古村治彦です。

 

 アメリカ政府の機能が一部停止になってもうすぐで一カ月が経とうとしています。トランプ大統領がアメリカとメキシコの国境に壁を建設するための予算約50億ドルを要求している一方、民主党側は壁建設自体を認めないということで対立しています。

 

連邦下院は民主党、連邦上院は共和党が過半数を握っており、連邦下院で壁建設予算抜きの予算案が可決されて連邦上院に送られても、連邦上院ではトランプ大統領の支持を受けていない法案は採決しないとして棚ざらしにされ、連邦上院で壁建設予算を含む予算案を可決して連邦下院に送っても否決されてしまうということで、予算が可決されずに、政府機能が一時停止されることになりました。政府機能の約4分の1、約80万人の連邦職員が出勤できない、もしくは給料の支払いがない状態で働いているということになっています。

 

 この膠着状態を打開しようと、ホワイトハウスと連邦議会民主党執行部との間で話し合いが行われていますが、着地点が見いだせないままです。トランプ大統領は国家非常事態宣言を行い、現在の予算を組み替えて壁建設の予算を捻出し、建設をすぐに始めたいという意向を表明しています。しかし、この状態での国家非常事態宣言は裁判闘争を誘発し、壁建設はすぐには取り掛かれない状況になる可能性が極めて高くなっています。また、大統領にとって何か都合の悪いことがあると国家非常事態宣言を使える、という前例を残すことは、民主、共和両党にとって良くないことだという認識もあるようです。


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 連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、2019年1月29日に予定されている一般教書演説の延期、もしくは文書だけでの発表を主張し、それに対して、トランプ大統領はアメリカ軍の飛行機を使っての連邦議員の外国訪問を差し止め(予算の執行停止を理由に)、今週末に予定されていたペロシ議長をはじめとする議員たちのアフガニスタン訪問を中止させました。お互いに一歩も引かないチキンレースとなっています。

 

 2019年1月20日にトランプ大統領はホワイトハウスからテレビを通じて演説を行いました。国家非常事態を宣言するのではないかという観測も流れましたが、それはなく、トランプ大統領は「常識に沿った妥協」として、DACATPSの延長を行うので、壁建設の予算を認めて欲しいと訴えました。

 
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 DACAとは、子供(未成年。被保護者)の時に親が不法移民する時に一緒にやってきた人々(ドリーマーズと呼ばれます)が国外退去処分を保留され、アメリカで就労が出来るようにするものです。TPSは、指定された国々(自然災害や天災がある)の人々がアメリカに滞在し、就労できるようにするもので1990年からこの措置は採られています。

 

 トランプ大統領は国家非常事態を宣言しませんでした。そして、「妥協」を提案しました。これに対して、民主党側からは、これは妥協ではない、まず政府機能を再開してそこから話し合うべきだ、DACATPSで人々を人質にとって、壁建設の予算を獲得しようとしていると批判がでました。今回のトランプ大統領の提案は、今週、連邦上院で採決されることになりますが、可決には100名のうち60名の賛成が必要で、共和党所属議員全員に加え、民主党所属議員からの賛成が必要となります。

 

 一方、保守派からは、不法に入国した人々に恩赦を与えるようなものだ、とトランプ大統領の提案に対して批判が出ています。トランプ大統領当選の原動力となった人々からの批判ということになります。

 

 トランプ大統領としては、「民主党にここまで譲歩してやったのに、認めないのか」ということにして、国家非常事態宣言をしやすくする狙いがあるのかもしれませんが、国家非常事態宣言を行えば、民主党側が裁判闘争に持ち込んで、泥沼になり、合法性が認められないということになると、トランプ大統領にとっては大きな痛手となります。

 

 2019年1月29日には一般教書演説が予定されています。大統領が連邦議会を訪問し、そこでアメリカの現状と自身の政策について演説を行います。政府機能が閉鎖されたままでの一般教書演説は初めてのことだろうと思います。また、ここまで深い対立のまま迎えることも珍しいと思います。一般教書演説でトランプ大統領が民主党をあしざまに罵り、民主党の連邦議員たちが大量に欠席するということになると、アメリカ政治の分裂は覆い隠すことが出来ない状況となります。一般教書演説は、State of the Union Addressと言いますが、Union、まとまり、団結がほどけていくという示すことになるかもしれません。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領が民主党からの反撃の中、政府機能再開のために新しい計画を提案(Trump pitches new plan to reopen government amid Dem pushback

 

ジョーダン・カーニー筆

2019年1月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/426178-trump-pitches-new-plan-to-reopen-government-amid-dem-pushback

 

トランプ大統領は土曜日、壁建設のための予算を書類が不備の不法移民に対する保護とリンクさせる計画を提案した。これは、数週間継続している政府機能一部閉鎖を解除するための道のりとしての提案である。しかし、民主党側から早速反撃を受けている。

 

トランプ大統領の演説はホワイトハウスからテレビ中継された。若年移民に対する国外強制退去の延期措置(DACA)による保護を更に3年延長し、一時的な保護状況(TPS)によって守られている人たちへの保護を更に3年延長する、その代わりに国境の壁建設のために50億以上の予算をつける、というのが提案の内容だ。

 

トランプ大統領は「ワシントンにいる民主、共和両党は協力しなければならないことは簡潔な事実としてある。お互いの主張に耳を傾けねばならないし、武器をいったん置かねばならない。信頼を醸成し、お互いに通じ合い、解決を見つけねばならない」と述べた。

 

トランプは更に、2018年12月末からワシントンを麻痺させている「行き詰まりを打開」するために新しい計画を提案するとした。政府機能の一部閉鎖で、政府機関の4分の1が閉鎖となり、およそ80万人の連邦政府職員が出勤できないか、給料が支払われない状況で働いている。

 

政府機能の一部閉鎖は、現代史において最長の予算の執行停止となっている。閉鎖は29日目となっている。アメリカ・メキシコ国境に沿って壁を建設するというトランプ大統領の提案のために予算を巡り、行き詰まりが起きている。

 

各種世論調査によると、アメリカ国民の過半数は、政府機能の一部閉鎖について、トランプ大統領の責任であると答えている。しかし、土曜日午後に行われたトランプ大統領の演説は、民主党側に彼の計画を支持し、交渉のテーブルに戻るように圧力をかけるものであった。

 

トランプ大統領と連邦議会民主党執行部との間の会談は、行き詰まりを見せている。今月初めの会談で、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が、大統領が政府機能を再開しても壁建設の予算について話し合うことはないと述べ、それを受けてトランプ大統領が席を立った。それ以来、事態は膠着している。

 

トランプは自身の提案を実現させようとしている。そのため、国境には「緊急の行動」が必要な「危機」が存在するという主張を行っている。

 

トランプ大統領は次のように述べた。「不法移民は賃金を低下させ、公共サーヴィスに大きな負担をかける。国境の流入・流出のコントロールが欠如すると、それが、犯罪者とギャングがアメリカに入国するための玄関口、広く開かれた玄関口となる」。

 

トランプ大統領は、民主。共和両党の幹部たちと協力してきた、と強調し、そして、自分の提案を支持することを求めた。大統領は提案を「多くの妥協」を伴う「常識」だと述べた。

 

トランプ大統領は「私たちは、民主、共和両党が熱意をもって提案を支持してくれることを願っている。今回の提案は民主、共和両党が受け入れることが出来る、常識に沿った妥協である」と述べた。

 

トランプ大統領は次のように述べた。「私たちの計画の中で、民主党幹部の優先事項に協力したので、私たちの計画について支持をしてくれることを希望する。これは常識に沿った妥協であり、民主、共和両党は受け入れることが出来るはずだ。過激な左派が我が国の国境についてコントロールすることはできない」

 

トランプ大統領は、連邦上院多数派院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)が来週、トランプ大統領の提案した内容の法案を採決にかけることを約束したと述べた。マコーネル自身も法案を採決にかけることを認め、「今こそ法制化する時だ」と述べた。

 

マコーネルは声明の中で次のように述べた。「超党派の協力によって、連邦上院は法案を可決してそれをすぐに連邦下院に送ることが出来る。連邦下院もそれで行動に移ることが出来る。出勤することが出来ない連邦政府職員たちの状況は深刻であり、国境での危機は、見せかけの投票では改善されない。しかし、大統領の計画は政府機能閉鎖と国境での危機という2つの問題を解決する方向に進ませる道筋である」。

 

マコーネルはこれまで連邦下院が可決した、政府機能を再開するが国境に関する追加的な予算は含まない予算案の可決を阻止してきた。マコーネルは今週初め、連邦上院においては、トランプ大統領と連邦議会民主党執行部との間で合意が成立した法案だけを採決にかけると発言した。

 

マコーネルはペンス副大統領とトランプ大統領の娘婿で上級補佐官のジャレッド・クシュナーと木曜日に会談を持った。そこで政府機能の一部閉鎖を終わらせる道筋について議論が行われた。連邦下院共和党は土曜日夕方にトランプ大統領の提案について議論を行うように求めると見られる。

 

トランプの提案には、8億ドルの緊急人道支援、2000名以上の国境管理職員と警備職員の増強、75名の移民判定半次の増加が含まれている。また、また大統領は、230マイルに及ぶ追加的な壁とフェンスの建設も要求している。

 

しかし、民主党は演説の前に、既に報道されていた大統領による移民に対する一時的な緩和と引き換えに壁建設予算を要求するという内容に対して、反撃をしていた。民主党は今回の争いが膠着状態に陥っていることの本質を明確にしつつ、攻撃を行っている。

 

トランプ大統領の演説の直前にペロシ議長は声明を発表し、その中で次のように述べた。「民主党は、トランプ大統領が最終的に政府機能の再開に合意し、国境警備に関して緊急に必要な議論を行うと願っていた。大統領の考えていることは何一つ連邦下院では可決されない。これらを全部合わせてみても、全くもって出発点になどならない」。

 

トランプ大統領とペロシ議長との間の緊張は、ペロシ議長が2019年1月29日に予定されている一般教書演説を延期するように求めてから高まっている。トランプは対抗策として、連邦議員たちによるアメリカ軍の飛行機を使っての移動や旅行を差し止めた。その中には、今週予定されたペロシ議長のアフガニスタン訪問も含まれている。

 

連邦下院歳出委員会院長ニタ・ローリー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、トランプ大統領は、政府機能を再開させて、その後に連邦議員たちと移民政策と国境警備について交渉を行うようにしなくて貼らないと発言した。

 

ローリーは次のように述べた。「ドリーマーズ(DACAによって守られている人々)とTPSを受けている人々を守ることは正しい。大統領は、無駄に終わる壁建設のための予算を得るために、これらの人々を人質に取っている。これは間違っている。壁建設のための予算は、国境警備のためにより効果的に使うことも出来る。大統領の交換条件、移民の一部に対する一時的な保護と引き換えに無駄な仕事となる国境の壁建設を行うという提案を受け入れることはできない」。

 

連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、トランプ大統領にとって、今の状況を打開するための唯一の方法は、「政府機能を再開し、民主、共和両党が公開の場で議論を行い、超党派の解決に至ることだ」と述べた。

 

シューマーは更に次のように述べた。「DACATPSの保護を一方的に持ち出して、それと交換で壁を建設するというのは妥協ではなく、人質を取ったようなものだ。これをやったのがトランプ大統領なのだ」。

 

民主党の幹部職員2名は匿名で、民主党側は、トランプの提案内容について事前に相談はなかったと述べている。また、民主党が連邦下院で過半数を占めており、連邦上院でも提案内容については採決をして見なければどうなるか分からないとしている。

 

連邦下院民主党のある幹部職員は次のように述べた。「これまでにも似たような、不適切な提案がトランプ政権側から出され、民主党はそれらを拒絶してきた。ブリッジ法案(BRIDGE ACT)はドリーマーズに対する完全な保護ではないし、永続的な解決策ではない」。

 

この人物は続けて、「大統領による、無駄に終わるであろう、57億ドルの壁建設予算が含まれているので、これは妥協などではない。この壁建設の予算の要求から政府機能閉鎖が始まったのだ」と述べた。

 

テレビ中継された演説を行う直前、トランプ大統領は大統領執務室で帰化が認められた人々に対する帰化セレモニーに参加した。イラク、イギリス、ジャマイカ、ボリヴィア、韓国から新たにアメリカ市民となった人々がアメリカへの忠誠を誓った。

 

トランプ大統領は次のように述べた。「皆さんは新しくそして素晴らしい冒険の出発点に立っています。皆さんはアメリカ人として権利と自由を享受されます。あなた方に成し遂げられないものは存在しません。しかし、市民権には大きな責任を伴うものです」。

 

「ブリッジ」法案はリンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)とディック・ダービン連邦上院議員(イリノイ州選出、民主党)が以前に共同で提出したもので、「ドリーマーズ」(子供の時に不法にアメリカにやってきた移民たち)に3年間「一時的な保護」とアメリカ国内での就業を可能にすることを認める内容である。この法案は、連邦議会がより広範な移民に関する合意実現に努力しながら、連邦議員たちが長年にわたって逃げ続けてきた移民政策に関する弥縫策なのである。

 

とりあえずの一時しのぎのための法案は、トランプ大統領のDACAを終わらせようとする動きに対し各裁判所がそれを阻止した後に、指示を集めるようになった。DACAは2012年にオバマ前大統領が実行したもので、被保護者の時に不法にアメリカに入国した移民たちに対して、国外退去処分を保留して、アメリカ国内で就労する権利を与えるものだ。

 

「一時的保護状態(TPS)」は1990年以降、様々な形態で実行されてきた。TPSは、自然災害、もしくは人災が現在も続いている国々が指定され、それらの国々の市民がアメリカ国内で就労し、滞在することが出来るとするものだ。

 

二人目の民主党の幹部職員はトランプ大統領からの提案を「全く真剣さに欠けた生産物」と評した。

 

この人物は次のように語った。「トランプ大統領からの提案について民主党は事前に何の相談も受けなかった。民主党は以前にも似たような申し入れをことごとく撥ねつけてきた。今回の提案は全く真剣さに欠けた生産物である。今回の提案は、大統領が作り出したごみをきれいにしようとしてホワイトハウスのスタッフたちが話し合ってみて出てきた不真面目なものだ。大統領は壁建設のために多くの人間を人質に取っているようなものだ」。

 

トランプ大統領の提案を実現するためには、マコーネルは少なくとも7名の民主党所属の連邦上院議員の支持を勝ち取らねばならず、更に、共和党所属の連邦上院議員全員を団結させて、提案を支持させねばならない。

 

民主党所属の連保上院議員の中には、リンゼイ・グラハム(サウスカロライナ州選出)、スーザン・コリンズ(メイン州選出)、リサ・マコースキー(アラスカ州選出)といった共和党所属の連邦上院議員たちのグループと超党派の交渉を行っている人たちもいるが、この中の誰もトランプ大統領の考えを支持しようとする人は出て来ていない。

 

超党派グループに属しているティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)は土曜日の午前中に、民主党は政府機能再開が最初に来るべきだとする、超党派グループの姿勢を支持していると述べた。

 

ケインは、政府機能再開前に交渉が成立し合意が出来てしまうことは、「政府機能閉鎖を交渉の道具として使うことがこれからも起きてしまうこと」になると懸念を表明した。

 

ケインは本紙の取材に対して、「政府機能の再開がまず行われねばならない。政府機能が再開された後ならば、そこで何かの合意がなされてもそれは納得できるものだ」と述べた。

 

ボブ・ケイシー連邦上院議員(ペンシルヴァニア州選出、民主党)は、トランプ大統領はまず成否機能を再開させねばならないと主張した。ペンシルヴァニア州は2016年の大統領選挙でトランプ大統領が勝利した州だ。

 

ケイシーは次のように述べた。「トランプ大統領は自身が始めた政府機能閉鎖を終わらせ、政府機能を再開させねばならない。政府機能が再開されたのち、民主、共和両党は国境警備の様々な方策について、そして移民システムの改革について、話し合うことが出来る」。

 

 

In addition to the uphill battle to win over Democrats, Republicans could also face criticism from some members of their own base, who will pressure them to oppose making any immigration deal with Democrats.

 

トランプ大統領は、保守派の論客や支持基盤からの批判の中で、強硬な姿勢から後退し、連邦議会と移民に関して何らかの合意を結ぶかもしれないという姿勢を示唆していた。

 

土曜日のトランプの演説直後から右派の日人からの攻撃が始まった。

 

保守派の論客アン・コールターは、トランプ大統領の提案を「恩赦の合意」と評した。

 

コールターは大統領選挙で敗れたジェブ・ブッシュに言及しながら、ツイッター上で、「トランプ大統領は恩赦を提案した。私たちはトランプに投票したつもりだったが、出てきたのはジェブだった」と書いた。

 

「ナンバーズUSA」会長のロイ・ベックは、トランプ大統領の提案は、「トランプの選挙における公約で中心に置かれていた忘れられたアメリカの労働者たちの敗北を意味する」と述べた。

 

ベックは次のように述べた。「恩赦と壁建設の取引は移民法を破った人々を助けるものであり、将来移民法を破る人々の出現を阻止するものではない。このような恩赦の取引は更なる集団的不法移民、更なる不法な越境者、更なる不法滞在者を、不法に入ってきた労働力との競争に直面している最も攻撃に晒されているアメリカの労働者たちの負担で、招き入れる誘引を与えるものである」。

 

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トランプ、連邦議会が史上最長の政府機能閉鎖記録を更新(Trump, Congress break record for longest shutdown

 

ジョーダン・カーニー筆

2019年1月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/425012-trump-congress-break-record-for-longest-shutdown

 

一部政府機能併催は現在までに、現代史上最長の予算執行停止状態となっている。ビル・クリントン政権下の21日間という記録を破った。

 

今回の政府機能停止の記録更新という不名誉な記録は2018年12月22日に始まり、長引く争いの解決に向けた動きの兆候すら見えない。トランプ大統領と民主党側の話し合いは行き詰っている。共和党穏健派による解決に向けた話し合いのための努力も実らなかった。連邦議員たちは月曜日午後までワシントンDCを離れている。従って、政府機能閉鎖は少なくとも24日間続くことになる。

 

ホワイトハウスと連邦議会民主党執行部の連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出)と連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出)は、トランプ大統領が提案している国境の壁建設の予算を巡り、対立している。しかし、いつどのように膠着状態が終わるかについて、連邦議員たちも政権幹部たちも同様に分からない状況に置かれている。

 

連邦上院歳出委員会委員長リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラスカ州選出、共和党)は、トランプ大統領と連邦議会民主党の間でどのような妥協がなされるのか、まったく見当がつかないと述べた。

 

政府機能閉鎖解除の道のりについて本誌がシェルビー議員に取材した際、議員は「それは重要な質問だ。今回の問題について核となる疑問だ。ここにいる私たちの誰もが持っている疑問だ。その答えは誰も分からない。私はいくつか考えを持っているし、皆何らかの考えを持っている」と述べた。

 

しかし、シェルビー議員は、トランプ大統領と連邦議会民主党がとりあえず話し合いを始めない限り、「状況は混とんとしたままで、サーカスのようなもののままだ」と述べた。

 

約4分の1の政府機能が2018年12月22日から閉鎖されたままだ。トランプ大統領が、連邦上院が可決した7週間のつなぎ予算に署名しないと示唆してから、閉鎖が始まった。連邦下院の保守派議員たちが提出した50億ドルの壁建設予算を含む予算案は否決された。

 

予算執行停止によって80万人の連邦政府職員が出勤できないか、無給で働くという状況になった。連邦政府職員たちは金曜日に渡される最初の給料を受け取れなかった。

 

連邦議員たちは、有権者に対する新たな財政負担が連邦議会とトランプ大統領との間に合意をもたらすための圧力となることを願っている。

 

しかし、政府機能閉鎖が更に数週間延長し、来月まで続くことを示す兆候が既に出ている。

 

政権幹部たちは本紙の取材に対して、予算管理局が2月までの政府機能一文閉鎖に対する準備を進めており、ホワイトハウスの補佐官たちは、2019年1月29日に予定されているトランプ大統領による一般教書演説を使って、アメリカ・メキシコ国境に沿った壁建設に反対している民主党に痛撃を与えることについて議論を行っている。

 

連邦下院民主党は今月初めに2019年2月8日までの国土安全保障省の予算をつけ、その他の影響を受けている各省庁には9月30日、2019年度の一杯の予算をつけるという予算案を可決させた。連邦下院民主党は更に各省庁の決算法案を可決させつつある。

 

しかし、こうした法案は連邦上院では行き場のないものとなる。連邦上院多数派院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員は、大統領からの支持がない限り、これらの法案を採決にかけることはないと公言した。木曜日、連邦上院民主党が、連邦下院が可決した政府を全面的に再開させる予算案の採決をマコーネルは阻止した。

 

マコーネルは連邦上院の議場で次のように述べた。「私たちが今現在においてやらねばならないことは、民主、共和両党の間で意味のないやり取り、見せかけだけの投票をするということではない」。

 

共和党所属の連邦上院議員の中には、連邦下院が可決した個々の省庁の予算案を可決させること、もしくは民主党側とトランプ大統領が国境の壁建設を巡り争っている間に政府機能を完全に再開するための決議を行うことを公然と支持する人たちも出ている。しかしながら、共和党所属の連邦上院議員の中で、これらの方策について連邦上院で採決を行うように求めた議員は出て来ていない。

 

リサ・マコースキー連邦上院議員(アラスカ州選出、共和党)は、金曜日に連邦上院が閉会する前に議場で演説を行い、その中で「政府機能の閉鎖は統治の一環とは言えない。誰もそれによって得をしない」と述べた。

 

この期間、トランプ大統領は、南部国境における移民の状況について国家非常事態を宣言するかどうかではっきりした態度を示してこなかった。国家非常事態を宣言すれば、国境の壁建設のために連邦予算の一部の転用を求めることが可能となる。

 

金曜日、トランプ大統領はホワイトハウスにおいて記者団を前に、壁建設を即座に始めるために国家非常事態宣言を行う権限を持ってはいるが、「拙速に行うことはない」と述べた。

 

トランプ大統領は「国家非常事態宣言を行うことは容易だ。しかし、連邦議会はそのようなことがないように行動すべきだ」と述べた。そして、宣言を行うことで裁判闘争が始まり、壁建設が数カ月も遅れてしまうことになるので、できれば宣言はしたくないとも述べた。

 

トランプ大統領は、予算を巡る争いから抜け出すために国家非常事態宣言という考えをちらつかせている。大統領は、フォックス・ニュースのアンカーであるシーン・ハニティに対して、「連邦議会との交渉がまとまらない場合には、国家非常事態宣言を行う可能性は極めて高い」と述べた。

 

トランプの側近の中には、国家非常事態宣言に突き進むべきだと公の場で表明する人物も出ている。「民主党は壁建設の予算を絶対に認めないのだから」と主張している。水曜日、トランプ大統領とペロシ議長は怪談を持った。その際、ペロシ議長は、たとえ大統領が政府再開に合意したとしても、国境の壁建設の予算のために議論をすることは決してないと述べた。トランプ大統領はすぐに席を立ち、ホワイトハウスを後にした。

 

リンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は金曜日、トランプ大統領との会談の後に声明を発表した。リンゼイは声明の中で次のように述べた。「民主党は問題を解決することよりも大統領への憎悪を優先させている。国境警備の問題は過去に民主党も深刻なものだと認識していたはずだ。民主党は2020年の米大統領選挙においてトランプ大統領を倒すために持てる力すべてを投入することになるだろう」。

 

グラハムは更に「大統領閣下、今すぐに国家非常事態を宣言すべきだ。今すぐに国境の壁を建設すべきだ」と述べた。

 

しかし、国家非常事態宣言という考えに対しては、連邦上院共和党と連邦下院のトランプと同盟している保守派議員たちから公の場で反撃を受けている。国家非常事態宣言は裁判闘争に直面し、将来の民主党所属の大統領に同様の手段を与えてしまうことになると警告を発した。

 

チャック・グラッセリー連邦上院議員(アイオワ州選出、共和党)は金曜日記者団に対して次のように述べ得た。「大統領は国家非常事態を宣言してはいけないと考えている。連邦議会の一員として、予算を配分するために憲法上与えられた権力について私は自分の両親に基づいて行動すべきだと考えている。国家非常事態宣言は間違った方策だと思う」。

 

トランプ大統領が国家非常事態を宣言するならば、民主党側は彼の行動の合法性を捧呈で争うことになるだろう。民主党側は宣言の無効決議を行うことが出来る。トランプの宣言を無効にするための決議には過半数の賛成だけでよい。

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シューマーはトランプ大統領による国家非常事態宣言は法廷に持ち込まれて機能が停止することになるだろうと述べたが、同時に彼自身とペロシは立法府としての方法を採用して阻止するということも明らかにした。

 

シューマーはポッドキャスト「ポッド・セイヴ・アメリカ」とのインタヴューの中で、「トランプ大統領の国家非常事態宣言を法的に阻止することになると思う」と述べた。

 

シューマーは更に、「ナンシー(・ペロシ議長)と私でこの件についてこれまでも話し合ってきたことは皆さんご存知だと思う。私たちは立法府としての方法で宣言を阻止することが出来るという考えで一致している」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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