古村治彦です。

 

 拙著『アメリカ政治の秘密』で取り上げました、アメリカの「民主化」の尖兵となってきた機関に対する予算が縮小されるそうです。全米民主体制のための基金(National Endowment for DemocracyNED)と言いますが、その下に、全米民主研究所(National Democratic InstituteNDI)と国際共和研究所(International Republican InstituteIRI)があります。それぞれ自分たちはきれいなNPOでございます、というふりをしていますが、大きな間違いです。

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アメリカ政治の秘密

 

 NDIIRIは、それぞれ民主党、共和党の下部組織です。民主党(Democrats)と共和党(Republicans)のDRがそれぞれについています。これらは、両政党の中でも、「民主化」に熱心な、人道的介入主義派(Humanitarian Interventionists)とネオコン派(Neoconservatives)の牙城になっています。それぞれにお金を流すために、NEDという組織があって、これに毎年約200億円の国家予算が投じられていましたが、この予算が6割以上カットされるそうです。非常にめでたいことです。

 

 これはそもそも上部団体である国務省(United States Department of State)とアメリカ国際開発庁(United States Agency for International DevelopmentUSAID)の予算500億ドル(約5兆3000億円)が37%削減されて315億ドル(約3兆4000億円)になったことを受けてのことです。ドナルド・トランプ大統領が国務省とUSAIDの予算を大幅削減すると聞いたとき、私は「さすがトランプ大統領、よく分かっている」と感心しました。私がトランプ大統領を支持する理由はまさにここです。

 

 拙著『アメリカ政治の秘密』でも書きましたが、アメリカが進めてきた世界各地の民主化(Democratization)は、世界を不幸にしました。「世界中の全ての国々が民主国家になれば戦争はなくなる、不幸はなくなる。そのためにアメリカは与えられた使命を果たさねばならない」という恐ろしい考えで世界各地にアメリカは介入していきました。最近では「アラブの春」という茶番劇が思い出されます。このアラブの春を演出したのは国務省であり、USAIDであり、NEDでした。私は『アメリカ政治の秘密』の中で証拠付きでこのことを明らかにしています。

 

 私は下に掲載している記事のタイトルである、「トランプ政権「世界の民主化運動を支援するお金はもうない」」も大変気に入っています。アメリカが衰退していることを明確に表しているからです。

 

 こうした動きに対して、人道的介入主義派とネオコン派はトランプ政権をしてくるでしょう。トランプ政権内部の動きについてはこれからも注視していく必要があります。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ政権「世界の民主化運動を支援するお金はもうない」

Trump State Department Accused of Abandoning Global Democracy in New Budget

 

201838日(木)1920

カルロス・バレステロス

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9693_1.php

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9693_2.php

 

<アメリカ政府の手先、と疑いの目を向けられながらも、旧共産圏諸国の民主化を支援するなど功績のあったNEDがなくなる?>

 

米国務省が、全米民主主義基金(NED)の予算を大幅に削減しようとしている。親米の民主主義を広げるため、世界中のメディアや労働組合、人権団体に資金提供を行ってきたNPOだ。

 

ドナルド・トランプ米政権が2月に発表した2019会計年度(1810月~199月)の予算教書に沿って、国務省はNEDの予算を2018年度の16800万ドルから6700万ドルへと3分の1まで縮小する方針だ。さらに、全米民主研究所(NDI)や国際共和研究所(IRI)などNEDの中核となってきた組織に個別に割り当ててきた予算も、今後は米国務省の一般予算に組み入れたい、としている。

 

NEDの予算削減や見直しを、米議会が承認するかどうかは不明だが、もし認められれば、トランプ政権は海外の民主化運動を見捨てた、という誹りを免れないだろう。

 

「今回の削減案は大打撃だが、驚きはない。最終的に決めるのは議会だ」と、NEDのカール・ガーシュマン会長は本誌に語った。「ただNEDを骨抜きにすれば、ロナルド・レーガン元米政権のレガシー(遺産)を葬り去ることになり、政治的にも将来的にもあまりに短絡的だ」

 

「オープンなCIA」の位置づけ

なぜなら、NEDの予算が削減されれば「海外で同じ価値観を共有し、権力と戦う勇敢な民衆の支援からアメリカが手を引いた、というシグナルを世界中に送ることになる」さらにガーシュマンは米紙ワシントン・ポストの取材に語った。

 

トランプ政権は米国務省の2019年の予算を2017年度比で25%削減する方針だ。

 

NED1983年にレーガン元米大統領の特命で設立された。当時、米中央情報局(CIA)などの米政府機関は、海外の親米派への資金提供や援助を秘密裏に行ってきたとして、激しく批判されていた。

 

「今我々がやっていることは、25年前にCIAが秘密裏にやっていたのと同じことだ」と、NEDのデービッド・イグナシウス会長代理は1991年のインタビューで語っている。「当時と今の最大の違いは、大っぴらに活動しているので、後で批判される可能性が少ないということ。オープンであることは即ち、自己防衛だ」

 

NEDは設立以来、民間NGOの扱いだが、実際には活動資金の大半を米議会から受け取っている。NEDのホームページによれば、年間の資金提供は1200件、1件当たりの平均は5万ドルだ。

 

NED1980年代に共産主義政権の終焉に貢献したとして、その功績が認められてきた。特に1989年に民主化したポーランドへの支援では力があったとされる。

 

一方、アメリカ政府の手先として非難を浴びることも依然、多い。

 

2002年には、ベネズエラで民主的に選ばれたウゴ・チャベス大統領の政権転覆を図った反政府団体に資金提供を行ったと批判された。

 

2005年にジョージ・W・ブッシュ元米大統領がNEDの予算倍増を要求した時には、米共和党のロン・ポール下院議員(テキサス州選出)はこう批判した。「NEDはアメリカの意向に沿う海外の政党や運動に米国民の税金を垂れ流すことで、民主主義を転覆している団体だ」

 

(翻訳:河原里香)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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