古村治彦です。

 

 2020年の米大統領選挙について、このブログでも何度か書いていますが、共和党は現職のドナルド・トランプ大統領がいるので、よほどのことがない限り、対抗馬は出ないでしょう。一方、民主党はホワイトハウス奪還を目指しており、「誰がトランプ大統領を倒せるのか」という一点で、様々な名前が出ています。有力だろうという人物だけでも5名以上の名前が出ています。

 

 その中でも、ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員が知名度の点で大きくリードしています。バイデンはオバマ政権で副大統領を8年間務め、その前は連邦上院議員を36年も務めました。バーニー・サンダースは2016年の米大統領選挙でヒラリー・クリントンを追い詰めたことで知られています。


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ジョー・バイデン 

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バーニー・サンダース

 上位2人に続くのが、新星ビトー・オローク連邦下院議員です。ハンサムな容姿と対立を煽らないスタイルで、人気を集め、今年の中間選挙において、テキサス州の連邦上院議員選挙に出馬しましたが、その様子は日本のニュース番組でも取り上げられるほどでした。現職のテッド・クルーズは追い込まれ、トランプ大統領に助けを求め、何とか当選することが出来ました。

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ビトー・オローク
 

 サンダースは社会主義者を自認しているので、共和党が優勢な州ではおそらく勝てないので、バイデンの方が候補者としては良いということになります。しかし、問題は年齢で、バイデンも、そしてサンダースも70代後半です。年齢で云々したくありませんが、やはり健康問題や判断力の低下などが懸念されます。そうした中で、オローク待望論も出てきています。しかし、オロークはテキサス州全部が選挙区となる連邦上院議員選挙で負けている点がネックになります。

 

 そうした中で、バイデンの側近たちが、オロークを副大統領候補にして、大統領選挙に出馬するということを考えているようです。バイデンの年齢の問題に関する懸念を、オロークを入れることで薄めようという動きのようです。バイデンが大統領になって万が一職務執行不能状態になったら、オロークが副大統領として職務を代行する、バイデンが自認することになれば、オロークが大統領に昇格するということになります。これは、バイデンの年齢を心配して投票を躊躇する有権者に対して、「バイデンとオロークをセットで見てください、2人で1つと見てもらって、とりあえずトランプ大統領を倒したいのです」と訴えるものであり、オロークと彼の支持者に対しては、「副大統領になれば一気に知名度が上がります。そうなればバイデンの次として民主党の候補者にすんなりなれます、そうすれば遅くとも10年後には大統領になれるでしょう」と訴えるものです。もしかしたら、バイデンは最初から1期だけと決めているかもしれません。

 

 バイデンのこのような動きに対して、オロークがどう対応するのか注目されます。

 

(貼り付けはじめ)

 

バイデンのティームがオロークを副大統領候補にして大統領選挙に出馬することについて議論(Biden team discussed 2020 run with O'Rourke as VP: report

 

タル・アクセルロッド筆

2018年12月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/421506-biden-team-discussed-2020-run-with-orourke-as-vp-report?fbclid=IwAR2WJNsIPo9QblwTYOpNUyWp8bYsFzy7UFT_DiPTtVJne3P8mQFLh7t7Oww

 

ジョー・バイデン前大統領の補佐官だった人々が。バイデンが2020年の大統領選挙に出馬する場合に、彼よりも若い人物を副大統領候補に選ぶというアイディアを提案したと報じられた。その候補者としてビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の名前が浮上している。

 

AP通信は匿名の人物からの取材をもとにして、金曜日に上記のシナリオを報じた。現在の補佐役と過去の補佐官たちは、バイデンが自身よりも若い人物を副大統領候補とすることで、彼の年齢に対する懸念を和らげることになると議論している。

 

2020年11月の投票日の段階で、バイデンは77歳になっている。もし大統領選挙に勝利すれば、バイデンは史上最高齢の大統領ということになる。バイデンはこの2年の間、トランプを倒すためにもう一度大統領選挙に出馬することを考慮していると述べている。そして、バイデンは民主党内の有力候補者たちと争うことになる。

 

民主党はここ数年若い有権者たち、特に若い女性有権者に向けてアピールしようと努力している。また、有色人種も対象としている。そして、トランプ大統領を倒すための最良の戦略の鍵を若者、女性、有色人種の人々が握っている。トランプ大統領は、前回の大統領選挙で中西部の白人の労働者階級からの支持を勝ち取って当選した。

 

民主党の大統領選挙候補者には数多くの人物が含まれている。その中には、様々な年齢の多くの女性やマイノリティの政治家たちの名前が挙げられている。

 

バイデンが46歳のオロークを副大統領候補に選べば、自分より若い人物とコンビを組むことになるが、白人男性だけのコンビになってしまうことを意味する。

 

本誌からのコメント依頼に対して、バイデンの報道担当はコメントを拒否し、オロークの事務所からは返答はなかった。

 

ロナルド・レーガンは当選時には73歳で最高齢だ。トランプ大統領は当選時は70歳であった。

 

バイデンは数か月以内に大統領選挙に出馬するかどうかを決断すると見られている。

 

オロークは現在2期目の連邦下院議員である。先月、テキサスの連邦上院議員選挙で、現職のテッド・クルーズ連邦上院議員に3ポイント弱の差をつけられ敗北したが、それでも、オローク自身も大統領選挙の候補者として名前が挙がっている。

 

2020年の米大統領選挙の候補者としては早い段階で名前が消えていたが、オロークはテキサス州の連邦上院議員選挙で優位な現職の共和党の候補者テッド・クルーズと予想外の接戦を演じたことで、大統領選挙への出馬を再考していると言われている。そして、民主党支持の有権者と献金者たちとの間で待望論が高まっている。

 

2020年の大統領選挙の民主党予備選挙に出馬するであろうと見られている人々の中には40代や50代の人々が含まれている。その中には、オローク、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、クリスティン・ギルブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、エイミー・クロウバッカー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、モンタナ州知事スティーヴ・ブロック、オバマ政権時代の住宅都市開発長官フリアン・カストロが含まれる。

 

その他に、77歳のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)と69歳のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)も有力な候補者である。

 

バイデンは連邦上院議員を36年勤め、その後、オバマ前大統領の下で副大統領を8年勤めた。民主党の支持基盤の中では人気を保っている。

 

今月モンタナ州で開催されたあるイヴェントで、バイデンは自身について「アメリカ国内で大統領に選ばれるのに最も資格として適した人物」だと述べた。

 

「現在我が国が直面している諸問題は、私が政治家として人生を賭けて取り組んだものばかりだ」。

 

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バイデンとサンダースがアイオワ州の世論調査でリード(Biden, Sanders lead field in Iowa poll

 

クリス・ミルズ・ロドリゴ筆

2018年12月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/421562-biden-sanders-lead-field-in-iowa-poll

 

アイオワ州の党員集会に出席すると答えた有権者たちを対象に行われた世論調査の結果が土曜日に発表された。ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が2020年の米大統領選挙の民主党候補のレースでリードしている。

 

バイデンは32%の支持を集めトップとなり、サンダースが19%を集めこれに続いている。サンダースは2016年の米大統領選挙民主党予備選挙で第二位となった。

 

世論調査を実施したセルザーアンドコー社の会長J・アン・セルザーは次のように語っている。「アイオワ州で党員集会に出席する人々になじみ深い人物たちに対する温かい歓迎ということになる。しかし、アイオワ州を訪問し始めて間もない、自分たちの未来を決める人々に名前を知ってもらおうとしている新人たちに対しても歓迎の意を示している。」

 

上位2人はヴェテラン政治家であるが、地元紙『デモイン・レジスター』紙・CNN・メディアコム社の共同世論調査の結果では、36%の人々がトランプ大統領を倒すためには、「新人」政治家がふさわしいと答えている。

 

新人待望の声に合うには、待望論が出ているビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)で彼は11%の支持を集めた。オロークは、テッド・クルーズ(共和党)との連邦上院議員を巡る戦いにおいて接戦で敗北を喫した後、大統領選挙の候補者として名前が取りざたされるようになった。

 

オロークは最近の数週間で民主党内の重要人物たちと会談を持っている。その中にはオバマ前大統領と聖職者のアル・シャープトンも含まれている。

 

上位2人以外に5%以上の支持を集めたのは、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)しかいなかった。

 

民主党所属の連邦ジョイン議員であるカマラ・ハリス(カリフォルニア州選出)、コーリー・ブッカー(ニュージャージー州選出)、エイミー・クロウバッカー(ミネソタ州選出)はそれぞれ5%、4%、3%の支持を集めた。マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長は3%の支持を集めた。

 

世論調査で名前が出された人物たちの中でバイデンとサンダースは最も高い知名度を誇る。彼らについて何も知らないと答えたのはわずか4%だった。

 

ウォーレンは上位2人に続き、高い知名度を持ち、84%が彼女の地位や立場について知っていると答えた。ウォーレンに続いたのは71%のブルームバーグ、64%のオローク、61%のブッカー、59%のハリスだった。

 

これまでのところ、ここに名前の出ている人物たちで選挙運動を開始すると発表した人はいない。

 

世論調査では、アイオワ州の民主党の党員集会(アイオワ州は米大統領選挙が最初に始まる州だ)に出席すると答えた人々に対して、20名の名前が掲載された名簿を示し、党員集会に出席した場合、誰を支持するかを質問した。2018年12月10日から13日にかけて20445名を対象に調査が実施された。誤差は4.6%だ。

 

アイオワ州での世論調査の結果は、金曜日に発表された全国規模の世論調査の結果とほぼ同じだ。全国規模の世論調査では、バイデンが30%の支持を集めてトップ、サンダースが14%を集めて第2位、3位には9%の支持を集めてオロークが入った。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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