古村治彦です。

 

 2020年米大統領選挙について、民主党ではジョー・バイデン元副大統領、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)といった人々が人気で、新たに、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が出馬に向けて、準備委員会を発足させると発表しました。ウォーレン議員は人気で言えば4、5番手といったところでしょうか。

 

 そうした中で、まだ出馬表明をしていないサンダースに対して、民主党系のシンクタンク「サード・ウェイ」という団体が早い時期に予備選挙が行われる各州で、名指しで攻撃するような内容のテレビ広告を行っており、それに対してサンダースが激しく非難しているということです。

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バーニー・サンダース

 サンダースは、サード・ウェイを「ウォール街民主党(Wall Street Democrats)」と呼び、格差是正を訴える自分たちのような進歩派を当選させないようにしているのだと批判しています。一方、サード・ウェイは、中間選挙でサンダース系の進歩主義的な候補者たちが多数落選した(サンダース自身は当選)ことで、有権者は進歩主義的な、民主社会主義的な政策は望んでいないことがはっきりした、サンダースや進歩主義的な政策ではトランプを倒すことはできない、と主張して対立しています。

 

 サード・ウェイは銀行業界からの支援を受けていると言われるシンクタンクであり、銀行業界、更には大企業や富裕層に対しての増税を主張しているサンダースを攻撃するのは当然のことでしょう。また、サンダース系の候補者たちが多く落選したことも事実で、民主党が強い地域、しかも貧困の度合いが高い地域でしか勝てなかったということもそうでしょう。このブログでも数回にわたってご紹介した、史上最年少の連邦下院議員となるアレクサンドリア・オカシオ=コルテスの登場で、進歩主義派、民主社会主義派が台頭しているように見えますが、全米では勝利を得るということは難しいというのは衆目の一致するところです。

 

 サード・ウェイはウォール街からの支援を受けているという点では、ヒラリー・クリントンや民主党エスタブリッシュメントにつながるシンクタンクと言えます。彼らからすれば、サンダースは2016年の米大統領選挙でヒラリー当選を阻止した人物であり、ある意味で、トランプよりも憎悪の対象となっていると思われます。

 

 2016年の米大統領選挙で民主党は分裂しました。そのために民主党は敗北したということが言えるでしょう。2020年の米大統領選挙で分裂を回避して戦うには、サンダース派からも、民主党エスタブリッシュメント派からも距離を取る候補者が必要ということになります。そうなると、やはりオバマ夫妻が大きな影響力を持つ、キングメイカーとして浮上することになります。民主党が奪還したい五大湖周辺州での影響力を考えると、オバマ夫妻が支持する人物が民主党候補者としてふさわしいということになります。それは今のところ、ジョー・バイデンということになります。また、ジョー・バイデン陣営は副大統領候補として、ビトー・オロークを迎えるということも考えているようです。

 

 しかし、年齢のことを考えると、バイデンでは不安ということもあります。結局、民主党は決定打となる有力候補はおらず、現職のトランプ大統領がかなり有利ということになります。トランプ大統領が敗れることがあるとすると、それはやはり経済が失速してしまい、支持率が低下する時だと思います。先日亡くなった、ジョージ・HW・ブッシュ元大統領がビル・クリントンに敗れた事例が思い出されます。

 

 2020年の米大統領選挙の結果は経済状況が左右するということになるでしょう。それでも今のところはトランプ大統領が優位にあるという結論になります。

 

(貼り付けはじめ)

 

サンダースは2020年の大統領選挙出馬を取り沙汰されているが「ウォール街民主党」を激しく批判(Sanders teases possible 2020 White House bid, tears into 'Wall Street Democrats'

 

オーウェン・ドアティ筆

2018年12月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/423055-sanders-tears-into-wall-street-democrats-campaigning-against-his

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は2020年の大統領選挙出馬の可能性が高いと見られている。サンダースは木曜日、「ウォール街民主党(Wall Street Democrats)」による、自身の進歩的な公約に反対する運動を激しく批判した。

 

サンダースはシンクタンク「サード・ウェイ(Third Way)」が早い時期に予備選挙が行われる各州で行っているテレビ広告を激しく批判した。サード・ウェイのテレビ広告はサンダースを名指しで攻撃している。サンダースは、彼の進歩的な公約を批判しようとしているグループを攻撃した。

 

資金提供を求めるEメールのメッセージの中で、サンダースは、「再び戦う」ための寄付を求め、次のようなメッセージを送った。「この国の政治、経済のエリートが2020年の米大統領選挙と連邦議会議員選挙、州知事選挙をお金の力で買い取り捻じ曲げ、進歩的な公約を支持する候補者たちを脅すようなことを私たちは決して許さない」。

 

メッセージは続けて、「エリートたちはサンダース派の候補者たちの出馬を思いとどまらせたい、もしくは落選させたいと望んでいる。更には進歩的な政策が推進されないことを確かなものにしたいと望んでいる」。

 

サンダースは、サード・ウェイのようなグループを「失敗に終わった企業最優先のアプローチ」に戻そうと望んでいると攻撃した。サンダースは、このようなグループは収入と財産の格差を増大させていると主張している。

 

メッセージでは更に「私たちが主張する政策はこの国の政治と経済の分野のエスタブリッシュメントに脅威を与えている」と主張している。

 

本誌の取材に対して、サード・ウェイの広報担当者は声明を送付した。その中では、民主党は「トランプを倒すための最善の機会」を持つ候補者たちに最大限の力を注ぐべきであり、2018年の中間選挙の結果から、サンダースは「そのためのテスト」に落第したことが「最終的に証明された」と述べられている。

 

マット・ベネットは本紙の取材に対して次のように勝った。「民主党が問いかけるべき最大の問題は、どの候補者が、どのような考えがトランプを倒す最善の機会を持つのか、ということだ。中間選挙は、サンダースがそのためのテストに落第したことを最終的に証明した」。

 

ベネットは更に次のようにも述べた、「民主党と無所属を支持する有権者たちが望んでいるのはサンダースの公約ではない。私たちが彼の資金集めの道具として使われていることは名誉なことだ。彼らは私たちを影響力がある批判者と考えて何とか利用しようと考えているのは明白だ」。

 

サンダースが2020年の米大統領選挙出馬を表明するとなると、トランプ大統領に挑戦する、ひしめき合っている民主党の予備選挙候補者の中に入ることになる。有力候補者として評判が高い政治家として、ジョー・バイデン前副大統領、ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長の名前が挙がっている。

 

本誌とハリスX社の共同世論調査の結果によると、2020年の大統領選挙に関する仮定の質問(今日が投票日としてどちらに投票しますか)について、トランプとサンダースはほぼ互角の結果となった。37%がトランプに投票すると答え、38%がサンダースに投票すると答えた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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