古村治彦です。
バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が、2016年米大統領選挙民主党予備選挙に出馬し、選挙運動を行った中で、陣営にスタッフとして参加した女性たちが性的ハラスメントを受け、ハラスメントを上司に訴えたところ、不適切な対応をされたという告発が『ニューヨーク・タイムズ』紙と『ポリティコ』誌でなされました。
謝罪するサンダース
ニューヨーク・タイムズ紙で記事になって出た段階では、サンダースは「私は国中を廻るのに忙しくて知らなかった」と発言していましたが、先週、ポリティコ誌の記事が出た後、サンダースは謝罪しました。サンダース自身がハラスメントを行っておらず、ハラスメントが起きていた当時は知らなかったということですが、陣営の責任者として謝罪ということになりました。
2018年の中間選挙でのヴァーモント州の連邦上院議員選挙では、ハラスメントに対して厳格な対応を採ったということで、2016年の選挙後にハラスメントについての報告がなされていたのかもしれません。自分に最も近しい側近が性的ハラスメントを行っていたということで衝撃を受け、それで厳しい対策を採用したということもあるでしょう。
サンダースは2020年米大統領選挙民主党予備選挙への正式な出馬表明はしていません。しかし、各種世論調査では人気はトップ3に入る勢いです。サンダースに対する攻撃については既にこのブログでもご紹介していますが、今回の告発もその一環ということが言えるでしょう。
民主党予備選挙にエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出)、トゥルシー・ギャバ―ド連邦下院議員(ハワイ州選出)、フリアン・カストロ前住宅・都市開発長官(オバマ政権)・元テキサス州サンアントニオ市長が立候補を表明し、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出)、キリステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出)も出馬表明間近と言われています。人気トップ3であるジョー・バイデン前副大統領、サンダース議員、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出)はまだ出馬表明していませんので、最終的には10名程度が予備選挙に出馬するものと思われます。
前回はサンダースを支持したトゥルシー・ギャバ―ド議員も出馬しており、陣営の政敵ハラスメント問題もあり、サンダース支持は減少する可能性もあります。しかし、サンダースには是非出馬してもらって、討論会で民主党エスタブリッシュメント、ウォール街民主党の息のかかった候補者たちを攻撃してもらいたいともいます。
(貼り付けはじめ)
サンダースは2016年の大統領選挙運動のスタッフたちがハラスメント告発を行う中で謝罪(Sanders apologizes amid harassment allegations against 2016 campaign
aide)
マックス・グリーンウッド筆
2019年1月10日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/424756-sanders-apologizes-amid-harassment-allegations-against-2016-campaign-aide
バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は木曜日2016年米大統領選挙の陣営に参加した女性スタッフたちに対して謝罪した。女性スタッフたちは性的ハラスメントを経験したと告発していた。サンダースは選挙陣営のこのような問題に対する手続きが「明確に不適切」だったと認めた。
『ポリティコ』誌がある女性スタッフが2016年に首席スタッフだったロバート・ベッカーと外出した際に同意なしにキスをされたという告発内容を報じた。サンダースの発言が行われたのはこの記事が出た後だった。
サンダースは処方箋を必要とする薬剤に関する法案についての記者会見の席上、記者団に対して次のように語った。「私たちの選挙運動の一部でハラスメントを受け、かつ不適切に対応された女性たちがいたようだ。私は女性たちが声を上げてくれたことに心の底から感謝する」。
サンダースは更に次のよう述べた。「彼女たちが経験したことは全くもって受け入れられないものであり、進歩派の選挙運動だけでなくいかなる選挙運動においても存在してはならないものだ」。
水曜日深夜に『ポリティコ』誌の記事で明らかにされた告発は、2016年米大統領選挙民主党予備選挙におけるサンダースの選挙運動に関する最新の報道となった。
先週、『ニューヨーク・タイムズ』紙はサンダース陣営で働いた約10名以上の女性たちからの告発を報じた。彼女たちはハラスメントを受け、上司にハラスメント被害を訴えたが適切に対処されなかった。
サンダースの2020年米大統領選挙出馬の可能性が高まる中で、多くの告発が出てきた形だ。サンダースの連邦上院議員選挙の選挙委員会「フレンズ・オブ・バーニー」は、ポリティコ誌の取材に対して、2016年の際に首席スタッフだったベッカーはサンダースのこれからの選対に参加することはないと答えた。
木曜日、記者団を前にして、サンダースは、「職場における態度と行動を変える文化大革命(cultural
revolution)」の必要性を訴えた。サンダースは、2018年の連邦上院議員選挙での再選を目指す中で、自身の選対が、スタッフに対する訓練と外部の人事専門企業を採用し、スタッフが懸念を報告できるようにしたことを含む「アメリカ国内でも最も厳しい性的ハラスメント対策を採用した」ことを強調した。
サンダースは次のように述べた。「今日そして明日仕事に行くこの国に住む女性全てがハラスメントのない、安全な、そして快適な環境で働くことを確実なものとする権利を持つ。私はこのことが実現するように努力を傾ける」。
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サンダースは2016年の選挙運動に関するハラスメントの告発が行われる中で謝罪を行った(Sanders
apologizes amid harassment allegations involving 2016 campaign)
モリー・K・フーパー筆
2019年1月11日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/hilltv/rising/424795-sanders-apologizes-amid-harassment-allegations-involving-2016-campaign
バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は木曜日、2016年の米大統領選挙においてサンダース陣営で働いていた時に性的なハラスメントを受けたと告発している女性たちに謝罪した。
2020年の米大統領選挙出馬の可能性を持つサンダースは木曜日、処方箋を必要とする薬剤に関する法案についての記者会見の席上、記者団に対して次のように語った。「私たちの選挙陣営に参加し、外出した際にハラスメントを受けた女性たちに、私は謝罪する。私たちの定めた基準、手続き、保護手段は全て不十分かつ不適切であった」。
2016年の選挙陣営にいて性的ハラスメントとそれに対する不適切な対処が行われたという告発を『ニューヨーク・タイムズ』誌と『ポリティコ』誌が報じた後に、サンダースの発言は行われた。
サンダースは選挙期間中に告発された内容について知っていたかと問われ、「ノー」と答えた。
ポリティコ誌が宣教陣営の内部で人種差別に関する案件が発生し、そのことで和解が成立したと報じているが、サンダースはそのことについて承知していないと答えた。
サンダースは木曜日、次のように語った。「私たちの選挙運動の一部において、外出した際にハラスメントを受けた女性たちがいたようだ。私は女性たちが声を上げてくれたことに心の底から感謝する。彼女たちが経験したことは全く受け入れられないものであるし、進歩主義を標榜する選挙運動だけではなく全ての選挙運動においてそうであってはならないものである」。
サンダースは更に次のように述べた。「私が耳にした告発内容は、全く受け入れられない行動であって、いかなる選挙運動であっても許容されてはならないものだし、わが国のいかなる職場においても許容されてはならない」。サンダースは、2018年の連邦上院議員選挙で再選を目指した彼の選挙陣営では、性的ハラスメントに対処する方法を変更したとも付け加えた。
サンダースは次のように述べた。「私たちはアメリカでも最も厳しいハラスメント対策を打ち出した。それにはハラスメント問題について全ての職員が採れイニングを受けることやハラスメント受けたと考える女性が選挙陣営から独立した人事専門企業に電話をして懸念を伝える機会を持てるようにすることが含まれている」。
サンダースは、「この国の女性全て」が「ハラスメントのない環境」で働くことを確かなものとするために職場での態度や行動を変える「文化大革命(cultural revolution)」が必要だと訴えた。
(貼り付け終わり)
(終わり)
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