗議活動や訴訟が起きている。

 

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司法省は「レッドスキンズ」という名前に関する訴訟を取り下げた(Justice Department drops fight over 'Redskins' name

 

ジョン・ボウデン筆

2017年6月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/340174-justice-department-drops-fight-over-redskins-name

 

木曜日、司法省はワシントン・レッドスキンズの名前に関する訴えを取り下げた、とAP通信が報じた。

 

AP通信は次のように報じている。トランプ政権は連邦最高裁に提出した書簡の中で、訴訟を取り下げると述べた。訴訟取り下げは、先週結審し判断が下された「マタル対タム」訴訟を受けてのことだった。この訴訟ではアジア系アメリカ人たちのロックバンドが、差別的な意味を持つ「ザ・スランツ(The Slants[アジア人の蔑称]」という名前の著作権を維持する権利を勝ち取った。

 

木曜日に発表した声明文の中で、司法省は「マタル対タムの訴訟で出された結論から見て、訴訟が続けられる場合、判事たちはワシントン・レッドスキンズに対して好意的な決定を下すだろう」と述べている。

 

先週、レッドスキンズのオーナー、ダン・スナイダーは司法省と同様の決断を下し、著作権訴訟に関する裁判所の判断に「喜んでいる」と述べた。スナイダーの弁護士であるリサ・ブラットは、声明を発表し、その中で、「今回の裁判所の判断はNFLのティームの名前に関する争いを解決するものだ」と述べた。

 

スナイダーと妻はトランプ大統領とトランプ政権の幹部たちと緊密な関係を持っている。2017年1月、スナイダーはトランプ政権の幹部たちが出席した非公開の大統領就任祝いの会に出席した。スナイダーの妻は2015年にトランプ選対に献金を行った。

 

スナイダーの妻が献金をしてから数週間後、トランプはティームの名前に関する論争について発言した。トランプはレッドスキンズという名前を維持すべきだと述べた。

 

2015年10月、トランプは「インディアンズはティームの名前について大変に誇りを持っている」と述べた。

 

トランプは続けて次のように述べた。「率直に言って、オーナーが変えたくないと考えているのなら、名前を変えることはないと私は思う」。

 

2014年、米国特許商標庁は「レッドスキンズ」という商標を取り消すという決定を行った。米国特許商標庁はその理由として、「ティームの名前とロゴはネイティヴ・アメリカンを見下している」と述べた。

 

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List of schools that changed Native American nicknames

USA TODAY Sports Published 11:52 a.m. ET Sept. 12, 2013 | Updated 1:14 p.m. ET Sept. 24, 2013

https://www.usatoday.com/story/sports/2013/09/12/native-american-mascot-changes-ncaa/2804337/

 

Debate over whether the NFL's Washington Redskins should change their nickname (see: Christine Brennan's column) continues to grow.

 

Here is a list of notable colleges that changed Native American mascots and/or nicknames in recent history:

 

- Stanford University – Indians to Cardinal (1972)

 

- Dartmouth – Indians to Big Green (1974)

 

- Siena – Indians to Saints (1988)

 

- Eastern Michigan – Hurons to Eagles (1991)

 

- St. John's (N.Y.) – Redman to Red Storm (1994)

 

- Marquette – Warriors to Golden Eagles (1994)

 

- Miami (Ohio) – Redskins to RedHawks (1997)

 

- Seattle University – Chieftains to Redhawks (2000)

 

- Louisiana-Monroe – Indiana to Warhakws (2006)

 

- Arkansas State – Indians to Red Wolves (2008)

 

- North Dakota – Formerly dropped Fighting Sioux in 2012. No nickname currently.

 

OTHERS:

 

- Illinois – Removed Chief Illiniwek as official mascot in 2007. Athletics teams are still called Fighting Illini.

 

- Bradley and Alcorn State – Both schools stopped using Native American mascot but have retained their Braves nickname.

 

- William and Mary – Adjusted Tribe logo to remove feathers to comply with NCAA. Athletics teams are still called Tribe. (2007)

 

Of note: Utah (Utes), Central Michigan (Chippewas), Florida State (Seminoles) and Mississippi College (Choctaws) all appealed successfully to NCAA after being deemed "hostile and offensive."

 

Each cited positive relationships with neighboring tribes in appeal.

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)