古村治彦です。

 

 エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の米大統領選挙民主党予備選挙出馬に呼応するかのように、正式にはまだ出馬宣言をしていないバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に対する包囲網が形成されつつあります。民主党エスタブリッシュメント、サンダース議員がウォール街民主党と呼ぶ勢力がこの包囲網形成を行っています。

 

 こうした動きの裏にはきっとヒラリー・クリントンがいるだろうと思っていましたが、ヒラリーが動き出していることを示す記事が出てきました。ヒラリーがキングメイカー気取りで、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員、ジョン・ヒッケンルーパー・コロラド州知事、エリック・ガルセッティ・ロサンゼルス市長といった人々と米大統領選挙に関して議論を行ったという記事が出てきました。

 

 ヒッケンルーパー知事とガルセッティ市長以外のハリス、ブッカー、ウォーレンの各連邦上院議員は、これまでにも民主党の有力候補の顔ぶれという記事では必ず名前が出て来ていました。ジョー・バイデン前副大統領、サンダース議員、ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)が人気のトップ集団とすると、それに続く二番手集団を形成している人物たちです。


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ヒラリーとエリザベス・ウォーレン

 これらの人々がヒラリーに面会を求め、助言を求めている、議論を行ったということは、ヒラリー派の色がつくことを厭わないが、表面上は党の融合と団結を打ち出していこう、ということになります。ヒラリー派宣言ということになります。こうなると、問題は、バーニー・サンダースと彼を支持する人々との戦いということになります。サンダース派とサンダース支持者の数は多くありません。社会主義者を自認する人が進歩主義的、かつ大企業、ウォール街を敵に回す公約を主張しているのですから、多数派にはなりません。前回もヒラリーが民主党の大統領選挙候補者となりました。

 

 しかし、民主党自体が盛り上がらず、全体に支持が広がらなかったのは、民主党予備選挙でサンダースが善戦したことで、ヒラリーとサンダースと間の攻撃合戦がずっと長引き、その結果、ヒラリーは共和党側からの攻撃と共に身内である民主党内からの激しい攻撃にも晒されるということが原因になりました。民主党全国委員会がヒラリーを贔屓していたことも明らかになり、党の大統領選挙立候補者を決める民主党全国大会もしゃんしゃん大会とはいかず、サンダースを支持する人々が抗議の声を上げ、サンダースがどうか止めてくれるようにと懇願する姿がありました。

 

こうしてみると、ヒラリーからすれば、自分が大統領になり損ねたのは、共和党の攻撃のせいというよりも、サンダースからの攻撃の方が原因として大きいということになります。

 

 サンダースとサンダースを支持する人々は、現在、サンダースに対する攻撃が既に始まっていることに怒りを持っているはずです。そして、こうした攻撃は、民主党エスタブリッシュメントがやらせていることも認識しているはずです。そうなれば、ヒラリー派という色がついた人物を攻撃することはあっても、応援することはないでしょう。

 

 そうなれば、結局、前回2016年と同じことの繰り返しということになります。現職大統領という最大のセールスポイント(bully pulpit)を利用するトランプが有利に事が運ぶということになります。

 

 民主党にとっての最大の選挙対策は、ヒラリーに引っ込んでおいてもらうということになります。しかし、それは不可能なようです。それは、ヒラリーの側近が「予備選挙の動向如何で物事は大きく変化する可能性を持っている」と語り、ヒラリーの出馬の可能性を匂わせていることからも明らかです。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヒラリー・クリントンからの支持を勝ち取るための静かな競争(The quiet race to win Hillary Clinton's endorsement

 

マイク・アレン筆

2019年1月4日

『アクシオス』誌

https://www.axios.com/2020-presidential-election-hillary-clinton-endorsement-8b686c6c-d624-40eb-8d50-5effacb3e46f.html

Several possible 2020 candidates have sought advice from Hillary Clinton, and she has meetings scheduled with additional hopefuls.

 

行間を読む:ヒラリー・クリントンは次の米大統領選挙について、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員、コーリー・ブッカー連邦上院議員、ジョン・ヒッケンルーパー・コロラド州知事、エリック・ガルセッティ・ロサンゼルス市長と議論を行った。ヒラリーの長年の側近2名が取材に対して答えた。

 

私は、この件が数か月続いており、これからも続くという話を聞いた。それは、ヒラリー・クリントンが話をしたいと言ってくる民主党の政治家とは誰でも話をするという姿勢を取っているからだ。彼女はいつも誰かと会っている。

 

ヒラリーの長年の側近であるある人物は「多くの人々が彼女の知恵を求めている」と語った。

 

この側近は「ヒラリーはトランプを大統領の座から追い落としたいと望んでいる。誰がトランプを倒すことができる、最適な人物なのか、彼女はまだ分かっていない。しかし、党の候補者指名を得るための戦いの激しさについてはよく分かっている」とも述べた。

 

立候補の可能性がある人々は「数多くの民主党員、民主党支持者がヒラリーを愛しており、米大統領選挙に再び出馬して欲しいと望んでいることを知っている」とこの人物は語った。

 

「目端の利く人物たちは、ヒラリーが、オバマを除いて、最も影響力のある支持者(支持を表明する人物)となることは認識している」とも語った。

 

ヒラリー・クリントンの報道担当ニック・メリルは私に次のように語った。「私は私的な会談についてコメントはしない。これからもそうだ。ヒラリー・クリントンは大統領選挙に出馬を考えている人とは誰でも、出馬に伴って起きる挑戦(とその他の重大事)、そして2016年の大統領選挙に向けた選挙戦期間で彼女が目撃したことから学んだ教訓について(ロシアのことは除いて)、喜んで話すというだろうと思われている」。

 

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ヒラリー・クリントンが2020年の米大統領選挙に出馬の可能性がある民主党の政治家たちと会談を持つ(Hillary Clinton is meeting with possible 2020 Democrats

 

ダン・メリカ(CNN)筆

2019年1月4日

CNN

https://edition.cnn.com/2019/01/04/politics/hillary-clinton-2020-meetings/index.html?utm_term=image&utm_source=twCNNp&utm_content=2019-01-04T15%3A44%3A02&utm_medium=social

 

CNN発。ヒラリー・クリントンからの支持を得るための競争が始まった。

 

元国務長官で2016年の米大統領選挙民主党候補者であるヒラリー・クリントンは、2020年米大統領選挙について、カマラ・ハリス連邦上院議員、コーリー・ブッカー連邦上院議員、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員、ジョン・ヒッケンルーパー・コロラド州知事、エリック・ガルセッティ・ロサンゼルス市長と議論を行った。ヒラリーに近い人物2名が取材に答えた。また、他の有力候補たちと話し合う計画があるとも述べた。

 

ヒラリー・クリントンと大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちが会談を持つということの意味は、候補者たちがヒラリーからの支持を重要視しているということだ。ヒラリーには現在でも熱心な支持者たちが多く存在するし(彼女はわずか2年前に6500万を超える票を獲得した)、強力な資金集めネットワークを維持している。

 

ヒラリー・クリントンに近い人物はCNNに対して、民主党の政治家5名がヒラリーと既に会談を持ち、その他にも会談の順番を待っている人たちがいる、こうした人々は大統領選挙に出馬する場合のヒラリーからの支持を求めようとしている。

 

取材に応じたある人物は「そうした人々はヒラリー・クリントンからの支持を求めているのは明白だ。その他の人たちも彼女に連絡を取って会談を持とうとしている」と語った。

 

ヒラリー・クリントンに近い人々の間にある共通理解は、前回の大統領選挙の民主党候補者であるヒラリーは今回の米大統領選挙民主党予備選挙には参加しないし、誰が党の候補者になっても支持することになる、というものだ。しかし、ある人物は、予備選挙の動向如何で物事は大きく変化する可能性を持っていると注意を促した。

 

ハリス議員、ウォーレン議員、ブッカー議員、ガルセッティ市長の各報道担当はコメントを拒否した。ヒッケンルーパー知事はCNNのコメントの求めに応じなかった。

 

『アクシオス』誌は、民主党の予備選挙に出馬する可能性がある候補者たちがヒラリー・クリントンと会談を持ったことを最初に報じた。

 

ヒラリー・クリントンの報道担当ニック・メリルは、階段の内容についてコメントすることを拒否した。

 

メリルは次のように語った。「私は私的な会談についてコメントはしない。これからもそうだ。ヒラリー・クリントンは大統領選挙に出馬を考えている人とは誰でも、出馬に伴って起きる挑戦(とその他の重大事)、そして2016年の大統領選挙に向けた選挙戦期間で彼女が目撃したことから学んだ教訓について(ロシアのことは除いて)、喜んで話すというだろうと思われている」。

 

CNNのMJ・リーとレベッカ・バックがこの記事の取材に参加した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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