古村治彦です。

 

 今回は今年2018年にアメリカで行われる中間選挙に関する記事をご紹介します。私が翻訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社)の主人公チャールズ・コークとデイヴィッド・コークのコーク兄弟が主宰する献金ネットワークが400億円を中間選挙に投入するということです。

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デイヴィッド(弟)とチャールズ 

 中間選挙とは大統領選挙と大統領選挙の間に行われるもので、連邦下院の全議席と連邦上院の3分の1の議席が選挙となります。連邦下院の任期は2年で、連邦下院議員や候補者たちは常に選挙をやっているようなものです。大統領を握っている党にとっては中間テストのような意味合いを持ちます。

 

 現在のところ、民主党がリードしているという状況です。ただリードが少し縮まっているという印象があります。詳しくは以下のアドレスをご覧ください。

 

https://www.realclearpolitics.com/epolls/other/2018_generic_congressional_vote-6185.html

 

 コーク兄弟が率いるいくつかのグループが既に共和党とトランプ大統領が進めた税制改革について積極的に宣伝活動を行っているようです。

 

 民主党としてはここで共和党に大差で勝って次の大統領選挙につなげたいというところだと思いますし、それができるチャンスだと思われますが、勝利をしても大差での勝利でない限りは、共和党とトランプ政権が主流派マスコミで言われるほどに不人気ではないということが明らかになります。

 

 今年の秋の中間選挙までに政治や経済において様々なことが起きるでしょうそれを注視していくことが重要です。


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アメリカの真の支配者 コーク一族


 

(貼り付けはじめ)

 

コーク率いるネットワークは2018年の中間選挙で4億ドルを投入(Koch network to spend $400 million during 2018 midterm election cycle

 

ジョナサン・イースリー筆

2018年1月27日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/371069-koch-network-to-spend-400-million-during-2018-midterm-election-cycle

 

カリフォルニア州インディアン・ウェルズ発。大富豪のチャールズ・コークとデイヴィッド・コークと関係の深い諸団体のネットワークは2018年の中間選挙において保守派の主張する政策と候補者たちのために4億ドル(約430億円)を使う見込みだ。

 

「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」会長ティム・フィリップスは土曜日、投入する金額はこれまでの選挙の時に比べて最大のものとなる、と述べた。2016年の選挙の時よりも60%増となる見込みだ。2016年の連邦議会選挙では逆風が吹く中で、共和党は連邦上下両院で過半数を守った。

 

ネットワークは、トランプ大統領と民主党候補者ヒラリー・クリントンとの間で戦われた2016年の大統領選挙には関与しなかった。しかし、連邦議会選挙の共和党の候補者たちと保守派の主張する政策のために資金の多くを投入した。

 

2018年の中間選挙のために使われる4億ドルの一部は共和党の候補者の勝利のために使われることになる。また、ネットワークは、共和党がコントロールしている政府によって達成された税制改革やその他の業績、復員兵事業に関する改革とトランプによる保守的な人物の最高裁判事登用を重点的に宣伝し、人々の支持を集めようという考えだ。

 

フィリップスは次のように述べた。「私たちは全てを投入する。2018年の政治状況は厳しい。はっきり言って今年は厳しい年となるだろう。

 

歴史的に見て、共和党は大統領を出している時の中間選挙では敗北している。

 

世論調査の結果では、下院議員選挙に関しては民主党が2桁以上リードしている。また、トランプ大統領は、1期目の大統領としては歴史的に見ても低い支持率を記録している。こうした状況では共和党にとってマイナスの結果となるだろう。

 

共和党が下院で過半数を維持できるか不透明な状況だ、現職議員たちの引退が相次ぎ、リベラル派が積極的に活動して共和党が議席を減らすのではないかという懸念が存在する。

 

それでも、共和党にとって資金集めは明るい材料となる。ポール・ライアン連邦下院議長(ウィスコンシン州選出、共和党)と共和党の候補者たちの当選を支援する外部団体は2017年に連邦下院での共和党の過半数確保するために巨額の資金を集めた。

 

コーク・ネットワークに参加している保守派の大口献金者たちは今週末、カリフォルニア州の砂漠地帯にある会員制のインディアン・ウェルズ・リゾートに集合し、2018年の中間選挙に向けた戦略作りを行った。

 

ウィンター・セミナーの共同議長ブライアン・フックスは次のように述べている。「私たちは、人々の生活を向上させることに貢献できる候補者と政策立案者を探している」。

 

フックスは、「コーク率いるネットワークは共和党の税制改革法支援のために2000万ドルを使った。そして、更に2000万ドルを改革法による利益を宣伝のために使う」と述べた。

 

前出のフィリップスは次のように述べた。「私たちは希望を持っている。税制改革についての人々の受け止め方が報道されているが、給料が上がっていくだろうから、それにつれて人々の支持を高まるだろう」。

 

コーク率いるネットワークは、今回のウィンター・ミーティングにこれまでにない数の人々を集めた。全米各地から550名の保守運動活動家たちが終結した。そのうちの150名は初参加の人々だった。彼らもまた2018年の中間選挙に向けた戦略作りを行った。

 

ウィンター・セミナーの共同議長を務めたフックスは次のように述べた。「チャールズ・コークは私たちや他の参加者たちに対して、更に10倍の熱意を込めて活動するように求めた。そして、更に勢いをつけるようにと述べた。それこそ私たちがこれから取り組んでいくことだ」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)